「バイオハザード: ザ・ファイナル」<7点> 

January 17 [Tue], 2017, 23:30


感無量。臆面なく言わせてもらうならば、満足度は高い。
と言うと、真っ当な映画ファンとしては「馬鹿じゃないか」と思われるだろうが、実際そうなのだから致し方ない。

勿論、この映画単体を指して、エンターテイメント大作の傑作などとはお世辞にも言えるわけがない。
しかし、「フィフス・エレメント」からの主演女優ミラ・ジョヴォヴィッチの大ファンで、彼女のスーパーヒロイン俳優としてのポジションを確立した2001年の「バイオハザード」から今作に至るまでのシリーズ全6作を「映画館」で観た“感染者”として、やはり「感無量」という言葉を使わざるを得ない。
(個人的に、6作も続いたシリーズ作の全作を映画館で鑑賞した作品は他になく、ただその一点をとっても個人的には無視できない作品なのだ)

前述の通り、今シリーズにおいては、とうの昔に“感染者”に成り下がっており、最新作に対する真っ当な「期待」などはとっくに無くなっていた。
それでも結果として映画館に足を運び続けた理由の大半は、ゾンビよろしく排他的な「惰性」と、主演女優の美貌を拝んでおかないとという慢性的な「欲情」に占められていたと思う。
そんな感じで、「ああやっぱりイマイチだったな……」だとか、「ああやっぱりジョヴォヴィッチはエロいな……」などと思いつつ、ゾンビのようにフラフラと劇場を後にし続けた。
極めて退廃的である。金も時間も無いのだからもっと良い映画を観ろよと我ながら思う。
だがしかし、その“退廃感”を味わうことこそが、このシリーズを観ることの目的となり、カタルシスにすらなっているように感じていた。

そうして期待感など毛頭なく臨んだシリーズ最終作。
“感染者”ならではの斜めからの視点、そして粘り強く観続けてきたファンとしての贔屓目は大いにあったろう。
「傑作」とは言わない。「佳作」とも言い切ることはできない。ただ、「良かった」と断言したい。

もはやシリーズ通じてのストーリーの整合性などは、端から無いものと高をくくっていたのだが、シリーズ最終作にして、ちゃんとストーリーの収拾をしてくれたと思う。
特に「V」以降の迷走ぶりが甚だしかったアンブレラ社の陰謀の真意だったり、ずうっと曖昧で荒唐無稽だった主人公アリスの存在性とその意味が、曲がりなりにも明らかにされたことには、長年の胸のつっかえが取り除かれたようで快感を覚えた。
当然ながら全く粗がないなんてことは言えるわけもないが、それでも破綻しまくっていた過去作を含んだストーリーの整合性を、ギリギリのところで再構築してみせたのではないかと思える。

また過去作に登場したアンデッドたちを再登場させたり、第一作の舞台となったアンブレラ社の地下研究所“ハイブ”を決着の場として設定するなど、シリーズファンに対してのサービスも嬉しかった。
そして、主人公アリスと共に、長年に渡りシリーズを支え続けた二人の悪役の最期も、非常に印象深かった。
特にアルバート・ウェスカーのラストの情けなさは、一会社員として無性に胸に迫るものがあった。
アイザックス博士の狂科学者と狂信者をミックスさせたラスボスぶりも、その始末のつけられ方も含めて良かったと思う。


と、概ね大満足に近いシリーズ最終作だったが、一つ大きすぎるマイナス要因がある。
それは過去作それぞれの優劣を決める最大のポイントともなっていた要素、即ち“エロティシズム”の有無だ。
第一作「バイオハザード」が成功した最大の要因は、勿論ミラ・ジョヴォヴィッチというスター性に溢れた女優がキャスティングされたことに尽きると思うが、それと同時に、主演女優によるエロティシズムが映画全編を通して全開だったことがあまりに大きい。
「バイオハザード」は、主人公アリスの“半裸”で始まり、魅惑的なコスチュームでアクションを繰り広げ、そして再び“半裸”で終幕したからこそ、唯一無二の娯楽大作として存在し得たのだと思っている。

ミラ・ジョヴォヴィッチが、撮影期間中に妊娠したことも多分に影響しているのだろうし、致し方ないことではあるのかもしれないが、今作において主人公アリスのセクシーカットが皆無だったことは、今シリーズ作に無くてはならない“エンターテイメント”の大いなる欠損だったと思う。
まあこれについては、何を隠そう今作の監督であるポール・W・S・アンダーソン自身が、ミラ・ジョヴォヴィッチの夫なわけだから、憤慨と嫉妬を込めて「ちゃんとしろよ……」と言いたい。

せめて、半裸とは言わないまでも、再び赤いドレスを身に纏ったアリスがコウモリのお化けと対峙するラストシーンで締められていたならば、この満足感は一気に振り切れたかもしれない。


