詩:『あいしてる』

December 16 [Sat], 2017, 19:56


『あいしてる』


 赦されるなら

 あの空の星を

 すべて集めて

 言葉に変えて

 あなたに

 綴りたい

 思いがある

 けれど

 例え何万語の言葉を

 世界中の言葉を

 集めても

 伝え切れないと

 解っている

 だから

 とっても月並みで

 ありきたりで

 言い古されて

 陳腐でさえある

 言葉だけれど

 あなたを

 愛していると

 伝えたい

 いえ、一等

 この思いを伝えるに

 相応しい言葉は

 二葉亭四迷の

 『ご大切に』

 と訳した

 I LOVE YOU

 『ご大切に』

 私が伝えたい

 あなたへの

 愛してる



詩:麻美 雪

読書日記『桜風堂ものがたり』

December 15 [Fri], 2017, 7:38




 『桜風堂ものがたり』村山 早紀 PHP研究所 読了日:2017.12.13

 村山早紀の作品ではお馴染み、風早の街に古くからある星野百貨店内の銀河堂書店に勤める物静かな、人づきあいが苦手なものの、埋もれていた名作を見つけ出して光を当てる事が多いことから、店長に「宝探しの月原」と呼ばれ、信頼されていた月原一整がこの話の主人公。

 好きな本に携わり、好きな本に囲まれて、穏やかに静かに、充実した日々を過ごしていたある日、店内で起こった万引き事件が思わぬ結果をたどり、その責任をとり一整は店を守るため、自ら店を辞め、傷の癒えない心をを抱えて一整は、長らくネット上で親しくしていた、桜風堂という書店を営む老人を訪ねるために、桜野町を訪ねる旅に出る。

 そこには、一整が思いもかけない出会いが待ち受っていた。?

 銀河堂書店を辞める時、一整の唯一の心残りは、一整が見つけた「宝もの」のような一冊、団重彦という作家の一整が銀河堂書店で光を当てようとしていた作家の一冊の本を巡り、一整の友人が、元同僚たちが、作家が、そして出版社営業が、一緒になってある奇跡を巻き起こすという物語。

 なのだけれど、これが、最初から胸にズキンと切なく、読み進むに従って、途中で気づいたら涙がぼろぼろと溢れて来て、それなのに段々と温かな気持ちと、薄紙を剥がすように徐々に兆しが見え始める明るい光、仄かな希望と奇跡が起きるような光の明るさに、ページを繰る手が止まらず、心が逸る。

 村山早紀の書く世界は、どこかいつも一抹の切なさを纏っている。

 けれど、圧倒的なまでに善意の人、優しい空気が作品の根底に流れている。だから、始まりが今回のように胸が痛くて、読むのが辛いと思っても、最後まできっちりと読者を捉えて話さず、読み切らせつつ、最後は、ほっと、温かな安堵と幸せで明るい気持ちに包まれる。

 今回は、SNSのデメリット、残酷さを序盤に如実にさせ、浮き彫りにしていて、罪のない人間を誤った正義感を振りかざし、追い詰めてゆく匿名の人間の恐ろしさや残酷さ、真実を知りもしないのに、SNSに流れる一方的な情報を鵜呑みにして狭い正義感をふりかざして匿名で攻撃して来る世間や人間の卑劣な愚かしさと怖さ、今までもそれで何人の人が故無き攻撃に晒され、壊されて行ったか分からないのに、無くなることなく更にエスカレートしている昨今の事をひしひしと感じてしまう。

 しかし、そんな故無き攻撃から一整を守り、見守ってくれたのも、ブログで知り合った人々や一緒に働いていた銀河堂書店の仲間たちや友人、お店の常連で一整の人柄をよく知る人たちで、一整が辛い渦中にいる時も、離れることなく温かい心を寄せてくれる人たちの心根に涙が止まらなくなる。

 今もきちんと描かれているのに、子供の頃に慣れ親しんだ、ふわりと温かくて柔らかく、わくわくと楽しいファンタジーの手触りと香りを纏っていて、大切に一頁一頁を捲りたくなる宝物みたいな本だから。?

