ぼんくら 

2006年05月06日(土) 22時21分
上下巻があり、カバーには
ちゃんと「長編ミステリー」と
書いてあるのに、読み始めたときは
「あれ?短編集なのかな?」と思いました。
前半はそのくらい各章ごとに完結した
形になっています。
それらの独立した物語が、読み進むうちに
1つにまとまってきました。

主人公の同心、井筒平四郎は、
客観的に見るとたしかに『ぼんくら』と
言えるかも知れません。
しかし、一旦感情移入してしまうと、
あけっぴろげでざっくばらんな
実に魅力的な人物になってきます。

ある長屋をめぐる陰謀に巻き込まれ
泣き笑いする住人達のちょっと物悲しい
ストーリーをゆるやかな笑いで包み込んで
読ませてくれる作品です。

今そこにある危機 

2005年09月28日(水) 14時59分
ジャック・ライアンシリーズ第4作目。
これは、CIAのベテラン工作員ジョン・クラークと
若き兵士ドミンゴ・シャベス(ディング)の
物語と言えるでしょう。この作品以降、シリーズの
すべてに、この2人のコンビが登場することになります。
また、この2人については、後に「容赦なく」
「レインボー・シックス」など彼らを主人公にした作品が
書かれていることでもわかるように、作者にとっても
思い入れの深い登場人物なのだと思います。


物語は沿岸警備隊ウェゲナーの物語と、軽歩兵達の
ゲリラ戦のための過酷な訓練から始まります。
一見なんの関係もなさそうな2つのシーンにさらに
麻薬カルテルも加えて、いつの間にか一つの完全な
ストーリーとなっていきます。
こういう伏線の張り方は、いつもながら、みごとな
ものだと思います。また、それが1作品にとどまらず、
シリーズすべてにつながっていくのです。


権力者の保身のために、支援を断たれ敵地で孤立した
兵士たち。全滅を待つばかりだった彼らを、クラークや
ライアン達が命がけで救出します。クラークとライアン
には、不思議な因縁があるのですが、実際に顔を合わせるのは
この時が最初です。
このシーンでも、次の「恐怖の総和」に続く伏線が張られています。


この作品もハリソン・フォード主演で映画化されましたが、
どうしてもしっくりきません。
映画となるとせいぜい2時間前後、これだけのボリュームを
描き切るのは到底不可能なのでしょうけど、何よりも
「ライアンはもっと若いだろう」っていう気がするのです。

愛国者のゲーム 

2005年08月07日(日) 22時44分
前回の記事に続き、トム・クランシーの
ジャック・ライアンシリーズの第2弾です。
作品としては、2番目となりますが、描かれているのは
前作より前、ライアンがCIAに入るきっかけとなった事件です。
この作品から、ライアンの人間性がグッと前面に
押し出されてきます。

旅行中に偶然巻き込まれたテロ事件を阻止したために、
自分と家族がテロリストの執拗な攻撃を受けることに
なってしまい、それを阻止するために必死で戦います。
最終的には銃撃戦の末テロリストを撃退するのですが、
最初にライアンが選んだのは、CIAに協力して
テロリストを拘束することです。このあたりが、
ライアンがけっしてランボータイプのキャラクターではないことを
明確に表しています。

この作品も映画化されています。「パトリオットゲーム」という邦題で、
ライアン役はハリソン・フォードでした。個人的には、これは完全に
ミスキャストだと思います。「レッドオクトーバー」の時の
アレックス・ボールドウィンがけっこうはまっていたので
余計に違和感を感じました。実にもったいなかった気がします。

この作品で、ライアンの親友、戦闘機パイロットの
ロビー・ジャクソンが登場します。この頑固で誠実な人物は、
この後の作品でも非常に大きな存在となっていきます。
シリーズの進行にあわせて、こういったキャラクターが増えていき、
それにつれて物語の厚みが増していきます。

レッドオクトーバーを追え 

2005年07月18日(月) 20時51分
トム・クランシーのデビュー作であり、シリーズの主人公となる
ジャック・ライアンが初めて登場した作品です。

このジャック・ライアンという人物は、非常に魅力的なのですが、
この作品では、それよりも、軍事施設の描写や解説が表に
出ています。それは、レッドオクトーバーの艦長ラミウス役の
ショーン・コネリーが主演で映画化されたことでも
わかるような気がします。
もっともこの作品は、それでも十分楽しめますし、
原作、映画ともに面白かったです。

しかしショーン・コネリーって人は、老いを感じさせませんね。
もう75歳になるはずなんですけど、リーグ・オブ・レジェンドでも
すごく若々しい演技を見せてくれました。すごいっす。

