授業中玩具遊・後 / 2008年03月09日(日)




 竿を引き抜かれた瞬間、自分の奥から熱いものがドロリと流れ出てくるのを感じて思わず身が震えた。未だ荒い息を続けながら便座に座り込んで放心している勘太を他所に、誠二はもう服の乱れを完全に整えてしまっていた。ベルトを締め終わった後、彼はぼんやりと自分の方を見詰める勘太の視線に気付き、意地悪く口の端を吊り上げた。


「…何だよ。物足りねーの?」

「バッ…腰に力入らないだけだ!」

「…だらしねーな。一発抜いたくらいで。…なぁ、お前俺がハジメテだろ。」

「なッ…」

「図星?」


 肩を震わせながら誠二は言った。…勘太は、口をパクパクさせながら否定しようとしたが…何を言ったって結局、誠二を誤魔化す事なんて出来ないような気がして、結局また口を噤んで彼を睨み上げた。

 まぁ、それしきの事で誠二が怯む訳も無く、彼はただそんな勘太の表情ににやりと笑いながら僅かに身を屈め…潤んだ彼の秘所に指を宛がった。先程自分の中に出された粘液がその指と絡み合い、何の抵抗もなく自分の中に入ってきた誠二の指に、勘太は思わず「あっ」と声を上げてしまった。

 誠二の口元に浮かんだ笑みが、ますます意地の悪いものになる。


「何感じてんだよ。中、綺麗にしてやろうってのに。」

「や…自分でやるッ…!」

「腰に力入らないんだろ。いい子だからじっとしてろ。」

「んっ……ぁ…」


 いやらしい音を立てながら、自分の中から白い粘液を掻き出しては便器に落としていく誠二の指に、再び頭がボゥッとしてくる。…何時もの様に自分を煽るような動きではなく、優しく優しく自分の内側に触れる誠二の指は粘液だけでなく自分の理性まで掻き出しているような気までした。


「…誠…二?」


 彼の顔を見て、勘太は思わずその名を口にした。

 …先程まで、確かに意地悪く笑っていた筈なのに…その笑顔が、何故かとても優しいものに変わっている気がしたから。無意識に、誠二の頬に勘太が手を伸ばそうとしていた…その時、だった。



 キィーン…コォーン…カァーン…コォーン…



 …予鈴の音にハッと目を覚まし、勘太は慌てて手を引っ込めた。…誠二は授業の終わりを告げるその音に小さく舌打ちをした後、トレットペーパーで自分の指と勘太の尻を拭い、汚れたそれを彼の足の間から便器へ放って個室の鍵を開けた。冗談じゃない。こっちはまだパンツも上げていないのに。


「ちょっ、こら、誠二!!」

「あいつ等にはただの腹痛だったからトイレに篭ってるとでも言っておいてやるよ。…何時までも善がってないでさっさとパンツ上げたら?だらしねーやつ。」

「だっ誰の所為だと思ってんだよ馬鹿誠二!ちょ、待てッ…どーすんだコレーッ!!」


 先程誠二に中を綺麗にされている時、思わずまた元気になってしまった自分自身を前屈みになって隠しながら勘太は悲痛な声を上げたが、誠二は構わず行ってしまった。勘太はそんな誠二にイラつきながら些か乱暴に個室のドアを閉め、鍵をかけると…自分の足元に転がっていたローターを発見した。誠二が忘れていったのだろうか。


「………ふんっ!」


 ローターに罪は無いのに。


 勘太はそれを摘み上げると、トイレに放り込んで水を流し、個室を出て行った。

 …先程の誠二の、優しげな顔を思い出す。


(…気持ち悪。)


 心の中でそう思いつつも、勘太の顔は緩んでしまっていた。













 
   
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勘ちゃんに答えていただきました。 / 2008年01月09日(水)
1.初めまして、かな?お名前教えてくれる?
「杉山勘太…です。つーか此処どこだ!?」

2.に、しても可愛いね。よく言われるでしょ。
「言われねぇ!!(何で分かるんだよ!?)」

3.可愛さの秘訣は?やっぱ恋ー?
「人の話聞けよ!」

4.俺と付き合ったらもっと可愛くなれるよ?
「ッ…!?(こ…こいつ誠二と同類ッ…)」

5.あはは、まぁそれは冗談って事で。ところで恋人いんの?
「い…いない…。」

6.恋人はかっこいい?可愛い?居ないなら、なんで?
「こっ恋人じゃないし別に俺はアイツの事なんか好きじゃない!!
大体なっ…何で俺がアイツと付き合ってんだよ。有り得ないだろ…。」

