右往左往 

February 24 [Tue], 2009, 0:52
どうしよう、
あたしこのままじゃキミに酷いこと言ってしまいそう
愛しているだなんて言ってしまいそう

キミと恋をはじめるには
あんまりキミは大事になりすぎてる

それでも、もしも、
キミがいいよと言ってくれたら?

キミを愛していいのですか
傷つけていいのですか

色んな人に似てるキミ 

May 09 [Fri], 2008, 21:03
思いきってキミに抱きついたら
半分戸惑った 困った笑顔で
抱きしめてくれたから

わたしはすごく幸せになって
涙が出そうになったけど
さっきからずっと考えているんだけど
キミが本当には誰なのか
あとちょっとのところで分からないでいるの

 

April 07 [Mon], 2008, 0:06
真夜中におまえの声が聞こえた気がしたら、
わたしはどうしたらいい?

カケラ 

April 06 [Sun], 2008, 2:56
もっと不安にさしてよ
もっと不安にさしてよ
不安をほしがるのは 安心を信じているから

もっと悲しくさしてよ
もっと悲しくさしてよ
悲しくなるのは うれしさを知っているから

鐘の音 

March 26 [Wed], 2008, 0:33
なんかいろんなめんどくさいこととか、人生ごと投げ出しちゃいたくなっていたら
ちょうど鳴りだした鐘の音が、とても綺麗で
「生きろ、生きろ」と言っているように聴こえた。
わたしは感動のあまり体が震えだして、生きていける気がした、のに、
鐘の音はいっこうに鳴り止まず「いきろ、いきろいきろ、いきろいきろいきろ、いきろ、いきろいきろいきろ、いきろ!!」
とくりかえすから、次の瞬間にはさっき以上に死にたくなっていた。

たまらず耳をふさいだわたしは、でも
その瞬間にはすでに、明日生きているための言い訳を考えはじめていた。

トウキョウノスタルジア 

March 19 [Wed], 2008, 0:50
トウキョウ ノスタルジア
虚ろいやすいからセンチメント
勢いまかせて

こんな初春の雨の日の 曇り空がよく似合うくらいの

バスがおくれてやっと手にする平穏、 バスが遅れたくらいじゃやってこない平穏
自由とひきかえに渇くノド
(ナゼなら、手は傘でふさがっているから)

バス停の真向かいのアパートの壁は
その真上にある空と そっくりな青い灰色
見とれた

だけど
やっと小さく見えたバスに ナゼか待ち焦がれたような気持ちになり
乗りこんだ

そして窓の外に心奪われつづけてるボクはもう
さっき
バスの向かいのアパートの壁と その真上にある空の そっくりな青い灰色に見とれた
ことも 忘れはじめてる

今日の雨の空に溶けていたいんだ、今ボクは

トウキョウ ノスタルジア
虚ろいやすいからセンチメント

さっき見とれてもう忘れそうな色のことも
言葉にしたら ちょっとは 忘れずにいれるかな?

言葉にしてる間に見逃す 外の景色は
だれが 教えてくれるの?

見上げたアタシは なんだか身重な精神をしていて
この椅子を正式に自分の居場所にしたい
そんな気持ちに気づく

なにをこんなに憂鬱がっているんだろう?
それともアタシは、自分が憂鬱なのかどうかもわからないのかな

過去のワタシと交わした約束の時刻を 3分まわった
目的を果たすにはもう間に合わないことを知って
生まれる安堵、 それを知ったくらいじゃ生まれない安堵

つづく ワタシの トウキョウ ノスタルジア

名のない子 3 

December 17 [Mon], 2007, 17:55
ある夜。
わたしは、音もなく窓をすり抜けて、ママの寝室へ入ってみた。
ママの枕元に立って、独り言のようにつぶやく。
「ねぇ、わたしのことなんてもう忘れたの?
幸せそうな、ママ」

ママが不意に目を開けた。
瞳が驚きに見開かれて、苦しそうな表情に変わる。

「…!」

ママの口から、なにかの名前が呼ばれたけど、聞き取れなかった。
ママがわたしに手をのばしたから、
わたしは慌てて窓の外へ逃げたのだ。

窓を開けて、必死で見回してるママが見えた。

探してる?わたしを??
どうして?

