Wah Wah Watson:Cry Baby 

2005年05月02日(月) 0時45分
「ワーワーワトソン!!ワーワーッ!」
いつもこの紹介のアナウンスを思い出してしまう。

ワーワーワトスンのアルバムはむかし買うかどうか真剣に迷った記憶がある。
このときの彼はといえば、ハービー・ハンコックバンドのギター。私がジャズをかじり出した頃に出た、個人的ベストの一枚、ハンコックの「V.S.O.P.(ニューポートの追想)」のD面で恐ろしくかっこいいワウワウに出会っていたのだ。当時の新しい代表曲2曲演奏したこのD面は、じつはA面の処女航海より何度も聴いた。

で、興味を持って某ジャズ雑誌のバックナンバーをむさぼり読む中、前年('76)にリーダー盤があることを見つけたのだ。買うべきか、心の底では買うべし!との声が聞こえる。でも、一方でこれはジャズじゃないようだぞ、黒人のファンキーなクロスオーバーらしい(いかにも某ジャズ雑誌らしい紹介でも読んだのだろう)、ジャズを買うならいいがクロスオーバーはイカンのではないか?と別の声が思いとどまらせる。

新しいジャズの試行錯誤に対して、業界がいつの間にか“クロスオーバー”などという名前をつけた頃、のちのフュージョンという商売に向かって業界が邁進し出した頃だ。ジャズ雑誌を読んで耳年増になっていた当時の自分は、クロスオーバーというレッテルが貼られた作品に対しては“一段低い音楽(精神性が低いってこと)”と思い込んでいた。

ワーワーワトソンはよさそーだ、と直感的に思っていても、アルバムを買う決心がつかなかった。マイルスだって買わなきゃいけないし、だいいち、そんなに小遣いは持っていないから失敗は許されないのだ。できるだけ“ジャズの上達(苦笑)”に近い盤を優先させようとしていた。(以下へ)

Crown City Rockers:No Sense 

2005年04月04日(月) 0時59分
元MISSION、さすがジャジーで味のある音。

この曲は2分ちょっとの短い曲だけど、ローズの音がぐるぐる続いて、なかなかジャジーでレイドバック調。あいかわらずいいサウンドしています。もう新譜は出ないのかとがっかりしていたところに、"Earthtones('04)"が出ました。日本編集盤みたいのが先に出ていたそうなので、このユニット(バンドっぽいけど)は日本受けがいいんでしょうね。

それにしても、短いけど十分味のあるトラックだなぁ。このユニットは生演奏も多いので、この生な感じがあるんでしょうねぇ。たしかにちょっとアメリカのメジャーなシーンでは居場所がないような気もしますね。

次のアルバムが出るといいんだけど。

Jaco Pastorius:Jaco Bass Solo 

2005年03月14日(月) 1時06分
うーん、またしてもランダム選曲の苦しみだなぁ。
ジャコのソロです。好きな人は好きなんだろうけど。

ジャコ・パストリアスと言えば、天才ベーシスト(これは同意するけど)で、いまだにファンも多いミュージシャン。録音の残りだの未発表ライブだの、本人がもし生きていたら発売を許可しなかったと思われるような演奏もいっぱい“作品”として売られています。

この曲もそんな録音のひとつ(買うなよって?そーですね。でもハービー・ハンコック目当てで買ったんです)。"Herbie Hancock with Jaco Pastorius('77Live in Chicago)"というアルバムで昨年くらいに店頭で売られていた盤。ただレーベルとか内容とかさえないのでブートすれすれなんじゃないかとは思います。

77年といえばハービーはファンクジャズのバンドも絶好調のところへ来てVSOPもはじめた頃。ジャコはウェザーリポートで大活躍中。いきさつは知らないけど、その年のライブだからついつい期待して購入。

結果は、ま、だいたいこの手のアルバムの例にもれず、だめだめでした。ハービーの代表曲でいっぱいではあるんですけどね。自分の目当てもその中の1曲"People Music"だったんだけど、いやいや聴くのも辛い。このふたりにベニー・モウピン+ドラムスという編成に無理があり過ぎます。

で、きょうの1曲の"Jaco Bass Solo"なんだけど。うーん、ジャコをさして好きじゃない自分には、ちっともそそらない曲なんですね。しかもライブのせいか、当時人気絶頂だったからか、ジャコのベースソロだけで10分近くあります。

ジャコ好きなら聴いておいた方がいいテイクだとは思います。聴いていて辛くなるような晩年の未発表系よりはいいんじゃないかと思います。ただそのためにアルバム買うのはおすすめできないですけどねぇ。

Fatboy Slim:The Journey 

2005年03月07日(月) 0時38分
ファットボーイスリムの最近作"Palookaville('04)"の1曲なんだけど。



うーん、あんまりよくしりません。
webをちょっと調べたら説明はいろいろとあったけど、ここにダイジェストしても意味ないのでやめときますね。


ちんたらとした曲で、ま、雰囲気があると言えばある曲ですかね。
私の英語力では、輸入盤だと歌詞もわからないし、コメントしにくいです。
ただ、ファットボーイスリムってすごくバカっぽい(ほめ言葉です!)感じなので、あんまりシリアスに歌詞を読まなくてもいいかなとは思っていますけど。

