今日と言う日。【USA】

May 25 [Fri], 2012, 18:30
外は、雨。
傘を差さずにイギリスの家へ向かう。
今日はどうしても会いたかったから。
イギリスは、雨が嫌いだ。
そして、「今日」と言う日も。
原因を作ったのは俺だけど、これは譲れない。俺自身がじっくり考えて決めた事だから。

控えめに、ノックをする。
「イギリス、いるかい?」
いるのを知っていて、声を掛ける。返事はない。居留守なのも分かってる。
音があまりしないようにドアを開くと、暗い部屋のベッドの中でイギリスが布団にくるまって丸くなっていた。
やっぱり、と思いつつ、ベッドに近付いて、そっと布団の上から撫でる。
かすかに身動ぎするのが分かった。

静かに口を開く。
「何度も言うけど、俺は謝らないよ。後悔もしてない。だって、俺はイギリスを守れる力を手に入れたと思ったから。君と対当でいたかったから。だから」
その先は言わない。言わなくてもいつか、分かってくれると信じて。
様子を伺っている感じが伝わってくるけど、あえて無視する。
イギリス。
俺だって、あの平和で優しい、穏やかな時間をずっと一緒に過ごしたかったよ。
でも、自分の気持ちに気付いてしまったから。
いつまでもイギリスに守られてる弱い存在じゃ、嫌だったんだ。
今でもまだ、力不足だと思う。まだまだイギリスを守れるヒーローになれている自信なんかない。
だから。
もっともっと力をつける。イギリスをちゃんと守れる本物のヒーローになれるように。
だから、もう少し待ってて。

思わず出てしまった溜息を飲み込み、
「紅茶を淹れてくるからいつまでもベッドにいないで飲もう?君のスコーンを今日はわざわざ食べに来たんだしね。冷めないうちに来るんだぞ?」
布団を出来るだけ優しくぽんぽんと叩き、部屋を後にした。

雨音は、いつの間にか聞こえなくなっていた。
イギリスの心の雨も、止みますように。
窓の外から空を見上げ、神に祈った。

今日と言う日。【UK】

May 25 [Fri], 2012, 18:28
外は、雨。
雨の日は嫌いだ。今日という日も。
今日が過ぎちまえば、いつもの俺に戻れる。
それは分かってるけど。
でも、今日は嫌いだ。それに土砂降りの雨が拍車をかける。
布団を被って少しでも音を遮断しようとする自分がまた嫌で。
俺は、いつまで拘るつもりなんだ。もうとっくに過ぎた事なのに。

控えめに、ノックの音がした。
「イギリス、いるかい?」
返事なんかしてやらない。ドアも開けてやらない。
目を固く瞑って、より深く布団に潜り込んだ。
ためらいがちにドアが開き、いつもの足音が近付いてきた。
そっと、布団の上から撫でられる。いつもの暴虐無人なアメリカらしくない振る舞い。
こんな時ばかり、優しくすんな。泣きそうになるのを堪える。
俺の事が嫌いで出て行った癖に。

静かにアメリカが口を開いた。
「何度も言うけど、俺は謝らないよ。後悔もしてない。だって」
俺はイギリスを守れる力を手に入れたと思ったから。君と対当でいたかったから。
だから。

その先は何も言わず、様子を伺う気配がした。俺は身を固くしたまま。
分かってる。分かってんだ。でも。
俺はあの平和で優しい、穏やかな時間をお前と過ごしたかったんだ。
お前には分からないだろうけどな。

小さな溜息が聞こえ、
「紅茶を淹れてくるからいつまでもベッドにいないで飲もう?君のスコーンを今日はわざわざ食べに来たんだしね」
冷めないうちに来るんだぞ?と布団をぽんぽんと優しく叩かれ、アメリカが部屋を出て行く気配がした。

雨音は、いつの間にか聞こえなくなっていた。

コモンウェルスデー。

May 24 [Thu], 2012, 11:03
紅茶を傾ける。
今日はコモンウェルスデー。
麗しきヴィクトリア女王陛下の誕生日であらせられる。
あのお方が統治されていた時の国はとても豊かだった。
こうしてこの世から去ってしまわれても記念日として残るくらいに。
長きに渡り色々な王を見てきたけれど、あのお方は特に印象深い。
今日はあのお方に思いを馳せ、1日を過ごそう。
アールグレイの香りを堪能していると、
イギリス、いるかい?暇だから来てやったんだぞ!
と、馬鹿でかい声がした。
そんなにでかい声出さなくても聞こえる!馬鹿メタボ!
そう叫び返してから、紅茶の準備を始めた。
アメリカは俺の紅茶が好きだ。
他の料理は俺のどんな自信作でも滅茶苦茶に言うのに(あんなに美味いのに)、自分だって変な色のキテレツな物しか作れないクセに。
でも、紅茶だけは褒めてくれる。
ヤツが勝手知ったる所と入ってくる気配を感じて自然と顔が緩むのをセルフビンタで直し、たどり着いたアメリカにティーカップを乱暴に差し出した。
喉乾いたろ。飲め。
アメリカはにこっと笑って、
サンクス!イギリスは紅茶だけは美味しいからね!
とティーカップを受け取った。
だけ、じゃねーよ、ばかあっ!