7.ナンパとかされちゃう?
「されない。何で男が男にナンパされるんだよ。」
(↑必ず男友達と遊びに行くため一人で出歩く事が無い)

8.俺、街で会ったらナンパしちゃうよ。お茶してくれる?
「しない!そういうふざけた奴、大ッ嫌いだ!」

9.電車とかで痴漢にあったことある?
「何で知ってんだ!?…あの時触ったのお前だろ!!」

10.あるなら、その後どうした?ないなら、もしされたらどーする?
「……黙って耐えてたら、側に居たオバチャンが助けてくれた。」

11.ところで君は攻め?受け?そういうの関係ない子は受け攻めわかるか教えて。
せ…攻め?受け…?(汗)
「どっちかっていうと受…何言わせんだよ!!」

12.自分の性格を一言で言うと?
「男らしい。」
(↑思っているのは自分だけ)

13.動物に例えると何?やっぱ猫とか、兎とか?
「…犬っぽいとか言われる。(不服)」

14.なんか憧れとかある?
「やっぱ内田先輩だよなぁー!カッコいいし優しいしギター上手いしバスケも上手かったし。俺も何時かあんな人になりたい。」

15.もし、自分の性と逆の性になったら、どうなってると思う?
「…どうなってるって…やっぱバスケはやってるだろうなぁ。結構男っぽい女になってそうだよな、うん。」

16.上の質問の続きだけど、周りの反応とかはどうだと思う?
「庸平は益々俺の事過保護にしそーだし………誠二の奴には益々……うわぁ何でもない!!考えるだけで恐い!!」

17.上の例えみたいに君がなっちゃったら…そうだね、俺なら襲っちゃうかも。今のままでもかなり充分イケるけど。
「ギャーーーッ!!誰か助けてーーーッ!!」

18.ところで君はS?M?
「どちらかと云うとエム…だから何言わすんだよっ!!」

19.じゃあ俺と相性いいかもね。
「………ッ!!!(声にならない悲鳴)」

20.あー、コレで最後だ。早かったねー。じゃ、最後に自分の武器だと思う事をしてから帰ってね。またお話しよ、可愛い子。
「ぶっ…武器!?どーしろって言う…」

「俺が手伝ってやろうか?……カ・ン・タ?」

「せッ……ひぁぁぁぁぁぁぁ!!?」



 
   
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Lesson #05 -d / 2007年12月16日(日)










 自分で満足出来るくらい強い人間関係を築くのなんて、とっくに諦めている。


 俺が言うのもアレだけど、家柄はそこそこに名の知れた代々の華道家。俺は現家元の嫡男で、昔から権力や財力を目当てに俺の周りに擦り寄ってきた連中は後を立たなかった。親戚連中も躍起になって俺に取り入ろうとしてくるし…子供の頃はそんな連中の目が怖かったもんだけど、それも大人になるに連れて交わし方も覚えれば、逆にそいつらを利用する手練手管も身に付いた。


「イブほんとに格好良いよね〜!」

「あー分かるー!ねぇ、ほんとに彼女居ないの〜?」


 自分の周りで華やぐ女子達に笑顔とこの場に一番適した冗談をツラツラと返しながらも、彼の内心は何処か冷めていた。表面上は笑顔で話していても、本当の彼は単純に会話を楽しむ事も無く、気付けば彼女等の欠点だとか弱みだとかを会話や仕草から探り出そうとしていて…


(…つまんねー。)


 ポツリと、心の中で誰に向けるでもなく呟いた。

 こんな会話、一体何が楽しいのか。

 自分の機嫌を損ねないように話しかけてくる彼女等に、親戚連中の姿が重なった。

 こんな意味の無い会話なんて…ただの、時間の浪費だ。


(…あ。)


 女子達からふと目を離した昂輝は、視線の先にある人物を見つけ出した。色素の薄い髪。他の男子生徒と比べものにならない程の長身に、男前を絵に描いたような精悍な顔立ち。…加えて誰も寄せ付けないような無愛想な表情とくれば、昂輝の知る中でも一人しかいない。


「庸ちゃんだ。」

「え?」

「あ、杉山クンのこと?」

「俺、ちょっと行ってくんね〜。」

「あ、イブ!」


 楽しそうに笑った後、昂輝は彼女たちの名残惜しそうな自分を呼び止める声に聞こえないフリをしながら庸平の元へ走って行った。庸平は昂輝の姿を見るなり僅かに眉を寄せたが…それきりだった。また窓から、向こうの校舎を見詰めている。


