文学座の歴史(2) 

2007年04月23日(月) 14時44分
現在は約150人の俳優がいる文学座だが、設立当時(つまり70年前)は15人だった。
研究所は第1回試演(前の日記参照)と同年に開講し、生徒は10人程度であった。
ちなみに渡辺徹の時代には1600人も受験者がいたらしい。

戦中も公演を行っていた文学座はもしかしたら戦犯扱いされるのではないかという危機感に駆られたが、それもなく戦後を迎える。一方政治的(左翼的)芝居をしていた文学座以外の劇団員達は拘束されていたが、戦後解放され、俳優座や民藝を設立することになる。

以後で特筆すべきは昭和38年の脱退事件だろう。
当時座員は50名程度いたが、杉村春子を前面に押し出した芝居ばかりに嫌気がさしたメンバー29名が一斉に脱退。
かなり綿密な計画が用意されていたらしく、創立メンバーや三島由紀夫、矢代静一などの主流派には声をかけずにある日急に脱退した。
そのうちの芥川比呂志や岸田今日子が雲を設立する。

メンバーの大勢が脱退してしまった文学座は三島由紀夫が陣頭指揮に立ち、『トスカ』を書き直し上演しようとしていた。しかしその準備段階で創立者の久保田万太郎が死去。
三島の公演は正月にまわされることになる。
猛烈な反共思想を持った三島は松川事件を批判する、警視庁員ばかりの登場する暗い芝居を書いた。
それは正月公演に向いたものではなく、思想的にも問題があったため当時理事だった戌井氏が上演を中止すると判断。
それが原因で、三島はベテランメンバーと共に退団する。ちなみにケネディが暗殺された2日後の話だ。

以降文学座は歴史を重ね、今年で創立70周年を迎えることになる。

次回からは実技についての記事を書きたいと思う。

文学座の歴史 

2007年04月17日(火) 9時41分
第一回授業は文学座代表である戌井先生の座学でした。

1937年(昭和12年)、日清事変の年に文学座は久保田万太郎、岸田國士、岩田豊雄により設立される。つまり今年で創立70周年である。
ちなみに新劇の歴史は100年と言われ、文学座ができるまでは劇団がつくられては解散するという黎明期だったらしい。
当時築地小劇場という有力な劇団をはじめとして、新劇というのは政治思想(特に社会主義思想)を芝居に盛り込んでいるのが大半で、それに反対して設立されたのが文学座である。
しかし旗揚げまで道のりが長い。旗揚げ公演の主演であったはずの友田恭助氏に召集令状がきてしまい、同じく主演だった妻も出演を辞退。結局その旗揚げ公演は中止となった。(余談ではあるが、文学座創立記念日の9/6は友田氏の召集日で、壮行会が催された。)
結局最初の公演は昭和13年で、まだ『公演』と呼べるレベルではないとして『勉強会』という発表が行われた。その後もしばらく『試演』が続けられ、はじめての『公演』は昭和16年である。真珠湾奇襲攻撃があり、第二次大戦が開戦した年でもある。(同年、勉強会として上演された『わが町』が研究所発表会の演目になっている。)
終戦までに、年4回芝居を打ち、最終公演のつもりで上演したのが『女の一生』だ。上演した1ヶ月後にその劇場が空襲で焼かれている。(『女の一生』も研究所発表会の演目である。)

初回はこのような感じでした。その他面白いエピソードもあったのですが、また思い出したら記そうと思います。

いよいよ開始 

2007年04月15日(日) 15時10分
明日から文学座附属演劇研究所が始まる。
1年間役者だけに集中できる良い機会だ。
これを機に、怠っていたブログも再開する。
こちらでは主に練習内容をまとめたり、劇評をしたりする予定だ。
私の個人的日記がもし気になる方に関してはmixiをご覧頂きたい。
URL⇒http://mixi.jp/show_friend.pl?id=6366559
それでは、また。

『スゥィーニー・トッド』劇評 

2007年01月09日(火) 21時43分
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ブロードウェイ・ミュージカル『スウィーニー・トッド』
作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
演出:宮元亜門
出演:市村正親 大竹しのぶ キムラ緑子 ソニン 城田優 立川三貴 斉藤暁 武田真治 他
1/5〜1/29@日生劇場

メインキャストは市村を除き、芝居畑の人ばかり。これはかなり芝居色が強いか?と思ったらそうでもなく、正統派ミュージカルだった。
M1『スウィーニー・トッドのバラード』のアンサンブル陣の熱唱と重厚な舞台装置、暗い照明でかなりヘビーな世界観を作り出した宮本だったが、見終えた今、その重さは微塵も感じられない。
ストーリーもシェイクスピア悲劇に似たものだが、徹底したエンターテインメントに仕上がっていた。
というのも市村と大竹のコミカルな演技によるものが大きい。
市村はさすが、自身が提唱する『囁くような唄い方』でも観客席に届いたし、アンサンブル陣はオペラ畑の人や実力者を集め、力強さをだしていた。
あとの出演者はそこまでパワーを感じない。オケに負けていたと思う。
乞食女という難しい役を演じたキムラ緑子はうまかった。

