弓月城太郎が将棋の世界に挑んだ! コンピューター将棋の未来はいかに? 

2010年10月06日(水) 19時09分


チェスの王者がコンピューターに負けた時には衝撃を覚えたものでした。ぼくだけではなく、ほとんどの人が「次は将棋の番か…」と思ったんじゃないでしょうか。その時は「これはヤバいな」と感じた反面、なんだかその時が来るのが楽しみになった記憶があります。いつか科学が人間を追い越す日が来る…そんな考えにSFファン的な期待を感じたものでした。

そんなSFファン的な期待にこたえてくれる作品が登場してビックリしています。弓月城太郎の『神秘体験』ではコンピューターと人間との息詰まるような将棋対決が描かれています。

作品そのものは将棋がメインではなく、神秘現象や霊界といったテーマがメインとなっているのですが、そのストーリーに入り込んでくる個々のエピソードがものすごく面白くて、ぐいぐいとひきつけられてしまいます。陶酔感のある独特の文体で幻想的に描かれているフィギュアスケートのシーンなんてファンにはたまらないんじゃないでしょうか。

フィギュアスケートで活躍していた主人公の柚月恭司が科学者に転身してコンピューターで次々と将棋のトーナメントを勝ち抜いていくシーンはSFファンとしてはゾクゾクした興奮を、将棋ファンとしては現実と見紛うばかりの刺激をもたらしてくれます。そしてついに将棋の名人との頂上対決…。

もちろん、「精神波量子脳理論」など作者弓月城太郎が提示した新理論もスゴかったですし、最後の展開にも驚きでした。でも個人的にはなんといってもコンピューター将棋の部分がもっともエキサイティングで印象に残っています。

弓月城太郎が「精神波量子脳理論」を基に考案した「跳躍探索」といわれるコンピュータ将棋の探索技法も現実に効果が実証され、ソフト開発者の手でさまざまな改良が加えられた上で実戦に投入され成果を上げるなど、小説から抜け出た現実の世界でも話題が尽きません。

コンピューターの発達によって将棋の未来はどうなるのか?なんて考えながら読むと面白さ倍増です。SFに興味がない将棋ファンも多いかもしれませんが、 『神秘体験』はそんな人にもオススメです。



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