山田あかねの一喜一憂日記

キノタヨ映画祭とイギリス
(記事数:19)

イギリス 犬の旅 ゴールデンの海で。

2011年01月04日(火) 00:31
2日ほどご無沙汰いたしました。

急遽、八ヶ岳の温泉地へ行ってまいりました。犬の牧場というところへも…。詳細はまた、あらためるとして、今日は、

「イギリス 犬の旅 最終章 ゴールデンレトリーバーの海で泳ぐ…」でございます。



ゴールデンレトリーバー発祥の地、スコットランドのグシカンから、車でやや南に下りました。



到着したのは、スコットランド南部のゴールデンのブリーダーさん宅です。



さっそく、くらくらするような光景を目にしました。



見よ、この集中力。



こんなふうにじっと見つめられたら、恋に落ちちゃいますよね。



私はすでに、犬の海に溶け込んでしまいました。



こちらの犬たちは数々のショーに入賞経験のある、美しい犬たちです。でも、性格も優しくてかわいかったです。

このあと、お庭を一緒に散歩させてもらいました。

お庭…といってもね…



この牧草地がみんなお庭だそうです。「庭」という言葉の概念を根底から変えないといけません。



広々とした庭で遊ぶ犬たち。

15頭いたって、これだけ広かったら、何の問題もないですよね。



走り回ったあとは、ゆったり、草を食んでいます。



すみません。再び、至福の時でございます。



お散歩から戻ると、倒れるように寝てました。

そんなわけで、あっという間のイギリス9日間でした。

(ブログの更新には時間がかってしまいましたが…)

ひとはなぜ、旅に出るのでしょうか。

…などど急にシリアスに問うてみますが、やはり、旅することには、大きな力があると実感しました。

普段の自分の場所から離れて、まったく違う世界に身をおいてみること。自分のなかで常識だと思っていたことが、覆される瞬間、さらに、知らなかったこと、はじめて出会うこと…

こういったことの連なりにより、いつしか、自分の内部でこりかたまっていたものが、静かに溶けていくように思えました。

数日前の日記に書きましたように、犬の魂に触れる旅と銘打って出かけましたが、世界中どこを探しても、ミニはいないということを理解しました。

そんなことはもちろん、理性的に理解しておりましたけど、頭で理解することがすべてじゃないんですね、たぶん。

特に「悲しみ」ってやつは、言葉ではない。体全体で受け止めるもんだと思います。

「もう、ミニはこの世にいないのだから、これ以上しくしく泣いても仕方がない」とわかっていても、悲しむことをやめられるもんじゃありません。

私は無宗教であるし、死後の世界も信じないし、よみがえりも、幽霊になって会いに来る…というようなお話も好きじゃありません。

でもさ。

だからって、悲しくないということではないんです。

時に宗教の力を借り、時に、天国を想像し、時に、夢のなかで会えると信じることでしか、悲しみを乗り越えることができない時期があるんだと思います。

それをわかった上で、ある意味、儀式のように、旅に出ました。それは、お葬式みたいなものでした。

誰に頼まれたわけでも、仕事でもないけど、「行かなくてはならない」と強く思いました。

どんなに遠くても、寒くても、費用がかさんでも、「行かなくっちゃ」という妙な使命感に貫かれた日々でした。

イギリスから戻った日、尊敬する社会学者の女性を囲む女子会がありまして、私は、成田からほとんど直行するようなかたちで参加しました。

そのとき、なんだか、自分自身が軽くなったように感じました。(いえ、まだ、悲しみはたっぷりたたえてはおります)。

いろんな方々と普通に話しができるようになっておりました。

すーっと、少し、呼吸が戻ってきた感じでした。

なにかが、自分のなかで、変わったのです。

それを決定づけた、小さな出来事もご報告したいと思います。

スコットランドのブリーダーさん宅を後にし、グラスゴーのホテルに向かいました。ここで一泊し、翌日、グラスゴー空港からロンドン、さらにパリへと乗り継いで、帰国することになっていました。

グラスゴーのホテル近くの中華料理店で、スコットランド最後の夕食を食べた時のことです。食事が終わり、給仕の方が、「フォーチュン・クッキー」を持ってきました。

フォーチュン・クッキーとは、小さなクッキーのなかに、未来を占う言葉が書いてあるものです。おみくじの入ったクッキーですね。

「ひとつ選んでください」

給仕の方に言われて、選んだクッキー。

さっそく、包装紙を破り、クッキーを割ってみました。そこから出てきたのは、こんなものでした。



なんと書いてあるかというと…

Now is the time to try something new.

今こそ、なにか新しいことを始めるとき……

びっくりしました。どすん!と来ました。

旅をしている間ずっと、「次にすべきこと」について、考えていたわけです。

自分にとっては大きな決断になるので、「どうしようかな」「無謀かな」「本当にいいのか」「なにか意味があるのか」などなど、問いかけていたのですが、このフォーチュンクッキーに後押しされた気がしました。

今こそ、新しいことをすべきとき…なんですね。

これにたどり着くための旅であったのだ…と思いました。もし、これがテレビのロケだったら、このクッキーは、「まとめ」に使いやすいなーと思ったほど…(笑)。

ミニのことを忘れたわけじゃありません。ふっきれたわけでもありません。

でも、自分のなかで、新しいなにかが、まわりはじめました。まだ、確信はありません。少しずつ、はじめたいと思っています。

それは、やはり、これほどの愛情をくれたミニ…そして、犬という大いなる存在へ、少しでもなにかを返したいということです。

今年は「犬」をテーマに、ひとつのことをしようと思っています。たぶん、それを映画にすると思います。ドキュメンタリー映画に。

ドキュメンタリーはテレビでたくさん作ってきたので、ちょっとは自信があります。根拠はないけど、「できる」予感がいたします。

そんなわけで、わたくしの、2011年の決意にかえて、イギリス 犬の旅をしめさせていただきます。

おつきあい下ってありがとうございました。

このあとは、今までとおりの普通のブログに戻ります。(つまり、犬ネタばかりではなくなります)。

もしよかったら、犬好きでここに来ていらっしゃる方も、続けておつきあいいただけると幸いです。

一月三日 深夜 (カレンダーでは4日です)  

LOVE DOG ?

