エキスペリメンツでない人たち

April 20 [Sat], 2013, 21:41
いよいよ団塊の世代の退職が始まっているらしいのである。

堺屋太一の「エキスペリメンツ 団塊の7人」(日本経済新聞社)は、定年退職世代のそれぞれの分野の専門家たちが、悪の第二地銀の地上げから商店街を守って老人に優しい街を作ろうとする話である。ベースには「七人の侍」があるのは間違いがない。だが、どうも爽快感がないのである。

実はまだ読み終わってない。あまり気が進まないので、読むのがとぎれとぎれになってしまっているのだが、その理由としては主人公たちにも百姓(笑)にも敵役にも感情移入ができないことだろう。

背景を説明すると、主人公は銀行幹部の取締役寸前までいったエリートで、早期退職を迫られて辞めたばかりである。仲間は彼が現役時代に知り合った人たちで、いずれも優秀な建築や広告やイベントの専門家たち。この連中、いずれも結構偉くなりながらも反主流で組織から弾き出されている。
百姓の方は、バブル時代に調子に乗って借金してビルを建てたりして、今は負債に耐えかねて潰れかかっている商店街の店主たち。その中の一つ、老舗のそば屋の女将が主人公の高校時代の同級生だったことから主人公たちが関係してくる。
そして敵はあたりを地上げして巨大施設を作ろうとする地方銀行。

一応道具立ては整っているものの、なーんか全体的に嫌らしいのである。大体、出てくる全員が一応金持ちである。百姓連中は「金がない」とか言っているものの、みんなビル持っている。毎月150万くらいの借金を返せる程度には商売が出来ていて、七人の侍の悲壮感などまったくない。
主人公たちもゲーム感覚。誰も生活に困ってないのだ。失敗したらしょーがない、で終わるような戦いでは燃えない。
そして敵役の銀行だが、私が見るところ、まったく正当な商業活動やってるだけだ。借金を払えそうにない連中の負債を償却会社に売って、資本参加して新しいセンターを作ろうというのは、しごく真っ当な商売だよなあ。

「商店街が潰れたら老舗が消滅してしまう! みんなで老人が安心して歩ける街にするんだ!」というような、聞いただけでいかがわしさ満点な建前で活動する七人の侍には、全然魅力がない。しょせん金持ちの遊びだろう、という印象である。

主人公たちをエキスペリメンツに設定した作者は「団塊の世代を応援する」というようなことを書いていたが、エキスペリメンツじゃなくて、偉くなれないし貧乏だし、の団塊の人たちってどうすればいいんだろうか。そっちの方が多いと思うぞ。
「俺もやればできるんだ」と思うかなあ。

少なくとも、俺はできん。

http://mainichigenki.wordpress.com/

続スポーツクラブ

April 14 [Sun], 2013, 21:16
私が行っていたクラブは、1階がプール、2階がスポーツ施設(風呂含む)となっていた。プールの方は、平日の日中はほとんど奥様サークルである。たまに会社が代休とかで平日に行くと、もう私なんかビビるしかない。お仲間らしい熟女グループが縦横無尽に泳ぎ、はべり、おしゃべりし、男はコソコソと隅の方で泳いでいるだけだった。

午後からはスイミングスクールで、子供の群。大きい方のプールはスクール関係者以外立ち入り禁止となる。プールを囲むように観客席があり、親たちがチャイルドスイミングを観賞している。おそらく、あそこはあの収入でもっているのだろう。その間、他の客はどうしているのかというと、別にちょっと小さいプールがあってそこを使う。こっちも18メートルくらいはあるのでまあいいのだが、いつ行っても黙々と歩き続ける初老の方がいて、何となく泳ぎにくい雰囲気であった。

午後7時半にスクールが終わり、その後11時までは解禁となるのだが、この時間帯は常時十人程度が黙々と往復するだけ。私の友人に、土日ごとにスイミングクラブのプールで3キロくらい泳ぐ奴がいるが、一言も話さずただ黙々と泳ぎ続ける(3キロなら25メートルプールを60往復だ!)姿には「健康オタク」を感じずにはいられない。

スポーツ施設の方も、実は似たような状態である。みんな黙々と歩いたり漕いだりしているだけ。たまにエアロビをやっているが、テンポのいい音楽が流れていても、みんな修行僧のようだ。あれは一種の修行場なのだから当たり前かもしれない。とにかく、静かなのである。スポーツクラブというと、何となく躍動する肉体、というようなイメージがあったのだが、まったく違っていた。

ところが、私も入り浸っていた風呂は違った。特にサウナである。五月蠅いのだ。仲間が集まるらしく、ゴルフとかマージャンとか野球とかタイ(移住?)とか、そういう話を延々と続ける。奥様の公園デビューではないが、サウナデビューしないと受け入れて貰えず、部外者はただ黙っているしかない。
客層は、やはり老人が多い。話を聞いていると、中小企業の役員クラスかなと思うのだが、それにしては暇そうなので、全部見栄かもしれない。

もちろん、そういうのばかりではなかった。日焼けしまくって真っ黒な老人とか、禿頭で寡黙な大男とか、ヤクザ映画の若頭のような精悍な中年とか、外ではあまり近寄りたくないような方たちが入れ替わり立ち替わり通り過ぎていく。最初は面白かったが、そのうち慣れて飽きてしまった。あそこは、あきらかに銭湯化していた。

半年使って、私は退会した。やはり「合わない」のである。母親も興味をなくしていたし、もう一生行くことはないだろう。まあいい経験にはなったなあ。

スポーツクラブ

April 14 [Sun], 2013, 21:16
実は、昨年半年ほどスポーツクラブに通ったことがあったのである。

事の起こりは母親だった。いきなり手紙がきて、スポーツクラブに入れというのである。プール付きにしろと書いてある。足が悪い人には、歩行遊泳(っていうのか?)が最適だから、それをやれと。そして最後に、使ってみた感想を教えろとあった。妹に聞いたら、どうも母親は自分が入りたかったらしい。しかし、予備知識なしでいくのも嫌なので、私にまず試させたいらしいということだった。

