みやびくん!

December 29 [Tue], 2009, 19:47
”こうやって歩いていると、なんだか家族みたい…。あ、いやいや、違う違う!みやびくんの事は大好きよ!でも私には離れた場所で頑張っているまーくんっていう素敵な彼氏がいるもの…。”




みやびくん!
〜第三話 眠れない夜〜



---とある日の休日。あみときよたかは久々の休日にも関わらず、みやびを少しでも楽しませようと思い動物園へやって来た。もっとも、あみの場合15年ぶりの動物園とあって、少し興奮気味であり、その姿は3歳のみやびと大して変わらなかった。


「きゃーっコアラよコアラーあ、なまけものもいる!みやびくん見える?」
「どこーこあらさーん!」
「じゃあ抱っこしてあげるね。…よいしょ。見える?」
「う〜。みえない〜。こあらさーん…」
「よし、みやび。パパが肩車してやろう!」

きよたかはあみの腕の中からみやびを抱き上げると、ひょいと肩の上に乗せた。


「わーいわーい☆パパたかーい!」

あみはしばしそんな二人の様子を見、困ったように言った。

「ねぇ、そのパパって言うの止めない?
「「なんで?」」
「なんでって…その…まるで私がママみたいになっちゃうし…」
「だってパパの方がおじさんより言いやすいよな〜みやび」
「はいでしゅ」
「言いやすいけど誤解しちゃうでしょ!みやびくんも周りの人も…」

あみの脳裏に会社での噂が横切る。

「大丈夫だろ。みやびはそのうちわかるだろうし、周りの人はそう思わせておけばいいし」
「それが良くないのよ…」
「あみちゃんはぼくがきらいでしゅか…?」
「え!?そんな訳ないでしょ!あみちゃんみやびくんの事大好きよ」
「じゃあ、やっぱりあみちゃんはママでしゅ」
「み、みやびくんそれとこれとは…」
「きよおじちゃんはパパでしゅ」
「それが気に食わないのよね(-_-)」
「あみちゃーん、そりゃないよ〜(泣」


”パシャ”


「ん?」


何かの音に気づいたきよたかはハッと後ろを振り向いた。しかし、そこには誰の姿もなかった。


「パパどうしたでしゅか?」
「きよたか?」
「…今、何か音しなかったか?」
「えっ、したっけ?みやびくん聞こえた?」
「聞こえてないでしゅ」


みやびはふるふる、と首を横に振った。あみもきょとんとした顔をする。きよたかはそんな二人の返答に、勘違いか、と気にしないようにしたものの、嫌な予感がしてならなかった。


「ほら、きよたか。早く行こう。次はペンギンコーナーよ☆」
「わーい!ぺんぎんさーん!」


無邪気にはしゃぐ二人を横にして、不安な表情をしていてはならないと考え直し、ペンギンコーナーへ足早に向かって行った。


***


「あー疲れたぁー」


きよたかは背中で気持ちよく寝ているみやびを起こさぬようゆっくりと寝室にあるベッドにおろした後、リビングのソファにドサッと倒れこんだ。そんな様子を見たあみは、クスクスと笑いながら手馴れた手つきでカップにお茶を淹れた。


「お疲れ様。きよたか、今日は一日中みやびくん抱いてたからね。腕大丈夫?」
「あぁ、なんとか。あと30分遅かったら確実に腕壊れてたな。」
「じゃあ今日はゆっくり休んでね。はい、このお茶疲れに効くらしいから飲んで。」
「お!さんきゅー」


あみはきよたかの前にお茶を出すと、きよたかの隣に腰を下ろした。


「はぁ…私もなんだかんだ言ってはしゃいでたから、何か疲れちゃった。」
「ずずずー…。あみちゃん、みやび以上にはしゃいでたからね。」
「たはは(苦笑。だってこういう休日初めてだったんだもん。何か楽しくなっちゃった。」
「家族っていいよな。」
「うん、ホント。みやびくんみたいな可愛い子どもが欲しいなぁ」
「あみちゃんと俺のDNAだったら絶対可愛い子生まれるって。あ!いやいや、冗談って…あれ?」


普段ならここであみのパンチが飛んできてもおかしくないが、きよたかがふとあみを見ると、今にも眠そうにウトウトしていた。

「あみちゃん、眠いの?」
「う…ん……。」


ちなみにあみの体勢はというと、ソファのうで掛けのところに頭を置いて、ハートのクッションを抱いている。普通隣によっかかりやすい人間がいれば、そちらによっかかってしまいがちだが…。これはきよたかによっかかってはいけないという本能なのだろうか。(笑)


「おーい、あみちゃーん。まだ夕方だよ〜」
「う…るさ……い……スー…スー…」
「はぁ…あみちゃん、欲求不満男子の前で堂々と寝ちゃだめだよ〜。襲われちゃうよ?まぁ誠実な俺だから襲いませんけど。てか、襲いたいけどー…」

”ゲシッ”


「あだっ」


あみは寝ぼけた勢いだろうか、きよたかの顔面に蹴りを入れた。これも本能なのだろうか。そして、ようやく深い眠りについたあみは寝返りをうった。その時、あみの胸元のロケットがキラリときよたかの目にうつった。


「ん…?」


きよたかはあみにしては珍しいデザインのそれが少し気になり、手に取る。そして中の写真を見、大きくため息をついた。そして、こう呟いた。



「勝つのは、俺だからね。」



そして、そのロケットを優しくあみの胸元へ返した。そしてその頬に優しくキスをし、その場を去った。



***



きよたかは、マンションの裏側にある公園へやってきた。そして、ある一点の茂みに向かって勢いよく足元の石を投げた。


「ねぇ!わかってんだよ。今日ずっとあんたが俺達の後つけてきてるの。隠れてないで出ておいでよ!」
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