受験のシンデレラ

2008年03月31日(月) 8時14分
《ハリセン全開であります》



同級生に小学校の先生がいる。そいつは、やれ今の生徒は昔と違うだの、親はつまらないことですぐにしゃしゃり出てくるだの、ストレスがたまって仕方ないよと愚痴をこぼす。そこで私が「そんな大変なら辞めればいいじゃないか」と言うと、彼は「いや、辞めない!」と力強く言う。なぜ?と私が問うと、彼は「奇跡を起こせるのは、教育だけだから」と答えた。



東大合格率一位・名門予備校のカリスマ講師・五十嵐(豊原功補)は、末期ガンであと余命一年半との宣告を受ける。絶望の最中、彼はコンビニで貧しそうな少女・真紀(寺島咲)と出会う。レジでの消費税計算において、真紀に数学的センスを見出だした五十嵐は、彼女に向かって「お前は、人生を変えるつもりはないか?」と聞くのだった。 

格差社会の最底辺ともいうべき、貧しい母子家庭の高校中退の少女を、日本一のカリスマ講師は人生最後の生徒に選んだ。チャンスは一回のみ!一年半後の東大合格に向け、二人の無謀な挑戦が始まる。


受験をネタにスポ根を目指したような映画。さわやかな感動と興奮は、高校や大学を目指している人はもちろん、資格試験を考えている人が観ても、絶大な勇気を与えてくれるシンデレラストーリーになっている。

今や東大生のほとんどの親は年収一千万円以上だと言われている。教育にはお金がかかり、教育にお金をかけられない家庭の子供たちは、ますます落ちこぼれていく。いわゆる負の連鎖である。その連鎖を打ち破る為にはやはり教育しかなく前述したように「教育でしか奇跡は起こせない」のだ。


監督の和田秀樹といえば、大学受験のアドバイザーとして広く知られているが、精神科医でもある。学生時代は灘高に入学するも落ちこぼれ、そこから独自の勉強法を編み出し、東京大学理科三類に現役合格する。多くの受験生が最後に使う赤本(過去問題)をむしろ最初に開けと提唱する、そのような合理的な勉強法は、この映画の中でもふんだんに紹介されている。


私はこの映画を観て伊丹十三監督を思い出した。綿密な取材から構築された作品は、誰が観ても面白く脚色され、たくさんの人が観ることによって問題が提起される。そうゆうことを和田監督は狙ったのであろうが、ズバリ狙い通りになっている。


ミニシアター系の映画なので、なかなか皆さんの元には届きにくいかも知れないが、少しでも今の現状に疑問を持っている人は、是非観てほしい作品である。
このまま埋もれてしまうのはもったいない。



ちなみにハリセンとは豊原功補の『のだめカンタービレ』での、あだ名です。
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