ほら、結局いつも通り。
女王陛下に思いを馳せつつ静かに1日を過ごすつもりだったのに、コレだ。
でも、それも悪くないと思っている。
むしろ、アメリカがこうして気まぐれにでも来てくれるのが嬉しい。
この感情の意味を考えようとして、止めた。
俺とアメリカは、俺とアメリカだ。
それ以上でもそれ以下でもない。

そう割り切って、腹が減ったと騒ぎ始めたアメリカのため、スコーンを焼きに席を立った。

優しく強い、契約。

May 23 [Wed], 2012, 19:22
【八戒へ。
いつも俺の隣にいてくれてサンキュな。
お前の淹れてくれるコーヒー、いつも美味い。
作ってくれる料理もさりげなく俺好みの味付けにしてくれてんの、知ってんだぜ。言わなかったが。
甘いモンが食卓に出てきた時は、さりげなく俺の席から遠ざけて、甘ったるい匂いをこっちにさせねーよーにしてくれたり。
いつも、サンキュ。感謝してる。
お前が俺に対してすっげー心を配ってくれてるの、すっげー嬉しい。
俺はそれに応えられてっか、たまに不安になる時もあっけど。
それは、お前にしか分かんねーよな。
俺が聞いても、きっとお前は笑って「充分応えて貰っていますよ」って言うに決まってんだから。
八戒。
大好きだ。
愛してる。
こーして残る形で、しかもリップサービスじゃねぇ相手に愛を囁くのはすっげー照れっけど。
そんだけ俺は、お前に惚れ込んでる。
たまに依存してんじゃねーか、お前を縛ってんじゃねーかって不安になるくれーに。
だけど。
俺はお前と常に対等にいてぇし、いつも互いに笑って過ごしてぇ。
そーやってずっと一緒に過ごして、年取って、笑って一緒に死ねたら最高じゃん?
お前にこの手紙を渡したあと、俺はお前にキスする。
何でかって?
今言った「死ぬまで一緒に笑って過ごす」って約束を、お前の唇に契約するため。
迷惑じゃなかったら、そーさせてくれ。
愛する八戒へ。
         沙悟浄】

手紙を読み終えた八戒が俺を見た。
凄く優しい微笑みをたたえている。こっちまで幸せになれる笑み。

俺は優しく八戒の両頬を包み、『契約』をした。

翠色の石と翠色の瞳。

May 22 [Tue], 2012, 11:04
俺はごじょにゃん。このへんを仕切ってるカッコ良い野良猫だ。
今日もはちにゃんのところへお出かけ。天気はイイし、最高。
「はーちにゃんっ」
はちにゃんのテリトリーで大声で呼ぶと、少し小さく、
「きこえてますよー」
って声がした。
でも、姿が見えねえ。
「どこだよ、はちにゃん?」
「ここですってばー」
ひょこ、と穴から泥まみれの顔を出したはちにゃんにびっくりした。
慌てて舐めてやる。
「おまえキレイなんだから、もっとちゃんとしろよなー」
「すみません。でも、ちょっと気になるものをみつけてしまって。これなんですけど」
そうしてはちにゃんが握ってた手を開くと、キレイな翠色の石。
「すっげー!おまえのめのいろといっしょじゃん!こんなのみたコトねーぞ!」
はちにゃんはへらりと笑って、
「たぶん、にんげんがおとしてしまったんでしょうね。かえしてあげられればいいんですが…」
「こんなトコにおちてんじゃ、もーあきらめてるって。コレはひろったおまえのモンだぜ」
肩をぽんと叩くと納得がいったようで、じゃあ、と、俺の手の中にその石を落とした。
「これを僕だとおもってだいじにしてくれます?」
少し不安そうに揺れる翠の眼差しを受けて、俺は堂々と答えた。
「ああ、だいじにする。はちにゃんの次にな」

花がほころぶように笑うはちにゃんには、このキレイな石もかなわねーよ。

いきなりのコトで。

May 18 [Fri], 2012, 10:50
八戒を思いっきり貪って、互いに精魂尽き果て。
八戒を座らせて上着を着せてやって、ミネラルウォーターを取って戻ってきた。
恐る恐るペットボトルを差し出し、声を掛ける。
「いきなしで怒ってっか…?」
ゆるり、と首が横に振られてホッとした。
「驚きましたけど…貴方が僕にあんな風に求めてくる事ってほとんどないでしょう?だから」
正直嬉しかったです。
そう言われて、心がじんわりした。
八戒の綺麗な翠の瞳を見て、言葉を紡ぐ。
「俺さ、お前の事が一番大事。大切。…愛してる」
だから。
俺を置いてどこかに行ったりしないでくれよな。