「バイオハザード: ザ・ファイナル Resident Evil: The Final Chapter」
2016年【独・豪・カナダ・仏】
鑑賞環境:映画館(字幕)
評価:7点

「駆込み女と駆出し男」<8点> 

January 15 [Sun], 2017, 23:53


時代に虐げられる女の苦悩と、それでも生き抜く女の強さ。みな逞しく、美しい。その様に涙が溢れる。

冒頭、各人物によるある種様式的なしゃべり言葉のせいもあり、何を言っているのかが理解し難い。
ただし、台詞の言い回しや、それに伴う人物の動きには、細心の役づくりと演出が施されていることが明らかで、この様式的な馴染み難さが、時代劇として明確に意図しているものだと分かる。
そして、正確には理解できずとも、物語の時代背景や人物の意思はきちんと伝わってきて、観る者を映画世界に没入させることに成功していると思う。

江戸時代末期、幕府公認の“縁切寺”とされた東慶寺を舞台に、女と男の悲喜劇が芳醇な人間描写によって繰り広げられる。
“縁切寺”などと言うと、いかにも時代劇的な特異な題材のようにも聞こえるけれど、いつの時代も男女間のトラブルによる苦しみと悲しみは尽きぬものであり、当然ながらそれは今この時代にもダイレクトに通じる普遍的なドラマ性を孕んでいた。

緻密な時代考証による完璧な時代劇というわけでは決してないけれど、各登場人物の心象に焦点を当てた演出とストーリーテリングは、各人物をとても活き活きと描き出し、映画全体の熱量に繋がっていたと思う。
時に舞台的なダイナミズムをも感じさせる人間描写の豊かさが見事だった。

題材が題材だけに、女優陣がみな素晴らしい。
満島ひかりの存在感はもはや言わずもがな。彼女がこの物語の中心で“生き抜いた”からこそ、映画の豊かさがぐんと上がったと思う。
またヒロイン役の戸田恵梨香の好演が、個人的に最大の嬉しい驚きだった。あまり印象強い女優ではなかったけれど、今作の彼女は非常に魅力的で、今作に相応しい“華”になっていた。
脇を固める樹木希林、キムラ緑子の安定感は流石である。
そして、彼女たちの間を飄々と立ち回り、主人公として映画を締めた大泉洋がやはり素晴らしい。彼が俳優としての地位を固めて久しいが、その勢いはまだまだ留まることを知らないようだ。どこかの映画評では、「現代のフランキー堺だ」という言葉もあったが、まさしくその通りだと思える。


いつの時代も、泣いてきたのは女。いつまでたっても無くならない女性差別や女性蔑視も含め、この物語が孕んでいる現代的な問題意識は無視できない。
しかし、だからと言ってこの映画が画一的ななフェミニズムばかりを展開しているのかというと、そうではない。
そういった問題意識を内包しつつ、その上で営まれる女と男の人間関係の愛おしさを描き出していると思う。

女も男も、何かに寄り添って生きていて、何に寄り添うかは自由だ。
女が女に寄り添ったっていいし、その逆もしかり、仏様に寄り添っても、キリスト様に寄り添ったっていい。
大切なのは、誰しも一人では生きていけないということを、他の誰でもない自分自身が認めてあげることだ。
この映画の顛末が伝えることはそういうことだと思う。

だからこそこの映画は、決して完璧ではないけれど、とても「素敵」なのだと思う。


「駆込み女と駆出し男」
2015年【日】
鑑賞環境:VOD
評価:8点

スバラシネマAWARDS☆2016 

December 31 [Sat], 2016, 0:00
<スバラシネマAWARDS☆2016>



2016年・大晦日
「スバラシネマAWARDS☆2016」


早いもので今年も最終日。
今年は、公私共に何かと忙しく、「映画を観る」という行為そのものが大変だった。
そんな中、ある日は仕事の合間を縫って、ある日は愛妻の目を盗んで、なんとか60本の映画を観た。
鑑賞数は伸び悩んだが、総じて高品質の新たな映画に出会えたと思う。
特に今年は、日本映画の当たり年だったと言えよう。
「シン・ゴジラ」「君の名は。」と、映画ファンならずとも劇場に人が押し寄せた作品が数々並んだことは、とても喜ばしい。
実際、大作系映画から低予算映画に至るまで、傑作が揃ったこの2016年は、日本映画の展望を開いた重要な年としてこの先語られるかもしれない、とすら思う。
ただそれ故に、「見逃した!」と涙をのんだ映画も多く、アレもコレも本当は今年中に観たかった……。
社会人として、家庭人として、来年2017年はもっと時間を効率よく使って映画を観ねば!!



