いなくなったのは[42] 

October 18 [Thu], 2007, 21:16
夢だ、と思った。
上下も分からないくらいに真っ白な世界にぽつんと立っていた。
寝ていたのかも知れない。
そのくらい、分からない世界だった。

「夢か」

自分の声の他は無音。
静かすぎて耳鳴りがするくらいだ。

「さみしーとこだな」

左右を見渡しても何もない。
自分一人だけ。

「あ、そうか」

ふと昼間に聞かれた事を思い出した(夢の中で思い出すくらい、印象に残っていた。)


"自分一人だけの世界に、何か一つだけ持っていく事を許されたら、ようちゃんは何持ってく?"


自分一人だけの世界とは、こういうことを言うのかな、なんて思った。
聞かれた時は困った。
だってそうだろ、ひとつだけ、なんて言われたら。
僕は欲張りだから、自分一人の世界なんてごめんだし、色々持って行きたかった。

だけど。

そう、この夢の中になってはっきりと、その"ひとつだけ"に気付いたんだ。
そうだよ。
僕一人じゃあさみしいじゃないか。

たとえば、食料。
飢える事はないだろうけど、一人で食べる食事なんて味気ないし。
たとえば、女の子。
いれば退屈しないと思う。子孫だって残せる可能性はある。
たとえば、携帯。
連絡をとればすむじゃないか。(だけどやっぱり、それだって味気ない)

君がいれば、味気ないとか、そんな事を考えなくて良いかもしれない。
だって、食料がなくたって、君がいれば、そんなつらさも二人で分け合って生きていける。
子孫は残せないけど、心底愛している相手がいればいつだって心は幸せだ。
携帯なんていらない。二人いれば、それで十分だ。

そう、僕が欲しいのは。
"自分一人の世界にひとつだけもっていけるとしたら"
持って行く、なんて表現は失礼かも知れないけど、僕は。

「けんちゃんがいい」

けんちゃんさえいれば、僕は他に何もいらない。

ここはさみしいよ。
だから、起きたら一番にけんちゃんに連絡しよう。けんちゃんの声を聞いて安心して、会えるなら会いに行こう。
けんちゃんを抱きしめて安心しよう。
そして耳元で僕の思いを伝えよう。「愛してる」って。

早く起きよう。
これは夢なんだ、現実に戻ろう。

けんちゃん、愛してるよ。







「なんで、僕を置いてっちゃうの」

白い部屋の、硬いベッドに横たわっている彼の手を握って、うなだれる。
だってそうだろ。
勝手に僕から離れていってしまったんだから。

"自分一人だけの世界にひとつだけ持って行けるとしたら"

その答えが自分なら、僕も喜んでついていくのに。
今じゃもう、答えを聞こうにも聞けない。

僕から一番遠い場所へと、いってしまったんだから。


「僕の答えはね、ようちゃん・・・お前なのに」


握りしめた冷たい手に、ぽつりと一粒の雫が落ちた。






+++++++
ごめんなさい死ネタです。

04風味ななにか 

October 11 [Thu], 2007, 23:49
 
眠い目を擦り、長いこと放置していたパソコンに向かう。
開かれているワードには、未だ3行しか文章は書かれていない。

(こりゃ、やばいな)

これで明日までに書き終わらなければ、二度目の〆切を破ることになる。
いつもの事、そう言ってしまえばそれまでなのだが、今回ばかりは「出来ませんでした」じゃあ済まされないだろう。
なんてったって、あの社長が
「次やったら、お仕置き」
なんてにっこり笑うもんだから(目は笑いの欠片もない)、死んでも明日までにはあげなければならない。

「終わんねぇ、絶対終わんねぇ…」

カフェインなんて効きやしなかった。デスクには空になった缶が無惨に転がっている。
書いては消し、消しては書くという行為を何度繰り返した事か。
すでに時計は3時を通りすぎていた。

ヴヴヴヴヴヴ

びくりと肩を震わせた。尻ポケットに入れてある携帯が突然鳴り出したのだ。
まさかこんな時間に、など思っていなかったから、自分でも恥ずかしくなるくらい過剰に反応してしまった。

「もしもーし」

誰だよ、ろくに確認もせず口にしてしまい、相手の声を聞いた瞬間顔面から血が引いた。


『さあ、誰だろうね』



+++++
ヤバかった…ので修正です。

パロ(4→あずさ) 

September 02 [Sun], 2007, 19:27
 
「もう一度、やり直さないか」

もう遅い。僕が彼女を振った。だから彼女は新しい恋人を見つけただけ。
なのに、すでに後悔をしている。

『なに、いってるのよ』

電話越しの君の声。
その声は確かに侮蔑を含んでいた。だけど、もう一度だけ。

「バカな事を言ってるのは、分かってる。離れてみてやっと分かった。」

『私、つきあってる人がいるの。』

だからごめんなさい。一方的に切られてしまった電話をリダイアル。
結果は何度かけても出てはくれなかった。

ごめん、と言いたい。君を愛してるともう一度、君の目を見て伝えたい。



それから数日、彼女に連絡する手段も、会う手段も、全てを失ってしまった事に、やっと気付いた。



対./決企_画を今更ながら見ての妄想。あずさの元彼4氏。
説明的4氏の設定
・砂川と同僚
・あずさの元彼
・振ったけど、やっぱりあずさの事が好き(笑)

 
P R
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