ハウスマーティンズが好きだったのと、よくブーツィが参加しているから、
ノーマン・クックのアルバムはなんとなく買い続けてます。
でも、やっぱり部屋でおとなしく聴いててもなんか魅力薄い気がしますね。

そうそう、ファットボーイスリムといえば、前にはやった曲で、
秀逸な踊りを延々とやりつづけるユーモラスなビデオがありました。
あれ今でも欲しいんだけど、DVDとか出てないみたいですね。
残念です。

菊地雅章:"Circle/Line" 

2005年03月04日(金) 2時03分
これいつの演奏?耳をうたがう新鮮さ。
カッコイイ、JAZZ FUNK。

複雑なポリリズムが延々と続く上で、ときにむせび泣くようなメロディ。
持続するグルーヴとすごい構成力。ほんとうの名曲でしょう。
今聴いても全く古くない、というか、興奮します。

菊地雅章といえば“プーさん”なわけですが、私の印象ではジャズ好きにはけっこう評価が別れる人だったように思います。もちろん、早くからNYに行き、ギル・エバンスのところで働いたり、マイルスとも交流があったり、そりゃまぁ日本人ジャズマンとしては“超一流”の活躍をしていたけど、なんというか先進的な音楽を自由にやっているという点で日本のジャズファンからはどこか疎まれていたんじゃないだろうか。

やっていた音楽はマイルスやギルの影響を受けたもので、当時もジャズを逸脱するような試みをやっていました。メチャクチャ頭いいファンクみたいな音楽ですね、簡単に言っちゃうと(元も子もないけど)。踊れるかどうかと言う意味では???だったけど、とにかくかっこ良かったことは間違いない。ただ、日本のジャズファンには、彼の活躍を良いことと思い応援する気持ちはあっても、音楽的に受け入れられなかったように思う。最近は評価が変わったのかな。

この曲は、(iPodランダム選曲なのに運良くかかったけど)この時期の菊地雅章の傑作じゃないかなぁ。名作アルバム"SUSTO('81)"のA面の1曲目です(もちろんIpodでは関係ないけど)。ほんとうにかっこいい曲でよく聴きます。

そうそう踊れるかどうかということに関してですが、DCPRGではこれをライブでやっていたそうで、若いファンがみんな踊っていたそうです。すごいな、このリズムで?日本人が??踊れるの?菊地成孔の確信犯ぶりもすごいですね。

"Chilliboner" performed by Chillinuts 

2005年02月12日(土) 1時08分
ひたひたと響く叙情的ピアノ。淡々と続くリズム。
クールなクールなリミックス曲。

これはChillinutsというノルウェイの20代の若者ミュージシャン(DJ?)3人によるユニットの作品。アルバム"Reworks; What A Kind Of Machine Is This?('04)"の最後の曲です。

ノルウェイのカーリングレッグスレーベルが、なぜかこのユニットにどーんと曲だか元の音だかの使用権を与えているようで、クレジットにはブッゲとかシゼル・アンドレセンとかラーシュ・ダニエルソンだとか著名な人たちの名前がいろいろ見られます。

あまりこのユニットのことをしらないんですが、このアルバムでは3人ともプログラミングというのが主なる紹介になっていて、アルバムタイトルも"Reworks"(リミックスじゃない)とあるくらいなので、原曲を普通にリミックスしたのではなさそうですね。かなり再構築した作品なんでしょう。

ノルウェイの今のジャズとエレクトロニカがクロスした音楽の典型かもしれません。この曲でアルバムは余韻を残して宙に消え入っていきます。なかなか美しい瞬間です。

"(You Bring Out) The Best In Me" performed by The Dells 

2005年02月09日(水) 0時53分
うわぁ−、とろけるな、こりゃ。さすがデルズ。

このアルバムの中でも別に特別な曲というわけではないけれど、いやいや、だめだわ、こりゃ、体質的にフヌケにされちまう。この時代の音に逆らえない自分を発見します。デルスの後期(ですよね)のアルバム"Face To Face('79)"からの曲。(ジャケットは再発2in1盤です)

声の力と美しさ、オーソドクシーの強さ、人が何を気持ち良いと思うかの原点のような音楽です(ちょっと大げさかもね、他の曲もすごいし)。最近はこういうコーラスってなかなか聴く機会が減っていたけど、こうやって突然かかるとすごいや。

実はデルズはこの前年に、我がスーパーアイドル、G.クリントンをプロデューサーに迎えたアルバムを出していてそれがまた最高です。もっともG.クリントンももとをただせば、ドゥワップコーラスなわけでデルズに関わるのも当然かもしれないけど。しかもそこで取り上げている曲はG.クリントンの最初のヒット曲。Pファンクの遥か以前、パーラメンツでのヒット曲。それにしても78年というPファンクのピークの年にデルズプロデュースだもんなぁ。当時のG.クリントンの凄みが伝わってくるなぁ。

