かえらない。かえれない。
September 29 [Tue], 2009, 21:22
昨日の夜から、なんやら右目が痛いんですね。
ゴミじゃなさそうなんですけど、妙な異物感と言うか。チクチクした感じはする。
しかしまた、目頭の辺りとか頭の右側の方にも痛みがあってですね。
一体何なんだか…ものもらいか何かか、それとも肩凝りのせいかな。
とりあえず目薬点してシップも貼ったけど。治ると、イイナ!
地味に辛いので嫌なんですよ。常に目かっぴろげてないと痛むとか何なの。
ポケウォーカーに入れてる蝋燭(アチャモ♂)がレベル13に。
そろそろDS送って進化させようかな…わかしゃも!しゃも!
あんまり騒ぎませんけど、ワカシャモだって好きですよ?本当ですよ?
ただ、バシャーモ>アチャモ>ワカシャモなだけです。ワカシャモだって立派な俺の嫁!
3段階進化だと、どうにも真ん中の印象が薄くなっちゃって…;
とりあえず蝋燭がバシャーモになるまでは、他の子はポケウォーカーに送らない。本気。

氷石(ヒセキ/オニゴーリ♂)、藍鉄(アイテツ/ボスゴドラ♀)
凄く…違和感があります…
藍鉄はまだいいけれど、氷石のスッキリしてることしてること。
設定の追記部分に書いてありますが、この2人は怪我してます。怪我する前はこんなんでした。
現在の氷石は左腕殆ど動かないし、藍鉄は右目が見えない。
表面上は気にして無いように振舞いますが、互いが互いの怪我に責任感じているので、相手の幸せの為なら割と何でもしちゃう。
ウチの子は出来るだけギャグでもシリアスでも対応できるようにと思っていますが。この子達はまさにそれ。
と言う訳で(?)、追記に文章。
藍鉄と氷石が怪我した時の話です。
…そういえば、文章だと割と真面目と言うか暗いというか。そんな話になっちゃうんですよね。
普通のギャグ系ネタも、無くは無いんですけど…いかんせん短くてだな。どれも1発ネタ程度!
長さはあるけど真面目な文と、短いけど明るい文と。どっちの方が良いんでしょ?
ゴミじゃなさそうなんですけど、妙な異物感と言うか。チクチクした感じはする。
しかしまた、目頭の辺りとか頭の右側の方にも痛みがあってですね。
一体何なんだか…ものもらいか何かか、それとも肩凝りのせいかな。
とりあえず目薬点してシップも貼ったけど。治ると、イイナ!
地味に辛いので嫌なんですよ。常に目かっぴろげてないと痛むとか何なの。
ポケウォーカーに入れてる蝋燭(アチャモ♂)がレベル13に。
そろそろDS送って進化させようかな…わかしゃも!しゃも!
あんまり騒ぎませんけど、ワカシャモだって好きですよ?本当ですよ?
ただ、バシャーモ>アチャモ>ワカシャモなだけです。ワカシャモだって立派な俺の嫁!
3段階進化だと、どうにも真ん中の印象が薄くなっちゃって…;
とりあえず蝋燭がバシャーモになるまでは、他の子はポケウォーカーに送らない。本気。

氷石(ヒセキ/オニゴーリ♂)、藍鉄(アイテツ/ボスゴドラ♀)
凄く…違和感があります…
藍鉄はまだいいけれど、氷石のスッキリしてることしてること。
設定の追記部分に書いてありますが、この2人は怪我してます。怪我する前はこんなんでした。
現在の氷石は左腕殆ど動かないし、藍鉄は右目が見えない。
表面上は気にして無いように振舞いますが、互いが互いの怪我に責任感じているので、相手の幸せの為なら割と何でもしちゃう。
ウチの子は出来るだけギャグでもシリアスでも対応できるようにと思っていますが。この子達はまさにそれ。
と言う訳で(?)、追記に文章。
藍鉄と氷石が怪我した時の話です。
…そういえば、文章だと割と真面目と言うか暗いというか。そんな話になっちゃうんですよね。
普通のギャグ系ネタも、無くは無いんですけど…いかんせん短くてだな。どれも1発ネタ程度!
長さはあるけど真面目な文と、短いけど明るい文と。どっちの方が良いんでしょ?