犬、愛してる?




iイギリス 犬の旅 グシカン探訪

2011年01月02日(日) 03:48
昨日は、新年早々、湿っぽくなって失礼しました。

初詣でおみくじをひいたら、中吉。

古きをすて、新しきにつくがよろし

あまりひとつのものにこげつきて 役にも立たぬことを思ひわずらうべからず

元気を出して 捨てべきはすて 進むところへ進むべし

…とありました。

えーい、うるさいわい!

ひとつのことにこげつきていますとも。

役にも立たぬことを思い煩ってます、ずっとずっと。

元気は出ないし、進めるとも思えない。

でも、あまりに、今の自分を表しているようで、びっくりでした。

さて、昨日の続きです。

ゴールデンレトリーバーの発祥の地、ツイードマス卿のお城あとです。

あたりにはなにもありません。

360度パンを敢行しましたので、動画でご覧ください。カメラはiphone4でございます。


<リンク:>


さて、この荒れ果てた城を前にして、自分が考えたことを、しょうこりもなく、昨日、披露しましたが、その後も、グシカン山歩きは続きました。



静かな森のなかへ入っていきます。



川幅が大きくなってきました。ディファにとっては、慣れた場所です。



あっ、遠くに滝が見える。

このあたりではちょっとした名所の滝だそうです。



滝見台へ向かって、上っていきます。

結構、きつい傾斜です。



おお、もう少し。



先にディーファが到着。



遅れて自分も…。平然としているように見えますが、ぜーぜーと息が切れて、死にかけてました。

滝見台から下を見ると…



すごい勢いで、水が落ちてました。こんなところにダイブしたら、ひとたまりもありませんね。…しませんが…。

しかし、顔を上げて、まわりを見渡すといい景色です。



滝を見た後、森の中へ入っていきました。



このあとは、コテージまで、デイーファと前後しながら、森のなかを歩きました。

とてもすがすがしく、気持ちのいい時間でした。

だから、涙も自然と乾いたんですね…っていうか、涙も凍る寒さでしたけど。

翌日は、ツイードマス一族のツイード生地を求めて、老舗の洋服屋さんへ行きました。

お気づきの方も多いと思いますが、「ツイードマス」さんのツイードは、あのコートやジャケットの生地になっている、あの「ツイード」なんですね。
それぞれの家柄をあらわす、タータンチェックがあるように、それぞれの貴族をあらわす、ツイードがあるそうです。

…ならば、ここまで来たんですもの、ゴールデンを愛する末裔として、ツイードマス一族のツイードで、スカートの一枚を作ろうじゃありませんか。

そんなわけで、グシカンから車で2時間ほどの町へ行きました。

「近所よ」と言われて、2時間かかったんですよー。近所って言わないですよね?

外観を取り忘れましたが、こちらが店内です。



とてもすてきなファッションをした、おばあさまの姉妹が経営されていて、働いている方たちも、みんなおばあさまでした。

みんな、タータンチェックのスカートはいているんですよ。しかもそれが、すごいかっくいー。



基本がオーダーなので、生地がいっぱい並んでいました。

「ツイードマス一族のツイードを探しています」と言ったところ、それはすでに、作られていないことがわかりました。

ツイードマス家が没落してしまったので、仕方ないのかもしれません。

「けど。ちょっとだけなら残っているわよ。見る?」

ということで、見せていただいたのが、こちら。



まあ、すてき。これで、スカート作りたかったなー。

でも、記念にと、ほんのちょっと切れ端をもらってきました。うふ。

さらに、結局のところ、タータンチェックのキルトスカートも購入しました。(後日アップ)。

そんなわけで、今日はここまでです。

明日から、急遽、八ヶ岳の温泉とゴールデンがたくさんいる場所へ行くことになりました。

なので、ブログがアップできるかどうか。

それから、一応、書いておきたいなーと思ったことがひとつあります。

自分が飼っていたカナとミニという犬は、ゴールデンレトリーバーという種類でした。両犬とも、ゴールデンのよき資質を持った、美しくて、優しくて甘えん坊の犬でした。

だけど、私は、「ゴールデンレトリーバー至上主義」じゃありません。たまたま、愛した犬がゴールデンだった…というだけです。

カナとミニが、雑種でも、シェパードでも大好きだったと思います。いや、犬じゃなくても猫だったとしても、いや、もし、生まれ変わって、会いに来てくれるなら、ゴキブリだって、歓迎する。

家に帰ってきたら、ゴキブリのミニがブーンって飛んできたら、どうしよう。それはちょっとヤだな…

そんな話はともかく、ずっとゴールデンレトリーバーにこだわった旅をしてきましたが、それは、なにかポイントを絞らないと、前に進めないと思ったからでした。

とにかく、悲しみの坩堝(るつぼ)から、抜け出すために、ミニの面影求めて、ゴールデンレトリーバー発祥の地に出かけたのでした。

そして、昨日も書いたように、結局は、自分の心のなかに、ミニの姿を発見することになったのですが、そう思えるまでに、時間と距離が必要だったのだと思います。

グシカンのあと、スコットランド南部のゴールデンのブリーダーさん宅へお邪魔しました。

旅のフィナーレにふさわしく、たっぷり犬との時間を堪能しました。

以下、次号です。


イギリス 犬の旅 ゴールデンレトリーバー発祥の地

2011年01月01日(土) 03:32
あけまして おめでとう ございます。

年内に日記を更新する予定でしたが、ばたばたしているうちに年が明けてしまいました。

2010年度中に犬の旅のクライマックスを迎える予定でしたのに、間に合いませんでした。

このように、毎度、抜けておりますけれども、今年もよろしくお願いいたします。

…さて、新年の挨拶が終わったところで、さっそく、「イギリス 犬の旅 ゴールデンレトリーバー発祥の地」クライマックスです。



ゴールデンを交配したツイードマス卿の犬舎を後にして、ツイードマス卿のお城目指して出発しました。



この日の気温は、零下10度くらい。底冷えがしますけど、ディーファが一緒なら、大丈夫。



「早く、おいでよ」とディーファが振り返ります。

彼女のいつもの散歩道だそうです。



牛もいました。寒くないんでしょうか。



小さな川もありました。雪のせいか、水量は豊かで流れも速いです。



こんな感じで道は延々続きます。

しばらく行くと、遠くになにかが見えてきました。



もしかして、あれは、ツイードマス卿のお屋敷では…?

