「かーめっ」
2007.10.01 [Mon] 21:23

「なあに、聖」

「今日、お前んち行ってもい?呑もうぜ、久々に」

「だめ!」



「亀ー」

「上田ー。なあに」

「今日亀のおうちで曲作りしない?」

「だめっ!」



「亀」

「あ、なかまるー」

「田口も一緒なんだけど、一緒にごはん食べいかない?」

「だめだってー」



「まだかかりそうなの?」

「あ、田口。今中丸から話聞いたとこ」

「行かない?」

「だーめー!!」



「…いや別に、」 

「赤西君には聞いてないんだけどね、うん」

 

冷めた田口の言葉に、亀を囲んだ仁以外の全員が頷いた。



おわり。

続「かーめっ」
2007.10.01 [Mon] 21:31

「亀、これ好きだろ。頼めよ」

「わーい。じゃあ、それにする、聖も食うでしょ?」

「うん。すいませんこれひとつ下さ……、え、なに?赤西。さっき無いって言われた?そっか」

「なぁんだ、ないのかー」



「あー、これこの前亀がおいしいって言ってたやつだね」

「そう、上田も食べなよ。分けてあげるから」

「分けて分けてー。あれ、お皿は?すいませーん。店員さーん」

「え、ないの?さっきたくさん持ってきてたのに。気のせいかな」



「うっわ、なにこれ。辛っ」

「ああ、中丸、それドレッシングだよ。中丸の飲み物はこっち…かな?」

「うんこっちこっち。色似てて気づかなかったよ。もしかして誰か変えた?」

「さっき色々運ばれてきたとき、移動したからじゃない?」



「え、なにこんなの頼んでないけど。誰か…違うよね?すいません、違います、はい」

「今のなに?」

「いや、亀が頼んだやつじゃなかったと思う。あれなんだ、青汁?」

「ええ? 青汁?」



「……あのさ、」 

「さっきから小さい嫌がらせはやめてくれる?赤西」

 

ドレッシングを飲まされて不機嫌な中丸の目線の先には、席の端で口を尖らせた仁がいた。



おわり。

続々「かーめっ」
2007.10.01 [Mon] 21:32

「じゃあな、亀。まあ、また明日会うけど」

「うん、何時だっけ?」

「夕方くらい。遅刻すんなよ」

「はぁい」



「夏までに新曲つくっとくから。亀ちゃんが好みなやつ」

「たのしみだねー」

「うん、俺もたのしみ」

「じゃあねぇー」



「明後日だっけ?朝集合でしょ」

「そうそう。中丸お腹平気?」

「ん、多分。もう大丈夫」

「ほんとドジなんだからー。じゃあ明後日ね」



「ああー…酔った…きもちわるい…」

「田口、お酒弱いんじゃない?」

「そこまでじゃないけど…久しぶりに呑んだから…」

「気ぃつけて帰りなー」


 
「…だから赤西には話しかけてないってば!!」



酔い潰れて眠る亀が乗る助手席の向こう側にかけた四人の怒った声に、仁は、心から楽しそうに笑った。



おわり。

続々々「かーめっ」
2007.10.01 [Mon] 21:33

「亀、大丈夫?酔い醒めたか?」

「こうきー。だいじょうぶだよー」

「あーそっかよかった。いや、起きれねえんじゃねえかなーと思ってた」

「平気平気ー。ごめん心配かけてちゃって」



「おはよう、亀ちゃん」

「上田ー、昨日はごめんねー。俺、酔っ払って記憶あんましないの」

「あはは、だと思ったー。だって寝ちゃってたもんね」

「うーん、ごめんねー」



「おはよーっす」

「おはよー。中丸昨日ごめんね。俺、迷惑かけた?」

「いや、かけてないよ別に。亀は」

「え?俺はってなに?」



「おはよっ!」

「あ、田口おつかれー。今日も仕事でしょ?」

「そうなんだよ二日酔いが…や、でも頑張るよ俺は!そっちは平気なの?」

「うん、今のところ、」



「つかおまえら、朝からわざと立て続けに亀に電話してくんな!!」

ガチャン!!!