「よーぉちゃんっ!何してんのー?」

「………。」

「…まーいーけど。庸ちゃんが何見てるかなんて、俺知ってるし。…勘太兄ちゃんだ?」


 勘太の名前を出しても、庸平は何も言わなかった。…肩を竦めて見せた後、昂輝は庸平の隣の窓辺で膝を付いて彼の視線の先を追い…やはりそこにいた勘太を見つけ、面白く無さそうな顔をする。


「庸ちゃんさぁ…カワイソウだよねぇ。」

「………。」

「兄弟なんてさ、男と男以上に有り得ないでしょー?」

「………。」

「勘太兄ちゃんもさぁ、そんな庸ちゃんの気持ち知ったらどう思うだろ?」

「……っせぇよ。」


「きっとこう思うよ〜?気持ちワル…」


 続けようとして、昂輝は…気付いた。

 人の視線で周囲の気温が変わるなら、自分はきっと氷漬けになっている。そう思わせるほどに冷たい怒りに染まった、自分を見下ろす庸平の眼差し。…しかし昂輝はその眼差しに怯えるどころか、挑発的な笑みを口元に浮かべた。


「ほんと、可哀想。庸ちゃんて。」

「…テメェ…」

「怒んないでよ。…でもそーんなに勘太兄ちゃん好きなんだぁ?…妬けるねー。」

「…おい、何考えてる?」

「内緒。…ま、楽しみにしといてよ。面白いコト考えたんだ。」


 ニヤリと笑みを浮かべた昂輝。

 庸平はそんな彼を暫し睨んでいたが…直に小さく舌打ちをして、教室の中に入って行ってしまった。そんな彼と擦れ違った一人の男子生徒がビクッと震えていたのを見れば、彼がどんな顔をしながら自分の前から立ち去ったのか用意に想像出来た。

 昂輝は窓の外に再び目をやり、対抗する校舎の廊下で眼鏡の男子生徒と楽しげに話し込んでいる勘太を見ながら目を細めた。…猫が鼠を前に舌なめずりをするように、狡猾な目。


「…ま、面白いのは…」



 俺だけかも、しんないけど?



 誰にも聞こえないように心の中でそう呟いて、彼は八重歯を剥いて笑った。














 
   
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サカガミ様に捧ぐ。。。2 / 2007年05月20日(日)
「ふぅん…見かけに寄らず乱暴だねぇ、誠二先輩。」

