多変量データ解析法 心理・教育・社会系のための入門

January 05 [Thu], 2012, 13:24
多変量データ解析法 心理・教育・社会系のための入門
足立浩平 ナカニシヤ出版 2006
★★★☆☆



統計本、多変量データ解析についてのかなり有名な本です。
昔書いたメモが見つかったので、少し修正してアップしますね。

一章90分の講義に設定してあります。てことで、分量的には読み進めやすい工夫がなされています。
解説は丁寧に書いてあるけれど、納得しただろ?感が拭えない。立ち止まって考えないと、理解は難しいです。
あとは、「何故か?」というところまで踏み込んでくれません。
もちろんこれは、入門書なので、当り前です。
みんなで読み進めたり、先生が教科書として補足しながら読むには適しているのではないでしょうか。

原理のエッセンスを伝える、と銘打ってあるのですが、それならば各手法の違い、特徴がもっと明文化されていても良いのではないのかな、と思います。共通点と違いを知ることが理解、そして適切な使用へ繋がると思うのですが。
また、解釈は全て同じ…としか書いていません。そりゃそうなのですが、それでも違いが知りたいんです。

初学者が、「多変量データ解析法ってこういうのを指すのか、こういうのがあるのか」、と知るには良い本。
理解するための本ではありません。また、次のアクションへの指示がないのは不満です。「わかった、ああおもしろい」感はありません。

数式を省いてるわけでも、数式とその具体例が丁寧であるわけでもありません。
つまり、納得したいなら、自分で調べながら読まないといけません。
でも、大学院受験などでひととおりの「知識」が必要な場合には、文章自体は読みやすいので、適していると言えます。
受験期にはこれくらいがいいのかもしれません。中身なんてやってる暇ないしね。

現代心理学入門―進化と文化のクロスロード

June 13 [Sat], 2009, 7:33


現代心理学入門―進化と文化のクロスロード(川島書店) ★★★☆☆
西本 武彦 (著), 福澤 一吉 (著), 越川 房子 (著), 大藪 泰 (著)

今回の紹介は簡単です。
早稲田大学文学研究科、心理学コースを受験する方は買ってください。
受験しようと思っている方はわかるとおり、上に掲げられている著者は
みんな文学部の先生です。
中身は、章ごとにさらに多くのまとまりのない分担執筆となっているのですが、
多くは文学部の先生で、足りないところは他の人、という構成となっています。

特に、外部から受験する人にはかなり役立つのではないのでしょうか。
サイズが大きく、値段もするので、あまり買え買えとは言えませんが。

巻末にグロサッリーがついており、これがウリらしいです。
たしかに、かなり量はあります。心理学辞典(有斐閣)に載っていない言葉も
載せてあったりします。説明の中身にばらつきがありますが、使えないことは
ないでしょう。用語集として全て覚えてみるのもいいでしょう。
少なくとも500円の用語集よりは数十倍の価値があります。
用語の対訳も全て載っています。なぜか向精神薬特集もあります。

肝心の中身ですが、どの本でも同じように、章(著者)によってばらつきがあります。
ただ、心理学全般を網羅しているので、読んでもそこまでの損はないのでは、
と思ったりしますが、僕が薦めて彼らに印税が入るのもなんか悔しい気がします。
出版されたばかりなので、内容的にも新しいです。

心理測定法への招待―測定からみた心理学入門

August 05 [Tue], 2008, 0:33
心理測定法への招待―測定からみた心理学入門 (新心理学ライブラリ (13))

心理測定法への招待―測定からみた心理学入門 ★★★★☆
市川 伸一

統計のくくりにしていますが、正確には統計の本ではありません。
その名の通り、「心理測定法」の本。
心理測定とは、心理物理実験を通して何らかのデータを得ることであり、
さらにそのデータは適当な手段を用いて解釈されなければなりません。
心理学では、客観的なデータのみが理論的な説明の根拠となりうるため、
そのデータのはじき出し方についても長いこと研究されてきました。
また、研究の対象も、知覚や記憶から心理療法にいたるまで多岐にわたります。
そんな研究は実際にどのように行われてきたか、どのように行えばいいか、が書いてある本です。

