ジョージ・ヘンリーとブライトナーのキモノ

2010年01月19日(火) 23時49分
ジョージ・ヘンリーというと、政治経済学者を思い出すかもしれないが、スコットランドの芸術家のジョージ・ヘンリー。ジョージ・ヘンリーと名のつく芸術家もまた多い。

GEORGE HENRY,RA,RSA,RSW(1858-1943)っていう人だ。このRA,RSA,RSWって何だ。たぶんグループ・オブ・セブンやラファエル前派みたいな芸術家のグループらしいと予測したのだが。「らしい」ということで、確かじゃないからな。→RAはロイヤルアカデミー、RSAはロイヤル·スコティッシュ·アカデミー、RSWはロイヤル・ソサエティ・ウォーターカラリストで水彩画家のメンバーだということだった。

このほとんど顔がみえない女性は、欧米人か日本人かはわからないが、そんなことは問題ではない。なんとも風情をたずさえた描き方。スコットランド人の画家が、ジャポニズムの中のジャポニズムを描いていると思う。

ホイッスラーの花魁やマネやモネにケチをつけるつもりは毛頭ないが、着物を着せて描いた作品は、しどけた姿や花魁風情で、退廃的な「娼婦」的ジャポニズムを感じてしまう。

ジェームズ・クインのタケウチ夫人というのが、また凛としたいい女。また、On The River という作品も、なんとなく日本情緒を感じる。



引用:(C)University of Dundee Fine Art Collection
Scottish Art - The Glasgow Boys


さて、今度はGeorge Hendrik Breitner(ジョージ・ ヘンドリック・ブライトナー)のキモノ。しどけない作品かも。「Meisje in Kimono キモノの少女」、「Meisje in rode kimono (Geesje Kwak) 赤いキモノの少女」、「Meisje in witte kimono 白い着物の少女」、「De Oorbel イヤリング」の4点ほど紹介する。

ちなみに、ジャポニズムの関連記事を紹介しておく。

*柴田是真
*マダム・貞奴 →猛ちょっと待って
*ジャポニズム
ジャポニズムのカテゴリーから、バルテュスが描いた節子夫人、ピカソの「舞踊家・貞奴」、ゴッホの「広重の模倣 雨の橋」、「花魁」、「タンギー爺さん」のほか、タンギー爺さんに描かれた日本画とを照らし合わせてる。 
*ラ・ジャポネーズ
フランスのジャポニズムと日本のアール・ヌーボォーについて
*ホイッスラーのジャポニズム
灰色と緑色のハーモニー スィスリー・アレクサンダー嬢
*ジェームズ・マクニール・ホイッスラーのジャポニズムThe artists studio 1865
*Madame J. Takeuchi
オーストリア画家ジェームズ・クインが描いた日本人女性。
*ウィリアム・ オーペン
サー・ ウィリアム・ オーペンのヴィクトリアン調のジャポニズム
*二コーラ作バルテュス夫妻
*ホイッスラー 花魁 1864
*Art de Vivre La Japonaiseモネの描いた着物姿のモネ夫人
*ナナの誕生 ドミ・モンド
エミール・ゾラ ルーゴン=マッカール叢書から、マネの描いたナナに、鶴の屏風。
*エミール・ゾラ 「L'Assommoir 居酒屋」
マネの描いたエミール・ゾラの書斎の浮世絵。
*アルフレッド・ステヴァンス 18枚の ジャポニズム何度数えても19枚あるような・・・。




1894年「De Oorbel」がこの作品。

これからあと3枚を紹介するが、先にあげた「La Japonaise」の舞妓と同じ位の年齢で、少女というより女性である。

ガウンのようにキモノを着ているのがしどけない。イヤリングの手元がまたそそるよな。そうでもない?

このブライトナーは、少女にキモノを着せて、写真に残している。ルイス・キャロルのようだが、あぁいった噂はない。

そのキモノの写真を集めた書籍が、2001年に出版。Rieta Bergsma, Hajime Shimoyama による編集。

Meisjes in Kimono: Schilderijen, Tekeningen En Foto's Van George Hendrik Breitner (1857-1923) En Zijn Japanse Tijdgenoten (Taschenbuch)

国立美術館(アムステルダム、オランダ:Rijksmuseum, Amsterdam)所蔵に、Meisje in witte kimono(白い着物の少女)がある。

1894年の作品で、この年には、ずいぶんとキモノを着せた少女を描いている。この作品は、白いキモノを強調するように、背景はダーク。




ティソやホイッスラーに負けないくらい、ジャポニズムな絵を描いてるんじゃない?

このポーズ、まだ幼子かとおもいきや、16歳の少女をモデルに使ったという。この少女なのだろうか?

George Hendrik Breitner(ジョージ・ ヘンドリック・ブライトナー)は、ジャポニズムというより、オリエンタルな印象を受ける。右に紹介する「Meisje in Kimono」(1894年)の少女は、オリエンタルなかんじ。

インドや中国、日本などのものを意味する東方的趣味。絨毯はインドのカシミールかもしれない。キモノを着ているけれど、ブーシェの中国の釣り人に近い赤の色。なんでもかんでもジャポニズム(ジャポネズリー)一色ではないようだ。

もう一枚、左の作品は、「赤いキモノの少女」。原題は、Meisje in rode kimono (Geesje Kwak): Girl in a red kimono 。全体がくすんだ色調で、これはジャポニズムを感じる。この作品は、オークションに出品されたようで、現在は個人所蔵か美術館所蔵になっているかも。

この風景や風俗画も描いている。ARTCYCLOPEDIA から美術館所蔵の作品へリンクされている。



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