ちょっと話がそれてしまいましたが、
ライアンの魅力は、この後に続く作品についての記事で
書いていきたいと思います。

ウォッチャーズ 

2005年07月13日(水) 22時22分
SFホラーには興味が無いという人にも
「試しに読んでみたら」と薦められる作品です。
私もこれを読んだのがきっかけで、
このジャンルにのめりこんでいきました。

遺伝子操作、国家の安全保障、元デルタフォースと、
『いかにも』なシュチェーションなのですが、
ストーリー自体のSF色は薄い感じがします。

一匹のゴールデンレトリバーと出会うことで、
孤独な男女の心が解き放たれ、お互いの
絆を深め合っていく様子がうまいこと
描き込まれています。

クーンツの作品は総じてハッピーエンド
であり、キング作品とは読後の印象が
多少ちがいます。
これもまた、気軽に人に薦められる理由の
ひとつです。

エイリアン 地球殲滅 

2005年07月04日(月) 1時11分
遅ればせながらエイリアンVSプレデターを
ビデオで観たので、今日はこの作品を取り上げます。

「映画のノベライゼーションではなく、
映画を基にしたSF小説の第1巻」
あとがきにはこう書かれていますが、
第2巻〜を見かけたことはありません。

エイリアンと言えばシガニー・ウィーバーですが、
この作品の主人公は彼女の演じるリプリー
ではありません。別の星でエイリアンと遭遇して
生き残った、海兵隊軍曹ウィルクスとビリーという
少女です。
地球に帰還した後も、自分たちを苦しめる
悪夢にけりをつけるため、エイリアンの棲む星に
再度おもむくことを決意します。

この作品の興味深い点は、舞台が地球に移ることと、
おなじみのエイリアンに敵対する別のエイリアンが
登場することです。しかもそやつらは、
エイリアンと地球人、いずれか生き残った方を
叩いて、地球をいただいてしまおうなどと
不埒なことを企んでいるのです。

副題にあるように、人類はほぼ滅亡し
わずかな生き残りが宇宙に脱出するという
結末です。が、なかなか面白かったですし、
いかにも「続きがあるんだよ」、という
終わり方をしているので、それが本当なら
とっとと続編を読ませてもらいたいものです。

スティーブ・ペリー作、私は他の作品を
知りません。

岸和田の姫 - 御宿かわせみ 12 

2005年06月29日(水) 23時03分
これは泣けます。いや、泣けるはずです。

病弱ゆえに子供らしい遊びも、気晴らしのための
外出も知らずに育てられた少女の
「ただ一度だけでも、自由に外の世界を見てみたい」
という夢がかなえられ、幕がひかれる刹那の物語です。

初めて知った、自由な世界。そして淡い恋心。
それを、大切に心の中にしまい、
大名家の姫君としての、
自分の運命を受け入れようとする少女。
その健気な姿と切なさが胸を衝きます。

平岩弓枝の『御宿かわせみ』シリーズ、
20年近く書き続けられたその作品の中で、
最も光をはなつ、珠玉の一品です。

バーにかかってきた電話 

2005年06月27日(月) 22時34分
居酒屋の次はバー?いや、偶然ですけど。

「探偵はバーにいる」に続くシリーズ第2作目で、
私が初めて読んだ東直己の作品です。

舞台はススキノ。
バーで酒を飲んでいる主人公の<俺>に、
見知らぬ女からかかってくる電話...
今ではあまりお目にかかることのない
『ハードボイルド』ってやつです。

正義の味方ではありません。
不死身のヒーローでもありません。
<俺>はただ、己の意地と誇りのために
フクロにされたり、殺されかけたりしながらも
したたかに戦い抜きます。

女の人には少しわかりにくいかもしれません。
めでたくハッピーエンド、とはいきませんが、
読み終わると、不思議とすっきりした気分になれます。

居酒屋 

2005年06月26日(日) 20時02分
ずいぶん昔に読んだ本です。決しておもしろいとか
感動するとかいう話ではありません。

主人公のジェルヴェーズ、働き者の洗濯婦である彼女と
気のいいブリキ職人の夫クーポー、
死に物狂いで働いて、ささやかな幸せを築き上げたものの、
一つの事故をきっかけに、不幸の坂道を転げ落ち始めます。
一人の悲劇は別の誰かの悲劇を呼び、救いのない物語は
汚辱と疲労の中での死という悲惨な結末へと進んでいきます。

この作品は『ルーゴーン・マッカール業書』の第七巻です、
私が読んだのは、この「居酒屋」と続編である「娼婦ナナ」
だけですが、他に無いほど強烈な印象が残りました。
読む者の人生観を変える、エミール・ゾラの代表作。
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