鑑賞本数:60本 
平均点:6.98点(2016年12月31日現在)




作品賞



☆「シン・ゴジラ」

「ブリッジ・オブ・スパイ」

「スティーブ・ジョブズ」

「リリーのすべて」

「リップヴァンウィンクルの花嫁」

「ナイトクローラー」

「ビフォア・ミッドナイト」

「キャロル」

「怒り」

「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」





監督賞



☆庵野秀明 樋口真嗣
「シン・ゴジラ」


岩井俊二
「リップヴァンウィンクルの花嫁」

リチャード・リンクレイター
「ビフォア・ミッドナイト」

トッド・ヘインズ
「キャロル」

李相日
「怒り」





脚本&脚色賞



☆「ビフォア・ミッドナイト」

「ブリッジ・オブ・スパイ」

「スティーブ・ジョブズ」

「ナイトクローラー」

「キャロル」





主演男優賞



☆ジェイク・ギレンホール
「ナイトクローラー」


マイケル・ファスベンダー
「スティーブ・ジョブズ」

マット・デイモン
「オデッセイ」

エディ・レッドメイン
「リリーのすべて」

イーサン・ホーク
「ビフォア・ミッドナイト」





主演女優賞



☆ジュリー・デルピー
「ビフォア・ミッドナイト」


黒木華
「リップヴァンウィンクルの花嫁」

ブリー・ラーソン
「ルーム」

ケイト・ブランシェット
「キャロル」

ルーニー・マーラ
「キャロル」





助演女優賞



☆アリシア・ヴィキャンデル
「リリーのすべて」


ジェニファー・ジェイソン・リー
「ヘイトフル・エイト」

Cocco
「リップヴァンウィンクルの花嫁」

宮崎あおい
「怒り」

広瀬すず
「怒り」





助演男優賞



☆マーク・ライランス
「ブリッジ・オブ・スパイ」


ドウェイン・ジョンソン
「ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金」

綾野剛
「リップヴァンウィンクルの花嫁」

森山未來
「怒り」

ジョン・グッドマン
「10 クローバーフィールド・レーン」





ニューフェイス賞



☆アリシア・ヴィキャンデル
「エクス・マキナ」


藤野涼子
「ソロモンの偽証 前編・事件」

ブリー・ラーソン
「ルーム」

ジェイコブ・トレンブレイ
「ルーム」

佐久本宝
「怒り」





キャスティング賞



☆「リップヴァンウィンクルの花嫁」

「ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金」

「リリーのすべて」

「ビフォア・ミッドナイト」

「キャロル」





ナイスガイ・キャラクター賞



☆マーク・ワトニー(マット・デイモン)
「オデッセイ」


ルドルフ・アベル(マーク・ライランス)
「ブリッジ・オブ・スパイ」

里見祐介 農林水産大臣(平泉成)
「シン・ゴジラ」

次元大介(小林清志)
「LUPIN THE VRD 次元大介の墓標」

チアルート・イムウェ(ドニー・イェン)
「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」





ナイスガール・キャラクター賞



☆ハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)
「スーサイド・スクワッド」


ゲルダ・ヴェイナー(アリシア・ヴィキャンデル)
「リリーのすべて」

セリーヌ(ジュリー・デルピー)
「ビフォア・ミッドナイト」

エヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)
「エクス・マキナ」

尾頭ヒロミ 環境省自然環境局野生生物課長補佐(市川実日子)
「シン・ゴジラ」





最低(最高!)悪役賞



☆ルイス・ブルーム(ジェイク・ギレンホール)
「ナイトクローラー」


マーキス・ウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)
「ヘイトフル・エイト」

祖母(ディアナ・ダナガン)
「ヴィジット」

田中信吾(森山未來)
「怒り」

ハワード(ジョン・グッドマン)
「10 クローバーフィールド・レーン」





特別賞



☆アントン・イェルチン
「スター・トレック BEYOND」







撮影賞



☆「リリーのすべて」

「ヘイトフル・エイト」

「スティーブ・ジョブズ」

「ナイトクローラー」

「キャロル」





特殊視覚効果賞



☆「シン・ゴジラ」

「ホビット/決戦のゆくえ」

「バットマンVSスーパーマン/ジャスティスの誕生」

「エクス・マキナ」

「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」





美術賞



☆「ヘイトフル・エイト」

「ホビット/決戦のゆくえ」

「ブリッジ・オブ・スパイ」

「リリーのすべて」

「ルーム」





衣装デザイン賞



☆「リリーのすべて」

「ヘイトフル・エイト」

「バットマンVSスーパーマン/ジャスティスの誕生」

「スーサイド・スクワッド」

「キャロル」





音楽賞



☆「シン・ゴジラ」

「ヘイトフル・エイト」

「リリーのすべて」

「リップヴァンウィンクルの花嫁」

「怒り」





ミステリー・サスペンス映画賞



☆「ブリッジ・オブ・スパイ」

「ヘイトフル・エイト」

「ヴィジット」

「ナイトクローラー」

「10 クローバーフィールド・レーン」





アクション映画賞



☆「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」

「ジョン・ウィック」

「デッドプール」

