このせつはどうも!!
急ですが、尊敬するclover1517のさっちゃん様が企画されました「このせつtoLOVERろう企画!」に参加させてもらうことに決めました!!
毎土企画が記念すべき150回目を迎えたということで、迷って迷ってこの機会に、と・・。
まだまだ未熟者なのでお恥ずかしいですが、やっぱりこのせつ盛り上げていきたいので勝手に参加します(*^_^*)
初毎土です。緊張します。どうしよ(((゜Д゜;;
キーワードは「星、魔法、胸」です(^^)
今こそ、このせつに藍を捧げます。
『真夜中の散歩』
闇が深くなった深夜0時。明日は金曜日だというのに、一日早めの休日気分で、体はベッドへ向かおうとしない。ルームメイトは実家に帰っているから、今この部屋の主は私一人だけ。占領できることをいいことに、出しっぱなしのこたつに体を埋めて、テレビを眺める。
画面の向こう側では、芸人がわめき散らしながら、一生懸命しゃべっていた。芸人の周りの人達は、ゲラゲラとお腹を抱えているけど、こちら側の私はニヤリともできない。
冷めた目で、画面のテロップを追う。
バラエティー特有の画面の明るさにだんだんうんざりしてきて、チャンネルを手にした。動作に合わせて変わる画面。この時間は、おもしろくないバラエティーか、スポーツニュースのどちらかだった。
寝ようかな。
期待できないテレビ番組に見切りをつけて、床に就こうか。
目はギラギラに冴えていて、到底眠れそうにもないけど、ボーっとテレビを眺めることも無意味な気がした。
チャンネルの電源ボタンを押すと、こちらに向かってしゃべっていたスポーツキャスターは消えた。
急に無音になる室内。
こたつから足を出して、立ち上がった。
時、静寂は破られた。音源を辿ると、こたつの上の携帯電話と判明。軽いメロディーを鳴らしながら、早く取ってと言わんばかりに震えている。
こんな時間に?誰
疑問に思いながら手にとって開いて見ると、『お嬢様』の文字。
一瞬その名前に目が点になって、通話ボタンを押す。
「もしもし?」
「もしもし、せっちゃん?」
「はい」
「寝てたぁ?」
「いえ・・・。どうされました?」
「や、ううん。特に、用はないんやけど、声聞きたなって」
「あ、そーで・・す、か」
・・って、
え。
一拍遅れて大きく心臓が跳ねた。
受話器を通して一瞬の沈黙が訪れる。どう返そうかとアタフタしてたら、徐々にケラケラ笑う声が受話器の向こうから聞こえてきた。
「ちょ、固まらんといてやー。冗談や、冗談ー」
「あ、冗談ですか・・」
なんだ、冗談か。
からかわれた。思って、恥ずかしさで熱くなる。
ほんとにもう。何だと言うのだ。
「・・怒った?」
笑うのをやめたお嬢様。すぐに許してしまうのも悔しくて、
「いえ。別に」
拗ねたふりをしてみる。
その様子に気づいてか、ふふって笑われて、ますます恥ずかしくなる。
「うそ。ほんまは半分ほんまや」
「半分ですか」
「うん。半分」
半分。きっちり言われてまたグサリ。傷つけるために電話してきたのだろうか。
「お嬢様、一体どうしたんですか」
今度はちょっと怒ったように突き詰めたら、あーごめんごめん、とのんびりな返事。
「今日な、月めっちゃ綺麗やねんで。せっちゃんにも教えてあげようと思って」
「月、ですか?」
「うん!」
月か。それで電話してきたのか。
意外な行動に内心驚きながら、そのお嬢様の言う綺麗な月を見るためベランダのドアを開けて、外に出る。
空を見上げると、満天の星。澄んだ空いっぱいに広がっていた。でも、月が。
「私のところからは見えないみたいです」
きっと建物の裏側にあるのだろう。そう思って、ベランダのさくに体を乗り出して建物の上の方を見る。
やっぱり見えない。なんだ。がっかりだ。
「せっちゃん」
「はい」
「せっちゃーん!」
「は・・」
あれ。
呼ばれた声に疑問を感じて、上を向いていた顔を下げる。と、同時に目に入った。下でニコニコしながら大きく手を振っている彼女が。
「えっ!お嬢様!?いつからそこに!?」
「ずっといたのに、せっちゃんお月様に一生懸命で全然気づいてくれへんのやもん」
ケラケラ笑う声がまた聞こえた。今度は受話器からだけじゃなくて、地上からも。
自分の身を乗り出して月を探していた姿を想像して、またカッと熱くなった。
「とっ、とにかく、そこに行きます!」
急いで部屋を通り抜け、下へと階段を降りる。
何かを期待しているからなのか、階段をすごい勢いで降りているからなのか、胸が早鐘を打ち出す。
寮の扉を開けたら、小さく見えていたお嬢様が、今度はすぐ近くにいた。
「お嬢様!」
「わっ早っ!せっちゃん」
まだ、一分も経ってへんよ?
