記憶にまつわる映画Bロマンティックに見せないロマンティックな恋愛映画!「エターナル・サンシャイン」

2005年04月08日(金) 21時23分
姉御がシリーズでお送りしてきた、この春公開映画の「記憶にまつわる映画」シリーズ。
@の「きみ読む」では、記憶を失った最愛の人に寄り添う人に起こる奇跡を、
Aの「クライシス〜」は、記憶を操られ洗脳される恐怖を描いた映画でした。
(詳しくは上記リンクの、それぞれを取り上げた記事を参照してください。)
今回、このシリーズの締めとして取り上げるのは、今年のアカデミー賞脚本賞を受賞した作品。
さて、
忘れたい失恋の記憶を持ってる人〜〜!
はいはいはいはいはーーーい(←うるさい)
つーわけで、むちゃくちゃ打たれ弱い姉御、忘れたい「かっこわるいフラレ方」の記憶なんざゴロゴロあります。
特に@うー時代さんざん書いた元彼!!こいつの記憶だけはどうにかしてすぐ消してほしいわ!ああそうですとも!
あんな人でなしのことなんか〜〜
(・・・以下、長い愚痴なので略・・・振られた痛手は恐ろしいわね〜〜
この「エターナル・サンシャイン」の触れ込みを読んでいると、
主人公は彼女にふられた男。ある日、彼女に再会すると、彼女は自分のことなど全く忘れてしまっているかのような振る舞い。
友人から、彼女が自分の記憶を削除する手術を受けたことを聞いた彼は、自分の中の彼女の記憶も消す手術を受けるのだが・・・

というわけで。
もしかして私にぴったり?! そんな手術もしあったら、本当に受けたくなっちゃうような映画かも〜♪
と、期待(?)を胸に、勇躍、映画館に乗り込んだのでありました。

ところが!
そんな映画じゃなかったんですよ、これ
(これ以下ちょいネタバレかも。これから見る方は要注意)
確かに、記憶を消してくれるというラクーナ社の受付を待っている人の中には、
愛犬の器と、おもちゃの骨を持った、
死別した犬との思い出を忘れたいと思っている飼い主っぽい人など、
姉御的に思いっきりタイムリー!な人もいらっしゃった。

でも。姉御はここの設定を見て思ったわけです。
だってさ、姉御は今確かにものすごくつらいけど、愛犬・らんちゃんの記憶を消そうとは絶対、思わないもん。
あんなに愛した愛犬の記憶を、その全てを消してしまっていいの?
確かに別れはつらいけど、その1点を忘れたいが為に、それまでの長い時間を消してしまうってのは、いかがなものか?

その通り!と、もしかしたら脚本書いたカウフマンが囁いてくれたのかな?
その小さな疑問に答えて、後半、一見奇想天外なストーリーは、
とんでもなくロマンティックな恋愛物語に、姿を変えました!

チャーリー・カウフマン(ジョン・マルコビッチの頭の中に入る、というとんでもない映画「マルコビッチの穴」を書いたのはこの人!)と
ミシェル・ゴンドリー(歌姫・ビヨークのプロモーションビデオなどを撮ったPV畑出身の監督)のコンビだけに、
そのつらい恋の記憶を消していく過程の描写なんかは、時間軸も行きつ戻りつ、どこからが今で、どこからが記憶の中?ってくらい引っ掻き回され、
(事実、どうも見てる間頭使いすぎたらしくて、帰りに自分で車運転してるのに、車酔いしちゃったぃ。(爆{爆発})
描写のみを見てると、トリッキーでエキセントリック!と感じるけれど、その表層のみを見てはいけない。
現に、今現在的にありえない設定って、「記憶除去手術」のところだけなのよね。
それ以外は、どこにでもあるような町の、どこにでもある彼と彼女の話だもの。
この話、実は運命の愛について描いている、恐ろしく恋愛の王道ともいうべき映画だったのです!

これ以上はほんとにネタバレになるので、内容については書けないけど、
もし映画雑誌なんかで読んだ設定の奇抜さにおののいて観にいってない方がいらっしゃったら、
そういうのに書かれてるまんまの映画じゃないぞ、とだけは言っておきたいわ。
そして、極力CGを使わず、アイデアを絞って「記憶消失」映像を作り出した、ミシェル・ゴンドリー、すごい!
書店(嗚呼Barnes & Noble !)⇒部屋のシークエンス(見てのお楽しみ!)なんざ、ああ〜〜!すげーーー!!って純粋に驚きましたよ。
ジム・キャリーやケイト・ウィンスレット(この映画の演技でアカデミー賞主演女優賞にノミネート)、
キルスティン・ダンストやイライジャ・ウッドといったビッグ・ネームが出ているにもかかわらず
映画がスター・スターした感じになっていないのは、ひとえに彼の演出力の賜物でしょう。
あと、ジム・キャリーがケイト・ウィンスレットが演じそうなキャラ(暗く冴えない普通の男)を演じ、
ケイトがジム的なキャラ(ぶっ飛び・きれまくり・エキセントリックなオーバーアクション)を演じているのが新鮮だった!
言われなかったら、最初、ジム・キャリーだって気がつかなかったっす。表情も違うんだけど、声からして全然違うのにびっくり!

というわけで、思いっきり疲れてる時にはきっと頭かき乱されるのでオススメできませんが、
それ以外の皆さんに。
できれば昼日中ではなく、雨の降る夜、一人で見てもらえたら、浸れる類の映画です♪
原題のEternal sunshine of the spotless mindとは、
「一点の曇りもない心に差す永遠の陽光」の意味。
この映画の中でMaryが引用句辞典から引用してくる詩人・アレクサンダー・ポープの詩の一節なんだそうです。
そんなものはないと思うけれど、…あったら素敵だと思いませんか?
この映画も、そんな映画だと思いますよ!
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