「LUPIN THE VRD 次元大介の墓標」

「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」





SF映画賞



☆「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」

「オデッセイ」

「エクス・マキナ」

「シン・ゴジラ」

「スター・トレック BEYOND」





ファンタジー映画賞



☆「ズートピア」

「ホビット/決戦のゆくえ」

「インサイド・ヘッド」

「映画 プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!」

「君の名は。」





コメディ映画賞



☆「ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金」

「オデッセイ」

「バクマン。」

「デッドプール」

「レッド・ファミリー」





ラブストーリー賞



☆「キャロル」

「リリーのすべて」

「リップヴァンウィンクルの花嫁」

「ビフォア・ミッドナイト」

「君の名は。」





ホラー映画賞



☆「ヴィジット」

「10 クローバーフィールド・レーン」

「アイアムアヒーロー」





アニメーション映画賞



☆「ズートピア」

「インサイド・ヘッド」

「君の名は。」

「百日紅 〜Miss HOKUSAI〜」

「LUPIN THE VRD 次元大介の墓標」






日本映画賞



☆「シン・ゴジラ」

「リップヴァンウィンクルの花嫁」

「君の名は。」

「怒り」

「日本のいちばん長い日」





劇場鑑賞作品賞(22作品)



☆「シン・ゴジラ」

「スティーブ・ジョブズ」

「リップヴァンウィンクルの花嫁」

「怒り」

「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」





掘り出し物賞(期待値に対して大幅に満足度が高かった映画)



☆「バクマン。」

「レッド・ファミリー」

「ちはやふる 上の句」





ガッカリ賞(期待値に対して大幅に満足度が低かった映画)



★「スーサイド・スクワッド」

「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」

「ラブ&ピース」

「ソロモンの偽証 後篇・裁判」

「X-MEN:アポカリプス」





ベストレビュー賞



☆「ヴィジット」
レビュー

「リリーのすべて」
レビュー

「リップヴァンウィンクルの花嫁」
レビュー

「ビフォア・ミッドナイト」
レビュー

「シン・ゴジラ」
レビュー





おヒサシネマ!賞



☆「エターナル・サンシャイン」

「美女と野獣」

「あぶない刑事」

「花とアリス」

「オール・ユー・ニード・イズ・キル」





ワースト映画賞



★「ゴジラ ミニラ ガバラ オール怪獣大進撃」

「グラスホッパー」

「ラブ&ピース」

「ソロモンの偽証 後篇・裁判」

「セトウツミ」





ワースト監督賞



★デヴィッド・エアー
「スーサイド・スクワッド」


瀧本智行
「グラスホッパー」

園子温
「ラブ&ピース」

成島出
「ソロモンの偽証 後篇・裁判」

ブライアン・シンガー
「X-MEN:アポカリプス」





ワースト男優賞



★ウィル・スミス
「スーサイド・スクワッド」


ベン・アフレック
「バットマンVSスーパーマン/ジャスティスの誕生」

生田斗真
「グラスホッパー」

長谷川博己
「ラブ&ピース」

マイケル・ファスベンダー
「X-MEN:アポカリプス」





ワースト女優賞



★ジェニファー・ローレンス
「X-MEN:アポカリプス」














THE RANKING OF 2016-60MOVIES



1.「シン・ゴジラ」
2.「リップヴァンウィンクルの花嫁」
3.「怒り」
4.「ビフォア・ミッドナイト」
5.「キャロル」
6.「スティーブ・ジョブズ(2015)」
7.「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」
8.「ナイトクローラー」
9.「リリーのすべて」
10.「ブリッジ・オブ・スパイ」


11.「ズートピア」
12.「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」
13.「君の名は。(2016)」
14.「ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金」
15.「オデッセイ」
16.「ヘイトフル・エイト」
17.「エクス・マキナ(2015)」
18.「ヴィジット」
19.「バクマン。」
20.「陸軍中野学校」

21.「レッド・ファミリー」
22.「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」
23.「ルーム」
24.「インサイド・ヘッド」
25.「日本のいちばん長い日(1967)」
26.「スポットライト 世紀のスクープ」
27.「アイアムアヒーロー」
28.「10 クローバーフィールド・レーン」
29.「ちはやふる 上の句」
30.「百日紅 〜Miss HOKUSAI〜」

31.「ザ・ウォーク」
32.「ジョン・ウィック」
33.「映画 プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!」
34.「デッドプール」
35.「ソロモンの偽証 前篇・事件」
36.「スター・トレック BEYOND」
37.「インデペンデンス・デイ: リサージェンス」
38.「陸軍中野学校 雲一号指令」
39.「インビクタス/負けざる者たち」
40.「ホビット/決戦のゆくえ」

