囚人からの通達 

October 09 [Tue], 2007, 4:42
ああ
見捨てられた世界
残酷な人生

死者の道 

March 23 [Fri], 2007, 0:01
 幸いにして、今僕は車を持っている。
 終電を逃して駅二つ分の距離を歩いて帰るようなこともなくなった。
 そんなに昔のことではないのだけど、なんだか僕が生まれてくるよりもずっと前のような記憶。そのころの僕は終電を逃して、1時間強の道のりを歩いて帰るようなことがたびたびあった。それはもちろん真夜中のことであったし、ときには小雨が降っていることもあって、暗くてどこもでも長く続く県道は、いつか僕が死者になりどこか遠いところへ歩いて行く道があるんだとしたらきっとこういう道なんだと、そう思えた。
 今の僕はその道を歩くことはない。真夜中、車に乗ってその県道を走ることはたまにあるけれど、あのとき歩いていた道とは全然違う道みたいに見える。
昔、僕が歩いていた死者の道は今はどこか別の場所にあって、背中を丸めた誰かがまた一人でどこまでも歩いて帰っているような気もする。

ムーブ・オン・アップ 

March 17 [Sat], 2007, 20:07
 ここまで来るのに何年もかかった。10年前からここまで来るのにちょうど10年。これから10年後の世界に行くのにも10年かかるかもしれない。
 そんなことに絶望を感じはするものの、そうでなきゃやりきれないんだよな。
「ヘイ、ボーイ。お前はまだそこにいるの?」

バラード 

February 22 [Thu], 2007, 5:13
先日、初対面の人と話していたときのこと。
僕よりもいくらか年上の人だったのだけど、話の流れで「いやあ、わたしも音楽がすきでねぇ」といったことを話されていた。
「どんな音楽を聞かれるんですか。」と僕。
「バラード系。」
それが彼の答え。
衝撃的だった。なんというか今まで僕が一度も考えたことのない切り口。
少し前の僕ならそういうのをバカにしてしまいそうだったのだが、今ではどうも格好よく思える。
あまりスローテンポの曲というのは好みではないのだけど、今度音楽の好みを聞かれる機会があったら「バラード。」と、ハッキリ答えてやりたい。そう思った。

ブログをはじめる 

December 31 [Sun], 2006, 0:50
缶コーヒーをテーマにしたブログをはじめることにした。
それが缶コーヒーでなくてもいいのだとは思う。けれど今ある全ての欲求のうち、いくつかは缶コーヒーについて書くことで満たされるということもあるのだ。
缶コーヒーブログ

JBが死んだ 

December 27 [Wed], 2006, 15:30
 12月24日の夜、ジェイムス・ブラウンが死んだ。詳しい死因だとか正確な死亡時刻は調べればわかることなのかもしれないけど、僕は調べずにいる。面倒臭いからだ。
 わかっていることは彼が偉大な音楽家であったことと、多くの人が家族や恋人たちと楽しく過ごしている晩に、彼は死んだということの二つだ。
 ジェイムス・ブラウンのレコードは一枚だけしか持っていない。男女の性について、やりたいならやっちまえ、みたいなことを彼が体をクネらせて歌っているやつだ。中学生の頃、よく教室で僕はそれを真似たものだ。
 ジェイムス・ブラウンと僕の関係はそれでおしまい。一枚のレコードをはみ出すものではない。
 毎年、たくさんの有名人が死んでいる。そういった人達と僕が持つ関係はセックスマシンのレコードと同じように薄っぺらい。JBの死に僕の心は静かだ。
けど、それについて何かしら書いてみようと思ったということは、僕がジェイムス・ブラウンを好きだったということなのだと思う。
まぁ、冥福を祈りますとかそういう話。

ヤマアラシ・カワウソ 

December 14 [Thu], 2006, 15:05
 色々なことに行きづまりを感じたので久しぶりに近所の動物園に出かけた。
久しぶりといっても三ヶ月ぶりだ。僕は例え忙しい時期でも折りをみては動物園に行くことにしている。理由は僕にもよくわからない。動物園から帰ってきて、出かける前より気分が良くなっていることはほとんどないのだから。
 平日の午後、ここは子供時代の僕が知っていたどの動物園にも似ていない。動物がいる、という点では共通しているし、その動物の容姿に至っては、ほぼ完全に一致しているといってもいいのだけど。曇り空、その他ここにたどりつくまでに僕が経験した多くの事柄が磨りガラスのように動物園をなにか違ったものに見せているのかもしれない。それはそれで仕方のないことだ。
 ヤマアラシの檻の前で僕は彼らの様子がおかしいことに気がついた。針は所々抜け落ちているし、眼にも光がない。
「夏の頃に比べて調子が悪そうですね。」
近くにいた飼育係に尋ねた。
「鋭いですねえ。」と嬉しそうに彼女は言った。
「寒さにめっぽう弱いんです。」
それはそうだ。僕だって寒いのは嫌だ。
「他によく見ている動物はいますか。」
「ユーラシアカワウソとか・・・」僕は答えた。
「そうですか・・・」といってから彼女は少し残念そうな顔をした。それは彼女の望んだ答ではなかったのだと僕は感じた。僕たちは次の会話への機会を失ってしまったのだ。
彼女は黙ってしまった。僕ももう口をきかなかった。しばらくの間、僕たちは墓石のように黙って立っていた。
病気のヤマアラシが竹をかじる音がやたら大きく響いた。

焼きそば 

November 20 [Mon], 2006, 4:36
 今日、無性に映画が見たくなってビデオレンタル店にいき、映画のビデオを二本借りてきた。「八月の狂詩曲」と「コールドフィーバー」。
 どちらも何度か見たことのある好きな映画だ。立て続けに二本連続で見て、やっぱりいい映画だな、と思った。それからどちらの映画も死者に対する慈しみが描かれていると思った。
 あまり考えずに好きな映画を二本選んだつもりだったのだけれど、意図しないところで気付いた自分の嗜好。
 昔、昼食に焼きそばと焼きそばパンを同時に食べているところを友人に指摘されたときのことを思い出した。

そういえば、映画をみながら僕は夜食に焼きそばを作って食べていた。

都会 

November 18 [Sat], 2006, 4:03
 この美しい都会に抱かれて暮らす、僕たちは幸福だ。
路地は完全に整理され、アスファルトの道路沿いには街路樹が計算に基づいた間隔で植えられている。
 人間みんながちょうどいい数だけ増えて、ちょうどいい量だけ酸素を吸い、二酸化炭素を吐き出す。
 ピカピカ光るデパートが建っていて、そこではなんだって買うことができる。そう、携帯電話だって。
 僕はもう満足だな。ここでは全部が約束されているもの。
 そう思って元気いっぱいに道路を歩いていると、喫茶店で手を振っている友達の顔が見えた。

ザッツ・ザ・ジョイント 

October 06 [Fri], 2006, 17:27
 幸運なことにまた季節は移ってゆく。多くの人たちは、その「部分」に過ぎないのだけど、彼らや僕たちをとり囲む季節の移り変わりは常に美しい。
 夏の間に経験した沢山の出来事、(たとえばみんなで川にダイブしたこととか)自分以外の多くの人たちと共有した経験。それは大抵、煙みたいにぼやけて消えていく運命のものだけど、そういうことは恐れないでいきたい。
 
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