Weezer "Buddy Holly"

July 22 [Wed], 2009, 6:32
何でこの子がこんなにいじめられなきゃならないんだ
何だってつっかかるんだろう
僕らが一体こいつらに何をしたっていうんだ
こんなにも乱暴になるなんて

だけど、僕は君のものだよ
そして君は僕のもの
ずうっとね

僕はバディ・ホリーそっくり
そして君はメアリー・テイラー・ムーアのよう
別に奴らが言う事なんかどうだっていい
僕は気にやしない

恐がる事ないよ 僕がいつも傍にいるから
助けが必要なのは分かってる
君は舌足らずだし、眼は細いし
守ってくれる人が要るんだよ

バンバン!ドアを叩く音がする
また大爆発だよ 床に伏せるんだ
ああ、どうしよう?
見ないでくれ 靴をなくしちゃったよ
走ることも蹴ることもできやしない
どうした、気分悪いの?
一体、全体、どうしたんだい
大丈夫かい、悲しんでいるの?

ENGLISH




今年のフジロックフェスティバル、3日目の大トリを務めるのはアメリカのパワーポップの代表選手ウィーザーです。今回取り上げた"バディ・ホリー"は彼らのデビューアルバム『Weezer (Blue Album)』(1994)に収録された大ヒットシングルです。The Rolling Stone Magazineの選出する『500 Greatest Songs of All Time』では90年代以降に活動を始めた比較的若いバンドでありながら497位に食い込むという評価を得ています。

歌詞には作曲者であり、バンドのボーカリストでもあるリヴァース・クオモのいじめられてばかりいた韓国人の女の子がガールフレンドだったという個人的な経験に背景があります。心の中ではガールフレンドを守ってあげたい気持ちでいっぱいだけど、バディ・ホリーのような黒縁メガネの彼がヒーロー然として戦える筈もありません。曲の後半ではいじめっこの攻撃に遭って右往左往する様が哀しくもユーモラスに描かれています。ある意味でこの経験に基づいた曲で彼は全国的なポップスターになる訳ですから、現実は痛快です。

私がこの曲に出会ったのは高校生の時まで遡りますが、歌詞を知り、心から惹かれるようになったのはつい最近の事です。アメリカ留学中も私はさすがにアジア人だとか、話せないとか、目が細いとかいう理由でいじめられる事はありませんでしたが、この曲に少しばかり似た状況に身を置く事になりました。いじめられこそしないけれど、ブルース・スプリングスティーンが好きな日本人の女の子というのは奇妙な存在でした。それを全面的に受け容れて、前向きに評価してくれたのは昔からリヴァース・クオモの書く詞に自分を重ねてきたという、私にとってのバディ・ホリーのそっくりさんだったのです。
タイトルのBuddy Holly(バディ・ホリー)というのは50年代のアメリカで活躍したロックンロール歌手です。
プレスリー等、先輩ロックンロールミュージシャンの魅力を吸収し、当時では珍しく自身で作詞作曲を行ってメジャーになった稀有な存在でした。1959年に飛行機事故で亡くなった際にはDon McLean ドン・マクリーンが「The day music died」と言ったほど、早すぎる死を惜しまれた才能豊かな人だったようです。

リヴァース・クオモのメガネは確かにホリーのトレードマークと言っても良い黒縁メガネに似ています。しかし、彼がここでホリーに言及するのはそのためだけではなく、優れたポップミュージシャンとしてのホリーへのオマージュでもある事は間違いないだろうと思います。

気になった方は"That'll Be the Day"なんかを聴いてみてください。全然古さを感じさせない、私も大好きな曲です。
  • URL:http://yaplog.jp/asbury/archive/67
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ブルヲさん

そうですね、知らないだけで日本にも気概のあるファンの方が結構いらっしゃるという事を最近実感してきて驚いています。

でも、周囲からそういう反応を受けるはブルースファンの宿命のようですねそれでも、「ブルース」の異名をとるまでに頑張られたブルヲさんの気概にも私から拍手を送ります自分さえ気にしなければ、やや異端視されてもファンを主張する事自体は全然私も平気なのですが、その行為によって引き起こされる波というのはとてもとても小さいものでしかないみたいです。