「…あ、切られた。あー!ちょっと短かった? 俺」

「惜しい!あと5分くらいだった」

「一人20分は話し込む作戦だったもんね」

「初めっから赤西が出たらどうしようと思ったよね」



そして四人はまた、仁への仕返しを考え始める。



おわり。

死ぬとして
2007.10.01 [Mon] 21:38

「死んだら、人は無に還るんだ」



病院のベッドで亀はその小さな体をシーツに埋め、窓ガラスを見つめてぽつんと言った。



「死んだら、人間てどうなるんだろ」

「…どっちが。死んだほう、残されたほう?」

「…どっちも。…どうなるんだろ、と思って」



ふう、と溜め息をつくと亀は仁を見る。

間近で見る白い顔が尚更白くなって見えるのは、病院の電球のせいではない。

仁は煙草に触れない指を持て余しながら答える。



「きっと、どっちも、穴が開く」

「………」

「誰にも埋められなくて、誰も触れられない穴が、…胸に」

「……そうだね」



亀は酷く細い声でそう、呟くように言った。

そして、亀は、はっとしたように病院を見渡して仁に言う。



「じん、仕事は」

「……今日は休み」

「…嘘だ」

「…いいじゃん、まだいても。いて欲しくないの?」

「そりゃ居て欲しいけど…そんな風にされると」



息を吸うと亀は、仁を見つめて言い切った。
 

 
「―――俺、ほんとに死んじゃうみたいじゃん?」



ふ、と相好を崩して笑う亀の口元。

その言葉に仁は立ち上がって、胸元から煙草を取り出しながら言った。



「……ばか。死ぬわけ、ないだろ」



その声に亀は下から仁を見上げる。

仁は自分の背後にパイプ椅子を片付けながら亀に叫んだ。



「ただの盲腸だろうが!!」

「じん!大きな声で言わないでよ!恥ずかしい!」

「下の毛剃られたくらいで、切なくなりやがって…」



心から溜め息をつく仁に、亀は顔を赤くしてしーっと人差し指を口に当てた。



おわり。

記憶喪失
2007.10.01 [Mon] 21:43

亀が記憶をなくした一日。



「俺?かめ?…ふーん…。…で…えっと、」

「じん、あかにしじん」

「赤西、さん。……。…えー…っと…、関係、は?」

「関係…、んーと、同じグループの、アイドルで、シンメ」

「ふうん…。アイドルなんだ、俺…」

「赤西くーん」

「あ、田口。おはよ」

「おはよって…様子、どう?」

「ん、直に戻るんじゃない?記憶喪失つっても一時的なもんらしいから」

「そう…。…あ、赤西君寝てないんでしょ?つきっぱなしで」

「そんな気もする」

「俺ついてるから、赤西君寝てきなよ。仕事、終わったし」

「じゃあ…うん、そうさせてもらおっかな」

「うん。赤西君が倒れても困るし」

「だね。じゃあよろしく。亀またねー」

「あ、はい。赤西さん」

「おやすみー」



亀の記憶が戻る気配の無い次の日。



「はよー。具合ど?」

「あ、おはようございますー調子いいですよー」

「昨日田口いつまでいたの?あいつ面白いでしょ」

「あっ、そうそう!赤西さん酷いじゃないですかー!」

「ん?なに?俺なんかした?」

「俺の名前!」

「…?名前?えっ?」

「俺の本名は‘ガンダム’っていうんでしょ?」

「………………」

「もー恥ずかしいなー。田口さんに聞かなかったら俺まだ‘かめ’のままでしたよー」

「………。…亀、ちょっと俺、田口んとこ行ってくるわ」

「あっ、田口じゃなくてアムロさんですよ。あ、ちなみに赤西さんも本当はブルマってあだ名なんでしょ?アムロさんが」

「まあうん、どっちでもいいけど行ってくるわうん話し合いにね」

「待ってますねブルマさん」

「うん」



話し合いの結果、アムロの右肩は脱臼したという。



おわり。

記憶喪失
2007.10.01 [Mon] 21:53

ぴぃが記憶をなくした一日。



「俺の名前はぴぃっていうの?」

「そう。」

「あんたは?」

「俺は亀梨和也。亀、て呼んでたよ」

「亀?…なんで俺だけこんな名前なんだろ。俺、外国の人?」

「日本人だって。ぴぃってのはあだ名。本名は山下智久」

「ふうん」

「何でも聞いてくれれれば教えるからさ」

「うん、…ありがとう。優しいなぁ、亀」

「だから、何も気ぃ使うことないから、俺が全部やってあげるからね」

「…うん」



ぴぃの記憶が戻った次の日。



「亀、世話かけたね」

「ぴぃ自分で言ったこと覚えてる?自分は外人かーなんて馬鹿なこと俺に聞いてきたの」

「あーなんとなく。きっとそう思ったんだろなあ、亀見てたら」

「え?」

「だって俺はこんなにお人形さんみたいに美人じゃん?」

「……え?」

「目もぱっちりでおっきいし、顔も小さいし、足も長いし。だけど亀はどっちかていうとアジア系の顔じゃん?俺みたいに美人って表現とは程遠いし」

「…そうだね」

