松井今朝子「壺中の回廊」 〜 2012年分イッキ読み!

December 03 [Mon], 2012, 13:17
ながねん定期購読している文芸雑誌小説すばる未読状態で船便でまとめて送っておいたのを、最近になって棚にならべてみたらちょうど2012年の1月号からで、今月、12月号が届いてずらっと1年分がきれいに揃いました。
まだ出発前、日本でも二重に購読していたんですけど連載中のものくらいで、ほとんど読んでなかったのであらためて1月号から見てみることに。
そこで、1月号から始まった新連載にハマってしまった。
昭和5年の梨園を舞台に描く、歌舞伎バックステージミステリー松井今朝子さんの壺中の回廊小説すばる1月号12月号掲載です。
舞台は経済不況の昭和初期。
歌舞伎界の人気役者が殺される事件が起こり、なりゆきから事件の真相と犯人を追うはめになる、大学講師の主人公。
いっけん頼りなさそうなこの先生。
でも、歌舞伎の狂言作家を父にもち、大物歌舞伎役者とも顔馴染み。
新劇女優の卵である姪を楽屋に連れて行ったりできちゃう人なんです。
しかも、街で偶然あった警部とも顔見知りなのであれ他の作品とシリーズなのかなと思ってしまった。
ちなみに彼の名は桜木治郎知ってる方いらしたら教えていただけるとうれしいです。
そんなわけココロコネクト 同人誌で舞台裏をうろつける先生は、いつの間にかみんなの証言を集めるうちにこの時代ゆえの、悲しく愚かな事件の真相に気づいてしまうのです。
松井今朝子さんの小説は、吉原手引草しか読んでいなかったんですがそのときも夢中でイッキ読みでした。
吉原を舞台にした遊女の失踪の謎を追っていくミステリーで、まさに自分で謎に迫っていく錯覚をおこさせる構成で、一気に引き込まれてしまいました。
読み終えたあと、ほんとうに江戸時代の遊郭を歩いたような感覚が実際の記憶のように残って、月並みな言い方になってしまうけれどタイムスリップを経験した気持ちでした。
そして今回も。
この小説に、連載開始時に注目していなかったのはチョットいただけないけれど第1話から最終話まで一気に読めたのは、ほんと幸せでした。
飾り立てられているわけでもないのにその文章はドキドキするほど絢爛。
それでいて、ンフィクションを読んだときのように、厳しさをもった明快な文章からもう離れられなくなってしまう。
そして、まるで自分が謎に近づいていくように物語を読みすすめていけば、奥行のある人物たちはもう生身の人のようで、彼等がこちらを見るその視線を感じるほど。
昭和恐慌、木挽町、築地小劇場、そして梨園またタイムスリップ、してきてしまった壺中の回廊は、2013年4月に単行本が発売される予定みたいです。
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