「やっ…め…見るなっ…!」

「まだ喋れる余裕なんかあったのか?…それは悪かったな。」

「あっ…うあぁっ…」


 直ぐに何も考えられなくしてやるよ。


 耳元で低く呟かれたその言葉に、ビクリと勘太の体は反応する。

 天井に腕を吊るされたその体はまるで生贄か奴隷だ。

 締め付けられた手首は勘太が先程まで逃げ出そうと暴れていたため、余計に手首を締め付けられ

 鬱血してしまっている。だがその痛々しい光景すら誠二にとっては食指を進ませる手助けにしか

 ならなかった。…全く、本当に完璧なお膳立てだ。


 身動きの取れない勘太の体を、更に片手で片を押さえつけて自由を奪い…後ろから彼の履いていた

 ジャージの中に手を突っ込んで挿入した中指をぐちぐちと動かしながら、誠二は口元を歪めた。

 サディスティックなその笑みに、賛同するように昂輝も笑い、彼は勘太の前に屈みこんだ。

 勘太は思わず身の危険を感じて昂輝の前から腰を遠ざけようとしたが、そうすると誠二が更に内側

 を酷く掻き回したのだ。


「イッ…あぁぁっ!」

「うわ…痛そ。」

「これぐらいじゃないと感じねーんだろ?…なぁ、勘太?」

「ひっ…うっ…嫌だぁっ…!」


 下半身から鈍く伝わる痛みは、感覚を惑わせる熱となって脳に届く。

 ぼうっとする意識の中、本人の意思などまるで無視しているかのように勘太の体は紅潮し、汗ばみ、

 与えられる痛みという名の快感に支配されつつあったのだ。

 昂輝は、自分の目の前でジャージ越しにも分かる程硬直した勘太自身に、布越しにそっと舌を

 這わせた。勘太は喉の奥から「あっ」と声を漏らし、そんな自分が信じられないとでも言いたげに

 唖然とした顔で昂輝を見下ろした。


 …昂輝はそんな勘太を見上げ…にぃ、と口を歪めてみせる。

 弱者を甚振る事を嗜好しているようなその笑みに、獲物として彼の前に居る勘太の本能がゾクリと

 恐怖した。昂輝は勘太が止める間も無く彼のジャージを一気にずり下ろすと、快感に反り返った彼の

 竿にがぶりと喰らいついたのだ。

 虎が獲物に喰らいつく時の様に、獰猛に。



 食われる。



 揶揄した訳ではなく本当に勘太はそう感じた。

 恐怖が喉の奥から、迸った。


「うわっ…あぁぁぁーっ!?」

「…おい。噛み千切るなよ。」


 昂輝の様子を見ていた誠二は、諭すように彼にそう言ったが…彼は勘太を咥えたまま何も言わず、

 ニィと笑っただけだった。噛み付くようにそれを口に含んだ昂輝だったが…歯を立てるようなことは

 しなかった。ただ中を滅茶苦茶に攻める誠二とは対照的に、昂輝はむず痒くなるほどに優しい愛撫

 を繰り返す。昂輝は勘太の意識を翻弄するように竿に唾液をたっぷりつけた舌で絡みつき、

 ぢゅくぢゅくと音を立てて張り詰めた彼自身に吸い付いた。


 
   
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サカガミ様に捧ぐ。。。 / 2007年05月20日(日)




「アンタが悪いんだよ?」

「俺から庸ちゃん、盗ろうとするから。」

「だからね?」

「アンタが庸ちゃんの物になる前に、先にアンタを誰かの物にしてやろうって決めたんだ。

 …庸ちゃんの苦しむ顔も見れるしさ、一石二鳥でしょ?」


 押し当てられたハンカチ。

 浸み込んだ液体のむせ返る様なキツイ匂いに俺は咳き込んだけど、

 布が払われる事はなかった。意識が遠のきそうになる中で見たのは…悪魔の笑顔だった。






 ***





「…っ…う…?」

「あー。気が付いたぁ?かーんちゃん。」


 ぼんやりとした意識には少々耳障りな少し高い声。

 けど、ぼんやりしてられたのなんて、一瞬だった。俺は次の瞬間、凄い音立てて頬を叩かれた。

 肌と肌がぶつかる痛々しい音と、じんわり広がる熱で意識が覚醒する。


 目に飛び込んだのは…あまり自分は足を踏み入れない、体育館にある放送室だった。

 

