映画「リミット」

April 30 [Sat], 2011, 22:38
男が目覚めるとそこは棺の中
土の中に埋められており自力では脱出する事も出来ない
あるのははライター、携帯電話、懐中電灯、酒とナイフとわずかな酸素
夜9時という「リミット」までになんとか犯人を懐柔せねば、という話

どうやら主人公はイラクでの仕事中に捕まったらしく
携帯電話を使い雇用会社やFBIと連絡を取ろうとするものの
国家は具体的な解決策を提示してはくれず、会社に至っては主人公を見捨て責任逃れをする始末
結果として主人公は生き埋めに・・・





クローズドサークル系によく見られる、数少ない道具を駆使して謎を解いたり、
脱出を試みたりする映画を期待していた人もおそらく多いはず
かくいう私もその一人
しかしこの映画は特に工夫を凝らした脱出劇があるわけでもなく終始男が苦しむだけで終わる
前述のような映画だと思ってみた人はさぞかし失望しただろう

しかしもともとは「buried」というタイトルのこの映画
おそらくこれには実際に棺に入れられ土の中に埋められたという意味と
国家権力によって情報をもみ消され、存在を人目のつかないところに埋められたという二重の意味があるのだろう

日本の配給会社は邦題を「リミット」にすることによって、緊迫感のあるミステリー映画だと思わせ日本人受けを狙ったのではないか
確かに反国家権力、イラクを舞台にしての反戦というテーマは日本人には馴染みにくい
だからといってここまでタイトルを変えてしまうのは考えものである


また作中で犯人が主人公に誘拐ビデオを撮らせる場面がある
そのビデオは民衆の目にもさらされることになるのだが、そのやり方がおもしろい
犯人グループはその映像をYOUTUBEで流したのだ

「リミット」は2010年に放映された
ソーシャルメディアの台頭によって情報流通の仕組みが変わり行く真っ只中である
ビデオ公開先がマスメディアではなくソーシャルメディアであるのも自然の流れだ
情報が選別、編集された後、受け手に届くマスメディアに比べ、生身のまま届くソーシャルメディアは受け手に与える影響やその浸透度で遥かに勝る
今では戦地の近くに住む人がネットで戦況を中継したりするのも絵空事ではない
信憑性ではマスメディアに劣るものの、確かにソーシャルメディアはその勢力を拡大しているのだ

そんなことを再確認させられた映画でした




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