「ごめんな」
「謝るな」
「俺のせいだ」
「お前に責任は無い」
「すまない」
「怒ってなんかいない」
謝るのはむしろ、こちらの方で。
責任があるのはむしろ、こちらの方で。
怒られるのはむしろ、こちらの方で。
だからお前は、悪くないのに。
「…見えん、な」
きつく包帯を巻かれた右目を押さえ、呟く。
流石に片目では視界が狭い。通常の半分だ。
多少は落ち着いてきたものの、まだズキズキと痛む。
ベッドに寝転がり、天井を睨みつける。
この診療所、天井まで清潔そのものだ。
「嬢はもう、この天井にも飽きてきたぞ…」
呟いて、無事な方…左の目を閉じた。
思い出すのは数日前の事。
氷石と2人で山に行ったら、野生のポケモンに囲まれ襲われ。
どうにか逃げ切ったものの、それぞれがそれぞれに怪我を負い、しかもかなりの重傷である。
嬢は右目を。
氷石は左腕と顔面を。
山の麓の診療所で治療は受けたが、嬢は右目の機能を失ってしまった。痕もしっかりと残っている。
「あー…」
目を閉じたまま、意味も無く声を出してみる。
如何いう訳か、狭くなった視界に対して何の感情も浮かんでこない。
感覚が麻痺したのだろうか。そういえば野生の中に電気タイプもいたな。
そんなことをぼんやり思う。
「…氷石は、如何しているだろうか?」
ふと気になった。
いや、本当はずっと気にしていた。あえて気にしない様努めていただけだ。
あれ以来、氷石はずっと別室で治療中の筈。
嬢でこの怪我だ。嬢を庇い続けた氷石の方が、重傷だろう。
「嬢は…迷惑を掛けただけだったな」
守られなくて済むくらい、力があれば。
そうすればこんな怪我しなくて済んだのに。
あんな怪我、させなくて済んだのに。
「あー…」
「何だ、もう元気になった?」
バッターン!
声と共に、勢いよく病室の扉が開かれた。
「…おおう、主」
「いよっす」
そこには、トレーナーのカズハが立っていた。
「主、あんな大音量で扉を開けるな。怒られるぞ」
「んー…まぁ良いじゃん。気にするなって」
良くないと思うから言うんだが。
そんな嬢の思いなど全く気にせず、主はベッド脇の椅子に腰掛ける。
「如何なの、調子は?」
「…視界は半分になった」
「そう」
それだけ言って、主は黙り込む。
主は決して冷たい人間ではない。何も感じていないなんてことは無いだろう。
何も言わないのは、きっと嬢が何か言うのを待っているだけだ。
「あ…」
「ん?」
「あの…怒らない、のか?」
尋ねてみる。
主は少し首を傾げ、訊き返してくる。
「何が?」
「勝手に山に行って…怪我までして…怒らない、のか?」
「ああ、それね」
ふーっと息を吐き、主は言った。
「別に…自分で怒ってんなら、私が怒るまでもないっしょ。つーか、今は怒るより泣きたいわ」
「……おこ…?」
「責任感じるのは勝手だけど…だからって、あんまり溜め込むのも良くないよ?」
「嬢、は」
「あ、そうそう。氷石の奴ね、藍鉄はどうしたーってうっさいの。明日にはここに来るみたいだから、言いたい事あったらガツンと言ってやれ」
「あ…」
「2人ともさ、互いのこと大事なのは良いけど。自分も大事にしなさいよ?」
んじゃ、私は帰る。
言うだけ言うと、主はすぐに病室を出て行った。
「明日、か…」
氷石は、どんな顔をしているだろうか?
