この世界の片隅に

January 18 [Wed], 2017, 10:00
2016年度のキネ旬1位、話題の映画「この世界の片隅に」を観てきました。

不思議な映画でした。
水彩画のようなタッチの映像世界が美しくて、ぼーっとしてながら観ていたせいか、伏線が自分の中で回収できず、理解しきれない部分がありました。できればもう一度観たい!
絵の上手な主人公すずさんの描く絵画の世界と、すずさんの現実の世界。
境目が曖昧としていて、現実だと思っていたことが、え?と覆されるときがある。
さっきまで一緒にいた人が、繋いでいた手が、次の瞬間には消えているときもある。

人生は常に生と死が隣り合わせになっているけれど、戦争はそれが最も顕著に表れるときなのかもしれません。
それも、酷い痛みを伴って。
もし、あのとき違う道を選んだならば、人生は違う方向に向かったのだろうか。
それとも、最終的には同じ着地点に着くのだろうか。
いずれにしても、今の自分を懸命に生きていくしかない。
そんなことも考えさせられる映画でした。
ただただ当たり前の日常をひたすらに生きていくこと、それが一番強いことであるように思います。

昨年末に亡くなった私の伯父が、当時広島の高等師範学校から呉に電車で向かっているときに原爆が落ち、急遽広島に戻って遺体の収容をしたという話を、子どもの頃よく聞かされていました。
二次放射能を浴びているからいつ死ぬかわからないと言いつつ、91歳まで生きた伯父。
きっとすずさんと同じくらいの年齢のはず。
彼女もきっと自身の人生を全うしたことでしょう。





平安の秘仏展

January 17 [Tue], 2017, 0:15


上野の東京国立博物館で開催されていた「平安の秘仏 滋賀櫟野寺の大観音とみほとけたち」を観てきました。
9月からやっていたこの展示の、最終日。一度会期が延長になり、本当に最後ギリギリの日に駆け込みました。

滋賀県甲賀市にある天台宗のお寺、櫟野寺から、20体もの重文の仏像がやってくるということで、会期の前から気になってはいたのですが、本当に最終日になってしまうとは。
穏やかな年明け、新春のしつらえが施されたトーハクの本館で、ゆったりと仏像ワールドを堪能しました。

滋賀の仏像と言えば、やはり十一面観音。
正面に置かれたご本尊の観音様は、柔らかくふくよかな表情で、そばに近寄ってみると衣に彩色が残り、とても美しい。一木造とのことでその大きさにも圧倒されましたが、迫力というよりは優しさのほうが印象に残りました。

ガツっと引き締まったカッコよさで目を引かれたのは毘沙門天立像、それから光り輝いているようだった地蔵菩薩坐像。ひとくちに平安仏と言っても時代によって造形は様々で、そのあたりの違いも楽しめる展示でした。

音声ガイドにはみうらじゅん氏&いとうせいこう氏の見仏コンビのトークが収録されていて、やはりこのお二人の面白い話に叶うものはない。企画によっては展示物に書かれてある解説と同じことしか言わない音声ガイドもあって、500円出して借りる意味がわからないときもあるのですが、今回は大満足でした。



正面階段を上がったところにはこんなしつらえが。
お正月ムードいっぱいでした。





2017

January 06 [Fri], 2017, 14:28
明けましておめでとうございます。
年が明けて、早一週間近くが経とうとしています。

今年も元旦は氏神様に初詣、二日は家族の新年会、三日は高校時代の友人との新年会と、例年同様のお正月でした。





月に1度はお参りしてる地元の小さな神社ですが、さすがにお正月は人出が違う。20分くらい並んだかな。

2年続けて大吉が出ていたけど、今年は中吉。
心正しく身を慎めば年永く音信のたえし縁者の便りがあって喜びごとがでてくる、何事も運に任せ思い煩うなとのこと。
学問は、雑念をすて目標をたてよとあったので、今年はいつも以上に音楽頑張ろうと思います。
それから、人とのご縁を大切に。
自分を見守ってくれている存在を常に感じながら生きていたい。





酉年。
鶏さんは、石上神宮でいただいたものです。
鹿さんは春日大社。
青い鳥は・・・ どうしたんだっけ。

 