 麗から蜂蜜色の春の陽射しが差し込む部屋で、はらはら散る桜を見ながら読むのに似合う本だけれど、年末年始にゆっくり読みたくなる様な本でもある。行間から愛が優しく滲み出ている本だから、敢えて師走の慌ただしい夜、お正月の眠ったようなおっとりした朝や昼に読んで欲しいと思う。

 この年の瀬に、1年が締め括られつつあるこのタイミングでこの本に出会えた事はなんと幸せな事だろう、そう言い切れる本に出会った。

 泣かせようとしている訳では無い。けれど、自然と涙が溢れてくる。

 泣きはするけれど、悲しい本ではない。寧ろ、読み終わった後に残るのは、麗らかな春の空を見上げているような爽快感とふんわりとした温かな明るさ。

 月並みな言い方になってしまうが、愛が溢れた、愛に包まれた本。

 その愛は、本に対する愛、本を愛する人への愛、仲間や友達、かけがえのない大切な人や家族、ありとあらゆる人や物、動物、そして、この世界への、人生への、命への、生きる事への愛だ。

 この物語の主人公の月原一整ではないが、私は、この本を、一人でも多くの人に読んでもらいたい、知って貰いたい、そして、一整がそう願った『四月の魚(エイプリルダブリル)』のように、この本が、ずっと書店の本棚に、誰かの家の本棚にずっと置かれ続け、読み続けられて欲しいと思う。

 この本は、そういう本である。

 読み終わるのが惜しくて、淋しくて、この、桜風堂書店の、この物語の世界の中にもう少しだけ留まっていたくて、大切な宝物ののように、丁寧にゆっくりと1頁1頁捲りながら読んだ本であり、久しぶりに誰かに、この本良いからとにかく読んでと勧めまくり、この本の事を語り合いたくなった本に出会った。

 この本の続きが読みたい、この本の中に出で来る『四月の魚(エイプリルダブリル)』がとても読みたくて堪らない。

美しくて、温かくて、優しい本。

文:麻美 雪

詩:『紅い花を私に』

December 13 [Wed], 2017, 20:25


『紅い花を私に』


 紅い花を一輪

 手折って

 私に下さい

 季節が変わるように

 移ろった

 あなたの心の色に

 私が流した

 涙の色に染まった

 紅い花を一輪

 私に下さい

 私の恋の

 手向ける為に

 その紅い花を

 一輪

 私に手折って下さい



詩:麻美 雪

読書日記『年収90万円で東京でハッピーライフ』

December 12 [Tue], 2017, 7:21



 『年収90万円で東京でハッピーライフ』大原 扁理 太田出版 読了日:2017.12.10

 親も先生も信用してはいけないし、就職しなくても進学しなくても生きていけるし、?終身雇用なんて期待しない方がいい。

 世間の常識なんてやつも疑ってかかった方がいいし、右へ習えで皆がしているから就職や進学しなくちゃいけないというプレッシャーを真に受けて、焦ったり、世間の常識、圧力に負ける必要なんてない。

 やりたい事も夢もないなら、最低限食べて行く為の仕事だけして、その仕事は、好きな事を仕事にしようとしたりするからハードルが高くなって、仕事に付くのが難しくなるのであって、迷った時は、自分が何をしたくないか、何が不得手で、何が嫌いかで判断し、したくないこと、不得手で嫌いな仕事を消去して残った仕事の中から選んだ方が、最低限食べて行く仕事は見つかるし、ハードルが低くなるので、自分自身の心身にかかる負担も少なく仕事が出来る。

 人生は一度きり。他人に自分の運命を左右されるのなんてつまらない。

 年収が低くたって、嫌いなこと嫌なことはしないを判断基準にすれば、この広い東京でも、楽しく元気に暮らしていけるとゆるーく、コミカルな口調で綴っていて、そうは言ってもさと最初は思っても、読み進むに従って、ああ、なるほどそういう考え方、選び方もあるなぁと肩の力がゆるっと抜けてゆく。

