古都クラクフ 

September 26 [Tue], 2006, 13:11
古都クラクフ。

 朝5時ごろ、駅員に乱暴にたたき起こされて不機嫌に目覚めた。まだ寝ぼけたままリュックを背負い、虚ろな目で列車を飛び降りた。外はまだ薄暗く、朝もやの霧が辺り全体を覆っている。殺伐とした雰囲気。

 プラットフォームを歩いていると、ドイツ、チェコではなかった宿の勧誘が次々と近寄ってくる。階段を降り、地下通路にでると酔っ払った浮浪者で一杯だった。体より大きいリュックを背負いながら歩く私に絡んでくる。それを無視して、歩いた。

 この国について、これからどうするかなど、まだ何も考えていなかった。そうだ、宿を探さなくては。まだ寝ぼけている。歩きながら、また思った。そうだ、新しい国に入ったんだ。何よりもまず、お金を両替しなくては。駅の両替所に行くと、1000円札を渡した。ポーランド語で、なにやらぶつぶつ言ってきた。どうやら、たった1000円しか両替しないのかと言っているようだった。私は、そうだと言った。おばさんは、青く鋭い目で私を睨み付け、両替したお金を放り投げた。私は、しっかりとお金を数える。大きいお金を、更に小銭に替えてもらう。おばさんはまたポーランド語で文句を言ってきた。それを無視し、1000円分のポーランドマネーを握り締めて、thank youと言いその場を去った。

 ガイドブックに載っている唯一の安宿は、町の中心地からトラムで15分程度だった。そこへ駅から電話し、空き部屋があることを確認すると、早速トラムに乗り最寄の停車駅で降りた。

地図を広げながら、うまく土地勘がつかめないで街を彷徨っていると、若い男が私目がけて歩いてきた。何かを感じた。その男の存在を横目で確かめたその時だった。男は、私が手にしていた封筒をひったくり、思い切り逃走していった。はっとした。一瞬、何が起きたのかわからなかった。封筒には、両替したお金と、日本円1万5千円と、T/C150EURO分が入っている。頭が真っ白になり、次の瞬間手にしていた地図とガイドブックを放り投げ、リュックを背負ったまま男を追いかけた。そのお金がなくなると、現金が全てなくなる。旅が続けられなくなる。そう思ったら、絶対に、絶対に、絶対に取られてはならない、取り返さなきゃと思い、思わず日本語で「お願い、返してよ!」と叫び、力いっぱい全力で追いかけた。私の声は、虚しく朝のクラクフの住宅街に響き渡った。そんな私の思いを意に介する気配も見せず、男は更に速度を増し走った。男も必死だ。私も必死だった。
 
 男の姿が小さくなっていく。重いリュックが徐々に私の足を疲れさせていった。サンダルを履いていたことこあり、思うように走れない。ここは無機質な団地が連なる住宅街の中。辺りは早朝だったせいもあり、歩く人の気配も無い。男は次の角を曲がると、姿を消した。必死で走り、私も同じ角を曲がったが、時既に遅し、男の姿は無かった。その道はいくつもの小さなわき道があり、男が次に入った道がわからない。一つ一つを必死で確かめたが、完全に見失ってしまった。私は放心状態になり、今自分に起きた現実を整理できずに、暫くその場に暫く座り込んだ。取られたお金は総額日本円にして四万円程度。大した金額ではないかもしれないが、日本で大学での授業の傍らに、時にはレポートに追われながら、そして時には遊ぶ時間を削ってこの旅の為にバイトで貯めたお金だ。抑えようのない怒りが込み上げ、次に涙が溢れ、悔しさと、早朝でひと気のないことに油断し、そんな大事な旅の資金を一瞬でも素手で持ち歩いていた自分の不注意さを責めた。

 男はきっと、駅から私をつけていたのだろう。私が駅で両替して、そのお金を封筒に入れたのも見たんだろう。思えば、アジア人の女一人がガイドブックを片手にリュックを背負い、朝の駅を右往左往しているなんて絶好の標的ではないか。その事を、何でもっと深く認識していなかったのだろう。私は改めて、女一人で旅をすることに対して、もっと注意深くならなければと反省した。

 不幸中の幸いとも言うべきか、一番大事なパスポート、そしてクレジットカードはリュックの奥底に詰め込んであったので、取られずにすんだ。何より、咄嗟の出来事に動転してリュックを放り投げず追いかけなくて本当に良かったと思った。現金も取られ、リュックもなくなったら旅を続けられるかどころか、日本に帰れなくなり、手も足もでなくなるから。

