~1st memory~ 

January 20 [Tue], 2009, 9:34
「起きて崋音!!起きてったら!崋音!!こぉるぁぁ!起きろ!」数秒の沈黙。ドカドカと苛立たしげな足音が去って行った。私は「んぁ〜もううるさい!!休日くらい眠らせろ!この豚親子めが!お姉ちゃんだって昼間は生きてんだか死んでんだかわかんないくらい寝てるくせに!!」と心で絶叫したが、そんなのわかってもらえるわけない。と、知っていたから、わざわざ音声として発して無駄なエネルギーは使わない。リビングでお姉ちゃんがママにチクっている。そして、数秒後にはママのお姉ちゃんよりも速い、イノシシみたいな足音が聞こえてきた。「崋音、いいがげんにしなさい!休日でも早起きしなきゃいけないのよ!じゃないと早起きの癖がつかないでしょ!!いっつも学校に遅刻してるんだから!!」そして私がしがみついていた布団をもぎ取り、私をゆすり始めた。私はそれでも枕にしがみついて、強情に寝たフリをした。するとママが水の入ったスプレーの容器を持ってきて、私に水をかけはじめた。そして私は我慢ならずに「わかったよ!起きりゃあいいんでしょ!もう!!やめてよ!!」と怒鳴った。ママが仁王立ちで「早く着替えなさい!!朝ご飯が冷めるじゃない!!」と無表情で言い、部屋から出て行った。私はベッドの上でしばらくぼーっとしていた。そして今日は和沙と映画を見る約束だったと思い出した。急いでウォーキングクローゼット(タンスの個室バージョンみたいなもの)に入り、2週間ほど前におこづかいで買った胸元にレースがついた濃い赤のキャミソールを着ると白いパーカーを羽織った。黒っぽいデニムのショーツを履き、白と黒のストライプのお気に入りのニーハイソックスを履いた。ジュエリーボックスの中から金の直径10cmはある蝶のネックレスをつかむと自分でも驚くような速さでそれをつけた。銀のラメで覆われた細めのベルトをつけ、しまいに赤いマニキュアを手と足の爪にに塗った。お気に入りの扇子で乾かし、リビングに出た。洗面所にむかい、髪を横に高めに銀のラメのハートがモチーフのゴムで縛った。顔を洗い、乳液をつけて、鏡に笑いかけた。そしてまたリビングに戻った。ママのつくってくれた卵焼きと味噌汁とご飯とサラダを食べ終えると、ママが言った。「何時ぐらいに帰るの?」私は「う〜〜〜ん…多分、お昼ご飯食べたらすぐ。」と言った。「わかった。じゃあ映画代とお昼ご飯で…2500円渡しとくわね。無駄づかいするんじゃないよ。あとおつりがあったら返してね。」
私はママからお金を受け取り、自分の黒い装飾がいっぱいついている財布に入れた。自分の部屋に戻り、白いポシェットを肩から斜めにかけ、ミントを2つ口に入れた。桃の香りのする薄いピンクのリップクリームを塗ると、部屋から飛び出し、玄関へ駆け下りて黒いブーツを履いた。「いって来ま〜す☆」と元気よくママに言うと、「気をつけてねー」という声が帰って来た。ドアを明けると、光が私を包んだ。斜め前にトラックが停まっていた。隣の家がなにやらにぎやかだ。(ん?なんだろう。段ボールがいっぱいある…あ!そうか!誰か引っ越して来たんだ〜。あ、あの家族かな。)引っ越し屋さんの制服のなかに、普段着の人が4人いた。外国人っぽい髪がプラチナブロンドのお母さんらしき人、日本人のお父さんらしき人、髪がお母さんと同じでプラチナブロンドの2人の子供。一人は私より10歳くらい年上のお姉さん、もう一人は私と同じ歳くらいの男の子。お父さん以外はみんな目がグレーっぽい薄い水色だった。でも男の子だけは片目が薄い茶色だった。(わー外人さんかな?あでもお父さんは日本人ぽいけど…)私はその平和な日曜日の朝、もう感じていたのかもしれない。これから何かが起きることを。でも私はその時、気にもとめなかった。外人親子が隣に引っ越して来た。それだけのことだったからだ。もともと私の住んでいる県は外人が多かった。だから、知らなかったのだ…
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:blackangel96
  • アイコン画像 性別:女性
  • アイコン画像 誕生日:1996年4月19日
  • アイコン画像 血液型:B型
  • アイコン画像 趣味:
読者になる
2009年01月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
最新コメント
Yapme!一覧
読者になる