ママ、泣いてた?
どうして?

わたしは訳がわからなくなって、チェスを探した。
夜の車道に、年老いたチェスが倒れていた。
車にひかれたんだ
チェスは、もう硬くなっていた。


わたしは、名のない子
生きてない子
死ねない子

だけど、わたしには、チェスというともだちがいた
わたしは、桜が咲いて散る春が好きだ


ママ、
わたしのことが分かったの?
ママ
何故、死んだわたしがここにいるのか。
ママの苦悩が、死にきれないこの”わたし”を生んだの・・・?

答えて、教えて、ママ、ママ、


わたしは、ママの所へ戻ってみた。
ママはもう眠っていた。
でも、頬は濡れていた。

わたしは、そっとその頬に触れてみた。
「ねぇ、ママ、わたし、産まれられなかったけど、
ともだちがいたんだよ。
好きなものがあったよ。

だから、わたし、生まれてよかったわ。
ママが産んでくれてよかったわ」

生まれなかったわたしを、産んでくれてありがとう。


“ママ”は、その時不思議な夢を見ていた。

昔、堕胎手術をしてから、いつも窓の外に小さな女の子の姿を見ていた。
それは、わたしの所にくるハズだった子。

女の子は、生きている者ではないように、フワフワとしていた。
でも、生きている者と同じように、年々成長した。
最近ではもう中学生くらいにもなっていた。
いつも赤ちゃんみたいなショートカットで、瞳がくりっと大きな子だった。
「ふふ、そんなの、いかにもわたしの想像どおりの女の子じゃない」
そう思って、笑って、泣いた。いつも。
生まれていたら、こんな風だっただろう―

ずっと、忘れることなどできなかったよ

夢の中で、少女がわたしの頬に、白い細い腕をのばした
ああ。初めて、触れることができた
わたしは、抱きしめた。
少女は、逃げなかった。
涙が、生まれておちた

「ありがとう」
そんな言葉を聞いた気がした。
そしてわたしの腕の中に抱かれたまま、消えた。

妊娠していることに気づいたのは、その4日後だった。
それから数日経って、わたしは、窓の外に少女の幻を見なくなっている
ことに気づいた。


わたしは、笑って夫に言う。
「名前は、もう決まってるの
ずっと前から」
夫も笑う。

この子は、次の春、桜が散る頃に、生まれてくる。
きっと女の子だと思う。
あなたは、綺麗な季節に生まれた、幸せな名前を持った子供。

名のない子 2 

December 13 [Thu], 2007, 17:52
わたしは、名のない子
わたしは、うまれなかった子


なのに、わたしはもう14才になってしまった。
あれからずっと、わたしは、産まれたわたしが過ごすハズだった
家の近くで、過ごしている。

わたしが”死んで”から2年後に生まれた弟は、中学生になった。
弟は、いつも元気だ。
パパは、仕事が忙しいらしい。

ママは、なんとなくいつもボーっとしてる。
時々、こっちのほうをじーっと見つめている気がして、ドキッとする。
もしかして、わたしのこと、見えてるんじゃないかしら…?とか
思ったりする。
ま、そんなことあるハズないんだけどね。
あったとしても、わたしが誰なのか分かるハズがないし。

わたしには、チェスというともだちもいる。
ウチの隣の山田さんちのメスのくろねこだ。
わたしが“うまれた”時にはまだ赤ちゃんだったチェスも、
今ではおばあちゃん。

「ねぇ、チェス。
わたし、って、なにやってるんだろうねぇー」

チェスはいつものように、わたしの顔を一瞬じっと見て、すぐにあくびをした。
「またその話かよ」って思ってるな…。

「そうだよ、知ってるよ。
あのとき、わたしを堕さなかったら、ママの命があぶなかった。
わたしだって、産まれたとしても、障害が残るかもしれなかったし、
生きて産まれてこれるかどうかもわからなかったよ。

そうだけどさ…
つまり、選んだワケじゃん。
それでも産もうとする気持ちっつーのがさ、なかったワケじゃん。
そのことがさぁ…」

ここまでしゃべると、いつも、わたしはイライラしてきて、両眉の間が
つまって険しい顔になっている自分に気づいて、しゃべるのをやめる。

”コロスほうが 良いので 選びましょう”
” コロスほうを 選びましょう”

