
このブログは基本的に、ブログ主であるこの俺様の感性にビビっときた本しか取り上げないことになっている。氷点下40度ドマイナス思考のこの俺がビビッとくるのは、当たり前だが、基本的にとことんネガティブな内容だ。ネガティブすぎて、かえってテンション上がってくるぐらいの代物である。むしろ俺はポジティブな言葉より、悲観的でどうしようもない後ろ向きな言葉に、たびたび勇気づけられてきた。そこで今回はそんなネガティブな本の特集。元気がでない、人間関係がうっとうしい、自信を喪失した、頑張りたくたくても頑張れない、何もする気が起きない、そんな人生に嫌気がさした奴が読むべき、ネガティブオーラ全開の必読書を紹介する。これを読んで、ネガティブにグレろ。
・生きるなんて


もうタイトルからしてネガティブオーラ全開である。そして投げやりな感じが出まくっている。23歳で芥川賞を受賞し、文壇から距離をおき、長野県の山奥にひっそりと誰とも付き合わず小説を書き続けている丸山健二の人生訓。その語り口はそのへんの作家のエッセイとは一線を画している、カフェテラスでお茶してる「温泉行ってのんびりした〜い」みたいなぬるいOLなんかを後ろから釘バットで殴りつけるような、サビのきいた人生観。ネガティブというよりかは、世間の常識を真っ向から全否定し、そこに生きる活路を見出そうとする、著者の姿勢は非常にストイックで、するどい。というか怖い。
まず学校はクソ。学校から学べるものなんか、ほとんど何もない。学校はそもそも生徒のためにあるんじゃなくて国のためにある。良き労働者の育成。国に対して羊のようにおとなしい庶民を国民として洗脳するためにあるだけ。学ぶべきことは学校の外にある。だから学校なんてたいしたもんじゃない。行かなくてもいい。仕事に意味を求めるな、生きるために働け、それが嫌なら自営業だ、自分の道を行け、だが一寸先は闇だぞ、覚悟しとけ。親はクソだ。親なんて子供を作った以上のなんの価値もない。血のつながり? 親子の絆? そんなもんくだらん。動物の親子は、お互いの人生に干渉してこないが、人間の親子は親が子を支配している。親は子供に見返りを求める怪物みたいなもんなんだから、うざくなったらさっさと捨てちしまえ。
とまぁ、こういうぐあいに毒にあふれた非常識な言葉がのってて、怖い。読んでいると、もう丸山語録が細胞膜まで染み渡ってきて、なんか読み終わったときには、顔つきまで丸山健二、口調まで丸山になっていて、しばらく丸山が身体から抜けないという怪現象が起こる。そんぐらい影響力の強すぎる本。しかし、毒をもって毒を制す、著者の辛辣な言葉を聞いていると、どこか道徳やルールから開放されるような気分がして、気持ちがいい。
・人生に生きる価値はない

異常なタイトルである。大学の書店で平積みされていたが、いったいどんな大学生がこれを買うんだろうと思った。間違いなくmixiとかやってるイケイケ風な奴は買わないだろうし、体育会系のスポーツマンもとらないし、バンド活動やってるような奴もとらないし、合コン目的にテニスサークルに入っているような奴も絶対とらないだろう。この本を手に取るのは、あんまり友達いなくて、読書が趣味で、童貞で、根暗で、なんか顔が幼くて、写真うつってんの全部無表情で、休憩時間は机に突っ伏してて、修学旅行のなかでバスの窓際が一番落ち着くわみたいな、まさに俺みたいなタイプである。いいか、こんな本読んだら就職失敗するぞ。だから読むなとは言ってない、だからこそ読んでくれ。もう就職なんか諦めろ。どうせ就職したって、しなくたって世の中はどうってことなく回っていくし、時間が経てば地球上のありとあらゆるものも全部なくなって、宇宙のチリとかすんだから。だから、もう何もかも無意味で、どうせ死んでしまうのだから、何をやっても虚しい、虚しい、虚しい・・・・・・・。