案内してくれているジェニーさんに聞くと、「そうよ。あれがお城のあと」

おお、三時間かかると思っていたら、30分くらいでした。

お城のほかに、滝や森の散歩道をめぐって、往復三時間って意味でした。

ほっ…。

ツイードマス卿のお城に近づいていく様子は、動画で、どうぞ。



さらに、細部を…



静止画でも、全景をごらんください。



すごく大きいです。そして、ほとんど、壁しか残っていません。



ツイードマスさん、犬に関しては熱心だったようですが、どうも、次第に経済的に困窮するようになり、没落していったそうです。

お城ごとに税金がかかった時代があって、税金を逃れるために、屋根を壊したといいます。屋根がないと税金の対象にならなかったんですね。

節税のために、壊されちゃったなんて…もったいないです。文化的価値(ゴールデン発祥の地としての)あるのになあ。

そんな話を聞きつつ、デイーファと記念撮影。



よくいうことを聞くよいコです。



裏側にもまわってみました。

あたり一面、雪景色。ほかにはなにもありません。

その様子を動画でごらんください。

…と思ったら、これ以上アップできないみたいです。(一日2コなので、これは明日)。

とにかく、まわりにはなにもない荒野のごとき場所に、ツイードマス卿のお城は忽然と立っていました。

かつてはグシカンの中心として、ひとびとが訪れ、狩をしたり、舞踏会をしたり(これは想像)、賑わっていたのでしょうか。

さて、これで、念願であった、ゴールデンレトリーバー発祥の地に立つことができました。

吹きすさぶ風、張り詰めたような冷たい空気、壊れ果てた城。

これらを前にして、自分は何を感じたのでしょうか。

犬(ゴールデンレトリーバー)のソウルに触れることができたんでしょうか。

犬好きだけに許された、ひらめき、天からの声、なにかが聞こえたんでしょうか。

少し恥ずかしいですが、この日の夜、コテージで書いた日記(ブログ用ではなく、まったくの個人的な日記)をここに引用したいと思います。

その時の気持ちがよく現れているので。

これにて、今日のブログは終了です。明日から、おまけとして、帰りに寄った、ゴールデンレトリーバーのブリーダーさん宅の様子をご紹介します。15頭の犬たちに囲まれて至福でした!


12月10日 スコットランド グシカン トミックムラ

ゴールデンレトリーバー、発祥の地を訪ねて。

インバネス空港から車で3時間くらいの村、ツイードマス卿の屋敷あとのある場所を尋ねる。到着時は、夕方だったので、すでに真っ暗でなにもわからなかった。インバネスの街中は、北の町らしく、ちょっとさびしげに感じた。

パリやロンドンから比べると、なにもかもがこじんまりしていて、暗いトーンで時間が止まったように見えた。

村について、コテージに入った。3つのベッドルームのある豪華な一軒や。でも、寒い。

コテージに泊まり、朝は7時には目覚めるも、寒くてベッドから出られない。結局、起きたのは9時すぎ。朝食のあと、犬舎だったという場所を訪ねる、現在は、コテージのオーナー夫妻の住居となっている。内装はとても豪華で清潔。かつて、そこが犬舎であったとはとても思えない。面影もない。

当時は犬のために床暖房が施され、使用人は犬舎の二階で生活していたという。近くに、犬のための湧き水があったことから、ここを犬舎にしたという。現在は、その湧き水は埋め立てられているらしい。真価のほどはわからない。

次に雪道を2〜30分ほど歩き、ツイードマス卿の屋敷あとに行く。廃墟になっている。
まわりにはなにもなく、ひたすらの雪原。四階建ての屋敷だったらしい。1868年にゴールデンが交配されたという。ノースというイエローーレトリーバーと、スパニエル種が交配され、4匹のゴールデンの始祖が生まれたらしい。

それらの事情を思い浮かべつつ、屋敷の周りを歩く。写真をたくさん撮りながら思うことは、ここは、ミニの先祖の場所なのだ…ここで生まれたゴールデンレトリーバーという、美しくも賢い犬種が海を渡り、何代もの時を経て、私のところへやってきたのだ…という感慨であるけれども、でも、一番感じたことは、ミニの故郷は紛れもなく、私とミニが暮らしたあの白金のマンションであり、ミニの居場所は今までもこれからも、私の心のなかなのだということを思う。

日本から何十時間もかけ、ロンドンから、さらに飛行機に乗り、車を走らせ、ガイドを雇い、多大な時間とお金と労力をかけて、はるばるスコットランドの地にやってきたけれど、そこでわかったことは、ミニと私の関係のかけがえのなさである。なにもここまで来なくても、ミニはずっと私の心のなかにいる。そのことを強く思った。

しかし、そのことを確認するために、ここまで来たのかもしれない。ミニはここにはいない。ここにミニの面影はない。たくさんの犬に出会い、触れて、一緒に歩いても、それはミニではない。ミニは唯一の犬であり、どこにもいないのだ。唯一の居場所は、私の記憶のなかだ。そのなかで、ミニは永遠に生き続け、私を励まし続け、たくさんの愛情をくれたこと思い出させてくれる。

ミニ、お母さんは今、あなたの祖先が生まれた場所にいるよ。ここで生まれた犬から、たくさんの時間を経て、あなたが生まれ、私と一緒に生きたこと。その奇跡のような幸せを感じるよ。

ミニ、聴こえてる?
ミニ、ここはとても寒いよ。もし、ミニも一緒だったら、寒くて一緒に震えたね。
今日、一緒に歩いた、ディフィと仲良くできたかな。一緒に歩きたかったね。
でも、ミニは雪の道なんか、長い時間歩いたことなかったから、びっくりしたよね。
でも、広々としたところは大好きだったから、飛び跳ねたかな。