 …両手首に痛みを感じて、俺は上を見上げた。思ったとおり、俺の手はビニール紐で

 グルグルに拘束されていて…その先は、天井に打ち付けられた鈎針に引っ掛かっていた。


「…勝手に学校改造しちゃ駄目だろ。イブ。」

「何それ。余裕ぶっちゃってんの?勘ちゃんの癖に。怖いよーって泣けばいーのに、さ。」


 勘太が見上げた先には…吊り目がちの目を楽しそうに歪めながら、馬鹿にするように勘太を

 見下ろすイブの姿があった。そう自分と変わらない身長。学年は一個、下だけど。

 …何時も自分の弟・庸平の傍にいる少年。


 イブはそう言ったが…勘太は疲れたように溜め息を吐いた。

 だって彼は、もうこんな拉致には慣れきっているのだ。…どっかの魔王の所為で。


 それに勘太はイブを侮っていた。

 こんな自分とそう変わらない体系の少年に、何かされるなんて想像もしてなかったのだ。

 性質の悪い悪戯だと、彼は本気で思っていた。…そしてそれは大きな間違いだったのだ。


 まるで自分を相手にしない勘太に、昂輝はチッと舌打ちをすると…彼は勘太に背を向けて、

 放送室の放送機材の方へ体を向け、暫しそれを見詰めた後…徐に、色々とスイッチを押し

 始めた。


「…勝手に触るなって。変な事になったら放送室の連中に怒られるぞ?」

「人の心配する前に自分の行く末心配したらぁ?あと、俺って頭イイからこの位どって事無いよ。」


 クツクツ笑いながらそう言ったイブ。

 何を馬鹿な事を…と、もう一度溜め息をつこうとした時だった。

 勘太の耳に…集音中のマイクを一度叩いた時のようなボッという音が聞こえてきた。

 驚いてイブを見れば…彼は、システムを起動させ全てのランプを点灯させた放送機材を背に、

 笑っていた。彼に似合わぬその無邪気な笑顔に、思わず自分の背筋がゾクリと震えるのを

 勘太は感じる。

 そんな勘太を知ってか知らずか…益々笑みを深くして、イブは八重歯を剥いて笑った。


「…ここからの放送ってさ、体育館の中しか響かないけど…誰もいない体育館て、

 よーく音が響くよね?」


 外通った人間どころか、下手したらグランドにいる人間にまで。


 そこでやっとイブの意図を知った勘太は、青褪めていた顔色をサッと朱に染めて、

 足をグッと踏ん張るとビニール紐で天井に繋がれた腕を、体重に任せて思い切り下に

 引っ張った。

 ギィッ…と天井の金具が音を立てたのは分かったが…金具が外れ腕が自由になる気配は

 無い。その失敗に、更に勘太は焦り出す。


「畜生…外れろっ…!」


 ギィッ!ギシッ!と、何度も音を立てて軋みはするものの一向に外れない金具。

 今頃になって焦燥に駆られ始めた勘太を馬鹿にするように笑いながら、イブは機材から

 離れる前にマイクのスイッチを入れ、集音率を最大まで高めると…ゆっくりとした足取りで

 勘太の後ろに周りこみ、彼の体に静かに…まるで蛇が得物に絡みつくようないやらしい動作で

 腕を回し、その耳元で小さく囁いた。


「外の奴等にさ…カワイー声、聞かせてあげなよ。」

 
   
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肝試しin夏合宿2006B / 2007年03月30日(金)



「あ…あははは…なんか変な偶然だよね〜!あ、勘ちゃん、変な気なんか使わないでいいからね!」

「…何だそれ。使ってくれって言ってんのかよ。」


 疲れた顔をしてそう言った勘太に、春菜は腰に手を当てて彼の顔を覗き込んだ。


「もー!何でそんな天邪鬼に言うのー!?」

「春菜の言い方が変なんだよ。」

「何それー!誠二のばかっ!」

「はは。悪い悪い。」



 もう、と拗ねてみせる春菜の頭に手をやりながら、誠二は笑って見せた。

 勘太の目には偽善めいて映るそれは、実際問題作り笑い以外の何者でもないのだが…

 そんな事露ほども知らない春菜は照れ臭そうに「やめてよ、もう。」などと言いながらも

 顔を赤くして笑っていた。



(…何も、知らない癖に。)



 勘太はそんな事を面白く無さそうな顔をして考えていたが…ハッとして気付いた。



(…まただ。また俺おかしい。何で春菜のこと僻んでんだよ!?)



「勘ちゃん?」

「えっ!?…あ、ごめん。何?」

「ううん。何でもないんだけど…顔色、よくない?勘ちゃんてこういうの苦手だよね?」

「チッ違うってバカ!」

「んー…ならいいんだけど…無理だったら言ってね?あたしもあんまり得意じゃないしさ。」

「………う…ん…。」

「あ、ちょっと誠二!歩くの早いよー!」



 そう言いながら、春菜は何時の間にか二人から距離を開けて歩いていた誠二を呼び止めに

 走って行った。…春菜が傍から離れた後、勘太の心に深い罪悪感が残った。



(バカみてぇ。意味分かんない事で春菜にイライラしてさ…ほんとどうしちゃったんだよ俺………?)



