心なしか微笑んでいるよう

October 16 [Wed], 2013, 15:14
まっている十数人の水兵服を着た少女達を見た。彼女達は決して日の目を見ずに、陰ながら戦っている少女達だ。
「???潜水艦の艦魂」
 そう、彼女達は潜水艦の艦魂。静かな海の中から敵艦を魚雷で攻撃する海の暗殺者。そしていつも仲間内でしか会話しないのだ。そのせいで他の艦魂達から多少嫌われている。その原因は彼女達の暗い性格、そして原因の一つには彼女達の名前も関わっている。潜水艦の艦名は番号で付けられている。『伊‐(番号)』『呂‐(番号)』なので、名前が言いづらいのだ。
しかし、そんな彼女達もこの戦争においては大活躍している。
 例えば『伊‐一六八』はミッドウェー海戦の後、損傷して真珠湾に帰港中の空母『ヨークタウン』とその護衛をしていた駆逐艦『ハンマン』を撃沈。『伊‐十七』はこの年の二月二四日にアメリカ本土のカリフォルニア州サンタバーバラを艦載砲で砲撃をし、その帰途中にタンカー一隻、輸送船一隻を撃沈するという戦果を挙げている。このように彼女達もちゃんと活躍しているのだ。だから???
「ねぇねぇ、一緒に飲まない?」
 翔輝は潜水艦達の声を掛けた。少女達はビックリしたようにお互いに肩を寄せ合った。ビクビクと震えて明らかに翔輝を警戒していた。
 今までにない反応に、翔輝は対応に困った。
 第一印象としては、みんな外見は普通の女の子だが、全員が全員前髪が長く瞳が見えない。しかも数人はメガネをかけている。基本的に内気オーラが体中から出ている。
「あのさ、その、一緒に???」
『???』
 おどおどしている少女達に困っていると、雪風がため息する。
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ミュウミュウ がま口
ミュウミュウ パスケース
「少尉。やめた方がいいと思いますよ。彼女達は他の者とは関係を持ちません。誘うだけ無駄です」
「でも???」
「まぁ、例外はありますけど」
「え?」
「イロハ(伊‐一六八)! イクト(伊‐一九〇)! ミオ(呂‐三〇)! サヨ(呂‐三四)! 一緒に飲も!」
 日向が楽しそうに潜水艦の輪の中に突入した。彼女の誰とでも仲良くできるところはすごい才能だと思う。というか、番号をかわいく呼んでるのもすごい。
「あ、少尉! 一緒に飲む?」
 日向が嬉しそうに天使のような笑顔を向けてくる。
「あ、うん。よろし???」
「少尉!」
 言い掛けたところで大和が翔輝の腕を掴んで引っ張った。
「え、何?」
 大和は頬を赤く染めて何か言いたそうに口を何度もパクパクさせる。
「あ、あの???武蔵と???その???」
 そう言ってちらりと横にいる武蔵を一瞥する。
 あ、なるほど???そういう事ね。
 翔輝は日向の方に向く。
「ごめん。ちょっと姉妹ゲンカの仲介をしてくる」
 その言葉に日向も理解したようで、かわいらしく敬礼した。『健闘を祈る』という意味なのだろう。
 翔輝はふと思い出したように近くに置いてあった紙袋(お土産大量)を開けて中から羊羹とカステラ(どちらも最高級)を取り出した。
「これ、食べてよ」
 そう言って翔輝は潜水艦二人に渡した。すると、
『ありがとうございます???』
 潜水艦達が蚊の羽音のような小さな声で礼を言った。心なしか微笑んでいるように見えた。
 翔輝は笑顔で「どういたしまして」と答えて立ち去った。

 余談だが、この後潜水艦の艦魂の中で翔輝の株が急上昇。密かにファンができた。

 再び翔輝は大和と武蔵を向かい合わせる。この状況に全員が注目していた。
 しばらく両者全く動かず、お互いに沈黙していたが、沈黙が始まってから五分ほど過ぎてようやく、
「武蔵。その???昼間はごめんなさい」
 大和が先手を決める。頭を下げて頭ひとつ分小さい妹に素直に謝る。
 武蔵は沈黙していたが、やがて???
「???ごめんなさい」
 武蔵も謝罪の意を示し、両者は握手して
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