エピソードその2 宇宙の方向性

February 11 [Sat], 2012, 0:11
宇宙の持つ方向性。宇宙の意思とはなんなのか。それは我々自身の心の中をちょっと覗いてみればわかる。

なぜなら、我々は宇宙という大きな入れ物の中に生まれた、その中の一部だからだ。

我々は宇宙の外(それはどこのことだ?)からこの地球にやってきたわけではなく、この宇宙の中に生まれた、宇宙と法則を共にする、宇宙という体の一部分なのだ。

だから、我々の心の中にあるものは、我々の本体であるところの宇宙そのものにも同じくある。当然のことながら我々とその本体である宇宙は同じものを持っているというわけだ。

では、我々の心はいつもなにを求めているだろうか。

それは「美」である。

とりあえずそう定義しておこうか。

どこかに人知れず咲く素朴な美しさを持つ一輪の花。それをこの地球上のどこかの地面に産み落としたのは宇宙である。宇宙はそれを「美の心」を以って創り出した。「美」を希求して「美しい花」を大地に咲かせた。

花という生物を創り、その誕生と成長を司り、見守る。頼まれもしないのに(実は誰かが頼んだようなのだが)そんな現象をこの地球上に生じさせるのはなぜだろうか。そこにあるのは宇宙の意思なのである。そして、その意志の方向性は「美」なのである。

        ※         ※         ※

「醜悪なものは?醜悪なものだってあるじゃないか。それだって宇宙の方向性じゃないのか」

「そうかも知れないが、醜悪なものは我々の心を傷つける。ということは、それを創り出した宇宙も、その醜悪なものを生み出しながら自らの心を傷つけているのだろうと思うよ」ぼくはちょっと考えた。そして言った。

「そう、そういう方向性もあるのだろう。ただ、望んではいない。ぼくらがそれを望まないのと同じく、宇宙もそれを望んではいない」

「真のグルは」彼は言った。

「真のグルは心を動かさない。そこにあるものはただそれでしかない。そこにそのようにあるだけだ。それに向かってなんの感情も意思も持たない。ただ淡々とそれを眺めているだけだ。それが本物のグルだ」

「話が飛び過ぎだよ」ぼくは言った。
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