こういうのは慣れている。親孝行だと思い、また自分でも興味があったので、一番近いスポーツクラブに早速入会したのである。入会金1万とあと何やかやで数千円取られた。しかも、会費が月1万である。これはフル使用コースにしたためで、土日だけとか夜だけとかならもう少し安い。

設備はかなり充実していた。お決まりの自転車やルームランナーの他に、ボート漕ぎとか足とか腕とかそういう機械がいっぱい。エアロビのコースもある。またプールが2つあって、むしろこっちがこのクラブの本命らしい。毎日子供でいっぱいである。スイミングスクールのせいで、大人がぶつからずに泳げるのは夜7時以降だけだった。親用の観客席もあり、ロリコンなら大喜びしそうな風景である。

正直に言うと、いわゆる「スポーツ施設」を使ったのは最初の1、2回だけだった。プールも、1ケ月もすると週に1回程度になってしまった。ほとんど無休で毎日通っていたのは、風呂だった。スポーツ施設の隣に風呂とサウナがあるのである。毎日毎日、会社から帰るとすぐに着替えて風呂に行っていた。サウナで汗を流し、その後軽い炭酸飲料などを飲みながら、リクライニング椅子に寝そべって日本経済新聞などを読む生活を半年間続けてしまったのである。銭湯に通っていたようなものだった。月に25回くらいは行っていたから、1回400円。安いものだろう。

ゴネ得

April 14 [Sun], 2013, 21:15
日本社会の処世術のひとつを確認したのである。

我が家のケーブルTVをアナログからデジタルに切り替えたことはこの日記で書いたが、その際設置されたデジタルチューナーがイマイチだった。工事が終わって作業員が帰ってから色々試していたら、予約が1週間後までしかできないことが判明したのである。しかも、毎週とか毎日とかの設定もできない。
すぐに営業に怒りのメールを送り、チューナーを交換するよう要求したが、完全に無視された。まぁ最初から判っていたことだが、とりあえず意志表示をしてみたわけである。

それでも予約がせわしない以外は、デジタル化により画像は綺麗になり、また予約方法自体も楽になった(メニューから選ぶだけ。アナログの時はいちいち時刻とチャンネルを打ち込んでいた)ので、慣れてそれなりに満足していた。だが、1週間くらい前から音声がちょっと変なことに気がついたのである。
語尾とかが「ラレッ」というようにだぶったりするのだ。1分に1回もないくらいだが、気になり出すと止まらない。そこで、カスタマセンターに電話して苦情を言うことにした。

カスタマセンターの担当者は、あのクソ営業と違って異様なほど真面目だった。こっちにテスト画面を表示させていろいろ試した後、「どうも信号レベルが低いようなので点検して、場合によってはチューナーの交換になる」と言い出したのである。
間髪をいれず、私はヒューマックスのチューナーは駄目だからパナソニックにしろ、と主張した。すると、担当者は在庫を確認すると言う。あれば交換してくれるらしい。信じられない。

で、昨日電話がきて、在庫があったので交換に決まった。言ってみるものである。日本って、つい遠慮とか相手の立場を考えて、で行動してしまうのだが、言うべき事は言うべきなのだ。ゴネ得ということは大いにある。
私の仕事経験からでも、やはり声と怒りが大きい顧客から障害の対応をやったものである。払う金はいっしょでも、声が大きい方がよりサービスを受けられるんだなあ。

イムライン

April 14 [Sun], 2013, 21:15
録画しておいた「タイムライン」を観たのである。

原作は読んでいたが、あのまま映画化するのは難しいだろうなと思っていた。それとは別の意味で、映画化は簡単だが単なるファンタジーになってしまうだろうな、とも考えていた。
観て、その両方が当たったなと思ったのである。ただ、視聴後感は悪くなかった。映画とはそういうものなのかもしれない。

感心した部分があって、登場人物たちが実に自然体だったことである。現代人が過去のある時代に行って、必死になって何かをしようとして出来る程度のことしかしていない。実際には難しいかもしれないが、不自然ではない程度のオーバーのみに留めているのは脚本が良いのか、監督が偉いのか。原作では、むしろヒーローものになっていたような気がする(もうよく覚えていない)のだが、映画では実に自然だった。
つまり、現代人は結構ドジで、逃げ回るしかないし、戦うとその時代の騎士より弱く、すぐに死ぬ。人を殺したら悩むし、立ち直って必死で動く。タイムスリップした現代人をこんな描き方するのは案外難しいのではないだろうか。

ただ、アンドレは仕方がないとはいえ、ヒーローしていた。原作ではそのへんのところが説明してあったのだが、映画ではなかったのが残念。というより、原作ではあいつはただの中世オタクで主人公ではなかった気がするんだけど。ま、現代人の青年と女考古学者の恋よりヒーロー×お姫様の方が絵になるのは確かである。映画化するにはあっちの方がいいなあ。

あとは、投石機と放物線方式集中弓攻撃の映像の美しさ。恐いよ、あれ。なまじ飛んでくるのが見えるだけに、心理兵器としても使える。ああいう戦争シーン、映画でしかできないだろう(金かかりすぎる)し、やっぱり面白い。

全体としては満足したのであった。
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:b1a2ye-zfg
読者になる
2013年04月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
最新コメント
ヤプミー!一覧
読者になる
P R
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
http://yaplog.jp/b1a2ye-zfg/index1_0.rdf