41.「インフェルノ」
42.「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」
43.「監視者たち」
44.「ゴジラ対メカゴジラ」
45.「ザ・レイド GOKUDO」
46.「バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生」
47.「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」
48.「スーサイド・スクワッド」
49.「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV 」
50.「ヒーローマニア -生活-」

51.「映画 魔法つかいプリキュア! 奇跡の変身!キュアモフルン!」
52.「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」
53.「大巨獣ガッパ」
54.「X-MEN:アポカリプス」
55.「ラブ&ピース」
56.「劇場版 PSYCHO-PASS/サイコパス」
57.「セトウツミ」
58.「ソロモンの偽証 後篇・裁判」
59.「グラスホッパー」
60.「ゴジラ ミニラ ガバラ オール怪獣大進撃」





See you next year...☆★

「X-MEN:アポカリプス」<4点> 

December 23 [Fri], 2016, 2:00


2011年の「ファースト・ジェネレーション」、そして2014年の「フューチャー&パスト」の連なりは非常に良かったと思っている。
今ひとつ稚拙で完成度が低かった前三部作の汚点を一旦リセットするとともに、過去に遡ってX-MEN創設の歴史を描き直すことで、芳醇なエンターテイメントを提供することに成功したと思う。
そして、過去と未来を繋いだ物語を描くことで、前三部作も含めたシリーズ全体の価値を高め、一つの幸福な大団円を紡いでみせたことは、一映画ファンとして、X-MENファンとして、多幸感に溢れた。

と、過去二作に対する満足度がとても高かったことも多分に影響しているのだろうが、この最新作は完全に「蛇足」だったと思う。
いや、きっぱりと「駄作」と言ってしまっていい。

これでもかという映像的物量は物凄い。それについてはシリーズ中随一と言って過言ではないだろう。
だがしかし、その圧倒的物量に対して、エンターテイメント大作としての高揚感がまるでまるで生まれてこない。
ストーリーテリングの愚鈍さや、キャラクターたちの言動の軽薄さが目立ち、映し出される大スペクタクルが仰々しいだけのマスターベーションに見える。

過去二作においては、60年代から70年代にかけての時代背景と、“マイノリティー”の象徴としてのX-MENの存在性を存分にドラマに盛り込み、他のアメコミヒーロー映画とは一線を画するオリジナリティを生み出せていた。
しかし今作は、そういったこのシリーズの核心とも言うべきテーマ性が薄く、ストーリーがあまりにチープだった。

古代エジプトから復活した最強ヴィラン“アポカリプス”は、その能力のチートぶりの反面、行動がいちいち回りくどく、延々とごたくを並べる割にまるで利口でない。結局グダグダやってる間に、覚醒したジーン・グレイに消し去られてしまう始末。
そして、前作に引き続き、エリックさんは色々な意味でかき乱されるだけで、結局何もしていない。ただ「悲劇」を背負わされるだけの存在として描かれ、同情をするしかない。

一応、新三部作としてはこれにて完結ということらしいが、シリーズとしてはまだヒュー・ジャックマンの“卒業記念作品”「ローガン」の公開が来年に控えている。果たしてどうなることやら。


「X-MEN:アポカリプス X-Men: Apocalypse」
2016年【米】
鑑賞環境:Blu-ray(字幕)
評価:4点

「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」<9点> 

December 18 [Sun], 2016, 0:30


鑑賞後、自宅に帰り着き、とっときの日本酒を開けた。そして、今作に登場したすべての“名も無き者たち”のために献杯を捧げた。

「スター・ウォーズ」の正史から離れた「番外編」として、最高の映画だったと思う。
「スター・ウォーズ」とは詰まるところ、“ジェダイ”という選ばれし者を描いた映画であり、ひいてはその中でも更に選ばれし血統である“スカイウォーカー一族”を描いた映画であったと言えよう。
しかし、それと同時にこの壮大なスペースオペラには、当然ながらおびただしい数の名も無き者たちの命が瞬いていたということを、この映画は熱く物語る。
善玉、悪玉問わず、持たざる者たち、名も無き者たちの意地と矜持に心が揺さぶられっぱなしだった。
そして、最強兵器による“絶望の炎”を“希望の光”に転じさせてみせた「英雄」たちの最期に涙が溢れた。


エピソード4のオープニングロールの映画化という報を聞いた時は、SWファンとして多大な興味を得た反面、番外編とはいえ果たしてSWシリーズの最新作として成立するのかという疑問符を拭えなかった。
オープニングロールで記された内容の映画化ということは、とどのつまり世界中総てのファンは“事の顛末”を知っているわけで、それはエンターテイメントとして非常に高い障壁になると思われた。
またSWの正史に登場するような大人物は描けないことも明らかで、必然的に地味な作品に仕上がることは避けられないのではないかと想像していた。