精神物理学といった基本的なところから、ロールシャッハや知能テストまで紹介されています。
得られたデータの取り扱い方も載っているのですが、これが短いながらよくまとまっています。
大学院受験に必要な、心理学の基礎的な部分は大体収まっているのではないでしょうか。
基礎科目の教科書に是非使用したい一冊、という感じです。良書。

認知心理学概論 (放送大学)

May 28 [Wed], 2008, 23:58
認知心理学概論 (放送大学教材)

認知心理学概論 (放送大学教材) ★★★★☆
高野 陽太郎 波多野 誼余夫

No imageなのでテキストリンクで。
その名の通り、認知心理学の概論書です。
内容が、とてもまとまっていてわかり易い。
概論書、としては最高にわかり易い、良書だと思います。
ページ数もそこまで多くなく、ただ情報だけ詰めました、という本とは一線を画します。
これを教材にする授業は面白いんじゃないかな。
やるな、放送大学。と思いましたが実際どうなんでしょうか。
ちなみに放送大学の他の本もこれくらいいい本なのかと思い、
少し読んでみましたが、そんなことは無いみたいです。
内容的にも、ありきたりなテーマでも少し違う角度からのアプローチもあるので、
新しい発見もあるのではないでしょうか。
本はわかり易くて面白いのがなんといっても一番です。お勧め。

富田の基礎から学ぶビジュアル英文読解

February 20 [Wed], 2008, 11:26


富田の基礎から学ぶビジュアル英文読解
構文把握編―代々木ゼミ方式 ★★★☆☆
富田 一彦 (著)

英文の日本語訳対策用教科書です。
大学受験用のものですが、日本語訳の練習には適しているでしょう。
最初の方の設問は日本語として意味不明ですが、そんなことは無視してあげましょう。
というか、設問自体はよくわからない文法が絡んできて面倒ですので、
それらは無視して日本語訳のみをしていってもこの本の価値は十分にあります。
例文と、その解答例、解法は納得できるものです。
また、例文の数も全部で126問あるので量的にも問題ないでしょう。
日本語訳が苦手な人、構文を取るのが苦手な人にはオススメの一冊です。
ちなみに、このシリーズには基礎ルール編もありますが、こちらだけで十分でしょう。
また個人的に、著者さんには日本語をもっと勉強して欲しいと思います。

認知心理学キーワード

February 15 [Fri], 2008, 13:37


認知心理学キーワード ★★★★☆
森 敏昭 (編集), 中条 和光 (編集)

定評のある有斐閣双書KEYWORD SERIES。
認知心理学は、このシリーズの中では一番良いと思われます。
というか、他の分野が微妙な気が。
認知心理学にはそれだけトピックが確立されているといえばそれまでなんですが、その他のものよりもよくまとまっています。
キーワードが全部で105個。
歴史的なものから知覚と注意、記憶、知識と表象、概念と言語、問題解決、学習と認知発達、そして応用分野というカタチで進んでいきます。
認知に関してはこれとアルマがあれば概論書レベルは全てカバーできるのではないでしょうか。

ちなみに、社会心理学キーワードは後半のトピックの立て方が下手です。
要らないところも多い気がしますが、必要なところはカバーしているでしょう。
最後の何ページかは用語集になっています。
無理やり100のキーワードにした感が否めません。
全体的にはよくまとまっていると思います。

教育心理学キーワードは、認知と編者が一緒なので、少し認知寄り。
後半は殆ど、「教育心理学」って感じなので、受験には必要ないかもしれません。
学校の先生を目指している方はどうぞ。

臨床心理学キーワードは、軽い感じです。
幅は広いですが、一つ一つに関しては少し物足りないところが多いです。
理解を深めるためには「よくわかる〜」の方が向いていると思います。

発達心理学は、立ち読みしましたが、買う気が起きませんでした。

必修1000 心理学基本用語集

February 06 [Wed], 2008, 16:56


必修1000 心理学基本用語集 ★☆☆☆☆
必修心理学用語編集グループ (編集)