言葉にしない想いも八戒はすべて汲んだように聖母のように微笑んで、俺の頭を優しく撫でた。

止められない。

May 18 [Fri], 2012, 10:36
今日の俺はおかしい。
いつもなら大事にしてえ。優しくしてえ。
そう思うのに、劣情ばかりが先走って。
そんな時に、運悪く八戒と同じ部屋になっちまった。

部屋に二人で入った瞬間、俺の理性は飛んだ。
ドアに八戒を押さえつけ、貪欲に唇を貪る。
途切れ途切れに八戒が何かを言おうとするが、悪ィ、今の俺には届かねえ。
反論は後で聞く。だから、俺のこの苦しい想いを解放させてくれ。

首筋をきつく噛んで自らの印を付けながら、手早く八戒の服を脱がせて行く。
喘ぐ声の合間に、か細い声で、
「あっ…ごじょ…ここじゃ、いやっ…」
と呟かれたが、移動するのももどかしい。そのくらい切羽詰まってる。
立たせたまま、自分は服を着たまま、八戒は生まれたままの姿を晒させ、少し落ち着いてきたからその綺麗な身体を堪能する。
「そ、そんなに見ないで下さい…恥ずかしい…悟浄、貴方も…」
ゆるゆると伸びてくる手を片手でドアに押さえつけ、
「綺麗だぜ、八戒」
そう囁くと、潤んだ瞳で、
「何言ってるんですか、馬鹿。いつも見てるでしょう。今日の貴方、どこかおかしいっ…」
ああ、おかしい。知ってる。どうしてこんなにお前を蹂躙したいなんて思うのか、分からねえ。
だけど、男なら分かるだろ?その衝動が止めらんねえってコトくれー。
現にんな綺麗で可愛いお前を見て、触ってもいねーのに、俺自身はすげーコトになってっし。

悪ィな、八戒。
今日は優しくしてやれねぇ。

大事だったあの人への手紙。

May 14 [Mon], 2012, 14:38
手紙をしたためる。
大事だったあの人へ。
ありったけの想いを込めて。
僕の言葉が出来るだけ正しく伝わるように、懸命に頭の中で文章を組み立て、柔らかい印象の文章を出来るだけ丁寧な文字で書いていく。
この想いははたして届くだろうか。
いや、少しでも届いてくれれば良い。
そう、願いを込めて。

言霊遣いの覚悟。

May 14 [Mon], 2012, 11:39
言葉には魂が宿る。
それを言霊と言う。
言葉をどのような形で使うとしても、それには多大な力が宿り、聞いた人に多かれ少なかれ影響を及ぼす。
だから、推敲して、誤解をされないよう心を配り、言葉を紡ぐ。
自分の言葉を聞いてくれる人達を傷付けないように。

それが、言葉を操る者の、覚悟。

さようならも言わせずに。

May 14 [Mon], 2012, 10:19
朝起きると、隣にあの人がいなかった。布団も冷たい。
急に不安になって周りを探したが、あの人の『存在』自体を感知する事が出来なかった。
とうとうこの時が来てしまったんですね。
別れすら言わせてくれないなんて、あなたらしい。
あなたにはまだ伝えたい事が沢山あったのに。
でも、運命には抗えない。
あなたが400年前にいて下さらなければ、現在の『あなた』は存在しないのだから。
だから。
私が伝えた想いを、400年前の私に少しでも良いので伝えてやって下さい。
あなたへの想いにすら気付いていない、愚かな私に。

愛しています、景虎様。
400年前のあなたも、その後もずっと。現在も。

あなたが400年前の私と時を刻むのと同じように、私も今の『あなた』と時を刻んでいきます。
もうあなたに会う事はないでしょうから。
そのような奇跡はもう二度と起こらないでしょうから。

あなたと過ごした宝物のような日々は、一生忘れません。

どうか、お健やかにお過ごし下さい。
それが私の切なる願いです。


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【蛇足】
「炎の蜃気楼パラレル」直江×景虎様SSはこれで完結です。
読んで下さり、ありがとうございました。
充電期間をおいて、また違うCPで書き始めるかもしれませんが、本人にすらそれはいつになるのか、どのようなCPになるのか分かりません。
読んで下さった方に、妄想をさせてくれたTwitterの景虎様のなりきりさんと直江半botに感謝を。
プロフィール
  • ニックネーム:青柳涼
  • 性別:女性
  • 誕生日:1月1日
  • 血液型:O型
  • 現住所:茨城県
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「青柳の腐女子ラジオ」で色々展開してるDJ・青柳涼がTwitterで書き散らした駄文や書き留めておきたい物を掲載する場所。
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