こっちのパンやチーズを食べたかな。

ミニ、もう少し長く一緒にいたかったね。

本当にごめんね。あの薬を飲んでから、つらかったんだよね。苦しかったんだよね。
でも、私を悲しませないために、ずごくがんばったんだよね。
ありがとうね、ミニ。

あんたはいつも、私を楽しませてくれて、最大の愛情で迎えてくれた。ミニがいてくれたことで、どんなに幸せだったか。
あなたと生きた10年がどれほど幸せだったか、今になって思うよ。

本当にありがとうね。天国でカナと会えたかな。カナも大好きだったよ。カナのが強い子だったね。

カナ、ミニ、二人で楽しくやっていてね。そして、いずれ、私もそっちに行ったら、ずっとまた、一緒にいようね。広々とした原っぱを走ったり、海で泳いだり、体を丸めて、一緒に寝たりしようね。それまで、もう少し待っていてね。

カナ、ミニ、大好きだったよ。


イギリス 犬の旅 ゴールデンレトリーバー発祥の地

2010年12月30日(木) 00:58


ロンドンのケネルクラブで見つけた、古いアルバム。



写真に写っていたのは、ノースというイエロー^レトリーバー。1864年生まれ。

このノースの四頭の子犬が、ゴールデンレトリーバーの始祖だと言われています。

交配したのは、スコットランドの貴族、ロード・ツイードマス卿。

グシカンという地に、今もそのお城のあとや、犬小屋があると聞き、この地まで来たのでした。



こちらが現在のグシカン。メインストリートに10軒くらいの家しかない、静かな場所です。

夏は避暑地として混雑するそうですが、真冬の今は、ホテルも閉鎖中。

ということで、泊まったのが、こんなコテージ。



優に10人は泊まれる、広くて豪華な一軒家です。



こちらが、リビングです。夜は暖炉に火をともして、ゆっくり過ごしました。



こちらは、機能的で明るいキッチン。窓の外の雪景色を眺めながら料理しましたよー。



バスルームの床にはタータンチェックの絨毯が敷かれていました。さすが、スコットランド!

私の泊まった寝室はこんな感じ。



ピンクを基調としたかわいい部屋。ローラアシュレイとか、キャスキッドソン的な…。

天窓がありました。

このほかにもベッドルームが3つある、豪華なコテージでした。普通は一週間単位で貸し出すところを、3日だけお借りしました。しかも、コーディネーターと二人きりで…。

寒かったけど、優雅でした。

ここも昔は、ツイードマス一族の所有だったそうです。

さて、コテージの話はこれくらいにして、ゴールデンレトリーバーが暮らしていたという犬小屋へ行ってみましょう。

実は、借りていたコテージの隣でした。



昨日も書いたとおり、大きいです。犬小屋なんて呼んでいる場合じゃないです。立派です。さすが貴族の犬小屋はちがいます。



こちらが正面玄関です。両側の窓が、犬たちの暮らしていた部屋だといいます。

わくわく…!

なかに入ると…



キッチンです。(人間用)

実はここ、コテージの大家さんが、リフォームして暮らしている家なんですねー。

大家さんのジェニーが飼っている、ラブラドールレトリーバーの夫婦にまずは、ご挨拶。



白いほうが、ディーファといいます。とても人懐こいカワイイコ。

「ディーファってどういう意味?」とジェニーさんに聞くと、

電話などでスペルを説明するとき、

「AはアメリカのAとか、Bは、ブルーのBっていう風に説明するでしょう。私の場合、Dは、dogのDって言うから、それからつけたのよ」と教えてくれました。

ディーフォードッグから、ディーファ。(発音によっては、ディーフォとも聞こえます)

なるほど。Dはdogのdですよね。

私もこれから、dを説明するときは、DOGのDと言うことに決めました。

さて、デイーファの名前の由来に感心しつつ、いよいよ、犬舎見学です。

ドアを開けると…



長い廊下が続きます。ここもタータンチェックの絨毯が…。かわいいです。

ジェニーさんのセンスです。

並んでいるドアは全部、元・犬の部屋だそうです。

最初のドアを開けると…



バスルームに改装されていました。

でも、この一部屋に犬が何頭かで暮らしていたそうです。今ではそんな面影はありませんが、当時は、床暖房も施されていたそうです。もちろん、犬のために。

さて、次のドアです。



こちらはダイニング。すっかり、おしゃれにリフォームされちゃってます。

続いて…



おお、なんとゴージャスな部屋でしょう。

現在は、応接間です。

かつてここは、狩猟でしとめた獣を解体する部屋だったそうです。毛皮をはぎ、肉をそぎ落とす部屋…。

今は、そんな血なまぐさい雰囲気はゼロです。

ということで、以上が、元・犬小屋の現在の様子です。

びっくりですよね。犬小屋ではないです、立派に人間の住処というか。すっかりきれいに改装されちゃってました。

ちょっとだけ、残念でした。

もっとこう、「犬小屋っぽさ」や「犬の気配」を感じてみたかったです。

さて、気を取り直して、注目ポイントです。



壁の厚みを見てください。すごく分厚いでしょう。幅70センチくらいはありましょうか。

このコテージ、地元の石を積み上げてできているんですが、寒さ対策のために、壁を厚くしてあったんだそうです。もちろん、犬たちのために…。

私が訪れた時も零下何度かになってましたから。

さらに、心温まるエピソードを聞きました。

なぜ、ツイードマス卿は、この地に犬舎を作ったのでしょうか。

それは、ここに、犬の健康にいい、スプリングウォーターがあったから…だそうです。

スプリング・ウォーター…つまり、湧き水!