っていうことを260ページにわたって嘆いている本。著者は人類の根源的なテーマ「どうせ死んでしまうなら、なんの意味もないじゃん・・・」という悩みに対して、「そんなことは考えず、働いて、家族をもって、真っ当に生きろ」と言ってごまかす世の大多数の大人を、「反吐が出るほど軽蔑する輩」と罵りまくる。その罵り方は、恨み骨随で、幼少期から培われた「普通なことができない自分」に対する劣等感が爆発的なエネルギーとなって、もう歯止めが効かない。社会のルールに従って。仕事において評価され結婚して家庭を守ることが、そんなに大切なことか!? それよりもっと大切なことがあるだろう。それは何をしてもどうせ死んでしまうこと、死んでしまう限り人生は生きるに値しないこと、そこから目を離して生きることが、最も不幸であると断言し、ネガティブスカウターがあったら間違いなくフリーザ級の逸材である。常識なんぞ糞くらえ感がほとばしっていて清々しい。この本を読んでいるとネガティブなのに不思議と明るい気分になれる。学校推薦図書にしたら、いいと思う。
・人生の四苦八苦 ・物狂いほしけれ



俺はまだ22歳なのだが、いったいこの人の著作を読んでいる22歳が日本全国でどの程度いるんだろうか。もし居るとしたら、間違いなくそいつは人生において出世に縁がないと思ったほうがいい。
「ド畜生めが」と嫌いな奴を罵ったり、近所の猫殺して吊るしあげたり、文学賞落選のさい、丑三つ時に五寸釘と藁人形持って選考委員を呪い殺そうとしたり、編集部のオフィスにうんこしてそのまま逃げたりと、人間の業をみごとに体現しているかのような作家車谷長吉のエッセイ集。そんな奴が書いたエッセイだから、普通のエッセイとは違う。よしもとばななのエッセイが清涼飲料水だとしたら、こっちはなんか飲んだら間違いなく身体に支障きたすだろうって感じの黒々とした妖しい液体。ネガティブというよりかは、もう「虚無」。全編「虚無」。文章の隅から「虚無感」がほとばしり、読んでいるとどこからか虚無僧の尺八がフワーンと耳に届いてくるような気分になる。
ます近代化はクソ。開発→発展→繁栄→空騒ぎ→再開発→これの繰り返し、高度経済成長、これなんの意味もない。テレビ、パソコン、エスカレーター、新幹線、ゲーム、全部いらん。こんなことに振り回される人間は愚かでどうしようもない。欲にまみれてるし、動物を平気で殺すし、もう全部なくなってしまえばそれでいい。あぁ〜生きていくのが辛い。金稼ぐの卑しい。動物殺す奴最悪。どうしようか、じゃあ「世捨て人」になろう。世の習いを捨てて、底辺で生きていこう。人間に生まれてきてしまったことを、呪い続けよう。
ってなことをずーっと言っているエッセイ。中島義道がジタバタしているのに対し、車谷長吉はなんか悟っている。明るい言葉を投げかけても、まったく届きそうにない感じがほとばしっている。車谷長吉を読んだあとでは快晴な空も、どよ〜んとした濁った空にしか見えなくなる。心身ともに虚無感が襲ってくる。車谷長吉病にむしばまれる。これはフリーザ以上の逸材である。全身に「虚無」をとりいれたいと思う奴は、読め。読んで、人間に生まれたことを後悔しろ。
・絶望名人カフカの人生


ブックレビューで書評家が「笑っちゃうほどネガティブ」と称したカフカの名言集。冒頭1ページ目から凄い。「将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。将来にむかってつまずくこと、これはできます。いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです」と名言でもなんでもない、ただのネガティブな愚痴みたいなのがたくさん詰まっていて楽しい。・・・これは結婚を申し出たフィアンセに贈る手紙のなかの一文らしいが、結婚する気あんのかこいつは。これで「わーカフカ君素敵」ってなると思ってんのか、と思わず罵りたくなることうけあい。