東京駅にいた獅子舞と、これは恵比寿さん?
生まれて初めてお獅子に噛んでもらいました。



丸の内上空に浮かぶ、謎の発光体(笑)と

 



毎年同じ、大皿おせち。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。


BORN TO BE BLUE

December 27 [Tue], 2016, 21:00


ジャズトランぺッター、チェット・ベイカーの不遇時代を描いた映画、「ブルーに生まれついて」(BORN TO BE BLUE)を観てきました。

時代背景は1960年代半ば〜70年代初頭。
ドラッグ漬けの日々と、ひとりの女性との出逢い。
かつての名声を少しずつ取り戻していく過程が、彼の音楽とともに、内省的に綴られていきます。
早世したミュージシャンを描いた映画は、たいていドラッグ漬けか大酒飲みで、そのくせとってもナイーヴで、いやナイーヴだからドラッグ漬けになるのか、とにかく大抵痛々しい。
ご多分に漏れずこの映画も、観ているのが辛くなるようなダメっぷりの主人公なのですが、ダメだからこその愛しさもあるわけで、美しい映像、音楽の素晴らしさも相まって、忘れられない映画のひとつとなりました。

チェット・ベイカーを演じているのはイーサン・ホーク。
この人、見た目はあんまり好みではないんだけど、どの映画で観てもいつもどこか惹かれるものがあり、この映画でもやっぱり人の心を打つような演技と、不思議なムードを漂わせている。
実際に歌も歌っているし、さすがにトランペットは当て振りでしょうけど、様になっていてカッコいい。
音楽もので、演奏してる姿がそれらしく見えない事ほどしらけることはないからね。




大好きな、My Funny Valentineのシーン。
チェット・ベイカー本人の甘い声とは少し違うけど、イーサン・ホークの歌声も素敵。
観終った後、映画館でサントラCDを購入してしまいました。



最小限の楽器で、心に沁みる響き。



グレン・グールドの9分32秒

December 25 [Sun], 2016, 11:25
 グレン・グールドの9分32秒

           長田弘

白と黒の鍵盤で縁どられた
31センチ四方の紙のジャケットから
黒いLPレコードをとりだして、
魂をとりだしてそこに置くように
小さなプレイヤーのターンテーブルの上に置く。
グレン・グールドが自身のピアノの曲にした
ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
第一幕への前奏曲。その曲だけは、
いまでも、レコードで聴く。
最後の一枚です、と手書きで添書きされて、
いまはないレコードショップの棚に、
棚仕舞いの日まで置かれていたレコードだった。
針がレコードに落ちるまでの、
ほんの一瞬の、途方もなく永い時間。
ワーグナーのおそろしく濃密なポリフォニーから
すばらしく楽しい対位法を描きだして、
響きあうピアノのことばにして、
グールドが遺した
9分32秒の小さな永遠。
芸術は完成を目的とするものではないと思う。
微塵のように飛び散って、
きらめきのように
沈黙を充たすものだと思う。
あらゆる時間は過ぎ去るけれども、
グールドの9分32秒は過ぎ去らない。
聴くたびに、いま初めて聴く曲のように聴く。
いつもチョウムチョロム(初めてのように)という
韓国のソジュ(焼酎)を啜りながら、聴く。
一日をきれいに生きられたらいいのだ。
人生は、音楽の時間のようだと思う。







鴨川へA

December 20 [Tue], 2016, 15:28


朝の海。
起きたら、もちろん露天風呂へ。
昔は朝温泉に入るくらいなら、1分でも長く寝ていたかったものだけど。

宿のすぐ目の前には、日蓮上人の生まれたお寺、誕生寺がありました。







古いお寺を観ると、どうしてもテンションが上がる自分。
もちろん、御朱印帳は必携です。


※こちらで御朱印をいただく方は、なるべく小銭を用意していきましょう。



人生初、念願の鴨川シーワールド。




ものすごい身体能力のお姉さん。カッコいい!






