(無題) 

2005年04月20日(水) 10時30分
チリレイ谷の魔女、ワグテ
ラジス森の魔女、リザ
デルセ海の魔女、ファムオ
ペオルの古井戸の魔女、ウェルジェ
サヨンド時計塔の魔女、パマザヴ
リルテーメ館の魔女、ルブティル
コルシカ山の魔女、ロォズ
メリー湖の魔女、アティ
リジィナ

ガラクタ通り〜NOTステイン〜 

2005年02月21日(月) 11時07分
……CALL MY NAME……

しん、とした部屋に足音が響く。背後で暗幕が音もなく閉じ、よりいっそう闇色を深める。
散乱している箱や袋が何とか分かる程度の光が、部屋中央のテーブル上にある“魔法火のランプ”から漏れていた。
「かけてて。」
カモイの姿は見えないが、声ははっきりと届く。
部屋の奥に、また暗幕で仕切られたスペースがあり、カモイはそこで“趣味”の調合にいそしんでいるのである。
キースとの距離など物ともせず、器用に部屋の隅からイスを浮かべ、そのイスは彼女の頭上を通過し、静かにその背後に降ろされた。
キースは慣れた様子で、イスの憎いホコリを払いながら言った。
「ココアがいいさ。」
どさり、と腰を下ろせば、ホコリは舞い上がる。彼女はなれた手つきで自業自得のそれを追い払う。勝手に「床が水ならいいのに」と、馬鹿げたことを望んだりもした。
今日もまた同じ。
友人の部屋の倉庫ぶりを思い知る。
「今度は何作ってんのさ?」
イスと同じように運ばれて来たマグカップを受け取り、尋ねた。ちなみに彼女、本気で知ろうなんて気は、サラサラない。
これは社交辞令に似ていて、彼らの中で挨拶の一環として位置付けられているもの。
キースはカモイが喋りたがっているのを知ってるし、カモイはキースが聞かなくても話す気満々でいる。
で、姿は見せずにカモイは答える。
「小型で軽い、携帯に便利な合成毒薬を、ねー。」
「一粒100メートル、とか?」
「それは既製品ー。お菓子でしょ〜?」
「カモイが作れば毒になるさ。」
「それって、褒め言葉ぁ?」
「モチロンさ。」
そして、互いにケラケラ笑いあうのだ。
今更、両者にこのやりとりに疑問を持つ必要性など皆無である。

ガラクタ通り〜NOTステイン〜 

2005年02月15日(火) 0時37分
……CALL MY NAME……

古い石の建物の、崩れかけた階段を上る。
『古いほうが“らしい”でしょう』
と、彼女の師は言うのだが、
「どうにも、おっかない」
いまだに、ときどきは足下を見ないと不安なのである。
そんな場所なのだが、彼女には、たびたび、手摺のある土壁に空いた穴から、壊れた街灯を見下ろすワケがあった。
ぺたぺたと屋上を歩き、そこにある、まるで四角い洞穴のような石の部屋を目指す。
入口に戸はなく、その代わりに内部から暗幕が2重になって、外気も、陽光さえも遮っている。
暗がりに居たがるのは、『砦』に住む者としても、『変人』の部類に入るなんて事くらい分かっているのに、この付き合いは長い。
改めて考える事でもないか、と小さく肩をすくめてから、取りあえずは、半楕円型にくりぬかれた入口の、すぐ横にはめ込まれた木の板をノックし、
「カモイ、先生から呼び出しさ。あたしと一緒に来いって。」
と、口早に言った。
「あ、キース?うん分かった、でもちょっと待っててー。」
中から返事が聞こえ、それを言い終わると同時に、スーッ、と暗幕が開いた。
「まあ、急ぎじゃないけどさ。」
なんてぼやきながらも、キースは吸い込まれるように、暗幕の先へ歩を進めた。
そこは相変わらずひんやりしていて、薄暗くて。そして、穏やかな魔法の空気に満ちていた。この穏やかさがなければ、さながら心霊スポットだ。

ガラクタ通り〜NOTステイン〜 

2005年02月08日(火) 23時13分
……CALL MY NAME……
銀幕の中のような夜空、街の光はあふれ出すのに、依然として『砦』は陰を保つ。
それはまるで黒インクでも注いだかのよう。

ここはスラムとはちょっと違う。
異なった発展した文明が、淘汰も排他もされずに残った。その代わり『砦』は忘れられてしまった。
認められないまま、認め合わないまま、今に至る。