仕事への愚痴と、父親への愚痴と、人間関係の愚痴が主な内容。「目標があるのに、そこに至る道はない。道を進んでいると思っているが、実際には尻込みしているのだ」というドキッとするような名言もあり、フリータやニートも味わい深い。
「いつだったか足を骨折したことがある、生涯で最も美しい体験であった」とか、まったく意味不明な言葉も多々あり、かと思えば「誰でも、ありのままの相手を愛することができる。しかし、ありのままの相手といっしょに生活することはできない」 という素晴らしい名言もあり、「うわーたまにはいいコト言うがなーカフカー」と感心していると、欄外説明に「恋人に言われた言葉」って書いてあって、「お前の名言じゃねぇのかよ」と思わず叫んでしまった。
最後の方に乗っていた名言。「この世に必要な本とは、自殺のようにぼくらに作用する本のことだ」 と言っているのが興味深い。まさにここに取り上げているような本のことじゃないか。
・山田花子自殺日記


1992年に構想住宅から飛び降り自殺をして、亡くなった漫画家山田花子が死の直前まで書き綴っていた日記を本にまとめたもの。今生きていれば44歳。「私にとって、人生は腹立たしく、空しく、やるせなく、不愉快なもの」という一文を皮切りに、そこから出るわ出るわのネガティブな格言が、「みんな嘘つき 裏切り者 常識と自分の価値観を混同すると不幸なる、この世は残酷で 理不尽で 人間はみんなエゴの塊 この世は不公平で残酷、願いかなわなようにできている。なのに希望を捨ててはいけないという常識のプレッシャーでますます絶望感が募る。弱者にとって「この世は空しい、」でもそれを口に出すと「その考えは間違っているよ」と言われてしまう。さらに憂鬱になる」
なんの取り柄もない、漫画を書いてもマイナー誌だから、お金は稼げない、貧乏だからバイトをするが、バイト先では仕事覚えられないから、ミスをとちられる。いじめられる。辛い。でも死ぬのが怖いから仕方なく生きている。
とまぁ、こんな恨み節が延々と気が滅入るまでエンドレスに続く。西村健太がエッセイのこの本について言及していて、「この人の漫画をこれから読んでみよう」と言っていたが、俺は実はまだ読めていない。だが、この内容から察するし、おおよその検討はつくが。山田花子の言うとおり、人間はエゴの塊だと思う。それをエゴと見せかけないところにこれまた人間の浅まさしさがあるのだが、この人はそれを幼少期から見抜いていたらしく、年季が入っており、そのネガティブオーラは他を寄せ付けないほど、凄まじい。上記に挙げた本の中で唯一、本当に自ら命を絶ってしまっているので、ちょっとグレードが違う。ちょっと精神が弱っている時に読むと、自殺念慮がとりつく可能性が高い。だからこの本はちょっと危ない。うかつにおすすめできない。しかし、この本で、俺が鳥肌のたつほど感動したのは、山田花子の言葉ではなく、山田花子の父親が書いた手紙である。娘を偲んで父親の思いが吐露されているのだが、娘のことを語る前に、まず自分と父親の関係とを語りだす冒頭に、なぜか毎回泣きそうになる。感情のこもった文章はそこらへんの名作小説をも霞ませてしまうことを見事に証明してしまった名文。内容については割愛するが、一読してほしい。
・最後におまけ
・心がラクになる後ろ向き名言


だいぶ前にコンビニの店頭に並んでいた書籍、なかなかの傑作である。松尾スズキの名言「がんばってる人にはゴメンとしか言いようがないけど、努力ってなんか下品」とかヘミングウェイの「人間が愛し合えばハッピーエンドはありえない」とか、2ちゃんねるの「もっと美しく生まれたかった、もしくは生まれたくなかった」とか土屋アンナの名言とかニーチェの名言もすごい。後ろ向き名言のオンパレードである。
いかがだっただろうか・・・
