1−2.業務効率化は人員の削減につながるから難しい。

September 12 [Sun], 2010, 3:43
前回、業務効率化の目的は人件費の削減でありコストダウンであると書きました。よって、業務効率化は人員の削減につながります。従業員はこのことを良く知っておりますから、自ら積極的に業務効率化活動を行うことは決してありません。一生懸命にやればやるほど、墓穴を掘ることになるわけですから。
したがって、闇雲に業務効率化活動を実施すると失敗します。業務効率化にITを活用し、情報システムを導入したり、ERPパッケージを導入してもその効果がわからず、うやむやに終わってしまう原因の一つはこれです。つまり、本来、人員の削減が目的であるにもかかわらず、人員の削減を行わずに業務効率化を行うからです。
そこで、有能な経営者は失敗することがわかっている活動はいたしません。実は、人員削減が目的の場合には、業務効率化活動は必要ないのです。なぜなら、それは通常、景気が悪くて仕事がない時期であり、業務を効率化する必要はなく、単に人を減らせば良いだけだからです。つまり、業務量に比較して人が余っているのですから、ムダな業務の削減(業務効率化)ではなく人員の削減を行えば良いのです。
しかし、そう簡単に人減らしすることはできません。そこで、経営者は考えたのです。何とかして上手に人減らしを行う方法はないかと。業務効率化(ムダな業務の削減)活動を行わないで、人減らしを行い、しかもこれをカムフラージュする方法はないかと。
それで、これまで数十年の間、いろいろな言葉で人減らし活動が行われました。すなわち、「合理化」、「スリム化」、「減量経営」、「リストラ」などです。なぜなら、これらの言葉は本来の目的で使われたことはほとんどなく、主に景気の悪い時期に人減らしの意味で使われた言葉だからです。しかも、新聞やテレビでも人減らしの意味で使うようになってしまい、人減らしの言葉として世の中に認知され、定着してしまったわけです。
このため本来、たとえばリストラ(事業の再構築)をしなければならないにもかかわらず、リストラ反対運動が起こったりしたのです。「業務効率化」という言葉も実際にムダな業務の削減を行わないで人減らしを行う場合に使われたこともありました。最近は世界同時不況で非常に景気が悪いので、景気が悪いことを理由に人減らしができるため、あえて人減らしをカムフラージュする言葉は必要ないわけです。
しかしながら、実際に人減らしを行うと残された人の労働意欲までなくしてしまうものです。次は自分かと不安な日々を過ごすことになるからです。このため、人減らしを行った直後は一時的に業績が回復するものの、その後、急速に推進力を失い、いっそう業績を悪化させてしまう場合もあるので非常に危険なのです。
とは言うものの、人減らしをしないと会社が倒産してしまうという危機的状況にあれば致し方ないことだと思います。苦渋の選択ということになると思います。また、人減らしを行った後は、労働意欲を高める努力をしないといけません。それこそが業務改革活動なのです。
すなわち、景気回復後の新規業務や新規事業に取り組むために業務の再構築を行う必要があるのです。
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