そんな……ゴールデンレトリーバーの健康にいい湧き水があるなんて…

それをミニに飲ませたい!と思いました。

いえ、もう、遅いんですけどね。

「今でもその湧き水はあるんでしょうか」

前のめりになって尋ねる私に返ってきた答えは、「ノー」でした。

すでに埋め立てられてしまったらしいし、具体的にどこにあったのかもわからないそうです。

なんて、もったいないんでしょう。

私ならその水を掘り出して、「グシカンのドッグウォーター」として売り出します。

このあと出かけた、ツイードマス卿のお城跡だって、放置されてて、崩壊寸前なんです。

自分だったら、「ゴールデンレトリーバー発祥の地」として、宣伝し、近くで、ゴールデンを育て、Tシャツとかグッズとか売っちゃいます。だって、自分がほしいくらいですから…笑。

まあ、冗談ですけれども、しかし、この地の方たちは、そのような日本人的な発想はせず、ゆっくり静かに暮らしていくことを選ぶみたいです。

元・犬舎を見学したあとは、ジェニーさんの案内で、ツイードマス卿のお城を見に出かけることになりました。

「どれくらいかかりますか?」と尋ねると…

「そうね、だいたい3時間くらいかしら」

「え?え?…3時間?…まさか、歩いて?」

「そう、歩いて3時間くらい」

「この雪のなかを?」

「そう、この雪のなかを」

なにか、問題ある?って笑顔でジェニーさんが答えます。

3時間、雪のなかを歩く…

ひえー!

コーディネーターと震えましたが、ここまで来たんです。3時間がなんだ、

フィールドトライアルでも、3,4時間、雪のなかを歩き回っていたんです。

犬が一緒なら大丈夫。それに、なによりこの旅の最終目的地です。

秋葉原で買ったノースフェイスのブーツに、靴用ホカロンを仕込み、ポケットには、遭難したときようの(オーバーだって…)チョコレートクッキーを忍ばせ、ジェニーさんのあとをついて、お城目指して出発しました。

もちろん、ディーファも一緒です。



ディーファが一緒なら、楽しいです。犬と歩くのは、本当に楽しいから。特にこんな森のなかを。

さあ、出発です。

どうなることやら…。

以下、次号です。

イギリス 犬の旅 スコットランドへ

2010年12月29日(水) 02:27
そんなわけで、ロンドン近郊の空港をたち、イギリスの北端、スコットランドのインバネス空港へ向かいました。



インバネス空港を背に、ミニに似たぬいぐるみを抱いて立つ自分。

冷静に考えると、「なにやってんだ?」って話です。

天気予報では、零下20度とも言われた、極寒の地に、なにをしにやってきたのか。

日本でいうと、北海道の釧路とか青森みたいな場所でしょうか。北の雪深い土地です。



レンタカーで夜の雪道を走ります。



居酒屋から演歌が聞こえてきそうな北の町です。

普通のタイヤでしたが、「天気だけは味方」の私。雪道も問題なく、車は進みます。(って、運転してたのは、コーディネーターさんですけどね…)

走ること3時間。

かなり夜が更けて、目的地、グシカン村に到着しました。

以下は、翌日撮影したグシカン村の風景です。



ここが村の入り口で、道の両側に転々と建物があります。



こちらがホテル。でも、冬の間は、休業中でした。



こちらは郵便局。かわいいです。

青森空港から車で3時間くらい入った、村を想像してください。グシカンはそんな場所です。

グシカン村は、かつて、ツイードマスという貴族の所有地であり、この村で、世界初のゴールデンレトリーバーが生まれたわけです。

いわゆる、ゴールデンレトリーバー発祥の地です。

そういう気持ちで、グシカン村のメインストリートを歩きます。



するとありました、ツイードマス卿の噴水…かつてこの村がツイードマス卿の所有であったことが記されています。



このひとが、ツイードマスさんですね…そして…あ!



これは犬?それとも狼でしょうか。どっちにしろ、「犬的」なものです。さすが、ツイードマスくん、犬好きだったんでしょうね。



こちらは、ツイードマス卿のイラスト。おしゃれな貴族さんです。



新聞「ヴァニティフェア」に、「ゴールデンレトリーバーを作った男」として掲載されたときの記事。

これらの情報を元に、ツイードマス卿が暮らしていた城、そして、ゴールデンレトリーバーを育てていた犬舎…つまり、犬小屋をこれから訪問するのです。

うひゃ。

しかし、長くなりましたので、今日はこの辺で。

ちょっとだけ、ご紹介すると、こちらが、元・犬小屋!



思いのほか、大きいでしょう?



そして、グシカンで出会った、ディーファという犬。(ラブラドールだけど)。

ディーファと一緒に、ツイードマスのお城跡に行きました。

果たして、そこで、犬の魂に触れることができたのか…。

以下、次号です。

イギリス 犬の旅 ゴールデンレトリーバークラブ

2010年12月27日(月) 00:34
昨日の日記では、ミニへの思いがはじけてしまい、かなり感情的になりました。

そのせいか、心配してくださる、心温まるやさしいメールも何通か、いただきました。(返事はあらためて書きます)。

しかし、そもそも、イギリスへ行ったのは、単なる観光旅行ではないのです。おいしいものが食べたいとか、名所旧跡が見たいとか、お買い物がしたいとかではなく、とにかく、発作的に「ミニを思う旅」がしたかったのでした。

そうしないと、精神を正常に保てそうになかったし。

ひとつのテーマを持って、調べて、取材する…というそれなりに能力と体力のいることをすることで(もちろん、財力もいります)、ほっておくと嘆き悲しむことにつかってしまうエネルギーを変換することで、精神のバランスを保とうとしたのだと思います。

仕事がら(小説を書く、テレビ番組を作る)、おのれのマイナス感情を創作物というプラスに昇華させる…という行為を長らくやってきたので、ミニをなくしたとき、このままでいたら、危ない…自分のなかで危険信号が働き、決断させたのだと思います。

だから、ニコニコ犬の場所を訪ねているようで、ふっと深い闇に落ちてしまうのでした。

…と暗い前フリはこれくらいにして、ケンブリッジ近郊の動物病院をあとにして、向かったのは、サリー州で開かれる、ゴールデンレトリーバーのクリスマス会でした。

残念がならこの催しの写真はありません。17頭の仮装したゴールデンが登場して、身もだえするほどかわいかったのですが、会の主催者から、肖像権の問題などの理由で撮影は許可してもらえませんでした。