あまりにも私が早く登場したことに、お嬢様はクスクス笑う。途端に盛り返す熱。
すぐに会いたかったなんて言えない。
「それに・・」
お嬢様は意地悪な顔をして言った。
もう電話いーのにって。
言われて見たら、携帯はまだ耳の横。役割を果たそうと私の手に握られていた。
「あっ、す、すいません・・」
あんまりにも慌てて出てきたことがバレバレで、急いで携帯をしまった。
「慌てん坊さんやなーもう」
「はぁ・・」
穴があったら入りたいとは、このことだ。顔から火が出そうなほど熱い。
それにしても。
「お、お嬢様、ここで何を?」
「だから、月見てるんやんか」
もうっと、呆れた風な顔をする。
ほらあそこ、そう言ってお嬢様が指差した先には確かにまん丸なお月様が浮かんでいた。綺麗に光って、空を照らしている。
「えっ、でもどうしてここで?」
だって時間が時間だ。散歩して月を見つけた、なんて夜を徘徊する趣味、お嬢様にあっただろうか。
「んー。だから言ったやん。半分やって」
「はぁ」
「声聞きたいの半分、会いたいの半分、これがほんま」
にっこり、そう言って笑ったお嬢様は、照れくさそうに月を見ながら、足をブラブラさせた。
完全に不意をつかれた。
まるで魔法にかかったかのように、その姿に釘付けになって目が離せなくなる。
やばい、可愛い。
「こんなロマンチックなこと、するんですね」
「やろ〜?普通に会いに行くのつまらんなぁ思って」
こんなことしてしまいました。
舌を出してクスクス笑う姿は、無邪気で、可愛くて、愛おしかった。
嬉し恥ずかしさで、何と言ったらいいか分からなくて困ってしまう。そんな私に、またお嬢様は意地悪な顔をするんだ。
「ドキドキした?」って。
正直図星。
でも、認めてしまうだけじゃやっぱり悔しいから、ちょっとくらいは反抗的な態度をとろう。
意表をついて、唇を奪ったら、さすがにビックリした表情。目をまん丸にしたお嬢様に、今度は私がクスクス笑う番。
笑われてか、ほんのり頬をピンクに染めて、ムッとしたお嬢様は、無理やり手をとって歩き出した。
「えっ。どこへ」
「散歩や散歩!」
「はぁ・・。でも明日学校ありますよ」
「関係あらへん!」
引っ張られるまま着いて行く。
怒らせたのか。
顔も見えないその背中は、長い髪を揺らしてスタスタ前を行く。
と、急にピタリと足を止めるもんだから、ぶつかりそうになった。
どうしたのだろう。
長い髪がかかる背中を見つめていたら、聞こえるか聞こえないかの小さな声がした。
「せっちゃんのアホ。ドキドキしたやん」
呟くくらい小さく。
それからまた、スタスタと私を引っ張ってどこかへ連れていく。
その声を聞いて、緩んだ頬が締まることはなかった。
つまらない夜も、彼女が変えてくれる。私の心を、彼女が満たす。今日も、明日も、明後日も、彼女がいるだけで世界が見違える。
ああ、やっぱり、お嬢様が好きだ。
fin
長い!ここまで読んで頂きありがとうございます!!