心に余裕の無いときは、人に優しく。 

September 17 [Sun], 2006, 15:30
あぁ、また父に冷たく当たってしまった。心の行き詰まり、イライラで、その原因に関係の無い人に八つ当たりするのは、やられる相手も、そして私自身も、傷つくではないか。吐いた言葉は、本意でなくても、言葉にすると、体に、魂に、沁みこんでしまう。こんな悪なスパイラル、早く抜け出そう。

インドの思い出。 

September 17 [Sun], 2006, 0:23
インドの思い出。

肌を突き刺すような日差しの下、バラナシで。

通りは人、車、自転車、バイク、リキシャー、全ての往来が激しく、鼻の奥を激しく突くような匂い、絶え間なく鳴り続けるクラクション、怒鳴り声、笑い声、泣き声、祈りの声、執拗に追いかけてくる物売り、爆音で流れ続ける音楽、牛のウンチ、人のウンチ、道のど真ん中に寝転ぶ牛や犬、服の裾を引っ張り枝のような細い手で恵みを求めてくる物乞い達、それらすべてが激しく自己主張するかのように起こっていて、そして互いにぶつかり合っている。そんな町の喧騒をまるで他人事のようにして、悠々と流れてる聖なる河ガンガー・・・。こんな支離滅裂の中で、私は、何が正しくて、何が間違っているのかなんて、本当にわからなくなった。

私は旅にでると、感傷的になって、特にガンガーなどの聖地へ行くと何かを感じ取り、意味を見い出さなければという観念に捕らわれ、精神的に張り詰めどっと疲れる。でも、そんな事はバラナシでは考えもしなかった。

感情のむしゃくしゃ、行き詰まりを日本に置き去るようにしてインドに来た。あらゆる意味での人間の汚さ、醜さ、美しさ、やさしさ、滑稽さ、残酷さ、崇高さを目の当たりにして、それらが自分の中に積もり溜まっていく。私の中で何かが変わったんじゃない。ただ、そういった一つ一つの心の経験が、私に光と影を落としていった。

ある晩はジャイサルメールという、シルクロードで栄え、その衰退と共に廃都となった砂漠の中の町にいた。鳴り止まない砂漠の楽師達の演奏。力強く、そしてどこか切ない歌声が体中に響き渡り、染み渡っていき、痛みも、悲しみも、切なさも、みんなすべてを溶かしていくようだった。それでも、まだ、いつくかの思い出や感情は、成仏できないでいる。でも、それらは長い時間をかけて消化され、そしていつかは昇華されていく・・・。そう、信じたい。だから今は、そんな矛盾した、混ざり合わない気持ちを抱きしめて、一緒に生きていくんだよ。

morning 

September 05 [Tue], 2006, 7:42
I'm now sitting in my room. One day in a bright weather in the beginning of september. September always has its smell, and every time september comes, I remember the days.

Hearing the sound of traffic, birds singing, people hurring up the work, children laughing and mothers are busy making lunch for their family. A lot of things have changed in my life, but these morning scenes are still there, and hope they'll still remain even if i get older.

... 

January 01 [Sun], 2006, 22:55

mango shake left sour taste in my mouth,
and it seems like the only thing that makes me happy tonight.

ラオスにて 

January 01 [Sun], 2006, 22:23
その日の夕方、私はラオスの古都、ルアンパパーンにいた。
歩き疲れて、メコン川の畔に一人座ってた。
川辺では子供たちが元気いっぱいに水遊びをして駆け回っている。
無邪気な笑い声が響く。

夕日が落ちかけてた。
辺り一面の全てが、赤とオレンジのグラデーションが絶妙な色合いで染まり、目の前に広がるメコン川の川面には、光の橋を作り出していた。

・・・・・

そんな日々を、日本での忙しい日々のふとした瞬間に思い出す。
外国での日々は、日本に帰ってきてしまうと全て夢の中の出来事だったのかと思ってしまう。

旅先で出会った人々や風景。

思い返すとすごくいとおしい。
あの子の笑顔や、
におい
空気

きれいな夕日



私はあの日あの時、確かにあの国の、あの場所にいた。

そのことだけは、確かなこと。

そんな記憶を、ずっと大切にしたい。
2006年09月
« 前の月  |  次の月 »
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新コメント
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:ayayaymi
読者になる
Yapme!一覧
読者になる