でも。楽しかった。私の気持ちは愛らしい犬たちへの思いに満ちました。

この会は、ショーにゴールデンを出場させている方たちの集まりで、なので、みんな、4,5頭はゴールデンを飼っていて、キャリアも何十年という強者(つわもの)ばかりでした。

でも、ゴールデンという美しくて甘えん坊の犬を愛するひとたちはどこか似ていて、犬も連れていないのに、すぐに打ち解けました。

犬たちは天使だったり、サンタだっりの仮装をして、飼い主と一緒にゲームを楽しんだり。

イギリスらしくミルクティーとお菓子で楽しい夜を過ごしました。

私が2ヶ月前に犬をなくしたことを話すと誰もが、「悲しいね」といって、やさしく抱きしめてくれました。

そして、仲間の証に、クラブのバッグをいただきました。



楽しかった!

この日、泊まったのは、こちらのホテルです。



ロビーはこんな感じ。



お部屋は、カントリースタイル。ハロッズで飼った犬のぬいぐるみを置いてみました。このコ、どこかミニを思わせたので、旅の友としてバッグに忍ばせておりました。



紅茶セットも常備されていてよかったんですが、このホテル、どこか変。



アガサクリスティーのミステリーに出てくるみたいな不思議な雰囲気がありました。

まず、部屋に電話がなかったんです。

コーディネーターさんから電話をもらう約束をしていたのですが、いくら待っても電話が来ない。それで、ふと気づいて、部屋の中を探したけど、どこにも電話がない。

携帯からコーディに電話すると、「ずっと呼び出し音が聞こえてた」って言うではありませんか。

フロントに電話して、電話機をつけてもらいましたけど、「どこいったんだろう?」なんてフロントのひとも言ってるくらい。

夕食は、イギリスらしく、フィッシュアンドチップスをいただきました。



翌朝のダイニングの様子です。



なんか、ミステリー小説の舞台っぽいでしょ?

朝食のあと、ホテルの庭を散歩しました。



朝なのに、この暗さ。

ブルっと震えて、ホテルに戻ろうとしたら、どこの扉も内側から鍵がかかってもどれません。

窓辺にはりついて、通りかかったホテルのスタッフに中にいれてもらおうとしましたが、誰も通らない。

ダイニングからロビーへいたるまで、誰もいない。

わーミステリー映画っぽいと面白がっていられるには、寒すぎました。身の危険を感じ、庭を出て、ホテルの正面玄関に回って、ようやく部屋に戻ることができました。

とにかく、ひとけの少ないホテルで、ダイニングではたくさんのひとが朝食をとっていたのに、ほかには誰もいないんです。

もしかして、朝食を食べていたのは幽霊?って思えるくらい。

これもまあ、旅の良き思い出といたしましょう。

さて、そんな経験のあと、ロンドン郊外のルートン空港まで再び車で戻り、いよいよ、スコットランドへの空の旅です。



こちらは、空港の様子。

数日前まで、スコットランドのインバネス空港は雪のため閉鎖されていました。だから、飛ばないかもしれない…としきりにコーディーは心配していたのですが、「天気だけには恵まれる」私。

ちゃんと飛びました。

そして、スコットランドでのロングドライブも、雪道を3時間…走れるかしら…とまたしてもコーディーが心配していましたが、無事、走りきりました。

この時期、イギリスは記録的な寒波に襲われ、ミニのDNAの故郷までたどり着けないのではないかと危ぶまれましたけど、私の「お天気体質」とミニやカナ、犬たちの導きにより、ちゃんとたどりつくことができました。

犬の神様ってやっぱりいると思った日々。

明日からは、スコットランドでのお話しです。

ゴールデンレトリーバーをこの世に誕生させた、ツイードマス卿のお城のあと、最初の犬小屋、などなどを訪ねました。

そこで、私が出会ったのは…。

ゴールデンレトリーバーのソウル?

それとも…。

以下、次号です。

イギリス 犬の旅 動物病院

2010年12月26日(日) 01:28
クイーンの村、サンドリングハイムで、フィールドトライアルを見学したあと、ケンブリッジのコーディネーターさん宅に一泊し、翌日、ハードフォード州にある、動物病院へ行きました。



一見、のどかな家々に見えますが、ここが、イギリスでももっとも大きいといわれる動物病院『Davies Veterinary Special Limited 』です。

獣医さんは34名、ナース50名、90頭の動物が入院可能だそうです。

いわゆる街の動物病院ではなく、referal hospital…動物病院からの紹介で行く、より高度な治療を受けられる病院だそうです。

重い病気にかかった動物は、町の獣医さんから紹介され、ここへやってくるのです。



ここが待合室。小さなホテルのロビーのようなアットホームな雰囲気です。

院内を案内してもらいました。



院内に入ると、人間の病院のように、白い廊下が続きます。



ここは、MRI だっけ、CTだっけ。とにかく、そういう高度な診察のできる場所です。



レントゲンもあります。

最新の設備がそろっています。ほとんど人間と同じレベルの治療が受けられるといいます。



治療中のかわいいコ。



ここも治療中。



入院中の方も。



こちらからは、じっと見つめられました。せつないです。

こうして、院内を一周したあと、ひとりの医師と面談しました。

この旅の目的は、ミニのDNAの故郷を見に行く…というものですが、もうひとつの目的に、「果たして、ミニの受けた治療は最善だったのか」という問いの答えを探す…というのもありました。

いや、最善であったとは、正直思っていません。自分のなかでずっと、「抗がん剤治療を受けなければ、もうすこし生きて、あんなに苦しまずにすんだのではないか」という思いがありました。