「キャァァッ!!」

「えっ?」



 考え事をしていた勘太の耳に、突然けたたましい春菜の叫び声が届いた。

 何事かと思って顔を上げると…春菜が、道に蹲っていた。

 勘太は自分の体の体温が、一気に零度まで下がったような気がした。



「春菜っ!!」

「蛇に咬まれたんだ。そこの茂みにいて…気付かずに踏んだんだな…。」

「ごっ…ごめんね二人とも…大丈夫…。」

「大丈夫なわけねーだろ!血が出てるし毒なんか持ってるやつだったらどーすんだよ!?」

「杉山の言うとおりだよ。戻ろう。」



 勘太は春菜を支えようと手を伸ばしたが…自分の手が届く前に、誠二が軽々と春菜を抱え上げて

 しまった。春菜は顔を真っ赤にして誠二に「大丈夫だからおろしてっ!」と叫んだが、

 誠二は聞く耳持たずに勘太の方を向いてこう言った。



「杉山。廃屋片付けてきてくれるか?俺達が最後だから…蝋燭とか点けてる筈だし、危ないんだ。」

「だっ駄目よ!勘ちゃん怖いの苦手なのに!」

「………へーきだよ春菜。俺行って来るな。じゃあ誠二、あとよろしく。」

「…ああ。」


 へへっと笑ってから、勘太は廃屋のある方向へ走って行ってしまった。

 …バスケ部随一の俊足とあって、流石に足が速い。勘太の姿はあっというまに見えなくなってしまった。


「…大丈夫かな…勘ちゃん…。」

「あれでアイツだって男なんだから、平気だよ。…足大丈夫か?」

「う…うん…ありがと…でもびっくりした。」

「何が?」

「勘ちゃんて、誠二のこと名前で呼ぶようになったんだね。何時の間に仲良くなったの?」


 その言葉に、誠二は軽く目を見開いた。

 …そう云えば…何時の間にあいつは、俺の事を人前でも名前で呼ぶようになったんだろう。

 前は嫌がって嫌がって、それでも強制してやっと下の名前で呼ばせてたのに。


「…誠二?」


 春菜は呆然と突っ立っている誠二を心配そうに呼んだが…誠二からの返事は、無かった。



「こ…こっちで…いいんだよな…。」



 半ば青褪めながらも、足元を照らしてなるべく辺りを見ないようにしながら勘太は夜の道路を歩いていた。

 何故かって?…そんなの、怖いからに決まっている。


 春菜が蛇に噛まれてしまって、誠二に肝試しのゴール地点を片付けてくるように言われた勘太は

 一人ぼっちで暗い夜道を歩いていた。






 一人ぼっちで。

 暗い夜道を。






(…やっぱ、さっきすれ違った安藤達に着いて来て貰えば良かった…。

 で…でもだってアレはアイツらが悪いから…!俺男なんだぞ!?痴漢に合うかもしれねーからとか

 言ってからかったりするから、こっちも引けなくなっちまったんだろバカ安藤っ!!)



 因みに安藤はからかったつもりなどこれっぽっちも無く、ただ勘太を気遣っただけだったのだが。

 …だってこんなに小さくて可愛い顔してたら、ちょっと許容範囲の広い痴漢なら男だと知っていたって

 勘太に遅い掛かって来ること請け合いだ。

 まぁ、そんな安藤の親切心も勘太にとっては嫌味以外の何者でもなかったという話で…。


 勘太が、ビクビクと自分の露出された腕や首筋を撫でる風にすら怯えていた、その時だった。





 ガサッ!!!








「ひぃっ!?」


 突然草むらから起こった物音に、勘太は声を上擦らせて後ずさった。


(なっ…何かいるーっ!?)


 パニックに陥り、声も出ないほどの恐怖が足元から湧き上がってきた。

 心なしか、体がガタガタと震え始める中、草むらの物音は更に激しくなっていく。


 …ガサッガサガサッガサッガサッ…ガサッ!!


「ギャァァァァァァァァァァァァーッ!!!」


 一際大きな物音共に草むらから何かが飛び出し…勘太はその瞬間、懐中電灯すらその場に捨て去って

 逃げ出した。よっぽど力一杯叫んだのか…勘太の姿が闇に消えても、その場には叫び声が木霊して

 いた。しかしそこに姿を表わしたのは…一匹の猫だった。首に小さな鈴がついているあたり、

 飼い猫だろう。
 
   
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肝試しin夏合宿2006A / 2007年03月30日(金)





 ばしゃっ…ばしゃっ………キュッ。


「…はー…。」


 タオルで髪の毛や顔を拭きながら、勘太は溜め息をついた。

 柔らかな髪が水に濡れて、毛先からは水滴がポタポタと落ちている。

 白いTシャツは水と汗で透けて、その下の肌が貼りついたシャツの下で艶かしく見えた。


「…何引き摺ってんだか…俺…。」


 付き合ってるって言ったって………誠二には、春菜を想う気持ちなんてないのに。

 春菜は片思いで、誠二に遊ばれてるだけなんだから…別に…二人が付き合ってるって言っても、

 落ち込む必要なんかないのにさ。………そうだよ…俺なんで落ち込んでんだよ。

 イライラするんなら分かるけどさ、落ち込むって何?


 春菜が誠二のこと好きなのがイヤ?