「あ、い、て、つー!」
「…氷石、落ち着け」
翌日、主の言った通り氷石が病室に来た。
顔の左半分と、左腕に大量の包帯が巻かれている。重傷のくせに、よくこんなに軽やかに歩き回れるものだ。
「まぁ…とりあえず、何だ。座れ」
「おう」
ベッド脇の椅子に氷石を座らせる。
途端に沈黙が訪れた。
…何か、言わなければ。
「氷石、その…お前、怪我は」
「ん?ああ、左目はギリ無事だってよ。頬に傷痕は残るらしいけど。腕はまぁ…動かなくはない、ってトコか」
「そう、か」
明るい声と表情。でも、平気な筈が無い。
「それよりもよ、お前こそ…右目、如何なんだ」
氷石がおずおずと尋ねてくる。
「ん…まぁ、視界は半分になるな。痕も大きい」
下手に誤魔化す必要は無い。素直に答える。
と、氷石の顔から表情が消えた。
「そう…なのか?」
氷石らしからぬ、弱弱しい声。
「か、完全に見えないってことは無い、よな…?痕だって、大きいだけで薄いとか…」
「…右半分は真っ暗、だ。痕も、額から頬にかけて。はっきり残っている」
「……!」
ああ、そんな顔。
まるで世界が終ったかのような、絶望的な顔をして。
氷石は右腕を伸ばし、嬢の頭を抱えるように抱きしめる。
「…ごめん。ごめん、な」
嬢の角度からは氷石の顔は見えない。
それでも声を聴けばすぐに分かる。氷石は、泣いていた。
「…謝るな」
きっと、その顔はぐしゃぐしゃに歪んでいるだろう。
「俺のせいだ…」
「お前に責任は無い」
ぐっと氷石の右腕に力がこもる。
それとは対照的な、飾りの様にただくっ付いているだけの左腕。
「すまない」
「怒ってなんかいない」
謝るのはむしろ、こちらの方で。
責任があるのはむしろ、こちらの方で。
怒られるのはむしろ、こちらの方で。
だからお前は、悪くないのに。
「んな…もう、見えないって…それ、に、女の子なのに、顔に傷作っちゃってよ…ごめんな、守ってやれなくて、ごめん…」
ああもう、謝るな。
「悪いのは…嬢だろう」
ぽつりと声に出す。
「え…」
「そもそも、山に行きたいなんて言ったのは嬢だ。こんな怪我をしたのも、自分の身すら守れない嬢が悪い」
「あ、あいて…」
「お前は嬢に付いて来てくれて、嬢をずっと庇ってくれて、それで嬢より沢山怪我をして…何も悪くなんてないんだ、悪いのは、嬢、だ」
一気に言う。頭の中はもう真っ白だ。
目からは涙がボロボロと溢れ出してくる。
ただひたすら、申し訳なさと情けなさばかりに襲われる。
「ごめっ…ごめんな、さい…!ごめ…なさ…」
「あ、藍鉄…おい」
「うっ、ひっく…ごめ…」
山になんて行かなければ良かったんだ。
身を守れるくらい強ければ良かった。
そんな思いが後から後から押し寄せる。
「藍鉄、ほら、落ち着けって…」
小さな子どもをあやすかのように、ポンポンと氷石が背中を叩く。
それがとても優しくて、かえって涙は勢いを増した。
「う…あああぁぁぁぁ」
もしかしたら、こんなの生まれて初めてかもしれない。嬢は、思いっきり泣いた。
「ほら、そろそろ落ち着いたか?」
「う…」
「あーあー、目ェ真っ赤になってやがる」
嬢が泣き止んだことを確認すると、氷石は軽く笑った。
「なぁ藍鉄…ありがとな」
「?」
何がだ。
怒られる覚えはあっても、礼を言われる覚えなど嬢には無い。
「俺の怪我に責任感じてさ、そうやって泣いてくれて。いやぁ、俺ってば愛されてんな」
「嬢が悪いんだ…当然だろう。と言うか、何故お前は嬢を責めないんだ。あまつさえ礼を言いよって…」
「こら、すぐに自分を責めるんじゃねぇっての」
言って、嬢の頭を撫でる。
右目に響かない様にという気遣いだろう、優しい手付きだった。
「お前、子どものくせに責任感強すぎるんだよ。すぐに自分が悪い悪いって。…ちょっと訊くけど、右目のことで泣いたりしたか?」
「…いや」
「あーほら。どうせ自分への罰だとかこれくらい当然だとか、そういう風に思ってたんだろ。もっと素直に落ち込むなり何なりしろっての」
「でも、お前の方が重傷だし…」
