楽しみきること

July 24 [Tue], 2012, 13:51
春発売のトレイルランニングマガジンでインタビューさせてもらった山本健一さん。
5月のUTMFで総合3位となり、インタビューで聞いた通り楽しんで走ったようだ。
原稿確認をお願いすると完璧に料理されましたと返信が来たその記事を以下に。
今回が初対面。
しかし彼が生まれ育ち、今も暮らす韮崎までやって来たライターを気遣って、こちらからなにも質問をしなくても、いろいろな話を展開してくれる。
そんな姿を見ているだけで、その笑顔とともに、きっと誰ともでもすぐに友達になれる人懐っこい、愛されるキャラクターなのだろうと想像できる。
レース中も、気の合ったランナーとは話しながら走っているんです。
横山さんとか、松永くんとか。
その姿勢というかランナーとしてのあり方に共感しているランナーなので、話したくなっちゃうんですよ笑なにを話しているのか最近起きたこととか、子どものこととか、他愛のないこと。
でも話しながら走れるっていうのが、ロードと違ってトレイルの楽しいところかな確かにトップランナーが楽しくお喋りしながら先行しているマラソン中継の映像なんて観たことはない。
山ではゆとりが大切なんです。
だから山や一緒に走っている仲間とのコミュニケーションを取りながら走るんですいつでも、レースでなくてもゆとりを持って走ることが大切なのかいや、それはレースの時だけ。
普段のトレーニングでは、目茶苦茶追い込みますよ。
だって練習ですもん。
レースで楽しくゆとりを持って走るための時間ですし、練習のときはもう必死ですでも、順位は関係ないという。
自分以外のことだから。
気にしてもどうにもならない。
ゆとりを持って、パフォーマンスを最大限にするために楽しんでリラックスして走る。
人のカラはリラックス状態の方が、高い能力を発揮できますから高校時代は山岳部、国体の山岳競技の県代表にも選ばれた実力の持ち主。
大学時代からはスキーのモーグル競技に取り組んだ。
山岳競技の練習、スキーのオフトレとしてはじめたトレイルランニング。
今は遊び、趣味でやっているトレランだから、徹底的に楽しむぞそれだけでも騙されてはいけない。
楽しくやっているだけで、速く、強くなれるはずはない。
結果にこだわらないということは、過程に徹底的にこだわるということ。
楽しく、リラックスしてレースを走るというのは、それまで積み上げてきた努力を最大限に発揮させるという過程へのこだわりの最終仕上げなのだ。
勤務先の高校で顧問をしている山岳部員には、こう話しているという。
努力すれば結果は出る。
努力を続けていればレースは楽しくなる恐らく生徒たちは、こう思っている。
そんなこと言われなくても、先生を見ていればわかると。
努力を継続できるヒトは、自分の至らなさを知っている。
挫折を経験している。
そしてどうにもならないと思っていたことに粘り強く取り組んだ結果、乗り越えられた成功体験を持っている。
山本はきっと笑顔の向こう側で、努力を継続することでしか見られない風景を知っている。
そのことをカラを張って、生徒たちに示している。
忙しい仕事の合間、トレーニングと称して山岳部顧問として生徒と一緒に山を走り、やれば必ず速くなるんだ、楽しめるんだという体験を共有しているのだ。
すぐに結果は出ないかもしれない。
でも諦めずに進み続ければ、とりあえずのゴールには着けるし、ひょっとすると劇的な変化を体験できるかもしれないと。
僕なんて取材しても意味ないですよ。
他のランナーさん達みたいに、ストイックにあれこれ考えて取り組んでいるタイプじゃないですから興味のあることには努力と思わずにどこまでも向き合い、自分を追い込める。
でも興味のないことは、驚くほどになにも気にしない。
ストイックじゃないなんていいながら、インタビューをしたファミレスで、ずっとハーブティーだけを飲んでいる。
確かにカフェインはまったく摂取してません。
酒も数年前にやめて、結婚式とかでたまに少しだけ呑むくらい山本がいう楽しむことが、ただニコニコと笑ってリラックスしていればいいということではないことが、こんな所でもわかる。
トップランナーがやるべきことは、きっちりやっている。
それをそうとは見せず、普通に振舞っているだけで、本当にただ楽しく走っているだけなんじゃないかと思わせるところが、山本の飄々としたキャラクターの成すところなのだと思う。
そんな山本が今直面しているのは、楽しく走れてきたトレランが、100マイルレースでは、楽しむばかりでは終えられないという現実だ。
UTMBを一度走ったからかもしれないけれど、その後の信越五岳や御岳といった100kmレースは、計算した通りのペースで走れちゃう。
簡単に感じられるようになった。
でも100マイル160kmは、そうはいかない。
必ずトラブルが起こる。
計算できない。
寝ないで30時間動かないといけないから、なにか起きる。
ドラマがある体調不良に悩まされた昨年。
しかし最後の最後、サポーター、家族と笑顔で会おうと走れない自分への苛立ちを受け流し、思考をシンプルにし、楽しむキモチを復活させ、過去最高の走りができたというくらいまで持ち直した。
楽しい方に転換しちゃう。
繰り返すけれど、遊び。
人生も走りも楽しまなきゃと、言いながらこんなことを聞いてくる。
3連覇しているキリアンって、なんであんなに強いんだと思います速さの理由を聞いているのではない。
どうやったら100マイルを楽しく走り切れるのかという、自分の壁をクリアするためのヒントを得ようとしたものと思う。
今後の目標は海外のレース、100マイルレースに、できるだけ参戦すること。
実際ハマっています山本は多くのトップ選手がそうであるように負けず嫌いだ。
UTMBで8位、10位と2回連続入賞しても、楽しく走り切れなかったことが悔しくて仕方がないのだろう。
いや普通の人とは違った感性を持った山本のこと。
もしかすると、努力しても楽しめないことがあったことを喜んでいるのかも。
これで、もっともっと努力できると。
できなかったことができるようになる。
諦めてしまった人間には決して味わえない時間を、渇望しているとも思える。
たぶんいつかきっと山本であれば、レース中に見た満唐フ星空に涙したことをアツくキリアンに話しながらゴールまで放尿プレイ併走するなんてことをやってくれるかもしれない。
その時は家族や仲間に囲まれ、こう叫ぶ。
全部、楽しんだ
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