急ですが、尊敬するclover1517のさっちゃん様が企画されました「このせつtoLOVERろう企画!」に参加させてもらうことに決めました!!
毎土企画が記念すべき150回目を迎えたということで、迷って迷ってこの機会に、と・・。
まだまだ未熟者なのでお恥ずかしいですが、やっぱりこのせつ盛り上げていきたいので勝手に参加します(*^_^*)
初毎土です。緊張します。どうしよ(((゜Д゜;;
キーワードは「星、魔法、胸」です(^^)
今こそ、このせつに藍を捧げます。
『真夜中の散歩』
闇が深くなった深夜0時。明日は金曜日だというのに、一日早めの休日気分で、体はベッドへ向かおうとしない。ルームメイトは実家に帰っているから、今この部屋の主は私一人だけ。占領できることをいいことに、出しっぱなしのこたつに体を埋めて、テレビを眺める。
画面の向こう側では、芸人がわめき散らしながら、一生懸命しゃべっていた。芸人の周りの人達は、ゲラゲラとお腹を抱えているけど、こちら側の私はニヤリともできない。
冷めた目で、画面のテロップを追う。
バラエティー特有の画面の明るさにだんだんうんざりしてきて、チャンネルを手にした。動作に合わせて変わる画面。この時間は、おもしろくないバラエティーか、スポーツニュースのどちらかだった。
寝ようかな。
期待できないテレビ番組に見切りをつけて、床に就こうか。
目はギラギラに冴えていて、到底眠れそうにもないけど、ボーっとテレビを眺めることも無意味な気がした。
チャンネルの電源ボタンを押すと、こちらに向かってしゃべっていたスポーツキャスターは消えた。
急に無音になる室内。
こたつから足を出して、立ち上がった。
時、静寂は破られた。音源を辿ると、こたつの上の携帯電話と判明。軽いメロディーを鳴らしながら、早く取ってと言わんばかりに震えている。
こんな時間に?誰
疑問に思いながら手にとって開いて見ると、『お嬢様』の文字。
一瞬その名前に目が点になって、通話ボタンを押す。
「もしもし?」
「もしもし、せっちゃん?」
「はい」
「寝てたぁ?」
「いえ・・・。どうされました?」
「や、ううん。特に、用はないんやけど、声聞きたなって」
「あ、そーで・・す、か」
・・って、
え。
一拍遅れて大きく心臓が跳ねた。
受話器を通して一瞬の沈黙が訪れる。どう返そうかとアタフタしてたら、徐々にケラケラ笑う声が受話器の向こうから聞こえてきた。
「ちょ、固まらんといてやー。冗談や、冗談ー」
「あ、冗談ですか・・」
なんだ、冗談か。
からかわれた。思って、恥ずかしさで熱くなる。
ほんとにもう。何だと言うのだ。
「・・怒った?」
笑うのをやめたお嬢様。すぐに許してしまうのも悔しくて、
「いえ。別に」
拗ねたふりをしてみる。
その様子に気づいてか、ふふって笑われて、ますます恥ずかしくなる。
「うそ。ほんまは半分ほんまや」
「半分ですか」
「うん。半分」
半分。きっちり言われてまたグサリ。傷つけるために電話してきたのだろうか。
「お嬢様、一体どうしたんですか」
今度はちょっと怒ったように突き詰めたら、あーごめんごめん、とのんびりな返事。
「今日な、月めっちゃ綺麗やねんで。せっちゃんにも教えてあげようと思って」
「月、ですか?」
「うん!」
月か。それで電話してきたのか。
意外な行動に内心驚きながら、そのお嬢様の言う綺麗な月を見るためベランダのドアを開けて、外に出る。
空を見上げると、満天の星。澄んだ空いっぱいに広がっていた。でも、月が。
「私のところからは見えないみたいです」
きっと建物の裏側にあるのだろう。そう思って、ベランダのさくに体を乗り出して建物の上の方を見る。
やっぱり見えない。なんだ。がっかりだ。
「せっちゃん」
「はい」
「せっちゃーん!」
「は・・」
あれ。
呼ばれた声に疑問を感じて、上を向いていた顔を下げる。と、同時に目に入った。下でニコニコしながら大きく手を振っている彼女が。
「えっ!お嬢様!?いつからそこに!?」
「ずっといたのに、せっちゃんお月様に一生懸命で全然気づいてくれへんのやもん」
ケラケラ笑う声がまた聞こえた。今度は受話器からだけじゃなくて、地上からも。
自分の身を乗り出して月を探していた姿を想像して、またカッと熱くなった。
「とっ、とにかく、そこに行きます!」
急いで部屋を通り抜け、下へと階段を降りる。
何かを期待しているからなのか、階段をすごい勢いで降りているからなのか、胸が早鐘を打ち出す。
寮の扉を開けたら、小さく見えていたお嬢様が、今度はすぐ近くにいた。
「お嬢様!」
「わっ早っ!せっちゃん」
まだ、一分も経ってへんよ?