 …そう…なんだけど…なんか違う…この腹のとこで重くのしかかってんのは、それとは違う。


 …二人が付き合ってんのがイヤ。

 でも、春菜が誠二のこと好きなのがほんとの理由じゃない。

 …これってさ…まるで…。


「………俺が誠二のこと………って、バッカバカしい。」

「へぇ。お前俺の彼女になりたかったワケ?」

「ぎゃぁぁぁーっ!!!」


 勘太は叫んで振り返り、後ろに居た人物に青褪めて水場ギリギリまで身を下げた。

 シンクにバンッ!!と体が当たって、「いってぇ…」と顔を顰めていると、「バカじゃねーの?」と誠二が

 笑った。


 さっきとは打って変わった、人をバカにするような嫌な笑い方で。

 クックックッと喉を鳴らしながら誠二は言った。


「聞かれちゃマズイ独り言だったのか?」

「っ…お前にカンケーねーだろっ!!バカ誠二っ!!」


 顔を赤くしてそう怒鳴ってから、勘太は誠二の横を通って逃げようとしたが…あえなく腕をとられ、

 また元の位置へ力ずくで戻された。握られた腕の痛さに顔を顰め文句を言おうと顔を上げた

 勘太だったが…蛇ににらまれた蛙のように、何もいえなくなった。


 …誠二の、俺を見下ろす冷たい目は、何時も俺から全部の言葉を奪うんだ。


 冷たく低い声音で、誠二は不機嫌そうに言った。


「………誰が逃げろって命令した?」

「………いたっ…!」


 ギリッ、とさらに強く握られた腕に、勘太は恐ろしさを覚え青褪めた。

 …逆らったら何されるか分からない。こいつには常識とか良識とか、そんなもの微塵もないんだ。

 気に入らないものは全部、自分自身の決まりで塗り替えていく皇帝みたいな男。それが誠二だから。


「俺に何か言う事は?」

「っ………ごめん…許して…!」

「もう一回。」

「………ごめんなさいっ…!」

「次から二回目はね-から。」


 パッと誠二が手を離した途端、勘太はバッと両手を後ろに隠した。

 握られてたとこがジンジンと傷んで少し熱を持っている。

 …けどそれよりも、先程の誠二の冷たい眼差しの方が勘太の頭の中には強く根付いていた。

 自分に怯える勘太に満足したように笑って彼に背を向け、誠二は体育館の方へ歩きながら口を開いた。


「三溝から許可下りたぞ。」

「………え?」

「肝試し、今夜9時から此処に来る途中にあった廃墟で。」

「きっ…肝試しぃ!?」

「………はぁ?さっきのミーティングで話してたじゃねーか。…聞いてなかったのか?」


 バカにするような誠二の目も、今の勘太の耳には届かない。

 “肝試し”とか“今夜”とか“廃墟”とか、そんな単語がぐるぐると勘太の頭の中で周っていた。

 ………そう。何を隠そう、勘太は怪談が苦手だ。今時小学生くらいの子供でも笑い飛ばせそうな

 在り来たりな怖い話でも、縮み上がって震えてしまう勘太だ。


 ………夜の廃墟で肝試しだなんて…!!


「おっ俺パス!!行かないっ!!」

「………勝手にすれば?折角、あいつ等お前を元気付けようとして企画したのにな。」

「…え?」

「………マジで何も聞いてなかったのかよ。お前。」

「うっ…。」

「春菜も結局くっ付いて来る事になったし…行かねーなら別にいいけど、

 そうしたらここにお前一人残される事になるけどいいのか?…ここ、“出る”らしいぞ。」

「うっ嘘吐くな!!」


 勘太はそう言って誠二に抵抗を試みたが…誠二の余りに“役にハマった”薄気味悪い笑顔の前に、

 そんな紙切れのような虚勢は崩れ去った。


「嘘じゃねぇよ。…昔、さ。俺らと同じようにここに合宿に来てた部活生十三人と顧問の教師が

 火事起こして、当時の管理人と一緒に全員焼死したらしいぜ。まだ建物も木造だった頃だし、

 こんな山奥だろ?…朝まで焼かれた死体達は、骨も砕けてドレがダレだったのか判別出来

 なかったんだってさ。」

「…………〜〜〜〜ッ!!!」


 勘太は頭を抱えてその場に蹲ってしまった。

 …誠二からは見えないが、目だって涙ぐんでいる。

 まぁ見えなくたって誠二はそんな事予測していたのだが。


 予想通りの勘太の反応にくすっと笑い、彼は満足そうに体育館の方へ歩いて行った。

 …勘太がここに一人残るか、自分たちに着いて来るか………結果は一目瞭然だったからだろう。








 
   
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肝試しin夏合宿2006 / 2007年03月30日(金)