初心者に向いているかもしれない。普段芝居ばかり見ている私にとっては不完全燃焼だった。

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見に来てもらうために 

2007年01月08日(月) 17時50分
私は劇団ロズノワールを主宰している。
3月に旗揚げ公演が控えているが、それの準備で忙しい毎日だ。
ただ小屋を借り、芝居を作り、本番を迎えれば良いわけではない。
観客を動員するためには何らかの“先行投資”が必要になってくる。この場合の投資=宣伝だ。
蜷川幸雄や野田秀樹のような大御所であれば言わずともチケット発売日には即完売だが、我々のような小劇場系劇団はそれがありえない。
むしろ赤字、よくてトントンの劇団ばかりだろう。
それでも少しでも集客を増やすため、宣伝という投資をすべきである。これをわかっている劇団とわかっていない劇団の差が大きいと感じる。
たとえば最近テレビドラマやCMでも馴染みのある池田鉄洋のユニット【表現さわやか】がある。
このユニットは池田以外そこまで認知度が高くはないが、Podcastでのネットラジオ配信や、個性的なチラシを作成し集客効果をあげている。
こういった芝居以外での努力も、集客には大切なファクターなのだ。
その点私の劇団ではまだその投資が足りていない。チラシとインターネットで宣伝しているが、インパクトが足りないのだ。
これから映像配信や、ネット限定のプレゼントなどをしていくことも考えている。
しかし、いかんせん資金がないとそれもできない。
資金繰りをどうするか。これが重要である。

主宰≒何でも屋は違う 

2007年01月06日(土) 13時26分
劇団ロズノワールの主宰をやっているわけだが。
主宰、作、演出、出演、宣伝美術を兼ねている。それだけではなく、各スタッフに属さない仕事も引き受けている。
これが半プロ・半アマチュア劇団の欠点だろう。
全ての仕事に全力を注げる自信はあるが、それでもこれはやりすぎだ。
人材育成、スキルアップのためにも仕事は細分化すべきだと感じる。
けれど『この仕事は他人に任せられない』と思うジレンマ。
つまり良い出会いを探せ、ということだ。
芝居人はもっと積極的に交流を深めるべきだと思う。
各大学の劇研とかはそれこそ名目があるではないか。

スタートダッシュ以前 

2006年12月25日(月) 22時14分
今年3月まで私が在籍していた慶應高校演劇部の来年度定期公演が『アマデウス』に部活内で決定した。
だが。
どうやら上演許可が下りないようだ。再演優先権とかなんとかさすが海外の戯曲。権利関係にうるさい。
まぁ冬休みに部活をせず、少ないメンバーで『アマデウス』なんぞをやろうとした結果こうなったんだから、ある意味良かったのかもしれない。
そもそもこの台本を決定するときも賛成票が5票、反対が4というよく意味のわからない選挙でこうなったものだ。
メンバーが少ないのは私が部員を引き抜いたからということになっているが、それでも良い。
ハンパな気持ちでスタートしようとした報いとでも受け取ってもらいたい。
甘いからね、今の部員達は。

またもめて他人や何かのせいにしてクオリティをどんどんさげるがいいさ。
3月、楽しみにしていますよ。こちらの本番が終わったら見に行きます。
あー、ウザいから来るなって?でもお客様は大切にしたほうが良いと思うよ。

メメント・モリというほど深刻ではないけれど 

2006年12月20日(水) 22時08分
岸田今日子さんとカンニングの中島さんが亡くなったそうだ。
知らず毎秒誰かしら死んでいく。
で、台本で俺は人を殺してる。
さて私にとってこの3つの死のうちどれが一番身近なんだろうか。
台本は距離的に近い。
芸能人はテレビで見てるから近く感じる。
知らずに死んでいく人。実はこれが一番身近。
自分だって大多数が知らずに死んでいくのだから、彼らの気持ちが一番わかるはずではないか。
簡単に人を殺すことはできないけど人は簡単に死んでいく。
死に意味を求める作業は自分にはできない。死んでからはそんなこと考えられないから。
触れられない死体ってのは友人のでも家族のでも他人のでもなく、自分のである。
だから他人の死に意味を持たせてあげよう。
そう思って台本を書くことにする。

3ヶ月ぶり 

2006年12月12日(火) 19時58分
不可解が多すぎる。
mixiに移行してから柔らかい文章を書きすぎた。たまにはこちらで硬いのも書かなければいけない。
バランスが肝要だ。
一段落する暇もなく次の作業が押し寄せる。
やるべきことを理解しろ。
山積みな課題に優先順序をつける必要がある。
理性と欲望の使い分け。
色々書きたいことはあるんだが、書いていいものかどうか。
ついて来い。

NIKEのコマーシャルのような文体になってしまった。
このブログも再始動しようではないか。

不可解 

2006年09月17日(日) 20時52分
シンクロ、デュエット以外見てたけど、日本メダル取りすぎではないだろうか。そして良いのにメダル取れない諸国。不可解。
『オレステス』、蜷川は何故あんなことしてしまったのか。不可解。
庭劇団ペニノ『アンダーグラウンド』全体的に不可解。
後述2つについては劇評予定。
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