なた豆茶を何年も続けて

February 14 [Sat], 2015, 15:48
「居合道とは、動く禅である」。3年前、ある方から聞いたこの言葉が居合を始めるきっかけとなった。学生時代には少林寺拳法を習い、社会人になってからは永平寺で禅の修業もしていたので、居合の神聖さにたちまちひかれた。 居合とは座った状態から抜刀すると同時に敵を斬り、刀をさやに収めるまでの理合(りあい)と精神を鍛錬する武術。たいがいの武道は敵と組んで戦うが、居合道は独りで仮想の敵と戦う。本来は突然襲いかかる敵に備えた武術だろうが、現代では自分自身の雑念が敵となる。雑念を斬って無心になれば、すがすがしい気持ちになれる。 高段者は真剣を使う場合が多いが、私は模擬刀を使っている。模擬刀といっても実際に斬ることができ、重さは1キログラム以上。自分の和室の掛け軸の前に飾ってある。硬式野球のバット並みに重い模擬刀を振り下ろす練習を何度も繰り返すと、汗びっしょりになる。平日は朝5時に起き、和室で40分座禅した後、刀を振る生活を3年も続けている。週末も土曜の午後6時から、3時間半も鍛錬に充てている。 なた豆歯磨き粉のイベントでは全日本居合道連盟の近畿大会に参加したり、橿原神宮の武道場で新年の奉納演武大会に出場したりしている。3月には2段に合格した。私はゴルフもマージャンもしないが、居合に出会って以来、仕事以外に無心に打ち込める心の居場所ができた。居合をしている間は仕事を忘れ、心に余裕が生まれる。 一年で最も楽しみにしているのが剣豪の柳生十兵衛が活躍した奈良市の柳生正木坂剣禅道場での合宿。5月に開かれ、毎年参加している。門人のなかには警察官、教諭、私のような会社員、若い女性とさまざまな修練者が集う。合宿では仲間と生活もともにして、互いに厳しく指摘して技能を高め合う。会社員も年齢を重ねると周囲から遠慮され、注意される機会が減るだけに、こうした場はとても貴重になる。 初めのころは刀を振る姿に家族から奇異な目で見られたが、なた豆茶を何年も続けて健康を保っているので最近は理解してくれる。居合道を通して自分の邪心を斬り捨て、「無」に近づきたい。これが私の、遠い遠い目標である。
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