 外で喧しく蝉やひぐらし達が鳴いている。

 …木々の間から漏れる木漏れ日も、蒸し返すような真夏の暑さも、そんな中聞こえる涼やかな小川の

 せせらぎも都会では珍しいものとなってしまった近年。

 …けど彼等が暮らす此処では、そんな事関係ない。

 栄えた街からは遠く離れたこの場所で、彼等は小さな“学園”という世界の中で暮らしていた。


 K高原学園高等学校。


 名前の通り高原地帯に設けられたこの全寮制の高校に通う生徒達は、春休みや夏休みなどの

 長期休日と月に一週間だけ設けられた帰省日以外はほぼ一年中この場所で同じ学び舎の友人達と

 暮らしている。

 今は丁度、夏休みの終わり。もう暫くたったら生徒達も学園に戻ってくるということで、寮母さん達が

 忙しくしている中、一足先にこの場所に戻ってきた生徒達が居た。


「…で、明日の流れに移るぞ。朝は六時起床だ。部屋の班長は責任もって全員起こしておくように。

 寝坊した奴にはペナルティーがあるから覚えておけよ。六時半から朝練。それが終わったら朝食だ。」


 体育館…といっても、学校のではなく地方からやってくる学校団体に市が貸し出している施設の体育館。

 その中心に、同年代の少年達が各々バラバラに座っている中一人立ち上がり、スケジュール表を片手に

 彼等に今後の予定を説明する少年の姿があった。

 艶のある髪は少し汗ばんだ肌に貼りつき、只でさえ顔立ちも良く大人っぽい彼を余計に魅力的にして

 いた。ここに何人かの女生徒がいたなら、一人残らず彼の虜になっていたことだろうが…残念ながら

 ここには男子生徒しかいない。

 唯一この夏合宿に参加している女生徒であるこの部のマネージャーは、今頃彼等の昼食の準備に

 汗だくで追われていることだろう。


 K高原バスケ部の影の部長、小野坂誠二。

 面倒見もよく成績も優秀で、その上運動神経も抜群で性格も大人っぽくリーダーシップに優れ、

 部内でもこうして合宿には家の法事で不参加だった部長、玉居の代役を務める誠二は男女問わず

 誰からも好かれ慕われていた。


 それを体で示すかの如く、今彼が話しているこの瞬間、無駄口を叩く生徒は一人もいない。

 特別怖い鬼コーチがいるわけでもないこの部活の秩序が誠二の人望で保たれているのだという証拠だ。


 …だが、そんな彼をまるで毛嫌いするように嫌そうな顔をして見詰める少年もその中にはいた。

 彼は色素の薄い髪を窓から差し込む陽の光に透かし、女子顔負けの色白で綺麗な珠肌にうっすらと汗を

 かいていた。細い首筋を伝い、シャツの胸元へ消える汗の筋が少年とは思えないほどに色っぽい。

 顔だって、男の子とは思えない程に可愛らしい。

 そっち系の趣味のオヤジが今この場にいたなら、世間体など一切無視して迷わず彼を拉致監禁する

 だろう。


 彼の名前は杉山勘太。

 自分が女顔でチビだということをコンプレックスに持つ、K高校バスケ部の一員だ。


「そこから二時間自由時間を入れてあるけど八時半にはすぐ練習に入るから八時ぐらいからは皆

 それぞれウォーミングアップを済ませておくように。

 そこから昼まで練習して一時半から昼食。休憩挟んで三時からは筋トレやるぞ。

 四時から六時まで練習で、それから夕食。風呂は部屋の班で順番に入るようになるから…

 まぁ、その後は自由時間だ。部員に迷惑かけない程度なら、多少の事には目も瞑る。何か質問は?」


「はーいはいはいはいっ!!なぁ小野坂〜肝試しやろうぜー!!」


 
   
Posted at 20:19 / OTHER STORY / この記事のURL
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4月TOP絵 / 2007年03月13日(火)
4月のテーマ…それは桃汁まみれ!!
くどいほどエロくなるかと思ったらそこは逸平サン。
ちゃんとTOPに飾れる感じにero+爽やか
先月のTOPも大好きでしたが、今回も中々捨て難い…!!

全体絵で、更に萌え萌えですよ(;゚∀゚)=3ハァハァ


 
   
Posted at 20:16 / SEMEORE Illustration / この記事のURL
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秋猫×2 / 2007年03月13日(火)
ネコ = 受け

BIRTHのネコといったらこの二人しかいませんが!!
そんな彼等を秋色に飾ったイラストがありますので公開。

もう冬も終わって春ですが、何か!?(´∀` *)ウフフ

イブに松茸持たせたのは作為的なものですw
次期外れ甚だしいですが、本邦初公開です



 
   
Posted at 20:08 / SEMEORE Illustration / この記事のURL
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