前向き思考が蔓延する世の中に杭を打ち込む七冊だ。この七冊を続けて読めば、俺様のように完璧なネガティブ超人へと生まれ変わることうけあいである。元気ない奴は元気だすな、人間関係うっとうしいなら付き合うな、自信がない奴は自信がないことに自信を持て、頑張れない奴は頑張るな、何もする気が起きない奴は何もしなくていい。どうだい、元気がでてきたでしょう。その調子で明日も頑張るなよ。
もうタイトルからしてネガティブオーラ全開である。そして投げやりな感じが出まくっている。23歳で芥川賞を受賞し、文壇から距離をおき、長野県の山奥にひっそりと誰とも付き合わず小説を書き続けている丸山健二の人生訓。その語り口はそのへんの作家のエッセイとは一線を画している、カフェテラスでお茶してる「温泉行ってのんびりした〜い」みたいなぬるいOLなんかを後ろから釘バットで殴りつけるような、サビのきいた人生観。ネガティブというよりかは、世間の常識を真っ向から全否定し、そこに生きる活路を見出そうとする、著者の姿勢は非常にストイックで、するどい。というか怖い。
まず学校はクソ。学校から学べるものなんか、ほとんど何もない。学校はそもそも生徒のためにあるんじゃなくて国のためにある。良き労働者の育成。国に対して羊のようにおとなしい庶民を国民として洗脳するためにあるだけ。学ぶべきことは学校の外にある。だから学校なんてたいしたもんじゃない。行かなくてもいい。仕事に意味を求めるな、生きるために働け、それが嫌なら自営業だ、自分の道を行け、だが一寸先は闇だぞ、覚悟しとけ。親はクソだ。親なんて子供を作った以上のなんの価値もない。血のつながり? 親子の絆? そんなもんくだらん。動物の親子は、お互いの人生に干渉してこないが、人間の親子は親が子を支配している。親は子供に見返りを求める怪物みたいなもんなんだから、うざくなったらさっさと捨てちしまえ。
とまぁ、こういうぐあいに毒にあふれた非常識な言葉がのってて、怖い。読んでいると、もう丸山語録が細胞膜まで染み渡ってきて、なんか読み終わったときには、顔つきまで丸山健二、口調まで丸山になっていて、しばらく丸山が身体から抜けないという怪現象が起こる。そんぐらい影響力の強すぎる本。しかし、毒をもって毒を制す、著者の辛辣な言葉を聞いていると、どこか道徳やルールから開放されるような気分がして、気持ちがいい。
・人生に生きる価値はない
異常なタイトルである。大学の書店で平積みされていたが、いったいどんな大学生がこれを買うんだろうと思った。間違いなくmixiとかやってるイケイケ風な奴は買わないだろうし、体育会系のスポーツマンもとらないし、バンド活動やってるような奴もとらないし、合コン目的にテニスサークルに入っているような奴も絶対とらないだろう。この本を手に取るのは、あんまり友達いなくて、読書が趣味で、童貞で、根暗で、なんか顔が幼くて、写真うつってんの全部無表情で、休憩時間は机に突っ伏してて、修学旅行のなかでバスの窓際が一番落ち着くわみたいな、まさに俺みたいなタイプである。いいか、こんな本読んだら就職失敗するぞ。だから読むなとは言ってない、だからこそ読んでくれ。もう就職なんか諦めろ。どうせ就職したって、しなくたって世の中はどうってことなく回っていくし、時間が経てば地球上のありとあらゆるものも全部なくなって、宇宙のチリとかすんだから。だから、もう何もかも無意味で、どうせ死んでしまうのだから、何をやっても虚しい、虚しい、虚しい・・・・・・・。