ま、いずれにせよ、70年代の終わりでもデルズは最高のコーラスグループだったんだなぁ。

"That Subliminal Kid Vs The Last Mohican" performed by DJ Spooky 

2005年02月08日(火) 2時24分
NY前衛ジャズのリミックスのリミックス。
アドリブのスリルなんてのはないけど、これはこれでよし、かな。

この曲は、DJ Spookyのアルバム"Dubtometry('03)"から、DJ Gooなる人が手掛けたもの。アルバムの中では比較的さらっとしたリミックス。ま、可もなく不可もなくって出来でしょう。

リミックスのリミックス、というのは、もともとこのリミックスアルバムの元のアルバム自体もNYの前衛的ジャズマンの演奏をリミックスしたものだから(というか、演奏をDJ Spookyが加工して作品として発表された)。

演奏そのものはマシュー・シップあたりががんがん弾いて(るはず)です。電気的加工がいっぱいされているとはいっても、元のバージョンにはジャズ的なダイナミズムも満載されてました。

こっちのバージョンは明らかに構築されたもので、別の音楽ですね。アルバムタイトルのような“ダブ”はそれほど感じません。でも、このアルバムのリミキサーには、リー“スクラッチ”ペリーだの、マッドプロフェッサーだのも名を連ねているので曲調はいろいろです。

それにしてもNYはさすがに新しいジャズへの挑戦が続いていていいですねぇ。

"CRAZY SUMMER" performed by キリンジ 

2005年02月04日(金) 0時55分
ちょっと風変わりなところもあるけれど、
めちゃめちゃ上質なポップってところでしょうか。

旅行に行っていたりして、ほぼ1か月ぶりに書きます。

この曲「クレイジーサマー」はキリンジの中でもとても穏やかな曲。アルバム(ミニアルバム)"スウィートソウル EP('03)"の最後に収録されています。

キリンジはとても上質というのはもちろんだけど、
ものすごく引き出しの多いポップス職人みたいな感じのところもありますね。
イギリスのおじさん系のポップスのユニットみたいな印象があります。

もともと洗練されてはいるけど、自分の趣味としては少し前のひねりというか
ひねくれぶりが少しうかがえる曲調の方が好みかな。

それにしてもこういったポップスをやる日本のユニットってないですね。
そんなにJポップ(というか日本のポップス)を聴かないので知らないだけかも
しれないけど。ただ、日本離れのセンスというのとは違って、ある種、日本ぽい
(日本の現代の都会という感じ)印象もつよいです。曲調の叙情的なところが
そう思わせるのかもしれないけど。

ちなみに詞はこれまた相当よかったりします。とくにちょっとシュールな
歌詞などは、なかなか他の人は書きませんね。それをこんな洗練された曲に
載せるというのがいいんだろうし、個性なんでしょう。

刺激的ということよりも、質のいいポップスをききたいと思う時には
キリンジをぜひオススメします。

"Somewhere Else Before" performed by Esbjorn Svensson Trio 

2005年01月03日(月) 0時43分
たいへん人気があるらしいピアノトリオ"E.S.T."。
この演奏も“ヨーロッパのピアノ×今の音”としてきわめてカッコ良い。

曲のタイトルがなんとなくキース・ジャレットの有名なアルバムタイトルを思い出させますが、もちろん違う曲です。でも、リーダーでピアニストのエスビョルン・スヴェンソンは相当キースに影響を受けているんじゃないでしょうか。ときおり、通じるフレーズを弾きます。

アメリカのメディアでも取り上げられ、21世紀のジャズを創るアーティストだとか、ビル・エバンスを再創造しているだとか、ECMの現代版だとか、いろいろと絶賛されているようです。本国スウェーデンではポップチャートでヒットするくらいの人気があるらしいです。

新しいジャズとは言っても、ピアノトリオの編成である意味オーソドックスなジャズのフォーマットで演奏するのが特徴です。この曲もリリカルでメロディアスなピアノが、ときに静かに、ときに素早く駆け抜ける、きれいで抑揚に富んだピアノトリオの佳曲です。99年と00年の2作からの編集盤"Somewhere else before('01)"から。

新しい感じがするのはリズムのせいだと思います。ジャズにとらわれないで自由なリズムが曲を支えており、心地よい緊張感とジャズらしさと現代感を共存させています。このトリオの魅力はいろいろとあるけど、その絶妙な新しさの表現がキモであると思います。

同じ北欧でもノルウェイのブッゲ・ウェッセルトフトあたりとはまったくアプローチがちがうので、いわゆる日本の保守的なジャズファンにも(スイングジャーナル的な世界でも)受け入れられるのではないでしょうか(すでに受け入れられているのでしょうが)。

個人的にはジャズランドのアプローチの方がしっくりくるところもありますが、このE.S.T.もとても楽しく聴ける現在進行形のジャズです。いいですよ。