第二章 

2007年03月25日(日) 11時15分
「明日香・D・フルティアカース!」
フルティアの家の前に来、長い槍を持った兵士たちはフルティアの家の戸を乱暴に叩いた。
「居ないのか!?居るなら返事をしろ!」
「ハウガート国第四代目皇帝皇子・ラグナス様のご命令だ!従え!」
兵士たちは戸を叩きながら叫ぶ。
「・・・フルティア・・・」
「頼む、出てきてくれ・・・」
「王族に逆らうと・・・」
その様子を見ていた村の者は次々に呟いた。
その間も、兵士たちは戸を叩く。


「―――待て」
兵士たちの行動をずっと傍観していたラグナスが口を開いた。
「ここまで叩いて出て来ぬのなら、今は居ないのだ。・・・おまえたち、村中を探せ!」
「はっ!」
兵士は掛け声を上げると、次々に家の前から散った。
家の前にはラグナスと村の者が残った。
「・・・皇子様、うちのフルティアに何か・・・?」
おずおずと村の者たちの中から一人、ラグナスの前に出て、皆が聞きたかった事を代表して聞いた。
ラグナスは低い声で言った。
「・・・名を申せ」
「こ、これは失礼致しました!私は凛・R・ヴァカルアートと申します!」
「そうか。では、凛・R・ヴァカルアート。そなたは『異能人』の事を知っているか?」
「は、はい。良く存じ上げております」
「『異能人』は、『無』から『在』を生み出せる。人間ができない事ができる。此処に、300年前にやって来た異国人にもできない事ができる」
そしてラグナスは空を仰いだ。
「・・・明日香・D・フルティアカースはそれなのだ。だから、我が城で

第一章+ 異能人 

2007年02月20日(火) 21時02分
「明日香・D・フルティアカース」
ぽつりと零したその一言に、振り返った者が居た。
「フルネームで呼ばないで。前から言ってるでしょう」
そこまで言って、振り返った者は自分の目の前に立っている者の横をすり抜けた。
「フルティア。私は、フルティア。それ以外の名で呼ぶ事は許さん」
そう言ってフルティアは振り返り、小さく微笑んだ。







今から300年前、『日本』と言う国があった。
その国は自然環境をとても破壊していて、環境は汚染され水は濁り、空は赤黒くなっていた。
やがてその国は空気が悪くなるにとどまらず、その国にとって毒な『二酸化炭素』というものが現れ、ひとが生きて行く事が難しくなった。
その時、世界のどの国の種族にも属さないような異例な顔立ちのものが大勢何処からか現れ、その中のリーダーらしきものが言った。


「我々をここに迎え入れてくれるのであれば、この国の環境を正常に治してやろう」


その言葉に、日本人は耳を疑った。
まさかこの世界にそんな事ができるものがいるとは―――。
そして日本人は藁にすがる思いでそのものの言葉を直ぐに承諾した。
するとすぐにそのものは手を空にかざし、環境を治したと云う。


それから、日本人とその異国人の共存が始まったのだ。


異国人の中には、特殊な能力を持ったものがいた。
環境を治したものの他にも、様々な能力を持ったものが少なからず居たのだ。
だが、そのもの達は自分が異能人だと日本人に言わなかった。
そのせいで、異能人とは知らずにそのものと結婚した日本人が少なからずいた。
そしてその夫婦が子を授かると、その子も異能人の血を引き継ぎ異能人になったと云う。



そして300年後、
その異能人の家系は段々子孫が絶え、昔は異能人の能力は30はあったらしいのだが今では5つだと分かり、環境を治し、異国人と共存している今、300年前に『日本』と呼ばれていた国は今は他の日本周辺の国とひとつになり、『ハウガート』と呼ばれている。








「フルティア、そなたは『異能人』なのであろう?」
フルティアは目を見開いた。
「何故、そう思う?」
「・・・村の皆が言っていた。『フルティアは異能人だ』と」
「・・・・」
フルティアは目の前にいる者の前で小さく指で空中に弧を描き、すぅーと呼吸を整えた。
「・・・ほら、何も起きない。確か『異能人』は指で空中に弧を描くと奇術を起こせるのでしたよね?」
「違う!」
フルティアはじっと、目の前の者の目を見た。
「奇術を起こせる異能者だとは聞いていない!――はっきり聞こう、おまえは『先読』なのか!?」



ざわっ。


言葉を発するために口を開ける、ただ一瞬でもフルティアには長い時が経ったように感じられた。


「私はフルティア以外の何者でもない。『明日香・D・フルティアカース』それが私だ!」



目の前にいる者はその気迫に負け、その後は何も言えなかった。








「明日香・D・フルティアカース!明日香・D・フルティアカースはいるか!」
けたたましい騒音が村中に響き渡る。その騒音がする方向へ、村中の住民は駆け寄った。
そこには、馬に跨っている、高貴な服を着た人間がいて、その後ろには何かの紋章が描かれていると思われる旗を持った人間がいて、その後ろには全員同じ服を着たずらりと長い槍を持った人間の行列ができていた。
―――王族の訪問・・・!?
「王族が何の用ですか!?」
「うちの村のフルティアに何の用ですか!」
村の大人達が一斉に叫ぶ。すると馬に跨っている人間が口を開いた。
「私はラグナスと言う。この村に住んでいると言う、明日香・D・フルティアカースに用があるのだ。聞くところによると、その者は『異能人』だというが・・・」
すると大人達は一斉にフルティアが住む家を見た。
「・・・あそこか」
ラグナスは掛け声を上げると、行列を引き連れフルティアの家の方向へ向かった。

プロローグ+ 先読 

2007年02月18日(日) 22時15分
「先読(さきよみ)」

それは、未来を視ることの出来る者の事を言う。
未来は誰にもわからないから、その先読にすがる者がいる。
自分の寿命は。自分のこれからの人生は。自分の将来は。自分は。自分は。自分は。
そんなひとが多い故、先読はいつも慌しい。
それに、能力は消耗品だ。いつか無くなる日が来るのだ。
そしてその能力が無くなると―――先読は死ぬ。
未来を視る毎に、先読は寿命を削っている。
つまり、未来を視る為には先読の寿命を減らさなければいけないのだ。


―――ハウガート国認定『図書指定義務習得知識書』第一巻『能力の書T』より一部引用。
P R
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*尊敬する作家
CLAMP
渡瀬悠宇
水都あくあ
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