魚谷さんが両手で顔を覆って、声をつまらせながら言う

January 22 [Sat], 2011, 21:18
 魚谷さんが両手で顔を覆って、声をつまらせながら言う。
「ゆり様は……っ、夢のように綺麗で……優しいかただったって……おばあちゃんは、いつも――いつも――話してくれたの。あたしは、おばあちゃんが話してくれる、ゆり様の話が大好きで……お屋敷に……こっそり来て、ゆり様の日記も……何度も、読んだの……ゆり様のお屋敷を、守りたかったの」テディベア
 撫子の押し花は、魚谷さんが挟んだのだろう……。
 白雪になった魚谷さんを縛りつけていたのは、決して恐怖でも、義務でもなかったのだと、魚谷さんの告白を聞いてわかった。
 魚谷さんはただ、ゆりの物語を守りたかっただけなのだ。
 月に照らされた池のほとりで、
 緋色の夕日に染まった庭で、
 あたたかな光の射し込む小さな部屋で、ゆりの残した本に囲まれて、
 魚谷さんは、美しい花と月の夢を見ていたのかもしれない。
 遠子先輩が膝を折ってしゃがみ、魚谷さんをそっと抱きしめて、髪をなでた。
細い体躯と、あきらかに髭とは無縁な色白できめ細かな肌も、まだ男性なりの色香が身につかない少年の清純無垢な雰囲気として素直に納得できてしまうほどだった。くまのぬいぐるみ
「私の恰好と釣り合いを取って選んだ服なんだけれど、セイバーは気に入らない?」
「はあ、いえ別に。それなりに動きやすい衣装ですし、男装には昔から慣れています」
 鎧甲冑から着替える必然性は、当然ながらあったのだが、ドレスアップの段階でアイリスフィールが必要以上の趣味に走ったことは、どう転んでも否定できないだろう。
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