雨の日(浦雨) 

May 22 [Sun], 2005, 13:53



















――  雨  の  日












一粒。


私の頬を打つ。


また一粒。


木の葉に落ちるのがはっきり見えた。


そして無数の粒が、ざぁっと音を立てて一気に降り出した。


頭上の雲のような色をしたコンクリートをじとじと濡らしていく。


――雨だ。



私にとって雨は不思議なもので、雨粒を見る度に神秘的な気分になったりする。


名前がそれだから。


私は雨粒?


違う、私は雨、ウルル。


とても不思議な、それでいて何だか愉快。


雨粒の大群が降り注ぐ。


私の体に筋をつくっていく。


冷たい。


「ウルル」


誰かが私を呼ぶ。


視線の先には見慣れた姿。


「…キスケさん」


傘を持った手がのびてきた。


「風邪ひいちゃいますよ?」


もう片方の手で私の肩を抱く。


「さ、中に入りましょ」


小さく頷くとキスケさんは優しく微笑んでくれた。



















後書き

浦雨です。
この作品でマイナーカプに目覚めました。【何
結構気に入ってる作品なんですが…どうでしょう?

最後(海燕) 

May 22 [Sun], 2005, 13:46















―― 最 後 (海燕)















目の前が霞んでいくのがわかる。



強く感じるのは痛みと冷たさばかり。



俺の身体を抱きしめる彼女のか細い腕が、唯一この世に繋ぎとめてくれるものだと思った。



もう限界だ。



じきに俺は動かないただの物になる。



誇りの為に戦って、打ち砕けた身体。



悔しい。



うっすらとそんな感情が浮かぶ。




















朽木……



声が震えてる。泣いてるのか?



泣くなよ。



お前が涙流したとこなんか見たことなかったよ。



何で今泣くんだ。



俺の悲しさを煽るだけだ。そんなの。



刺したことを悔いてんじゃねぇ。



恨んでなんか無い。



嬉しかったよ……




「心はここに置いていける…」





だろ?


泣かないでくれ。






















ごめんな。



辛かったな。朽木……















後書き

二部完結です。
こっちはかなりタイトル適当。思いつきませんでした…
海ルキ好きです。
また書きたいです。

我が侭(ルキア) 

May 22 [Sun], 2005, 13:22




―― 我 が 侭









暗闇、滴る赤。



僅かな月光でその不気味な色彩が目に映る。



飛び出た刃先。



痛々しいその姿。



降り出した雨が濡らす一面。



明るさと温もりを失った、貴方の身体は冷たくなっていく。



この方の身体を、徐々に蝕む冷たさが憎い。



貴方はどんどん離れていく。



身の冷たさに比例して遠くに………



私を置いていかないでと、貴方を引きとめることは出来るのだろうか。



我が侭を受け入れて。



最初で最後の我が侭を。





















…………なんて。



心の中で叫んでいる。



弱い自分。































「……心だけはここに置いていける…」



貴方の最後の言葉。



私の我が侭は受け入れてもらえた。



それは余りにも優しすぎる、貴方の最後だった。



私は貴方の心を欲したから。



優しすぎた言葉。



今は過去を思い出させるばかり。



痛い。














後書き

これ二部作品なんです。
海燕ver.に続きます。












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