イルカの仲間、ベルーガ。
人間の真似をして声が出せる。

動物って、賢くて可愛いね。
若いころは、こういう芸をする動物を見るのが嫌いでした。
可哀相で。
でも、大自然の中で生きるか死ぬか日々闘いながら生きていくのと、こういう場所で手厚く扱われながらぬくぬくと暮らしていくのとどちらが幸せかと考えると、正直わからなくなってくる。
















楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、この日もまた美しい夕暮れを東京湾から眺めました。
日々同じようで、二度と同じ夕陽はない。
昨日は今頃温泉入ってたな〜などと思いつつ、帰路に就く。
私は元千葉県民なのに、千葉のことあまり知らないので、これからもちょこちょこと出掛けられるといいなぁ。


鴨川へ@

December 20 [Tue], 2016, 11:54
久しぶりの家族旅行で、千葉の鴨川で一泊してきました。

元々は、鴨川シーワールドに日帰りで行くつもりだったのですが、どうせ行くならと宿を取って温泉でゆっくりすることに。


初!海ほたる。
雲一つない快晴。
日頃の行いの賜物かな。

海ほたるがパーキングエリアだということを、この日初めて知る(笑)


小湊鉄道。
紅葉の中を2両編成の可愛い電車が走ってくるという最高のロケーションだったのだけど、カメラを用意していなかったので、一番良いシーンを撮り逃してしまいました。残念。




養老渓谷駅。




駅舎もレトロで可愛い。
大多喜、養老渓谷のあたりは長閑でひなびていて、千葉の中でもかなり好きな場所です。
あちらこちらに鳥居が立っていて、ちょっと異界っぽい。











この辺りは12月でもまだまだ紅葉が残っていて、思いがけず絶景を楽しむことができました。
実は、今まで何度もこの付近を車で通っていたものの、養老渓谷というのがどこなのかさっぱりわからず、いつも謎でほんとは存在してないんじゃないかと思うくらいだったのですが、今回初めて具体的な場所を把握しました。
(20歳くらいで来た時には、夕暮れ時、同じところをぐるぐると何度も通るという怖い目に)
やっぱり車を降りてみないとわからないね。









出世観音、立國寺。
ここでお参りすると、若い人は出世し、若くない人は長生きするそう。
長生きはしなくていいけど、健康でいたい。







小湊の「吉夢」さんという温泉宿に宿泊しました。
目の前が海。
屋上が露天風呂。
海に落ちていく夕陽を見ながら、娘とゆっくりお湯に浸かっておしゃべり。
あと何回、こういう贅沢ができるのかなぁ。








お夕飯。
とても美味しかったのに完食出来ず!!もったいなかった・・・
もう一度チャレンジしたい。




ROLLY&鈴木茂

December 08 [Thu], 2016, 0:22


毎年恒例のライヴイベント「ROLLY &鈴木茂 Presents ZIPPY CLOWN(元気な道化師)」へ行ってきました。

早いものでもう3回目、クロコダイルのを入れたら4回目の茂さんとのライヴ。
毎年欠かさず行っています。今年はなんと!四人囃子の森園勝敏さんがゲスト。もう楽しみで楽しみで。
この3日前に自分の本番があったのだけど、これを励みに頑張ったのだ!



普段のROLLYさんのライヴよりお客さんは若干年齢高め。
なので椅子あり。いつもより早めに来て、真ん中あたりのいいポジションをゲットしました。
70年代のブリティッシュロックを演奏するこのライヴ、今年はいったい何をやってくれるのだろうかと選曲にも期待が高まります。

まずはThe Who、バッドフィンガーとこのライヴお馴染みの曲が来て、それ以降はセットリストの曲順を覚えてないので適当ですが、クリームの「White Room」、ジェフ・ベックの「Jeff's Boogie」をメドレーでやったあたりはもう、観ているこっちのテンションも最高潮。
カッコいい!!
茂さんがクリームをやってるところを観られるとは、なんて幸せなんでしょうか。

休憩を挟んで第二部には森園さん登場。
「空と雲」「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」と四人囃子の名曲が続き、ジミヘンの「Fire」。
森園さん、茂さん、ROLLYさんのトリプルギターでソロの応酬。
なんて贅沢なんだろう。凄い、素晴らしい、信じられない・・・
こんなすごいステージが観られるなんて。
ほぼ半泣き状態でした。
ROLLYさんのファンで良かったと、本当に良かったとあらためて思った瞬間。