買う必要はありません。ゴミです。
500円なのと、薄いので評価されているようですが、なんのその。
それなら自分で同じサイズのノートで単語帳を作った方がためになるでしょう。
英単語と日本語がペアで載っており、用語の説明は一切ありません。
また、複数の訳があるものなどに対しても、何の配慮もありません。
とても時代と疑問を感じるセレクトです。
収録されている単語数は1000と、十分な感じがしますが、かなり偏っています。
偏っているというか、もはやそのような呼び方はされないであろう単語か、
大学生ならみんな知っている「心理英単語」と呼べないような単語です。
practice effectを練習効果と訳すことは中学生でもできるでしょう…。
辞書に載っていない単語が載っているならともかく、辞書を引けば済むものばかりです。
そのような本に500円も出すなど!被害者の会を作った方が良いのではないかと。
だったら、面白い新書を買ってください。

院単―大学院入試のための必須英単語1800

January 26 [Sat], 2008, 16:59


院単―大学院入試のための必須英単語1800 ★★★★☆
安藤 文人 (著)

唯一(?)の大学院受験用英単語帳です。
大学院受験の一般英語は、意外に教材がありません。
おそらく、大学で学んでいるだろう、ということが前提なのでしょう。
学術的な英語なので、TOEICや英検の単語のカバー範囲とは全く異なります。
もちろん、全体的な英語力に自信があればここまでの語彙は必要ないかもしれません。
心理学英語も載っていますが、特化しているわけではありません。
心理学英語を学びたいならば、英語の論文を読むか、ヒルガードのような洋書を読めばよいでしょう。
文系における心理学分野における言葉づかいはかなり特殊(楽、とも言えますが)ですので、
この単語帳は心理学論文を読むだけであればそれほど威力は発揮しません。
アカデミックな語彙をつけたい人にはお勧めです。

また、著者が早稲田大学の先生なので、早稲田大学を受験する方は必須です。
例文が結構難しいので(おそらく過去問から引用)、この例文を訳せるようになりましょう。
いわゆる単語帳なので、通学の際の持ち運びには便利です。

自分でできる心理学問題集

January 25 [Fri], 2008, 10:21


自分でできる心理学問題集 ★★☆☆☆
二宮 克美 (著), 宮沢 秀次 (著), 大野木 裕明 (著)

自分で出来る問題集です。
そんなものは当たり前だと突っ込みを入れたいです。
50問×3レベルで全て5択問題だったと思います。
ある程度難しいかもしれませんが、ある程度勉強していればできるはずです。
解くだけなら小一時間あれば終わってしまうので、受験勉強の息抜きにどうぞ。
腕試しとまではいかないけれど、色々カバーできてるかの確認に。
この本には一応解答と解説が付いていますが、それで終わることなく、
全ての問題について心理学辞典や他の参考書にて確認してみることをお勧めします。
「試験にでる」シリーズのブックレビュー(だっけ?)では馬鹿にされていますが、
参考書、特に問題集は使い次第で幾らでも活用できます。
問題形式というのはそれだけで楽しめると思うので良いと思いますよ。

心理統計学の基礎―統合的理解のために

January 12 [Sat], 2008, 14:22


心理統計学の基礎―統合的理解のために★★★☆☆
南風原 朝和 (著)

これも有斐閣アルマシリーズ
心理統計学の基礎、タイトル通り基礎から書いています。
世間では基礎から学ぶにはもってこいの良書、と書かれていますが
実際僕にはよくわからなかったです。何度読んでも難しい。
これ一冊を理解すれば心理統計の基礎として必要な部分は問題ないでしょう。
というか、この内容を理解できればそりゃ大丈夫だろう、という感じです。
この本のみで勉強するのはきついです。教えてくれる人がいれば別ですが。
基礎がわからない状態で何度読んでも意味が無いでしょう。
数式嫌いな文学部生の一冊目には全然お勧めできません。

高等数学は必要としませんが、数式はたくさん出てきます。
初学者を対象として書かれていても、内容が初歩的であっても、
初学者には分かりやすくはないです。
ただし、大学院受験という観点からみると、この本のレベルはきちんと押さえておきましょう
他の統計入門書を二冊読み終わったらチャレンジしてみると良いでしょう。
もちろん、学部時代に統計をまじめに勉強した人は、分かる内容です。
P R
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