しかし、それは大きな見誤りだった。
“ジェダイ”がただの一人も登場しない今作が、こんなにも娯楽と感動に溢れ、しっかりと「スター・ウォーズ」として成立しているとは。
SWというスペースオペラの根幹を成すものは、“ジェダイ”でもなければ、“スカイウォーカー一族”でもなかったのだ。
ひたすらに「希望」という言葉を掲げ、勝利を信じ、広大な宇宙で瞬いた命の一つ一つこそが、SWをSWたらしめるものだったのだと思い知った。
そういう意味では、この映画こそが、最も「スター・ウォーズ」というタイトルに相応しい作品であるようにさえ思える。


この映画で主人公たちが得たものは、「勝利」ではない。
「きっと誰かに伝わったはずだ」という、本当に微かな、だけれども何よりも重く重要な「希望」だった。
かろうじて繋ぎとめたその「希望」を胸にして、彼らは“光”に包まれる。
あまりにも悲しく無慈悲なシーンである。
でも、彼らが成したことの「意味」を既に知っている我々は、そこにシリーズ最高のエモーショナルを感じずにはいられない。

「希望」は、持たざる者たち、名も無き者たちによって、文字通り一人ひとり継がれていった。
そして、無双そのものの“絶望の権化”による追従をすんでのところで何とかかわし、ついに「新たな希望」へと辿り着く。

そりゃあ、泣くしかないじゃないか。


「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー Rogue One: A Star Wars Story」
2016年【米】
鑑賞環境:映画館(IMAX3D・字幕)
評価:9点

「インフェルノ」<7点> 

December 13 [Tue], 2016, 23:49


ご存知ラングドン教授が、ヨーロッパの宗教史、美術史を辿りつつ、「謎」から「謎」を奔走する。
この映画はもはや、ミステリーに彩られたストーリーを追うものではなく、「謎解き」そのものを娯楽として楽しむべき豪華絢爛な“ジャンルムービー”なのだと思う。
ストーリーテリングが強引で粗があろうと、物語としての整合性があろうがなかろうが、「謎解き」そのものに対するカタルシスが得られれば、それでいいというスタンスなのだ。
娯楽の趣向としては、映画というよりも、ゲーム「レイトン教授」シリーズに近いものを感じた。まあ勿論、アチラのゲームが、この映画なり原作なりに着想を得ているのだろうけれど。

というわけで、年末の慌ただしい中、レイトショーで観た映画としては、面白過ぎるわけでもないし、駄作過ぎるわけでもなく、ちょうどいい塩梅で楽しめた。

前述の通り、ストーリー展開については苦笑を禁じ得ない稚拙な展開が目につく。
首謀者の計画の意味不明な遠回り感や、クライマックスの描写のグダグダ感など、サスペンス映画としての完成度は決して高くはない。
ただし、ロン・ハワードの監督の流石に洗練されたカメラワークや、三度ラングドン教授を演じたトム・ハンクスの安定感が、映画の表面的なクオリティーの高さをキープしている。

またこの映画の場合は“ヒロイン”の立て方がユニークで、大きな見どころとなっている。
ストーリー展開の中で入れ替わり立ち替わり存在する“ヒロイン”を巡る顛末こそが、今作の最大のサスペンスだと言えるかもしれない。

アカデミー賞ノミネートされた「博士と彼女のセオリー」の演技も記憶に新しいフェリシティ・ジョーンズの、“ある表情”の転換が見事だった。


「インフェルノ Inferno」
2016年【米】
鑑賞環境:映画館(字幕)
評価:7点

「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」<5点> 

December 11 [Sun], 2016, 2:00


テレビゲームに対して完全な門外漢なので、「ファイナルファンタジー」というRPGを一切プレイしたことがない。
30年近くに渡ってシリーズ化されてきた大人気ゲームであることは勿論知っているけれど、描き出される世界観に対しては全く無知である。
そんな者が、シリーズ最新作の発売に合わせて公開されたこの映画化作品を観るべきでは本来ないのかもしれないが、会社の部下(ゲーマー)に猛烈に薦められたため、彼に借りて鑑賞に至った。
こんな機会でもなければ、絶対にチョイスしなかった映画であろうから、これはこれで良い機会だったとは思う。

昨今のテレビゲームのビジュアル的なクオリーティーが「物凄い」ことは認識していたが、いざ観ていると本当に物凄い。
主要キャラのビジュアルに関しては、生身の俳優が演じているのかと見紛うほどで、アニメーションと実写とのビジュアル面での境界線は益々アバウトになってきていると痛感した。
舞台となる都市やアクション描写のビジュアルは言わずもがな。圧倒的なクオリティーで展開される映像的な物量は、「ロード・オブ・ザ・リング」や「トランスフォーマー」などハリウッドの超大作と比較しても引けを取らない迫力をクリエイト出来ていたと思う。

