あい 

May 21 [Tue], 2013, 16:22
君のこと
そんなに好きじゃないけど
失いたくないよ

死んでも泣かないと思うけれど
消息不明にはならないで

誰かのものになるのは構わないけど
結局は一人だとずっと思っていてね

何をしても嫌いにはならないけれど
何があってもこれ以上好きにはならない

私は側にはついていないよ
誰かが近くにはいてくれるでしょ

手もお金も貸すことは出来るけれど
他に比べて特別ではない

君のどこが気になるんだろう
君を一体どうしたいんだろう

どうなってもいいけれど
どうでもいいとは思えない

どこかにいてくれればそれで良いんだ
幸福だと思っていても 不幸だと思っていても
ただどこかで普通に
暮らしているというそのことが
私には大切で
それだけが気になって
どうしても
どうしても

何故 

May 21 [Tue], 2013, 16:20
どうしてこんなに悲しいのか
それは遥かに透明だから

どうして青い花を摘んだのか
それは憂いに心折れそうだったから

どうして死んでしまわないのか
それは遠くに星が見えるから

どうして鼓動は不安になるのか
それは燃え盛る炎に似ているから

かたち 

May 21 [Tue], 2013, 16:17
貴方の骨格標本を
百年かけて作りたい
貴方の体を象りして
千年かけて飾りつけ
貴方の皮膚の一片まで
万年かけて記録する

貴方一人に差し向けたい
あればあるだけの時間を全て
愛しむことに使いたい
 

迎え 

January 11 [Fri], 2013, 18:03
時々
風の静かな
深い夜に
扉を開ける音がする

誰も来るはずがない
けれど 少しも驚かない
誰も入っては来ない
けれど 怖いと思わない

知っているから
帰って来るはずがない人が帰るのを
寂しく静かな
夜にだけ帰る人がいるのを
無かったはずの帰宅
私は無かったようにやり過ごす

方針 

November 02 [Sun], 2008, 18:11
幸福に大切なのは幸福ではなくて
幸福感だと知っているので
私は言葉を
処方します

それだけで生きていけたらと
何度思ったことか知れません

夏の冠 

May 03 [Sat], 2008, 22:26
電話の向こうには君がいる
僕の脳裏には夏の青空が浮かんでいる

硝子の様に澄んだ青
人のざわめきは遠く
蝉の鳴き声に紛れる風鈴の音
陽炎から逃れて木漏れ日を求め
冷たい飲み物を探しに行く
喉を伝う汗
唇に塩と土の味

緑色の山も
真っ青な海も
白い光も
黒い夜も
目を閉じられない程に美しいのに
それを思う僕は今 目を閉じている
電話の向こうには君がいる

夏を肌に感じたい
君と向かい合って話したい
どちらも叶わぬ願いだが
美しく愛おしい思いに
強く受話器を握り締める

意識 

March 29 [Sat], 2008, 2:41
胸を痛くするこの夜の空気に
冷たさに似た透き通る気温に
藍色の陰影に
昼の情景の残骸に

突き刺さる

 

硝子の音楽 

March 29 [Sat], 2008, 2:40
分からないんだ
どうしたらいいのか
分からないんだ
こんなにも好きなんだけれど

酷い酷い酷いことも
美しくて仕方ないから
憎めない

痛い思いをさせられたのに
嫌いかと聞かれれば
好きなんだ

でもね
好きなのは確かで
それは愛でさえあるけど
そんな人が死んでしまっても
もう何も思わないんだ
自分で殺したとしても
もう何も思わないんだ

何があっても好きなのに
好きなことが何でもない

こんなに透明では
足元が怖いよ

言語 

March 29 [Sat], 2008, 2:37
温もりの名前を
許しはしない
そこに頼ればやがて
一人では立てなくなるのだから
いつか死ぬ日の為に
最初からいなかったように
僕はただ言葉だけを信じる

焦燥 

February 16 [Sat], 2008, 1:48
伝達の手段が発達して
色々な事を知った今僕らは

自分の孤独を知って
寄り添わなければと掴み掛かり

命の終わりを見せ付けられて
終わらぬ夢を漁っては這い回り

一瞬に過ぎない人生に焦り
輝くものに指を焼かれて

眩しいものに近付き過ぎて
目を閉じずにはいられず

悲しいことを知りたがらずに
辛い事実を遠ざけた

目の前に有ることに気付くほど成長するには
僕らの命は充分じゃない