食べてしまいたい、 

2013年05月10日(金) 10時02分
フレンの馬鹿曰く、俺の体は甘いんだそうだ。
どうやったらその考えに行き着けるのか。いっぺんその頭の中を覗いてみたい。
いつだったか前にそうフレンに話したら、

「僕の頭の中にはユーリしかいないよ」

そうムカつくくらい綺麗な笑顔で返されて、心底呆れた。

「ねえ、何考えてるの?」
どこか不満げな声に意識を引き戻される。ああ、そういえば今こいつと食事中だったっけ
手元を見ると、デザートのアイスが溶けそうになっていた。俺としたことが不覚だ
「何考えてたの」
フレンはなおも不機嫌な声でそう聞いてくる。拗ねた表情を隠そうともしない。
・・・これで本当に騎士団長なのか
だけどその表情を見ているのは俺だけなんだよなぁ、と思うと勝手に顔が緩んだ。優越感、ってやつだ
「ユー・・・」
「お前のことだよ、団長様」
人差し指をフレンの唇に当て、言葉を塞ぐ
「お前のこと考えてた」
そう言ってにっ、と笑うとフレンは大きく目を開いた後、ふっと笑い、己の唇に当てられた俺の指をとり噛み付いてきた
「いって!!何すんだよ!」
「何って・・・噛んだ」
「噛んだってお前・・・」
フレンは俺の手を離そうとせず、人差し指を噛んだかと思えば次は労わるように舐め上げた
「・・・何してんの」
「舐めてる」

それは見りゃ分かるんだよ!!!

そう喉まで出かけた言葉をぐっと飲み込むと、フレンはようやく俺の手を解放する。
「ユーリはさ、」
「あ?」
「本当に可愛いよね」

ぐっと体を乗り出し、耳元で囁かれる

食べちゃいたいくらい可愛い

見るとフレンの目はギラギラと輝いてて、肉食動物のそれを連想させた。
「何?俺はお前の食い物なわけ?」
至近距離にある青を見つめる。どこまでも深いその色に映っているのは俺だ
「そうだね。このままユーリを食べて僕のものにしちゃおうか」

そう言うフレンに俺は笑ってこう吐き捨てた

「残さず召し上がれ」



(食べてしまいたい、そう思ってるのがお前だけだなんて思うなよ)






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