「亀と俺も同じ国籍なんだもんねえ、記憶戻ったときちょっと真剣に考えてちゃったよ。もしかしたら亀は韓国人で俺はフランス人じゃないかって」

「…ねー」

「日本人でもこんなに違うもんなんだね、あれだね、やっぱ俺のDNAって何億分の一の確率で選ばれたんだね、神さまに感謝しなきゃなー俺の顔こういう顔にしてくれて、」

「…………戻らないほうがよかったね、ぴぃ」

「え?」



これがその昔、二人が仲悪くなったきっかけ。…なわけがない。



おわり。

喧嘩するほど仲が良い
2007.10.01 [Mon] 21:57

「うわあああん」

「なっ…どうしたんだよ亀!こんなに怪我して!!」

「じぃぃぃぃん!痛いようー!!!」

「相手は誰だ!!」

「な、中丸と…ちょっと口喧嘩になっちゃって、それで…」

「なにー!!あいつ亀に…亀の顔に傷を…!よし俺が行ってくる、許さねー」

「じ…じん気をつけて…」

「待ってろよ、亀」



「おい、中丸!!!」

……

………あれ

…てゆうか中丸さん死んでませんか?



「おいどこだよあいつ」

「ひぃ!う、上田!!待ってこれは正当防衛ってかなんてゆうかだから亀のせいじゃなくてその…」

「あ?だからどこにいんだって」

 

「じん遅いなー。バンソウコウ探してきて欲しいんだけどなー」


 
そのあとのことはこわくておぼえていません。byあかにしじん



おわり。

中毒
2007.10.01 [Mon] 22:00

どうして人は、手に届かないものを欲しがるのだろう。

無理だと分かっている、だからこそ、諦めようと決めたのに。なのになぜ、今更こんなにも揺らぐのか。

仁はぼうっと宙を見つめ、目で追った。

きっと相手は、俺が手放せないことを知っている。それすらも分かって今、そこに。

毎日顔を合わせ、俺を誘惑する。見ないようにしようと思うその気持ちすらも、相手を見ると全て消えてしまう。何もかも、失いそうになってしまう。

仕事中にも関わらず、俺を殺しそうなほどに愛しい相手が、そこに。あのときと変わらない匂いが、俺の脳をおかしくさせた。

自分自身に落ち着けと言い聞かせるために膝の上で遊ばせた指が、震える。それを認識したときに、渇いた笑いが零れそうになって、堪えた。

自分はどこまで、奴の中毒なんだ。

なぜこんなにも。こんなにも、届かない。この指で触れたい。毎日どこだって一緒に居たい。好きなままでいたい。毒牙のようなそれに、騙されて死んだっていい。

一緒に居られる、なら。

仁は、自分の携帯を放り出すように置くと、相手に近づいた。

もう、限界だった。



「なに?じん、どうしたの?」

「亀…俺もう無理なんだ…」

「じん……」



「もう無理!!禁煙終了!!」

「ったく意思薄いなー仁は。まあ二日もったしね」

「吸ってる亀に言われたくない!もう吸うからね!」

「あっ仁、だめって言ったでしょ!」

「うるさい、俺は吸うんだー!」

「だからやめとけって言ったのに。赤西君にできるはずないんだからさ」

「あー。…あーしあわせー俺のマルボロちゃん」



おわり。

身長差
2007.10.01 [Mon] 22:03

ガチャン、ピッポッパッ
 
プープープープー

話し中か…あ、ども中丸です。

てか聞いてよ。なんかね、田口と聖が一緒に帰るらしいのよ。なんだかにこにこしてる。気味が悪いくらい仲良く帰ってる。



「楽しみだぁぁー!!」

「ねっ。俺が教えてあげるよー」

 

なんだその甘すぎる会話?大体何教えんだ。ビリヤードか?田口が?えぇ、こんな夜中に?どうしたんだろ。あいつらまじでできてんじゃねえだろーな。まあどーでもいいんだけどさ。



次の日、一緒に出勤かと思ったら、二人とも別々に来てた。

俺が来たら、聖がいてイヤーな空気。うわ、怒ってるよ。そのあと田口が来たら、尚更イヤーな空気。あーら田口、居場所なーい感じ。なんだよこいつら。昨日の振りまいた笑顔は?あの甘ったるい雰囲気は?

……ちょっと面白いなー気になるなー。聞いてみよ。

 

「どうしたの」

「なにが?」

「や、聖と。どーしたの?何かしたの?」

「…ああー…」



聖がこっちを向いていないことを確認すると、田口は俺の耳元で、小声で言った。

 

「紙ひこーき対決」

「………。…は?」



一文字返した俺の声に、田口が身振り手振りで教えてくれる。



「いや、こう言っちゃあれなんだけど、聖ちっちゃいじゃん?俺より紙ひこーきが飛ばないのよ。やっぱあれって上から投げる方が飛ぶじゃん?だから聖が、こー走って投げたりとかしてて。それも可愛かったんやけど、…じゃなくて、全然飛ばないの。で、俺ばっかり遠くに行くから、怒っちゃって。せっかく折り方も教えてあげて、あんなに一生懸命折ってたのに、もうそれも…あ、中丸?」



俺は田口の言葉を最後まで聞かずに、自分の席へ戻った。



おわり。