天使たちが優しい声で、残酷な歌を合唱し始める。
わたしは痛みなんか感じるハズはないのに頭が痛いような気がして、
頭を抱えこんでしまう。

ママは、わたしを殺すことを選んだのだ。
わたしは、生かさないことを選ばれた子供。

この事実が、とっくに死んだハズのわたしを14年間もこうして
ここに置き続けたんだと思う。
死ぬこともできず、生きることもなく。

名のない子 1 

December 11 [Tue], 2007, 17:09
わたしは 名のない子

わたしのママは、わたしを妊娠して3ヶ月目に病気になった。

わたしとママは、それからの2ヶ月を病院で過ごした。
秋生まれのママは、誕生日をそのまま病院で迎えた。

わたしは、外の世界の様子を知ることはできなかったけど、
ママの気持ち、気分はそのつどよく分かった。
伝わってくるからだ。

ママの不安は、最初は、当時3ヶ月の胎児だったわたしの親指くらいの
ほんの小さなものだった。
でも、それはどんどん大きくなっていった。
やがて、わたしの体よりも大きくなって、ついにわたしは不安のかたまりの中に
スッポリ包まれてしまった。
それは丈夫なゼリーのような感触のものだったけど、わたしを押し潰しそうな
ほどにせまってきた。
そして、常に不安でたまらないというように揺れていた。
その揺れがわたしの体伝わってくるから、
わたしは、こわくて、こわくて、夢中で親指を、強く強くしゃぶった。

「ママ、たすけて!」って、心の中で叫んだ。

翌日、ママはわたしの堕胎手術をした。
わたしが外の世界に産まれるまでには、まだまだ時間があった
ハズなのに、
わたしの身長は、まだ親指くらいしかなかったのに、

わたしは、ママから切り離された。

そんなふうにして外の世界に出てきたわたしの様子を、
わたしは、病室の空間に浮かんで、見下ろしていた。

でも忘れてしまおう 

November 26 [Mon], 2007, 12:10
今日はめずらしく午前中に起きた。
といっても正午数分前だ。

寝なおそうと思って布団に入りなおしてちょっとしたら、
協会の鐘が鳴り始めた。
ああ、久しぶりだなぁ。お昼に起きてることほとんどないから。

鐘が1回打たれると、ふたつの音が聴こえる。
1/fゆらいでるからそう聴こえるのか、それともそういう響き方をする
ような造りになってるのか?
高いのと低いのと2つ同時に鳴る、そのハーモニーがいつも
たまらなく気持ちいい。

規則的に何回か鳴ったあと、音程が変わる。
そしてリズムも、変則的なようでいて心地いい不思議なものに
変わる。
それは”掻き鳴らされる”というかんじにも近い、勢いのあるリズム
なんだけど、でもきちがいめいたかんじはなくてやっぱり落ち着いていて
清々しい。

わたしは布団の中で、そんな一連の素敵な音楽を久しぶりに
聴けたことがうれしかった。
「この鐘が鳴ってる間はわたし、幸せでいるのかもしれない」
そう思って、気がついた。

もしも心の底から表面まで悲しみで満たされてるときは、果たして
この鐘の音を聴いて、同じようにうれしい気持ちになれるんだろうか?
いや。
と、いうことは、今この鐘の音を耳を澄まして息をひそめるようにして
聴きながら、心が冬の空気みたいに清々しくなるような素敵な感覚を
感じたのは、そしてうれしくなったのは、わたしが今悲しみで心が
満たされていない証拠じゃないか。
幸せであるという証拠じゃないか。

なんだ、幸せなんだ。幸せなんじゃん。
知らなかったよ。
バカだねぇ、そんな大事なことに気づかなかったなんて。
ははは。

「そうか、わたしは幸せなんだなぁ」と心の中でつぶやいたら、
さらに自分が幸せになったような気がした。




でもそしたら、なんかコワくなって「そうか、幸せって自覚すると
不幸せも自覚できてしまいそうな気がするから、コワいんだ」
と思った。

だから、忘れることにしようと思った。
そうして、またすぐ忘れてしまった。