先日、EXILEと美輪明宏が出ていた歌番組があった。
どちらにもあまり興味はないのだが、美輪明宏が「ヨイトマケの唄」を歌うというではないか。
「ヨイトマケの唄」が有名な歌であることは昔から知っていた、また美輪明宏の代表曲であることも知っていたが、今まで聞く機会がまったくなかった。
これは何としても聴かねば!
いつものように、黄色い髪の出で立ちで、EXILEのメンバーと楽しげに番組を進行している。
いよいよ「ヨイトマケの唄」の出番となった。
アナウンサーが曲の紹介をした。6分間のフルコーラスらしい。瞬間的に6分は歌謡曲にしては長いと思った。
カメラがステージに切り替わった。真っ暗なステージにライトが1つ。闇の中に美輪明宏のシルエットが浮かぶ。はっきりとは見えない。
すると第一声が響いた。
「とうちゃんのためなら、えんやこら」…皺枯れた婆さんの声である。
続いて、
「かあちゃんのためなら、えんやこら」…今度は野太いおとっつぁんの声である。
「もひとつおまけに、えんやこら」
すると、太鼓のパンチの効いたバックバンドの演奏が始まり、美輪明宏の姿があらわになった。
ああっ!男性の姿である!
髪は黒々とし、ショート。両手で脇腹を押さえ、仁王立ちだ!
今の、皺枯れた婆さんの声、野太いおとっつぁんの声も美輪本人の声によるものか!?
どうもそうらしい。
うまい!
声色(こわいろ)を絶妙に変化させ、一人で3役、いや、子供の声を入れると4役だ!
見事である。
それと同時に歌詞の内容が目に浮かぶ。
6コーラス6分の歌は、その時間の長さをまったく感じさせない。それくらいぐいぐいと聴き手の心を引き付け魅了した。
聴き終わったあと、気持ちの整理がなかなかできない。
今の歌は一体何だったんだろう!
人間は現実と掛け離れた体験をすると理解するまで時間が掛かる。
姿、声、伴奏、歌詞、すべてが意表を突かれた驚愕の連続で、気持ちを落ち着かせ、頭で理解することが容易でなかった。
その後、この歌を現実のものとするために、YouTubeで見返し、聴き返しすること十数回。
十数回聴かないと、自分の気持ちが整理できない曲は珍しい。恐らく美空ひばり以来かもしれない。
聴いたことのない方がもしいたなら、是非一度は聴いておくことをお勧めする。
ネットで、「美輪明宏 ヨイトマケの唄」で検索をすると、YouTubeがヒットする。
http://m.youtube.com/watch?desktop_uri=%2Fwatch%3Fv%3DsxHf7xW12xg&v=sxHf7xW12xg&gl=JP
因みに、ヨイトマケとは、「よいっと巻け」というかつて人力で作業をしていた工事現場の掛け声のことだそうだ。