物語としては、どうやらゲームソフトの最新作「FINAL FANTASY XV」本編の前日譚を描いているらしく、本編主人公の父王を軸としたファンタジーアクションが繰り広げられる。
ストーリー展開は決して目新しくはなく、数多のファンタジー映画の二番煎じ感は強く感じる。まあしかし、ベタな王道的展開と捉えれば許容範囲といったところか。

エンディングロール後に、ゲーム本編の主人公らが登場し、今まさに新たな冒険に踏み出そうとしている様が映し出される。
門外漢の僕ですらまんまと「ゲームをプレイしてみたいな」と思わせた時点で、この映画作品の役割は充分に果たせているのだろう。


「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」
2016年【日】
鑑賞環境:Blu-ray(字幕)
評価:5点

「アイアムアヒーロー」<8点> 

December 09 [Fri], 2016, 0:34


この国は“ZQN”だらけだ。そして誰もが“ZQN”になり得る。

非常識で傍若無人な振る舞いをする“輩”を表す“DQN”という蔑称を文字って、劇中ゾンビとなってしまった人達を“ZQN”と表したこの映画の在り方は、“ゾンビ映画”として極めて真っ当で、ちゃんと面白い。

古くから優れたゾンビ映画は、ホラーというエンターテイメント性と共に、常にその時々の社会の縮図とそこに孕む病理性を描き出してきた。
ゾンビという恐怖を、社会病理の象徴として位置づけることで、それが文字通り生活を脅かす様を描いてきたのだ。それこそが多くの映画ファンが、ゾンビ映画に求める本質的なテーマなのだと思う。
個人的には恐怖映画が苦手なので、ソンビ映画の系譜そのものに対しての造詣は極めて低いのだが、それでもこの国産ゾンビ映画が、その“テーマ”をきちんと踏まえた上で、正真正銘のゾンビ映画として仕上がっていることは充分に理解できた。

この映画の成功の最大の要因は、言わずもがな原作漫画の見事さに尽きるのだろう。
花沢健吾の原作漫画が、前述のゾンビ映画が持つべきテーマ性をきちんと踏まえているからこそ、この映画化作品が見事なゾンビ映画に仕上がっていることは明らかだ。

ただ、どんなに優れた人気漫画の映画化であっても、尽く失敗してしまっているのが国内映画の、特に娯楽大作系映画の現実である。
そんな中で、今作の娯楽大作としての成功は、やはり喜ばしいトピックスだ。

原作漫画を忠実に映画化したと言ってしまえばそれまでだが、それこそが映画化において最も難しい部分であることも確か。
冗長になりがちな心情描写やモノローグ描写を極力廃し、ひたすらにアクションの連続で構築したことが、潔く見事だったと思う。
そして、キャスティングと俳優たちのパフォーマンスも総じて良かったと思う。
特に主人公を演じた大泉洋の英雄ぶりがスゴかった。初登場シーン、漫画を描く原稿から顔を上げた瞬間に「あ、鈴木英雄だ」と疑わなかった。
最後の最後まで、ZQN=ゾンビを殺すことに快感を微塵も覚えることなく、散弾銃を構え続ける主人公・鈴木英雄のキャラクター設定こそが原作漫画の肝であり、その特異な主人公像を体現した大泉洋の表現力は流石である。


毎朝のようにワイドショーでは、“DQN”と化した一般市民の醜態が報じられている。
「自分とは違う人種だ」と軽蔑の眼差しを送るに留まる日本人が殆どだろうが、果たしていつまでもそう安閑としていて良いものだろうか。
「炎上」を巻き起こす程の極端で分かりやすい言動に至っていないだけで、実は自分自身を含めた総ての人々に“DQN”になり得る節は見え隠れしているのではないか。

ふと気づけば、「日常」がゾンビだらけで阿鼻叫喚に包まれているなんてことに本当にならなければいいけれど……。
このゾンビ映画が描く「恐怖」とは、詰まるところそういうことだ。


「アイアムアヒーロー」
2016年【日】
鑑賞環境:Blu-ray
評価:8点

「ちはやふる 上の句」<7点> 

December 07 [Wed], 2016, 0:32


並べられた50枚のかるた札を前に座し、彼女は大きく息を吐く。髪をかきあげ耳を澄ます。真っ直ぐに見据える。
そのヒロインの一挙手一投足が、この映画の絶対的に揺るがない見どころだ。