はっぴいえんどの曲はヤマかけて予習していったら、まさにドンピシャ、その通りの選曲。
「12月の雨の日」「花いちもんめ」「あやか市の動物園」を聴くことができました。至福。

ラストは再び森園さん登場で、スティーヴ・ウィンウッドの「Gimme Some Lovin」。
この曲大好き!そういえばこの曲ライヴでよくやってた人いたっけ。喜んで聴いてるかな。俺ならこう弾くって言ってるかな。

勿論、すかんち含め各自のソロ曲もあり、盛りだくさんの、しかし楽しすぎてあっという間に終わってしまったライヴでした。
ROLLYさんを初めて観たロック好きの若干年齢高めのお客さんの心も射抜いてしまったようで、「ROLLYすげーカッコいいなぁ」という声が聞こえていました。長年のファンとして、とても嬉しい。そうなんですよ〜って返したいくらい。
出演者の皆さま、素晴らしい演奏、夢のような時間をありがとうございました。来年もまた楽しみにしてます!



2017年のカレンダー。

1月が、すでに懐かしい10月の奈良での写真。
あのときも、幸せな夜だったな〜。


人間椅子/魔術師

December 02 [Fri], 2016, 12:55


全労済ホール・スペースゼロで行われている、朗読劇「人間椅子/魔術師」を観に行ってきました。

このお芝居のことは数日前にROLLYさんのtwitterで告知を観て知り、乱歩は大好きだし観ておきたいと慌ててチケットを購入。行けそうな日程のを適当に買ったのですが、実はダブルキャストで、公演の半分近くは同役が松田洋治さん!
会場で初めて知りました。偶然にROLLYさんの日だったのは、長年のファンとしての勘だったのでしょうか・・・

出演者はROLLYさん以外は若いイケメン俳優の方。
その方々のファンらしき人たちでいっぱいの会場で、なんとなくアウェイ感を感じながらも(笑)、お芝居が始まると片時も目が話せない舞台に夢中でした。
まずはなんといっても、音楽が良かった。初めて拝見したのですが、橋本啓一さんというピアニストの方の曲と演奏がとーっても素晴らしかった。オリジナルだと思いますが、場面によってさまざまなテイストの曲を弾かれていて、どの曲もすごく良い。ROLLYさんのギターとの絡みもカッコよくて、痺れました。

それから、シンプルだけどあっと驚くセット。妖しく、幻想的。たったあれだけで乱歩の世界を華麗に表現できるのがすごい。
そして、ROLLYさんの大熱演。敵役の魔術師という大役で、罪深き人間のおかしみと凄みと哀れみを渾身の演技でROLLYさんらしく演じていました。役者さんたちも魅力的。これから観に行かれる方は楽しみにしていてください。

それにしても、これだけ忙しい中でお芝居の稽古をして本番を何公演もやって、その合間にライヴもある。時間を惜しむかのように何にでも果敢に挑戦していく姿にいつも感動します。どうぞお身体を大切に、命尽きる日まで存分にやりきって欲しいと、遠くから眺めながら願うばかりです。



ご贔屓筋?演劇ファンの熱意はすごい〜


Cold Morning Light

November 25 [Fri], 2016, 14:45

I believe if I was all alone
I would be better off in a world my own
I'd forget I ever knew of you
And this dream every night that you put me through
We walk along a Hollywood sea
And you dance once again with me

We are close, we are friends
And our love never ends
But in the cold morning light I see
That you won't be back for me

The wound you left is healing and then
It starts itching and I scratch it open again
So the pain comes out and I give in
And indulge my imaginations, whims
We sit and drink Victorian tea
And your face wears a smile for me

I was yours, you were mine
Our hearts bound, lost in time
But in the cold morning light I see
That you won't be back

For me there can be no peace
For me there can be no rest
I believe though I've tried my best
I'm condemned it seems
To a life of restlessness and broken dreams

We are close, we are friends
And our love never ends
But in the cold morning light I see
That you won't be back for me



(Lyrics by Todd Rundgren)




P R
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