初めての出会い 【4】

March 21 [Wed], 2007, 12:36
このまま放っておくと険悪になりそうなムードの2人に声をかけたのは何とか笑いをひっこめたコンラッドだった。相変わらずの爽やかスマイル付。
          
「えぇ、久しぶり。コンラッド、元気そうね」

胸ぐらを掴まれたまま沙夜はコンラッドに微笑みかける。先ほどのあの冷たい雰囲気は既になくなっていた。
               
「えぇ・・おかげさまで」

「・・・それになんだか幸せそう・・。もしかして恋人でも出来た?」

・・・しかも沙夜の観察力はかなり優れている。グウェンダルの腕をいとも簡単に振り払うと沙夜は軽く頭を下げてから部屋に入る。
            
「えぇ・・出来ましたよ、大切な人が」

さらりと答えるコンラッドにユーリの頬が微かに赤く染まる。その様子を見て沙夜は安心したような笑みを浮かべたあとユーリに声をかけた。

             「貴方が魔王陛下ですね・・?」

いきなり声をかけられ驚いたようにユーリが顔を上げる。
      
「あ・・は・・はい!はじめまして、渋谷有利です。」

慌てて姿勢を正したユーリを見て沙夜は思わずくすくすと笑いながらその場に跪く。
  
「初めまして、魔王陛下。私は水月沙夜と申します。どうかお見知りおきを・・・」
 
「え・・・え・・っ!?いいって、そんなことしないでさ!って・・・水月?コンラッドたちみたいにウェラー卿とかじゃなくて?なんか思い切り日本名っぽいんだけど・・。それと歳はいくつ?見た感じだと俺やヴォルフラムと同年代?」

疑問を何個か沙夜にぶつけるとユーリに沙夜は顔を上げふっと微笑んだ。
 
「私は人間と魔族の間に生まれた者です。ただ生まれてから5歳くらいまではこの世界ではなく日本で
育ったんです。だから、名字は『水月』で名前も『沙夜』という日本名なんです。あと歳は・・今年で805歳になりますね?」

年齢を言うところだけ沙夜が苦笑いして少しだけ瞳を泳がせる。
 
「ふ〜ん、そうなんだ。・・・・って・・えぇえ!?805歳!?え、だって魔族の血って長命で見た目の5倍が本当の年齢なんだよね!?でも、えっと水月さんはどうみても17,18ぐらいにしか・・!」

一瞬、頷きかけたユーリだったがあり得ない数字を聞き驚いて思わずギュンターやコンラッドたちの顔を見回した。

         「サヤはウルリーケと同じで少し特殊なんだ。」

その様子を見てヴォルフラムが呆れたようにため息をつく。
              
「え?特殊って・・?」

その言葉にユーリが沙夜をまじまじとみつめ尋ねた。
 
「私の家系は代々ギュンター達と同じように魔族なんですが・・何代か前に人間−しかもかなり強い力をもった人間が生まれたんです。その者は不老の体を持ち、魔術でも法術でもない力を使ったとされています。その者は『この世に災いを起こす者』として処刑されてしまいましたが、彼の血を濃く受け継いで生まれる者達が稀に現れるんです。」

沙夜は微かに笑みを浮かべながらそう答える。
        
「それが、君・・じゃなくて水月さんってこと?」
 
「サヤでいいですよ。皆、そうやって呼びますしね?えぇ・・ただ、私には人間の血も流れているので不老というより老化が極端に遅いだけなんですけどね」

極端すぎのでhないですか・・?(汗)
 
「サヤは眞魔国の兵士達に武術を教えているんです。立場的には軍曹にあたります。」

補足をするように後ろからコンラッドがユーリに説明をする。
      
「え、でもギュンターがそういうのやってたんじゃないの?」

思わずといった感じでユーリがコンラッドを見てさらに質問する。
 
「・・ユーリ・・。いくらギュンターだってあの姿で生まれたわけじゃないですよ」

それはそうだろう・・生まれたときからあの姿だったら親は卒倒ものだ。
             
「あ、そうか・・。」
 
「私はギュンターが1人前になるまで師範として皆に武術を教えていたんです。今は引退していますが・・」

そういって軽く沙夜は軽く肩をすくめた。
 
「しかし、サヤは私たちの中ではかなり冷静に物を見ることが出来る。参謀としてはかなり有能だ」

人を褒めることなどしなさそうなグウェンダルがいつも通り仏頂面のまま沙夜の肩に手を置く。
 
「へぇ・・。そうなんだ。じゃあいざって時は頼りにしてるよ。とりあえず立ってよ、サヤさん。これからよろしくね。」
 
「はい。これからは微力ながら私のもてるすべての力で陛下に仕えさせて頂きます。」

そういって沙夜がゆっくりと立ちあがった。その途端「−−−っ!!」ずきんっという衝動が沙夜の体に走った。

「サヤさん・・?」

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