百田尚樹の「カエルの王国」がキナ臭すぎる。

May 22 [Sun], 2016, 2:28


 最近「カエルの楽園」が売れている。本屋に大量に平積みされている。読んだ方もいるかも知れない。僕もずっと前から気になっていた。アマゾンレビューも大絶賛。ほとんどが高評価。この謎の小説。いったいどんな話なんだろう。と思って読んでみたら「動物農場」的な風刺劇。なんだけど、私は正直、この小説を好きではない。以前、永遠の0を「気持ち悪い」と言ったことがあるが、あの濃いメッセージ性が生理に合わないのかもしれない。どういう話かというとね。紛争から逃げ出したカエルが主人公なんです。で、そのカエルが、あるときめっちゃ平和なカエルの王国にたどり着くわけ。そのカエルたちは平和が大好きなの。「平和を守ろう」ってずーっと唱えてるわけ。戦争で死んだんです。たくさんのカエルが。だから、もう隣国と喧嘩しない! 二度と戦争をしない。武器を持たない。隣国にはすぐ謝る。そういう平和主義の世界で生きているんです。それを見て主人公はびっくりするわけ。「こんな平和ボケでいいの!?!?」って。外には、ウシガエルっていう獰猛なカエルがウヨウヨいるんですよ。このウシガエルがカエルたちを食べようと狙ってるんです。それなのに「平和が一番」や言うてる。徹底して不戦主義を貫いてるカエルたち。ウシガエルが王国に近づいてきている。なのに「武器を持たない」カエルたち。ウシガエルが迫ってくる。さあ、カエルたちの運命は・・・という話なのだが、百田尚樹の終末予想図が描かれた寓話なのである。「いまの平和は戒律のおかげだ」と思っているわけよ。カエルたちは。でも、じつは強い鷹がいて、そいつがカエルたちを見守ってるんですよ。むかし鷹とカエルが大喧嘩したんです。それで怒った鷹の返り討ちを受けたカエルが「もう戦争はしません」っていう戒律をつくったと。ところが実はそれ鷹がつくった戒律で、二度とカエルたちを刃向かってこないように押し付けた戒律なわけよ。この押し付けられた戒律が、憲法で。鷹はアメリカのことなんだけど。
 この小説を好きではないと思った理由は、ラストのオチである。ネタバレするが、ものすごく嫌な感じのラストなのだ。
 ラスト、ウシガエルが攻めてくる。そのとき9条派のカエルたちはどうするか。なんとウシガエルと結託して戦おうとするカエルたちを弾圧し始めるというブラックな展開が始まるのである。
 9条守ろう派のカエルの首領は、もう完全にアホな悪党カルト教祖としか描かれていないのだ。そしてこのウシガエル。これがまた中国なんだけど、いや、もちろん寓話だから名指しはしてないんだけど、そこがまたずるいというか「あの国ね」を脳内に連想させる手法は、なんか妙に嫌な感じがしたんだ。9条派と、中国を模したウシガエルが、もう胡散臭いほど悪魔化(デモナイゼーション)されすぎなのである・・・。
 「危機意識」というより「恐怖」が伝わってくるんだよね。いやね。べつに「自分の国を守ろう」という祖国を守る意識を持つことは大切なことだとは思う。外敵に対して警戒したり「恐怖」を感じるのも人間のまっとうな感情だと思う。でも、そういう感情は「特定の国」じゃなく「個々の人間」に向けられるべきだと思う。「特定の国」とか「特定の民族」に向けているから、だから読んだあとで、気持ち悪さしか残らなかったんだよね。面白い小説だったけど、あまりにもオチがきな臭かったので、生理に受け付けない小説でした。
 


 



 
 
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