帰ろかな
/ 2007年12月31日(月)
帰ろかな帰るのよそうかな
北島三郎さんの『帰ろかな』は、
私がさぶちゃんを知る前から知っていた歌だよ。
お父さんがよく歌っていたからね。
そのころはまだ“お父さん”じゃなくて
“青木のおじさん”でした。
“青木のおじさん”は
よく私たちの住む7畳一間のボロアパートに遊びに来ては
私たちに菓子パンをくれたんだ。
超がつくほど貧乏で、
普段何を食べていたかなんて覚えてないけど
“青木のおじさん”がくれるクリームパンやジャムパンは魔法みたいに甘くって
すぐに幸せな気持ちになれた。
帰ろかな
帰るのよそうかな
“青木のおじさん”がそれを歌うと
私たちは
「帰らないで、帰らないで」
とすがりつく。
すると“青木のおじさん”は嬉しそうな顔をして帰るのを遅らせた。
本当は帰る気なんかなくって、
「帰らないで」と言われたかったんだと思う。
“青木のおじさん”が“お父さん”になる少し前の話だね。
帰ろかな
帰るのよそうかな
「まだ帰らないで、青木のおじさん帰らないで」
「青木のおじさんじゃなくて“お父さん”。ちゃんとお父さんと呼ばないと帰っちゃうぞ」
「帰らないで、お父さん帰らないで」
帰ろかな
帰るのよそうかな
この歌を聴くとなつかしいことをたくさん思い出す。
実家に帰ってももうお父さんはいないけど、
写真たての中でにこにこしているのは“青木のおじさん”じゃなくて“お父さん”。
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