
日は明けているが本日3月16日、『照準Zero in』の最後の稽古が終了した。
初めてこのUgly ducklingの稽古場を訪れてから、早5ヶ月近く経っている。明日から東京へ移動するため、本日が最後の稽古場となる訳だ。
そんな5ヶ月間に想いを馳せ、感慨に耽っていると、歓声と同時にケーキが運ばれて来た。アグリー恒例の「“景気付け”ケーキ」である。
これまでの大阪・北九州公演前にも行われたイベントだったが、今回は最終公演という気合の表れであろうか、何とホールケーキの登場である。
ただそのケーキの真ん中には、チョコレートソースで何かが書かれている。何と書かれているかはすぐに分かったのだが、何故かが不明であった。

「Z」。
よくよく考えてみれば当然である。この公演のタイトルは『照準Zero in』なのだ、「Zero in」の「Z」以外に何があるというのだろうか。
「“何でゼットなん?”て言うた人、禁食ですよ」。最初にその宣告を受けたのはボクであった。しかし、池田祐佳理さん、吉川貴子さんもその仲間であった。
「だって最後の公演やから、アルファベット最後の“Z”かと思ってん」。座長である池田がそう言った。そして何を隠そう、ボクも同じ事を思っていた。
「そうだよな」
「そうですよ」
「そう思うよな」
「そう思いますよ」
周りからの冷たい視線を浴びながらも、必死でその正当性を訴える池田とボク。ただ、もう1人の錯誤者である貴ちゃんだけは、その輪に入る素振りが無い。
「貴ちゃんは、アルファベット説じゃないの?」
「違うんですよ」
「じゃあ、何だと思ったの?」
「私、“怪傑ゾロ”やと思ってました」
それは、違う。
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