あまりにも私が早く登場したことに、お嬢様はクスクス笑う。途端に盛り返す熱。
すぐに会いたかったなんて言えない。
「それに・・」
お嬢様は意地悪な顔をして言った。
もう電話いーのにって。
言われて見たら、携帯はまだ耳の横。役割を果たそうと私の手に握られていた。
「あっ、す、すいません・・」
あんまりにも慌てて出てきたことがバレバレで、急いで携帯をしまった。
「慌てん坊さんやなーもう」
「はぁ・・」
穴があったら入りたいとは、このことだ。顔から火が出そうなほど熱い。
それにしても。
「お、お嬢様、ここで何を?」
「だから、月見てるんやんか」
もうっと、呆れた風な顔をする。
ほらあそこ、そう言ってお嬢様が指差した先には確かにまん丸なお月様が浮かんでいた。綺麗に光って、空を照らしている。
「えっ、でもどうしてここで?」
だって時間が時間だ。散歩して月を見つけた、なんて夜を徘徊する趣味、お嬢様にあっただろうか。
「んー。だから言ったやん。半分やって」
「はぁ」
「声聞きたいの半分、会いたいの半分、これがほんま」
にっこり、そう言って笑ったお嬢様は、照れくさそうに月を見ながら、足をブラブラさせた。
完全に不意をつかれた。
まるで魔法にかかったかのように、その姿に釘付けになって目が離せなくなる。
やばい、可愛い。
「こんなロマンチックなこと、するんですね」
「やろ〜?普通に会いに行くのつまらんなぁ思って」
こんなことしてしまいました。
舌を出してクスクス笑う姿は、無邪気で、可愛くて、愛おしかった。
嬉し恥ずかしさで、何と言ったらいいか分からなくて困ってしまう。そんな私に、またお嬢様は意地悪な顔をするんだ。
「ドキドキした?」って。
正直図星。
でも、認めてしまうだけじゃやっぱり悔しいから、ちょっとくらいは反抗的な態度をとろう。
意表をついて、唇を奪ったら、さすがにビックリした表情。目をまん丸にしたお嬢様に、今度は私がクスクス笑う番。
笑われてか、ほんのり頬をピンクに染めて、ムッとしたお嬢様は、無理やり手をとって歩き出した。
「えっ。どこへ」
「散歩や散歩!」
「はぁ・・。でも明日学校ありますよ」
「関係あらへん!」
引っ張られるまま着いて行く。
怒らせたのか。
顔も見えないその背中は、長い髪を揺らしてスタスタ前を行く。
と、急にピタリと足を止めるもんだから、ぶつかりそうになった。
どうしたのだろう。
長い髪がかかる背中を見つめていたら、聞こえるか聞こえないかの小さな声がした。
「せっちゃんのアホ。ドキドキしたやん」
呟くくらい小さく。
それからまた、スタスタと私を引っ張ってどこかへ連れていく。
その声を聞いて、緩んだ頬が締まることはなかった。
つまらない夜も、彼女が変えてくれる。私の心を、彼女が満たす。今日も、明日も、明後日も、彼女がいるだけで世界が見違える。
ああ、やっぱり、お嬢様が好きだ。
fin
長い!ここまで読んで頂きありがとうございます!!
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