 ここに辿り着くまで、著者自身学生時代、相当酷い虐めにもあっていた事も綴られている。

 そういう体験もあって言う、今、虐められている人への言葉も、口調はコミカルで軽やかだけれど、親や教師の言葉や態度に傷つき、大人は守ってくれないと思い、心のシャッターを閉ざした著者の言葉だからこそ、読んだ人はふっと楽になるのじゃないかと思う。

 がしかし、この本全体に流れているのは、シリアスなものではなく、ゆるっとふわっと、お金がなくても何となく、何とか楽しく生きて行けてしまうというのんびりと、面白いムードである。

 出来うるならば、専門学校を卒業して、本当にやりたいことは作家だけれど、食べて行く為の仕事としては自分に何が向いていて、どんな仕事に就けばいいのか考えあぐね、父の就職しろというプレッシャーに耐えながら、3年間、早くに亡くなった母の代わりに、専業主婦代理をしていた時にこの本があって、読んでいたなら、あんな焦燥と自己嫌悪に陥らずに済んだのにとも思ったり。

 著者自身も言っているように、これはひとつの例であって、著者にはこれが一番自分らしく、楽しく、心豊かに生きて行ける形ということで、全ての人に当てはまるとも、向いているとも思わない。

 けれど、こんな風に考えると、もっと楽にもっと自分が生き心地よく生きられるかなと思う。

 決めつけたり、きちきちと自分に枷を嵌めるのではなく、緩く、何が自分にとって心地好く、楽しい気持ちで暮らせるのか、それが解れば、他人からどう見られても、上機嫌でハッピーに暮らせるのだとこの本を読むと思える。


文:麻美 雪

詩:『Very Merry X'mas』

December 08 [Fri], 2017, 19:37
『Very?Merry X'mas』


 ぽっかり

 月が浮かんだ夜

 トランペットが歌い

 電飾を纏った街は

 ペカペカと

 瞬いて

 星は慌てて

 自分の顔を

 ゴシゴシこすり

 月は

 ポンポンと

 金色の月の粉叩いて

 おめかししてる

 一等光る

 金の星は

 ツリーの上で

 すまし顔

 街も何だか

 浮かれてる

 だって

 今日は

 クリスマス

 悲しいことも

 嫌なことも

 辛いことも

 寂しさも

 ひとまず

 忘れて

 浮かれてみよう

 だって

 今日は

 クリスマスだから


詩:麻美 雪



プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:麻美 雪
  • アイコン画像 性別:女性
  • アイコン画像 誕生日:1965年3月8日
  • アイコン画像 血液型:A型
  • アイコン画像 職業:その他
  • アイコン画像 趣味:
    ・読書
    ・アクセサリー作り
    ・観劇
読者になる
【麻美 雪のお仕事】

2015.3 インタビュー
『GINZA BOOK CAFE×Smaiyu×ALA』
https://youtu.be/o5L8XO_h1Uw
https://youtu.be/hR5V8ivREOo
https://youtu.be/vdrbRNfPchU

2015.4 ブログ記事執筆
Smaiyu×ALA CD発売記念live「Music サプリメント」

2016.3.24 ライブ出演 朗読
「華志〜Kashi〜和らいぶVol.23」【太陽の部】にて、自身の作品を朗読。

2016.8.6 ライブ出演 朗読
『オールジャンルイベント ART Night』in SMOKING CAFE BRIQUETにて、自身の作品を朗読。

2016.9 観劇レポート執筆
『天地に咲く花〜幕末篇・維新篇〜』
http://ameblo.jp/nekketsu-tenshi/entry-12201277985.html
http://ameblo.jp/nekketsu-tenshi/entry-12201279031.html

観劇レポート、ライブレポートなど、書くお仕事募集中。


お仕事のご依頼は、こちらのブログのコメント、メッセージで承っております。
2017年12月
« 前の月  |  次の月 »
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
最新コメント
ヤプミー!一覧
読者になる