でもメインストリームで格好いい人になれなかった事を悔やむよりも、やはりブルースの音楽の魅力に捕らわれた喜びの方が大きいです。こうして少数ながらもブルヲさんのような方に出会えただけでも個人的には十分だと思えてしまいます。
July 27 [Mon], 2009, 8:13
asburyさん

なるほど。おっしゃってることはよくわかります。
嫌な思いをされていないということで、それはよかったです。

ブルース好きを公言することへの周りからの反応については、僕にも、いや、きっと多くのブルース好きが共通して経験することのように思います。
僕も以前ある集まりで、自分がいかにブルース・スプリングスティーンを好きであるかを公言していましたが(おかげであだ名がブルースになった)、反応はasburyさんの経験されたことと近いものでした。
年齢的な問題(それは僕が大学生だった今から15、6年前のことでしたが、当時ですらそうだった。)もあるでしょうし、日本ではもっと知名度が低いですからね。
「『Born in the USA』って知ってる?それを作った人だよ。」というと、ある年代を境に名前は知っている人が出てくるし、それ以下の人だと名前すら知らない。
しゅんまっくさんのブログを拝見していると、日本にもブルースのファンがいるんだということはよくわかるのですが、一般的には、なかなか状況は厳しいです。
違う観点で言うと、アメリカでもそうだったけど、ヨーロッパでもブルースのライブに来る人は、本当に普通のおっさんやおばさんと表現するべき人々が多かった。この人があんな激しいロックを聴いて、ライブで楽しむんだ?と思わせるような人々ばかりです。リスナーの層としての「大学生」からはとてもとても大きくかけ離れたところに存在するアーティストなのでしょう。

そう考えてみると、いかにasburyさんが「特殊な」ブルースファンであるかということがよくわかります。(「特殊」という表現は妥当でないかもしれませんが。)

このようなことを考えているといつも結論としては次のようなことに落ち着くんです。
「表面的なことにとらわれず、本質を見極めることのできる」人でいたいよなって。

だいぶ長くなりました。失礼しました。
July 26 [Sun], 2009, 7:48
ブルヲさん
多少は自意識過剰な部分もあると思います。小さい頃からはみ出し者である事には割りと慣れっこになので嫌な思いは幸いあまりしていないです。

1番奇妙に思われていると感じたのは以前に記事にしたドン・バイロンという先生の授業を受けた時でした。「Who do you identify yourself with most?」という質問にブルースだと答えた先生は誰よりもしつこく私に質問をし続けました。私とブルースという組み合わせがどうしてもしっくり来ないようでした。

そのクラスでの雰囲気からも感じました。他の人が答えたラッパーだと、自分も好きだ!と言う生徒が他にもいたり、何か反応がある、という事が時々あったのですが、ブルースについては無かったです。折々感じたのは、それが合っているか否かに関わらず、ブルースにはステレオタイプな張り付いているという事です。それは清廉なリベラル、労働者の英雄の姿であったり、「Mr. USA」だったりします。留学して最初の頃はちょっと親しい人ができるとすぐに「ブルース・スプリングスティーンってどう思う?」という質問をしていたのですが、「嫌いじゃないけど、特に聴かない。もっと年輩の人に好きな人が多いよ」と言われる事が多かったです。ある人は自分だってアメリカ人なのにブルースは「too American」だと言っていました。

やや浮いていたのは民族的な問題だけでなく、年齢的な問題も大きかった気がします。どんな方法であれ、ある程度クールぶりたいのが大学生くらいの人々じゃないでしょうか。ブルースファンと公言する事はある種の人々の間では全然クールじゃありません。特にLady Gagaのようなクラブ系の音楽がエアプレイを独占している現状では残念ながらそうです。あとは個人的な問題でしょうか。とてもロックが好きなようには見えないとさんざん言われて辟易とするほどです。

何だか長くなってしまってすみません。。疑問にお答えできたのかどうかもよく分からなくなってしまいました
July 26 [Sun], 2009, 2:04
asburyさん

僕がとても興味を惹かれたのは、日本人の女の子がスプリングスティーンを好きだとそんなに奇妙で浮いたような存在になるのか?ということです。
周りからどんな風に扱われて、どんな嫌な思いをされたのかをきこうとは思いませんが、ただとても気になります。

スプリングスティーン好きの若い女性は僕の周りにいませんが(asburyさん以外では)、いたらとても大事にすると思います。

そういう比較の話ではないのかもしれませんが。
July 24 [Fri], 2009, 14:15
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