『砦』は時が止まったような空気を持つ。時の流れが違っているかのような静寂の空気を持つ。


それが、『魔法』の空気なのかもしれない。



ガラクタ通り〜NOTステイン〜 

2005年02月04日(金) 19時51分
……CALL MY NAME……

決して目についてはいけない『通り』。
決して入ってはならない『通り』。
決してかかわってはならない『通り』。

そうして、いつしか、
地図からも、
消されてしまった『通り』。


しかし、
ここに住まう者たちは存在する。彼らはここに確かに存在している『通り』を
『砦』
そう、呼ぶ。


存在あるものは、すべからくその有するところの『名前』を持つ。
ということなのだ。

でないと、本当に消えてしまう。
そういうところなのだ。


建物の間を縫って、ひしめき合うように『砦』は町の中に影を追うように、染み渡っているのに、誰も気付くことはない、気付いてはいけない。

気付くことも、できない。
長い歳月をかけて築き上げられた澱みの底の禁忌はそんなチカラまで持っていたのだった。

森の泉・3 

2005年02月04日(金) 18時45分
魔力の化身となっているこの森が、万人を受け入れるか、と言えば、否である。迂闊に入り込むことさえ運任せなのだ。
少女は偶然、森の魔力が弱くなった時間に入り込んでしまったのだろう。
入り込んだが最後。通常なら二度とお天道様を拝めなくなる。
怒った木々は彼女を襲った。さらに悪いことに、ここの泉は透き通ってはいるものの、真水であるどころか、魔法の道具に使うような毒性を帯びた液体なのであった。


森の泉・2 

2004年12月20日(月) 18時48分
それでもやはり、ピンと張りつめられた糸を先に切ったのは、少年のほうであった。
彼は、まるでやっかいな呪縛をふりはらうかのように少女から目を逸らし、
「どうして、こんなとこにいるの?」
と、尋ねた。
慣れ親しんでいる森に対して「こんなとこ」って言うのはあんまりだろうけれど。でも、この場所は、普通じゃない、トクベツな場所だと、彼は解っていたから。
そして彼の目は、鏡のような水面の点在する彼方だけを凝視し、かたく握ったその両手は、ただただ大いに持て余されていた。
一方、怯えたようにしていた少女は、一瞬表情を和らげたものの、その質問に答えるどころか、その大きな瞳に涙を、それこそめいっぱいにためて、そして、声を上げて泣き出してしまった。
「え、え!そんなぁ、どうして…」
うろたえながら、少年は改めて少女のほうに視線を向けた。そのとき、ようやく、
「けがしてる…」
このことに気がついたのであった。
少女の左腕から血がしたたっていたのである。
少年はためらうこと無く、握り締めていた重い袋をその場に捨てる様に放置し、大泣きしている少女に駆け寄った。
少女の服も、それを押さえる小さな手もホオズキの様な色の鮮血で赤く染まっていた。
少年は彼女の傷口を見て、
「このキズは……。うっかり、迷い込んじゃったんだね…」
そう呟いて、懐から細い竹の水筒を取り出し、その中の透明の液体を、少女の傷口に勢いよく注いだ。液体が触れた傷口からは、激しい音と共に熱い蒸気が噴き出された。

森の泉・1 

2004年11月18日(木) 10時28分
泉が、あった。
清らかな、森のしじまに、その水面たたえて。


朝露と、蠢く虫。
深い深い、朝の霧。
ぬかるみの、轍。
そう。いつもの、道。
いつもの、朝。
けれどもこれは、始まりの始まりのお話。


泉のほとりで澄み切った空気を胸一杯に吸い込んだあと、少年はそこまで運んで来た荷車から手を放した。高く生い茂り朝露をつけた草を分けいってきたせいで、手が濡れてひんやりとした。
彼はすぐに、荷車から自分の背丈ほどもある大きな空袋を引きずり下ろし、肩にかけて、泉の方へ歩き出した。
そのとき、泉に近い大岩の陰から物音が聞こえたのだった。
これはいつものことではなかった。
この森に、この時間に、この季節に、そしてこの泉に何かがいる、ということは。
少年は堅い袋の口を握り締めた。
無意識のうちに唾を飲み込んだ。
そして、しばらくの沈黙の後に、
「だ、だれ…?」
震えた弱々しい声で尋ねると、岩影から人影が兎のように飛び出したのだった。
少年が咄嗟に分かったのは、
「ウサギじゃない」
それだけ。
岩影から出て来たのは小さな?少年と同じくらいの?女の子だったのだが。
予想外の出来事は、双方の間に不自然な膠着を生んだ。
お互い警戒したまま動けないのに、葉が擦れ合う音だけが、やけにしらじらしく聞こえるのだった。

テスト 

2004年11月10日(水) 3時31分
スキンの種類がいまだかつてないレベルの自由度。すごい気に入ったので一応このまま。
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