「他人と比べなくて良いんだよ。第一にだな、女の子が顔に傷付けることがどんだけ重大だと思ってんだ。俺の怪我なんか軽く吹っ飛ぶぜ?」
「…嬢は別に気にしないが」
「今は気になんなくても、大きくなったら気になるから。あーもう、お前はもっと自分に優しくなれ!もっと素直に泣け!良いな!」
「お、応…」
「よっし。約束だかんな!」
…何かよく分からないが、約束させられた。
少しばかり呆気にとられつつ、右目に触れる。
きつく巻かれた包帯。外れるまであとどの位だろうか。
「…なぁ、氷石」
「何だ?」
「次はこんな怪我しないよう、嬢も強くなるからな」
嬢が言うと、氷石は右腕でガッツポーズをしながら言った。
「なら、俺はお前を守れるくらい強くなるからな」
「まぁ、期待はせんよ」
「おいおい、そりゃないだろ」
氷石が笑う。
嬢も笑った。
「謝るな」
「俺のせいだ」
「お前に責任は無い」
「すまない」
「怒ってなんかいない」
謝るのはむしろ、こちらの方で。
責任があるのはむしろ、こちらの方で。
怒られるのはむしろ、こちらの方で。
だからお前は、悪くないのに。
「…見えん、な」
きつく包帯を巻かれた右目を押さえ、呟く。
流石に片目では視界が狭い。通常の半分だ。
多少は落ち着いてきたものの、まだズキズキと痛む。
ベッドに寝転がり、天井を睨みつける。
この診療所、天井まで清潔そのものだ。
「嬢はもう、この天井にも飽きてきたぞ…」
呟いて、無事な方…左の目を閉じた。
思い出すのは数日前の事。
氷石と2人で山に行ったら、野生のポケモンに囲まれ襲われ。
どうにか逃げ切ったものの、それぞれがそれぞれに怪我を負い、しかもかなりの重傷である。
嬢は右目を。
氷石は左腕と顔面を。
山の麓の診療所で治療は受けたが、嬢は右目の機能を失ってしまった。痕もしっかりと残っている。
「あー…」
目を閉じたまま、意味も無く声を出してみる。
如何いう訳か、狭くなった視界に対して何の感情も浮かんでこない。
感覚が麻痺したのだろうか。そういえば野生の中に電気タイプもいたな。
そんなことをぼんやり思う。
「…氷石は、如何しているだろうか?」
ふと気になった。
いや、本当はずっと気にしていた。あえて気にしない様努めていただけだ。
あれ以来、氷石はずっと別室で治療中の筈。
嬢でこの怪我だ。嬢を庇い続けた氷石の方が、重傷だろう。
「嬢は…迷惑を掛けただけだったな」
守られなくて済むくらい、力があれば。
そうすればこんな怪我しなくて済んだのに。
あんな怪我、させなくて済んだのに。
「あー…」
「何だ、もう元気になった?」
バッターン!
声と共に、勢いよく病室の扉が開かれた。
「…おおう、主」
「いよっす」
そこには、トレーナーのカズハが立っていた。
「主、あんな大音量で扉を開けるな。怒られるぞ」
「んー…まぁ良いじゃん。気にするなって」
良くないと思うから言うんだが。
そんな嬢の思いなど全く気にせず、主はベッド脇の椅子に腰掛ける。
「如何なの、調子は?」
「…視界は半分になった」
「そう」
それだけ言って、主は黙り込む。
主は決して冷たい人間ではない。何も感じていないなんてことは無いだろう。
何も言わないのは、きっと嬢が何か言うのを待っているだけだ。
「あ…」
「ん?」
「あの…怒らない、のか?」
尋ねてみる。
主は少し首を傾げ、訊き返してくる。
「何が?」
「勝手に山に行って…怪我までして…怒らない、のか?」
「ああ、それね」
ふーっと息を吐き、主は言った。
「別に…自分で怒ってんなら、私が怒るまでもないっしょ。つーか、今は怒るより泣きたいわ」
「……おこ…?」
「責任感じるのは勝手だけど…だからって、あんまり溜め込むのも良くないよ?」
「嬢、は」
「あ、そうそう。氷石の奴ね、藍鉄はどうしたーってうっさいの。明日にはここに来るみたいだから、言いたい事あったらガツンと言ってやれ」
「あ…」
「2人ともさ、互いのこと大事なのは良いけど。自分も大事にしなさいよ?」
んじゃ、私は帰る。
言うだけ言うと、主はすぐに病室を出て行った。
「明日、か…」
氷石は、どんな顔をしているだろうか?
