【ホンダ オデッセイ アブソルート 試乗】最強スポーツミニバンにふさわしいエンジン&フットワーク…青山尚暉

October 13 [Fri], 2017, 12:33




(レスポンス)



新型『オデッセイ アブソルート』は本格的なミニバンパッケージを採用しながらも究極のスポーツミニバンと言える存在だ。

何しろ、もっともスポーティーなアブソルートだった3代目アブソルート(現時点でもっとも保有台数が多いらしい)のユーザーに焦点を合わせているフシがある。

エンジンはアースドリームテクノロジーの2.4リットル直4までは標準車同様だが、こちらは直噴化され、先代の208ps、23.7kg-mに対して190ps、24.2kg-mと、ミニバンによりふさわしいトルク重視型。しかもJC08モード燃費は標準車を上回るクラス最上の14.0km/リットル。レギュラーガソリン仕様となったのも歓迎すべきトピックスだ。

また、アブソルートは専用ダンパーセッティング、強化スプリング(リヤ)、強化コンプライアンスブッシュ、大径スタビライザー(フロント)、専用EPSセッティング、専用17/18インチタイヤ&ホイールがおごられる点も見逃せない。標準車との差別化は歴代の中でもっとも大きい。

18インチタイヤ装着車で走りだせばエンジンはずぶといトルクを発揮。ナイキ エアマックス-バスケットボール回転の突き抜ける快音、モーター的回転フィール、加速Gの立ち上がり&連続感がたまらなく気持ちいい。

パワステは標準車の軽いタッチから一転、ズシリと重く、しかしキビキビ&リニアでウルトラスムーズ。フットワークは先代を思わせる低重心感覚でサスの前後バランスも絶妙。飛ばし始めてもVSA(車両安定装置)はでしゃばらず、アクセル操作で姿勢自在のスポーティーな操縦性、鉄壁の安定感を持ち合わせるのだから痛快だ。

加速力も強烈である。なにしろ40−100km/h加速は8.1秒(ホンダ車内値)。約100kgも軽い先代アブソルートと同タイムなのだからめっぽう速い。

ただ、標準車同様、後席の乗り心地は褒められない。リヤサスが空間効率重視かつ前後ハーシュに不利なトーションビームに改められたことと、シートの大きさ&重さによる剛性不足がその一因のようだ。段差越えなどでのショックはけっこう直接的で、荒れた路面を走破したときのブルブル感は標準車以上に気になった。乗り心地重視なら標準の17インチタイヤを薦める。もっとも乗り味のハードさは"狙い"。もっともスパルタン!?だった3代目アブソルートのユーザーに対するアピールでもある。4代目アブソルートは18インチタイヤを履きこなした、かなり大人っぽいスポーツミニバンでもあり、乗り換えをためらったユーザーも多いと聞く。

とはいえ、積極的な走りを楽しみたいミニバンユーザーには最上最強の選択であることは間違いない。2代目以降のアブソルートユーザーにとっては「待ってました!」のミニバンである。

ちなみにスライドドア部分のステップ、荷室開口部の高さはローダウンサスペンションによって標準車より10mm低くなっている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

青山尚暉