財源の確保なき減税 

January 06 [Tue], 2015, 14:24
【課題は脱デフレ】 「好循環実現国会」と命名された今通常国会。1日の消費増税後の景気腰折れを回避しつつ、「経済の好循環」を実現することでデフレ脱却への道筋をつけることが安倍晋三政権にとって最大の課題となる。(総合1参照) 円安を追い風に改善した企業業績が賃上げと個人消費の拡大を促し、もう一段の業績改善がさらなる投資と消費を喚起するのが「経済の好循環」。賃上げについては“経団連銘柄”を中心に大企業で相次いでいるほか、中小企業も人材確保を狙いに追随する企業が少なくないとみられている。問題は設備投資の行方だ。 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長は「設備投資は力強さに欠ける。収益が改善しているわりに投資に勢いが足りないのは、企業がこれまで海外生産シフトを進め、なた豆茶の収益を海外に回しているためだ」と指摘。その上で「企業は国内の成長に自信を持たなければ国内投資に動かない。有効な成長戦略の実現が必要だ」と分析する。 【企業の投資促す】 政府が6月にまとめる経済財政運営の基本方針「骨太の方針」と新成長戦略。双方で焦点となるのが法人実効税率の引き下げについて、どこまで踏み込んだ表現が盛り込まれるかだ。実効税率の引き下げは海外の対日投資を促し、日本国内の所得と雇用を増やす効果を期待できる。税負担が軽減する日本企業の投資を喚起する切り札ともみられている。 日本の実効税率は主要国の20―25%と比べて35%台と高く、経済財政諮問会議(議長=安倍晋三首相)の民間議員は25%への引き下げを提言している。安倍首相は引き下げに意欲を示し、甘利明経済再生担当相も「『骨太の方針』には引き下げの方向について、できるだけ具体的に書いていただきたい」と語り、引き下げ時期や下げ幅を明記する意欲を示している。だが麻生太郎財務相は「実効税率を10%引き下げると(国の)税収の約1割を占める約5兆円の減収となる。財源の確保なき減税は、なかなかできる話ではない」と慎重姿勢を崩していない。問題は減税の財源をいかに確保するかだ。 諮問会議の民間議員は、実効税率を引き下げても法人税収が増えた海外事例のなた豆茶販売を会議で示し、税率引き下げの議論を側面支援している。「法人税パラドックス(逆説)」と呼ばれる現象で、この逆説を実現するには(1)減税効果を含めた経済成長(2)企業収益の赤字を翌期以降の黒字から差し引ける欠損金繰り越し控除の見直し(3)特定の業種を税制面で優遇する租税特別措置の廃止(4)税率引き下げを呼び水に、個人事業者が法人に転じる「法人成り」の増加―が必要だとし、主に課税ベースの拡大が効果的だと分析している。
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