*ベレー帽のヒロイン*後編~3~ 

July 09 [Sun], 2006, 20:04
 東也が走り回って嗚海を探している中、嗚海は、一つの大きな樹の下で雨をしのいでいた。
―あー…。なんか息荒くなった来たなあ…。今日死ぬかもしれにんだもんね。結局…言いたかった事全部…言えなかったなあ…。あーあ。もう…早く死にたい...
 そしてしばらく時間が経つと、東也が樹の下の嗚海を見つけた。
 「あっ嗚海!え…?」
 パタッ…
 嗚海が倒れた。
 「嗚海…?嗚海!!!どうしたんだよおい!嗚海!」
 「東也君?どうした…あっっ!岬さん!?」
 「な…なんで倒れるんだよ・・・おい…」
 手を触ると、冷たいのがわかった。
 「嗚海はね、病気だったの」
 「え?」
 そういったのは、嗚海の母親だった。嗚海のお母さんは、嗚海がいなくなった後、必死に嗚海を探していたのだ。そして、最後に行きついたのが、学校だった。
 「どういう、事ですか…?」
 「貴方が、東也君?」
 「はい」
 「貴方は?」
 「三崎です。嗚海ちゃんと同じクラスで、同じ名前の。」
 「ああ、貴方が三崎さん…」
 「それより、嗚海が病気って、どういう…」
 「今日診断が出てね。今日死ぬか、明日死ぬか、わからない病気にかかった事がわかったの。もって1年。それ以内に死ぬ病気…。手術をして治った子や、一年間病院にいて死んだ子とか、いっぱいいたわ。嗚海はね、診断が出て1時間弱だった。それだけよ」
 嗚海のお母さんはとても苦しそうに、それだけ2人に話した。
 「それって、もう嗚海ちゃんは…」
 「…………ええ。死んだわ」
 「そんな…嗚海…嗚海…」
 「東也君…」
 ザアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・・




 次の日は、とてもいい快晴の日だった。クラスの皆はいつもと変わらず、嗚海、東也、三崎の3人が休んだだけだった。2人は、嗚海の葬式に行った。嗚海の大切なベレー帽は嗚海と一緒に燃やすはずだったが、嗚海の母親が「東也君が持ってて。そして、大事にしてあげて。」と言ったので、東也が大切に持つ事にした。
「なあ、三崎」
「なあに?」
「嗚海、元気だよな?あっちでも泣いてたりしないよなあ?」
「私は、信じてるわよ。東也君が信じてれば、岬さんも元気だと思うよ」
「そっか…じゃあ…信じてみるか…」
 
ベレー帽のヒロイン。ずっとずっと、いつまでも。                 〜終わり〜
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