答えを求めて、都内の動物病院3軒にいきましたが、明確な答えは得られませんでした。

というのも、ミニの最終的な治療をしてくれた日大動物病院は、国内でも有数の動物病院として知られており、そこで行われた治療を批判する獣医さんなどいないからでした。

けど。

本当にそうなんだろうか。果たして、ミニに使われたロムスチンという抗がん剤は、どれほど有効だという実績があったのだろうか。

この問いに答えてもらうべく、イギリスの動物病院を訪れたのでした。

ミニのカルテ、レントゲン写真なども持参し、面談の前には、コーディネーターさんと、ミニの病名などを英語で説明する方法などを相談もしました。

お話をしてくださった獣医のJさんに、まずは、イギリスでの動物病院の状況などについていろいろ伺いました。

その結果、日本とはちがうなーと思ったのは、ほとんどの犬が(犬の飼い主)が保険に加入していること。その数は8割ほどだそうです。

また、輸血システムのちがい。犬の献血をしているチャリティ団体が少なくとも2つはあり、そこから新鮮な血液を補給することができるそうです。凍結して、一年くらいは保存できるそう。だから、輸血する血がない…なんてことにはならないようです。

ミニは、日大病院に入院中、「これ以上、おたくの犬に輸血できる血はない」と宣言されて、追い出されましたから、イギリスの献血団体の話には胸を打たれました。

日本にもこんな団体があれば、ミニはもう少し生きられたかもしれない…。

その後、いよいよ、ミニの病状を話し、「もし、この病院だったら、助かったのでしょうか」という一番聞きたいことを聞きました。

答えはノーでした。

組織球肉腫と血管肉腫という死に至る病を持っていたのですから、当然かもしれません。

余命三ヶ月から半年という診断は同じでした。

が。

一番ちがったのは、こちらの獣医さんの言う、「生きる質」についてでした。

獣医として犬に対するとき、なにを一番大切にするかといえば、いたずらに寿命を延ばすのではなく、犬としての幸福、飼い主の思いを最優先させる…とのことでした。

そのため、ここへやってきた飼い主さんとは、最低1時間くらいは話し合うといいます。

その話し合いのなかで、最善とはなにかを一緒に考えるんだそうです。

犬によっても、飼い主によっても、その答えはちがうといいます。だから、とことん話し合う。

ちなみに、日大病院で抗がん剤を勧められたときの診療時間は10分ほどでした。…迷う暇もなく、考える時間もほとんどなかった…。

あっという間に抗がん剤使用が決められ、ぼーっとしているうちにミニは、投与のための部屋に連れて行かれました。

ミニが使用したロムスチンという抗がん剤についても、イギリスの獣医Jさんに話を聞きました。

彼は慎重に言葉を選びながらも、「ロムスチンは、組織球肉腫には効く可能性のある薬だが、血管肉腫に使用すると、内出血を起こし、貧血となる。使用する際は、気を使う」と答えました。

ミニは、内出血を起こし、ひどい貧血を繰り返してなくなりました。それは心臓に血管肉腫があったからなのですが、もちろん、それは亡くなった後、解剖してわかったことです。

なので、血管肉腫があったにもかかわらず、無理やり使った…とはいえませんが、それでも、少しでもそんな可能性があるなら、使わないか、様子を見るか、少なくとも、飼い主には、もっと詳細を説明してほしかったです。

「血管肉腫なら使わない…貧血を起こす」といわれた瞬間、ミニが何度も貧血で倒れ、真っ白なきれいな皮膚にただれたような内出血が広がっていた様子を思い出し、意識を失いそうになりました。

そうか、やっぱりそうだったのか。

もちろん、すべてはあとの祭りです。その時点では日大の獣医師にはそこまで想像できなかったのでしょう。あるいは、そういう知識がなかったのかもしれません。

私が、ショックを受けているのを見ると、Jさんは、「悲しい気持ちにさせてしまいましたね。ごめんなさい」と言って、しばらく黙り、私が回復するのを待ってくれました。

たぶん、この獣医さんは、自分の犬が助からないと知って悲しむ飼い主たちをたくさん見てきたんだなと思います。そして、そういうとき、とりあえず、一緒に回復する時間を過ごす…のではないでしょうか。

診療技術については、もしかすると日本の動物病院もかなり進歩しているのかもしれません。イギリスで訪れた病院なみに、 MRIやCTがあるところは、日本でも珍しくありません。かなり高度な医療を受けられるようになっていると思います。

でも。やっぱりちがう。

それは、犬の病気について、1時間話してくれる獣医さんがいないことです。それほど親身になって相談にのってくれるひとがいないことです。

(いえ、どこかにはいらっしゃるのかもしれません。しかし、自分は東京のどまんかにいて、かなり信頼されている動物病院をいろいろ訪ねての結果を言っています)。

この後、車でさらに3時間ほど移動し、サリー州のゴールデンレトリーバークラブのクリスマス会に出席することになっていました。

本当ならもっとうきうきしていいはず。

でも、「ロムスチンは内出血と貧血を起こす」という言葉が頭のなかで何度も繰り返され、ミニの笑顔と苦しんで死んでいった様子がよみがえり、なにも話せないほど落ち込みました。

でも、自分はこれを知るためにここに来たんだ、知ったからといって、今更ミニが戻ってくるわけではない。でも、知りたかった。自分の疑問をそのままにしておけなかった。

ようやくおさまっていたミニをなくした悲しみがぶり返し、ちっともいいことなかったんですが、たとえ、傷口を開くことになっても、知りたいことは知りたい…という自分の愚かな思いにつきあった一日でした。