「あ、い、て、つー!」
「…氷石、落ち着け」
翌日、主の言った通り氷石が病室に来た。
顔の左半分と、左腕に大量の包帯が巻かれている。重傷のくせに、よくこんなに軽やかに歩き回れるものだ。
「まぁ…とりあえず、何だ。座れ」
「おう」
ベッド脇の椅子に氷石を座らせる。
途端に沈黙が訪れた。
…何か、言わなければ。
「氷石、その…お前、怪我は」
「ん?ああ、左目はギリ無事だってよ。頬に傷痕は残るらしいけど。腕はまぁ…動かなくはない、ってトコか」
「そう、か」
明るい声と表情。でも、平気な筈が無い。
「それよりもよ、お前こそ…右目、如何なんだ」
氷石がおずおずと尋ねてくる。
「ん…まぁ、視界は半分になるな。痕も大きい」
下手に誤魔化す必要は無い。素直に答える。
と、氷石の顔から表情が消えた。
「そう…なのか?」
氷石らしからぬ、弱弱しい声。
「か、完全に見えないってことは無い、よな…?痕だって、大きいだけで薄いとか…」
「…右半分は真っ暗、だ。痕も、額から頬にかけて。はっきり残っている」
「……!」
ああ、そんな顔。
まるで世界が終ったかのような、絶望的な顔をして。
氷石は右腕を伸ばし、嬢の頭を抱えるように抱きしめる。
「…ごめん。ごめん、な」
嬢の角度からは氷石の顔は見えない。
それでも声を聴けばすぐに分かる。氷石は、泣いていた。
「…謝るな」
きっと、その顔はぐしゃぐしゃに歪んでいるだろう。
「俺のせいだ…」
「お前に責任は無い」
ぐっと氷石の右腕に力がこもる。
それとは対照的な、飾りの様にただくっ付いているだけの左腕。
「すまない」
「怒ってなんかいない」
謝るのはむしろ、こちらの方で。
責任があるのはむしろ、こちらの方で。
怒られるのはむしろ、こちらの方で。
だからお前は、悪くないのに。
「んな…もう、見えないって…それ、に、女の子なのに、顔に傷作っちゃってよ…ごめんな、守ってやれなくて、ごめん…」
ああもう、謝るな。
「悪いのは…嬢だろう」
ぽつりと声に出す。
「え…」
「そもそも、山に行きたいなんて言ったのは嬢だ。こんな怪我をしたのも、自分の身すら守れない嬢が悪い」
「あ、あいて…」
「お前は嬢に付いて来てくれて、嬢をずっと庇ってくれて、それで嬢より沢山怪我をして…何も悪くなんてないんだ、悪いのは、嬢、だ」
一気に言う。頭の中はもう真っ白だ。
目からは涙がボロボロと溢れ出してくる。
ただひたすら、申し訳なさと情けなさばかりに襲われる。
「ごめっ…ごめんな、さい…!ごめ…なさ…」
「あ、藍鉄…おい」
「うっ、ひっく…ごめ…」
山になんて行かなければ良かったんだ。
身を守れるくらい強ければ良かった。
そんな思いが後から後から押し寄せる。
「藍鉄、ほら、落ち着けって…」
小さな子どもをあやすかのように、ポンポンと氷石が背中を叩く。
それがとても優しくて、かえって涙は勢いを増した。
「う…あああぁぁぁぁ」
もしかしたら、こんなの生まれて初めてかもしれない。嬢は、思いっきり泣いた。
「ほら、そろそろ落ち着いたか?」
「う…」
「あーあー、目ェ真っ赤になってやがる」
嬢が泣き止んだことを確認すると、氷石は軽く笑った。
「なぁ藍鉄…ありがとな」
「?」
何がだ。
怒られる覚えはあっても、礼を言われる覚えなど嬢には無い。
「俺の怪我に責任感じてさ、そうやって泣いてくれて。いやぁ、俺ってば愛されてんな」
「嬢が悪いんだ…当然だろう。と言うか、何故お前は嬢を責めないんだ。あまつさえ礼を言いよって…」
「こら、すぐに自分を責めるんじゃねぇっての」
言って、嬢の頭を撫でる。
右目に響かない様にという気遣いだろう、優しい手付きだった。
「お前、子どものくせに責任感強すぎるんだよ。すぐに自分が悪い悪いって。…ちょっと訊くけど、右目のことで泣いたりしたか?」
「…いや」
「あーほら。どうせ自分への罰だとかこれくらい当然だとか、そういう風に思ってたんだろ。もっと素直に落ち込むなり何なりしろっての」
「でも、お前の方が重傷だし…」
「他人と比べなくて良いんだよ。第一にだな、女の子が顔に傷付けることがどんだけ重大だと思ってんだ。俺の怪我なんか軽く吹っ飛ぶぜ?」
「…嬢は別に気にしないが」
「今は気になんなくても、大きくなったら気になるから。あーもう、お前はもっと自分に優しくなれ!もっと素直に泣け!良いな!」
「お、応…」
「よっし。約束だかんな!」
…何かよく分からないが、約束させられた。
少しばかり呆気にとられつつ、右目に触れる。
きつく巻かれた包帯。外れるまであとどの位だろうか。
「…なぁ、氷石」
「何だ?」
「次はこんな怪我しないよう、嬢も強くなるからな」
嬢が言うと、氷石は右腕でガッツポーズをしながら言った。
「なら、俺はお前を守れるくらい強くなるからな」
「まぁ、期待はせんよ」
「おいおい、そりゃないだろ」
氷石が笑う。
嬢も笑った。
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