先週の土曜日の朝。
どうしても買いたいと思った本があって、駅前の本屋さんに駆け込んだ。
運良くあった在庫のうちの1冊を抱えてレジに行くと、「研修中」の名札をつけたかわいらしい女の子が、「いらっしゃいませ」と迎えてくれた。
「お会計は00円になります」との言葉に、店のポイントカードとお金を出そうと財布の中に目を落とした次の瞬間、
「あ、あのー・・・」
“え!私何か落とした?!”
と、「え!はい!!」と顔を上げると、頬を真っ赤にした店員さんが一言、
「あのー。。。どうしてこの本、お買いになろうと思われたんですか?」
ほわっ!? 想定外の質問だ!
恥ずかしそうにしながらも、真剣な顔で聞いてくれたので、こちらもきちんと答えた。
「あ、あー、それはね、土曜日の朝にやっている『王様のブランチ』っていう番組があるのね。
その番組の本のコーナーで、『この本が本年度ナンバー1です』と言っていた人が3人もいたから、
しかも『電車の中で読んでいても思わず泣いてしまった』というくらいだから、
それじゃあ、買わなきゃと思って、急いでここに来たのよ」
破顔一笑。疑問が解けた、という笑顔。
「そうなんですか〜。 ありがとうございます。
この本が今日になって、急にたくさん売れ始めたので、どうしてかなと思いまして・・・。
そうですか、『王様のブランチ』なんですか。 あの番組、時間長いですよね?」
「そうね、まだ放送していると思うけど、本のコーナーは最初のコーナーだから…」
・・・などと会話は彼女がブックカバーを丁寧にかけ、お会計が済むまで続いた。
私は道順を聞かれやすいタイプの人間で、他人から話しかけやすい人間であるという自覚はあったんだけれど、本屋さんにそういうこと聞かれたのは初めてだった。
聞くは一時の恥と思って頑張ったのかな? 彼女、なかなか勉強家じゃないか〜!
よい店員さんになるね♪ 心がほこっとなって、嬉しい帰り道だった。
・・・という幸せな偶然=Serendipity・・・というタイトルにふさわしい(?)、私が体験した実話でした。
・・・あ、肝心なこと書いてない。
そのとき私が買いに走った本は、↓です。

「その日のまえに」 重松清
(↓につづく)