決戦

April 24 [Sun], 2011, 11:21

僕は分かっていたのかもしれない。
でも、エヴァに乗りたくないとは思わなくて、乗らなくてはいけないような気がした。
乗って、どうなるかは、まだ知らないけど・・・

でも・・・・

「1,2,3!」

僕は担架に乗せられ、ケイジへ運ばれてゆく。
まだ、ずくずくと全身が痛むけど。

「シンジ君!」

汗ばんだ顔のミサトさんが、僕を強い光を秘めた眼で覗いてきた。

「・・・ミサトさん」

「シンジ君、本当にいけるの?」

なにを今更。
わかってるよ・・・分かってます。
僕に、なんていったら言いか分からなかったんですよね。

「大丈夫です」

「・・・そう」

ぱっと、僕の視界が照明の光で包まれた。
ケイジについてしまったのか。
僕の体から、点滴の管や、呼吸器が外されてゆく。
起き上がろうとしても、体に力が入らず、それでもなんとか起き上がろうとし、体が割れるように痛んだ。
・・・あのときの綾波みたいだ。

「シンジ君・・・!私が初号機まで連れてゆくわ。力を抜いて・・・いくわよ」

力を抜いて・・・
あいつも、優しい声で囁いていた。
僕はこの期に及んで・・・なんで渚のことを思っているのだろう。
あんなに僕を痛めつけて、苦しめて、奪ってきたエヴァに乗ろうとしているのに。

「じゃあ、シンジ君」

搭乗席に乗せてくれたミサとさんは、僕の手を離さなかった。

「頑張るのよ」

そう言うとミサトさんはハッチの扉を閉め、行ってしまった。
やがてL.C.Lで満たされてゆき・・・あの安心感に包まれる。

『目標、現在も降下中』

『初号機、発進準備完了』

モニターからスタッフ達の声が聞こえる。

『碇指令・・・構いませんね?』

父さん・・・

『構わん。使徒を殲滅さえすればいい』

『・・・・初号機、発進!_シンジ君、そこにドグマにつづくワイヤーがあるでしょう?それを使って降下し、目標に接触後殲滅・・・いいわね』

「・・・目標って・・・?使徒ですか」

使徒であることは分かってる。
怖い・・・でも確かめなきゃ・・・。

『・・・渚カヲルという人の形をした、使徒よ。弐号機を操っているから気をつけて』

どん、と体に衝撃が襲う。
薄々分かってはいたけど、どうして?

__

「簡単に、死にたいとか、そんなこと言っちゃだめだよ」

「僕のこと、どう思ってるの?」

「人が人を好きになるってどんな感じ?」

____

僕は、あの時、渚になんて言った?


『ナギサノコトハスキジャナイ、スキニナレナイ』

僕はドグマを降りてゆく。
そして、見慣れた赤いあのエヴァを見つけた。
鼓動がうるさいくらいに脈打つ。

「___ッ!」

僕は全身の鈍い痛みを無視して、叫ぶ。

「待てッ!渚カヲル!!」

すると、渚は無表情で僕を振り返る。

「遅いよ、来ないかと思った」


今、僕がやれることって?

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コハク        
碇シンジには目がないかなりのシンジスト。
今頃になって気づくことが多い。
最近になってアニメの視野が広がった。

好きなもの
音楽、Cl、グミ、寝る事、碇シンジ

欲しいもの
エヴァT、現金、アロマオイル、碇シンジ