っていうことを260ページにわたって嘆いている本。著者は人類の根源的なテーマ「どうせ死んでしまうなら、なんの意味もないじゃん・・・」という悩みに対して、「そんなことは考えず、働いて、家族をもって、真っ当に生きろ」と言ってごまかす世の大多数の大人を、「反吐が出るほど軽蔑する輩」と罵りまくる。その罵り方は、恨み骨随で、幼少期から培われた「普通なことができない自分」に対する劣等感が爆発的なエネルギーとなって、もう歯止めが効かない。社会のルールに従って。仕事において評価され結婚して家庭を守ることが、そんなに大切なことか!? それよりもっと大切なことがあるだろう。それは何をしてもどうせ死んでしまうこと、死んでしまう限り人生は生きるに値しないこと、そこから目を離して生きることが、最も不幸であると断言し、ネガティブスカウターがあったら間違いなくフリーザ級の逸材である。常識なんぞ糞くらえ感がほとばしっていて清々しい。この本を読んでいるとネガティブなのに不思議と明るい気分になれる。学校推薦図書にしたら、いいと思う。
・人生の四苦八苦 ・物狂いほしけれ
俺はまだ22歳なのだが、いったいこの人の著作を読んでいる22歳が日本全国でどの程度いるんだろうか。もし居るとしたら、間違いなくそいつは人生において出世に縁がないと思ったほうがいい。
「ド畜生めが」と嫌いな奴を罵ったり、近所の猫殺して吊るしあげたり、文学賞落選のさい、丑三つ時に五寸釘と藁人形持って選考委員を呪い殺そうとしたり、編集部のオフィスにうんこしてそのまま逃げたりと、人間の業をみごとに体現しているかのような作家車谷長吉のエッセイ集。そんな奴が書いたエッセイだから、普通のエッセイとは違う。よしもとばななのエッセイが清涼飲料水だとしたら、こっちはなんか飲んだら間違いなく身体に支障きたすだろうって感じの黒々とした妖しい液体。ネガティブというよりかは、もう「虚無」。全編「虚無」。文章の隅から「虚無感」がほとばしり、読んでいるとどこからか虚無僧の尺八がフワーンと耳に届いてくるような気分になる。
ます近代化はクソ。開発→発展→繁栄→空騒ぎ→再開発→これの繰り返し、高度経済成長、これなんの意味もない。テレビ、パソコン、エスカレーター、新幹線、ゲーム、全部いらん。こんなことに振り回される人間は愚かでどうしようもない。欲にまみれてるし、動物を平気で殺すし、もう全部なくなってしまえばそれでいい。あぁ〜生きていくのが辛い。金稼ぐの卑しい。動物殺す奴最悪。どうしようか、じゃあ「世捨て人」になろう。世の習いを捨てて、底辺で生きていこう。人間に生まれてきてしまったことを、呪い続けよう。
ってなことをずーっと言っているエッセイ。中島義道がジタバタしているのに対し、車谷長吉はなんか悟っている。明るい言葉を投げかけても、まったく届きそうにない感じがほとばしっている。車谷長吉を読んだあとでは快晴な空も、どよ〜んとした濁った空にしか見えなくなる。心身ともに虚無感が襲ってくる。車谷長吉病にむしばまれる。これはフリーザ以上の逸材である。全身に「虚無」をとりいれたいと思う奴は、読め。読んで、人間に生まれたことを後悔しろ。
・絶望名人カフカの人生
ブックレビューで書評家が「笑っちゃうほどネガティブ」と称したカフカの名言集。冒頭1ページ目から凄い。「将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。将来にむかってつまずくこと、これはできます。いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです」と名言でもなんでもない、ただのネガティブな愚痴みたいなのがたくさん詰まっていて楽しい。・・・これは結婚を申し出たフィアンセに贈る手紙のなかの一文らしいが、結婚する気あんのかこいつは。これで「わーカフカ君素敵」ってなると思ってんのか、と思わず罵りたくなることうけあい。
仕事への愚痴と、父親への愚痴と、人間関係の愚痴が主な内容。「目標があるのに、そこに至る道はない。道を進んでいると思っているが、実際には尻込みしているのだ」というドキッとするような名言もあり、フリータやニートも味わい深い。