しかし、夜、ゴールデンレトリーバーが17頭も集まったクリスマス会に出席して、気持ちは少しずつ、ほぐれていきました。

もちろん、そこには、ミニはいなかったんですけどね…。

イギリス 犬の旅 狩猟2

2010年12月25日(土) 02:35
そんなわけで、レトリーバー種がたくさん参加すると聞いて出かけた、フィールドトライアルの様子。

出場した、飼い主さんとレトリーバーたち。



笑顔の素敵なおじ様は、忠実なゴールデンくんをつれていた。



見よ、この真剣な瞳。「あなたしか見えない」って犬のためにある言葉だと思うよ。



出場はしないけど、愛犬と見学に来ていた女性。



白ラブくんは、結構な高齢で、前は出場していたという。



そして、黒ラブくんとご主人様。



こうして始まった狩猟のショー…みたいなもの。動画でごらんください。

ただし、かなり遠くからしか撮影できないので(危険だし)、わかるかどうか。



狩人が獲物を撃つ。

そして、それを狩猟犬(回収犬)がとりにいく。

こちらが、獲物。野生のキジたち。



けっこう、残酷な遊びではある。

それをみんなで見るのである。



また、ゴールデンを見つけたので、声をかけた。



ゴールデンは甘えん坊だ。飼い主にしきりに抱きついてた。で、わたしも…。



抱きつかせてもらった。超ハッピー。

やっぱり犬が大好きだ。



みんな車で来ているんだけど、こんな車もあった。



犬がいるのは、こっちかな。



そんなわけで、朝からお昼まで、犬の仕事ぶりを堪能した。

レトリーバー種は、こういう原野で、走り回って生きてきたんだなと思う。



そう思うと、狭い東京のマンションで、ぎゅーぎゅー詰めで暮らし、小さな児童公園に通うくらいしかできなかった、ミニとカナに申し訳なく思う。

こういう場所を思い切り走らせてやりたかった。

あ…でも、ミニとカナのために、逗子の家を持っていたんだし、海にはいっぱい行ったから許してもらえるかな。

それと…この原野にいるとき、懐かしい臭いを何度もかいだ。同じレトリーバー種のせいなのか、犬たちが、落としていく排泄物が、ミニのものと同じ臭いを発していた。

普通のひとなら、犬の排泄物の臭いなんて、かぎたくもないだろうけれど、私にとっては、懐かしい臭い。

すぐそばにミニがいるような気がして、ちっともいやじゃなかった。

だから、犬の落し物にまったく注意しないで、ガシガシ歩いた。

(犬は排泄し放題だったので、そこら中に転がっていたのね)

厳しい寒さだったけど、すごく生き生きした。4時間くらい、原野を犬とその飼い主さんたちのあとをついて歩きました。

ゴルフのギャラリーみたいな感じでした。

午後は、再びロングドライブ。ケンブリッジ近くまで、もどって、翌日の、動物病院訪問に備えました。

それはまた、次のお話です。

そして、イギリス一と言われる動物病院にて、ミニのカルテを見てもらったのでした。

そこで、衝撃の事実が……!

また、明日です。

イギリス 犬の旅 狩猟

2010年12月24日(金) 00:07
昨晩は、「名曲探偵アマデウス」の忘年会で、朝の5時まで遊んでしまった。楽しかったからねー。

久しぶりにたくさんのひとと話をしました。

てなわけで、イギリス旅模様に戻ります。

ロンドンから車で4時間走って、クイーンの村、サンドリングハムに向かいました。



すでに雪道。

到着したのは、夜の9時過ぎ。泊まったのは、こんなホテル(翌朝、撮影)。



お部屋はこんな感じ。ロンドンに比べて、カントリーっぽいたたずまい。



バスルームは普通。



夕食は、スープとえび。夜遅いので質素にね。





暖炉の炎を見ながらゆっくりと…。



そして、翌朝、とある原野へ…。



ひとびとの行進が始まっている。

これは何?

よおおく見ると、お犬様を連れているひとが多い。



お目当てのゴールデンレトリーバー種もいる。



声をかけると…



私のほうを見て、わらってくれた。

これはフィールドトライアルというもの。

狩をして、その獲物を犬たちが取ってくる様子を競うもの。その大会を見学しに行ったのでした。

出場する、犬とひとが一斉に並びます。



このあと、「パン!」と銃声が鳴り響き、獲物が撃たれ、すると飼い主が号令をかけて、犬が獲物を取りに行きます。

この様子は、明日、動画も含めてご報告します。

朝の8時から、氷点下の原野で一日中行われていました。

私は、朝からお昼まで、見学して、狩猟犬たる、ゴールデンレトリーバーの活躍を見学したという次第。

100頭以上出場してたけど、一番多いのは、ラブラドールでした。ゴールデンはわずか3頭。

きりっとした性格で働きもののラブラドールと違って、ゴールデンって甘えん坊さんだからねー、こういう競技はそんなに向かないのかもしれません。

でも、新鮮な体験でした。

以下、次号です。

イギリスの旅、閑話休題

2010年12月22日(水) 01:11
イギリス犬の旅について、お送りしております。

今日は、ちょっと「犬」をお休みして、ホテル事情など。

パリからユーロスターに乗って、ひとりでロンドン入りしました。

着いたのは、こんなホテル。(The Bloomsbury Htoel).



大きなクリスマスツリーに出迎えられて、うれしかった。



部屋はこんな感じ。

前日までいたパリのホテルとは赴きがちがうけど、いい感じ。ひとりきりなのがもったいない。



バスルームは機能的でシック。

そして、なによりうれしいのが、このセット。



イギリスはどこのホテルに行っても、この「紅茶セット」が常備されている。

バスルームの水でポットでお湯を沸かし、好きなときに好きなだけ、紅茶が飲める!

ちゃんとミルクもついているし。

水のせいなのか、イギリスで飲むミルクティーって本当においしい。

御茶ノ水博士(いつもお茶を飲んでいる自分のこと)なので、この紅茶セットがあることは非常にありがたい。

いつも、携帯湯沸かし器を世界中に持って歩いているけど、イギリスだけは出番がない。

サイコーだ。



この夜は、ひとりだったので、ホテルのバーにて、夜ご飯。



パリでの暴飲暴食を反省して、質素にスープとパンにしました。

っていっても、ブログではパリの美食報告をしていないから、あまり通じないかもしれませんが。

とにかく、いろいろ食べてしまって…でも、映画と犬が自分にとって、最大のテーマだったので、そこらへんはアップしてませんでした。

またの機会に。

そんなわけで、この翌日、ハロッズ→ケネルクラブ→バタシードッグアンドキャッツホームに行ったのでした。

そして、バタシーのあと、ロングドライブ(4時間!)もかけて、サンドリングハイムという女王さまの町へ行きました。

そこで見たのは、レトリーバー種大活躍の、「狩猟」だったのです。



以下、次号です。

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