“競技かるた”を題材にした人気原作漫画の映画化として、想像よりも随分と真っ当な青春映画に仕上がっていると思う。
マイナー競技を題材としたスポ根映画としては、「シコふんじゃった。」や「ウォーターボーイズ」等の過去作と比較して決して目新しい要素はないけれど、だからこそ「王道」を貫いていると言え、素直に感動的だった。

また“競技かるた”という“スポーツ”の競技性も、想像以上にアクション性に富んでおり、諸々の駆け引きや技術論の妙は、映像化されることでその「面白味」が引き出されていたと思う。
スポーツと文学とが文字通り「合体」したこの競技の持つ特性は、日本人だからこそ高められた独自性豊かな文化のようにも感じ、とても興味深かった。そして映画の構成上でも、その特性が巧くエンターテイメントとして表現されていたと思う。

と、作品そのものが青春スポ根映画として充分に及第点なのだが、それを二の次にしてしまう魅力を放っているのが、前述のヒロインを演じた「広瀬すず」に他ならない。

その圧倒的な美少女ぶりを武器にして、今彼女は数々の映画に引く手数多だ。特に今作のような漫画原作映画のヒロインでのキャスティングが立て続けである。
“流行りのアイドル女優”というレッテルを否定的に貼り付ける風潮も一部見受けられる。

今の「広瀬すず」が“アイドル女優”であることは否定しない。
ただしその“アイドル女優”としての格は、日本映画史上において、かなりとんでもないレベルに達していると思う。

かつての「宮沢りえ」や「原田知世」、「薬師丸ひろ子」らそうそうたる歴代アイドル女優の系譜に並び立ち、同年齢時での比較では彼女たちを凌駕する存在に成っているのではないか。
それが、一映画ファンとして、昨年「海街diary」を観て、今年「怒り」を観て、「確信」したことだ。

類まれな美貌もさることながら、「広瀬すず」の女優力の根源には、そこらの若手女優と比較してずば抜けた身体能力の高さと勘の鋭さがあると思う。
特に今作にはそれらの要素が存分に表れていて、彼女以外がこの映画のヒロインを演じたならば、“競技かるた”というスポーツが内包する迫力と魅力は、現状の半分も表現されなかっただろうと思える。
今作ではスーパースローが多用されているが、アクション描写における瞬発力や身体の動かし方、弾いた札を追う目線に至るまで、しっかりと「表現」が出来ているのは、この女優の身体能力と勘の良さがあってこそだと思う。

そういった演技力云々以前の存在感の強さとそれに伴う絶対的な輝きが、「広瀬すず」という女優が特別な理由だと僕は思う。
この先、この女優は多くの人に認められ、そして多くの人に嫌われることだろう。スキャンダルにも苦しめられるかもしれない。
眩しすぎる光は、往々にして、羨望や嫉妬と共に拒まれるものだ。

そういうものを全部ひっくるめて、「広瀬すず」という大女優の原石が背負った宿命だと思えてならない。


「ちはやふる 上の句」
2016年【日】
鑑賞環境:DVD
評価:7点

「セトウツミ」<3点> 

December 04 [Sun], 2016, 1:30


今年になって原作漫画をLINEマンガで読んで、二人の高校生が醸し出す独特な空気感が癖になった。
絶妙な間と台詞回しによって織りなされる「会話」は、関西弁であることも手伝って「漫才」そのものの可笑しさと巧さに溢れている。

とはいえ、「映画化」というトピックスを見たときには目を疑った。この「会話」のみの漫画をどう映画として成立させるというのか。
予告編を観た段階では、キャスティングされた池松壮亮と菅田将暉はハマっているように見えたし、面白く仕上がっているようには感じた。

だがしかし、結論からすると、やはり「なぜ映画にしたのか」という出来栄えだった。
結局、この題材を長尺の映像作品にするには無理がある。
“帰宅部の男子高校生の暇つぶしの会話”という極めてミニマムな題材を各話20ページ程度の“小話”として連載しているからこそ、この原作漫画は面白いのだ。
映画にするには、その小話を連ねて尺を補うしか無く、必然的に冗長に感じてしまい、可笑しさが持続しなかった。

予告編の段階では、各話のシークエンスが断片的に公開されていて、それを観る限りでは笑えたし、映像化による臨場感も加わっていた。
詰まるところ、映画ではなく、もっと短いコンテンツとして製作されるべきだったのだと思う。
深夜ドラマ枠なんかで5分きっかりの尺で連続ドラマ化したならば、原作の空気感がもっと忠実に醸し出されたんじゃないかと思える。

75分という映画としては短いと言える尺を、非常に長く感じながら、“神妙な面持ち”にならざるを得なかった。


「セトウツミ」
2016年【日】
鑑賞環境:DVD
評価:3点
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映画の善し悪しは、結局、「好き」か「嫌い」かだと思う。 つらつらと語ってみたところで、詰まるところ、それ以上でも以下でもない。 それで良いのだろうと思う。