「いつだったか足を骨折したことがある、生涯で最も美しい体験であった」とか、まったく意味不明な言葉も多々あり、かと思えば「誰でも、ありのままの相手を愛することができる。しかし、ありのままの相手といっしょに生活することはできない」 という素晴らしい名言もあり、「うわーたまにはいいコト言うがなーカフカー」と感心していると、欄外説明に「恋人に言われた言葉」って書いてあって、「お前の名言じゃねぇのかよ」と思わず叫んでしまった。
最後の方に乗っていた名言。「この世に必要な本とは、自殺のようにぼくらに作用する本のことだ」 と言っているのが興味深い。まさにここに取り上げているような本のことじゃないか。
・山田花子自殺日記
1992年に構想住宅から飛び降り自殺をして、亡くなった漫画家山田花子が死の直前まで書き綴っていた日記を本にまとめたもの。今生きていれば44歳。「私にとって、人生は腹立たしく、空しく、やるせなく、不愉快なもの」という一文を皮切りに、そこから出るわ出るわのネガティブな格言が、「みんな嘘つき 裏切り者 常識と自分の価値観を混同すると不幸なる、この世は残酷で 理不尽で 人間はみんなエゴの塊 この世は不公平で残酷、願いかなわなようにできている。なのに希望を捨ててはいけないという常識のプレッシャーでますます絶望感が募る。弱者にとって「この世は空しい、」でもそれを口に出すと「その考えは間違っているよ」と言われてしまう。さらに憂鬱になる」
なんの取り柄もない、漫画を書いてもマイナー誌だから、お金は稼げない、貧乏だからバイトをするが、バイト先では仕事覚えられないから、ミスをとちられる。いじめられる。辛い。でも死ぬのが怖いから仕方なく生きている。
とまぁ、こんな恨み節が延々と気が滅入るまでエンドレスに続く。西村健太がエッセイのこの本について言及していて、「この人の漫画をこれから読んでみよう」と言っていたが、俺は実はまだ読めていない。だが、この内容から察するし、おおよその検討はつくが。山田花子の言うとおり、人間はエゴの塊だと思う。それをエゴと見せかけないところにこれまた人間の浅まさしさがあるのだが、この人はそれを幼少期から見抜いていたらしく、年季が入っており、そのネガティブオーラは他を寄せ付けないほど、凄まじい。上記に挙げた本の中で唯一、本当に自ら命を絶ってしまっているので、ちょっとグレードが違う。ちょっと精神が弱っている時に読むと、自殺念慮がとりつく可能性が高い。だからこの本はちょっと危ない。うかつにおすすめできない。しかし、この本で、俺が鳥肌のたつほど感動したのは、山田花子の言葉ではなく、山田花子の父親が書いた手紙である。娘を偲んで父親の思いが吐露されているのだが、娘のことを語る前に、まず自分と父親の関係とを語りだす冒頭に、なぜか毎回泣きそうになる。感情のこもった文章はそこらへんの名作小説をも霞ませてしまうことを見事に証明してしまった名文。内容については割愛するが、一読してほしい。
・最後におまけ
・心がラクになる後ろ向き名言
だいぶ前にコンビニの店頭に並んでいた書籍、なかなかの傑作である。松尾スズキの名言「がんばってる人にはゴメンとしか言いようがないけど、努力ってなんか下品」とかヘミングウェイの「人間が愛し合えばハッピーエンドはありえない」とか、2ちゃんねるの「もっと美しく生まれたかった、もしくは生まれたくなかった」とか土屋アンナの名言とかニーチェの名言もすごい。後ろ向き名言のオンパレードである。
いかがだっただろうか・・・
前向き思考が蔓延する世の中に杭を打ち込む七冊だ。この七冊を続けて読めば、俺様のように完璧なネガティブ超人へと生まれ変わることうけあいである。元気ない奴は元気だすな、人間関係うっとうしいなら付き合うな、自信がない奴は自信がないことに自信を持て、頑張れない奴は頑張るな、何もする気が起きない奴は何もしなくていい。どうだい、元気がでてきたでしょう。その調子で明日も頑張るなよ。
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