誘拐犯から電話があった日 

April 29 [Thu], 2010, 18:06
犯人「○○さんだね。娘を預かってるんだが、返して欲しければ1000万円用意するんだ。」
男 「なんだと!娘を返してくれ!」
犯人「娘は返す。ただし1000万が交換条件だ。」
男 「それは困る。とにかく娘を返してくれ!話はそれからだ。」
犯人「はぁ? 娘を返してしまったら、それからの話なんてないだろ! お前は娘の命が惜しくないのか。」
男 「なんてことを言うんだ!子供の命が惜しくない親なんていないだろ! 返してくれって言ってるじゃないか。」
犯人「だったら、1000万を払うことだ。それが交換条件だ。」
男 「それは断る。とにかく娘を返してくれ!」
犯人「おい!お前は頭がおかしいのか? 1000万を払わないと娘の命は無いと言ってるんだぞ!」
男 「頭がおかしいのはお前だろ!誘拐なんてしやがって!」
犯人「何でもいいが、金を払わないと娘を殺すからな」
男 「殺さないでくれ!娘を返してくれ!」
犯人「だから、娘を助けたければ1000万円払えと、さっきから言ってるだろ!」
男 「だから、金は払えない。とにかく娘を返せと言ってるだろ!」
犯人「なんてヤツだ!娘の命よりも金が大事か!酷い父親だ!」
男 「お前に言われたくない!酷いのはお前だろ!人の娘を誘拐しやがって!」
犯人「確かに俺は酷いかも知れん。だが、支払いを拒否して娘の命を危険に晒してるのはお前だぞ!」
男 「はぁ?娘の命を危険に晒してるのはお前じゃないか!」
犯人「いや、確かにそうなんだが…、娘を救うために身代金を支払うのは当然だろ。」
男 「どこが当然なんだ?そんなことが当然だったら犯罪者はやりたい放題じゃないか!」
犯人「そんなことは言ってないだろ!普通は人質を返して貰うために金を払おうとするだろ?」
男 「じゃあ、お前は、万引きした品物を店に買い取れと言うのが普通だと思ってるのか?」
犯人「お前はバカか!人の命が懸かってるんだぞ!品物と人命を同列に並べて考えるな!」
男 「犯罪者のお前に言われたくない!」
犯人「あのな、よく聞けよ。お前が1000万円払わないと娘が死ぬんだぞ!」
男 「それだけは勘弁してくれ!」
犯人「だ〜か〜ら〜 だったら金を払えと言ってるんだよ!このバカが!」
男 「バカとはなんだバカとは! 俺は何もしてないだろ!バカはお前じゃ!」
犯人「…… ふざけるのもいい加減にしろよ!」
男 「娘を誘拐されてふざける親などいるか!」
犯人「だったら、娘の心配をしろよ。お前はさっきから娘の安否を聞こうとしないじゃないか。」
男 「心配しないわけないだろ!必死で返してくれって言ってるじゃないか!」
犯人「その必死さが伝わって来ないんだよ。」
男 「お前に俺の必死さが伝わらないからなんなんだ?伝わったら娘を返してくれるのか?」
犯人「ああ、その必死さを身代金という形で伝えてくれたら、娘は返してやる。」
男 「必死さというのは、俺の父親としての思いだ!それを金にしろだと? 親が子供を思う気持ちは金には代えられないんだよ!」
犯人「お前というヤツは恐ろしいヤツだな。単に身代金を払うのが惜しいだけだろ!」
男 「恐ろしい犯罪を犯してるヤツに恐ろしいなどと言われるのは侮辱だ!」
犯人「聞いたことに答えろ!お前は娘の命よりも金が惜しいんだろ?」
男 「金は惜しくない。お前に払うのが嫌だと言ってるんだ。」
犯人「嫌だと言っても、払わなければ娘が死ぬんだぞ!何度も同じことを言わせるな!」
男 「何度も同じことを言うな!それくらいわかってる。だから、娘を返せ!」
犯人「じゃあ身代金を払うんだな。」
男 「それは断る!」
犯人「いい加減にしろっ!」
男 「それはこっちのセリフだ!お前こそいい加減にしろ!」
犯人「なぁ、よく聞けよ。たかが1000万で娘の命が助かるんだぞ!安いもんじゃないか。」
男 「その、たかが1000万も無くて犯罪を犯したんだろ? 説得力がないんだよ。」
犯人「なんで俺がお前を説得しなきゃならないんだよ!こっちには人質がいるんだぜ。お前がおとなしく要求に従えば、娘はお前の元にに戻り、おれは1000万を手に入れることが出来る。お互いにとっていい話じゃないか。」
男 「どこがいい話なんだ? 娘は元々うちのもんだ。おれだけが1000万の損じゃないか!お前は万引きした商品を…」
犯人「ええぃ!やかましいわっ!」
男 「人が真面目に話してるのにやかましいとはなんだ!」
犯人「聞けコノヤロ!元々とかは関係ない!今、お前の娘は俺の手中にある。それを返す交換条件が1000万なんだよっ!」
男 「じゃあ何か?お前はレンタルビデオを借りておいて、元々店にあったことは無しにして、今は自分が持ってるんだから返却して欲しければ金を寄こせと言うのか?」
犯人「あーあーそうだよ。だから何なんだ? お前のビデオはどうなっても… バカヤロー!お前のせいで間違ったじゃねーか!」
男 「知るかよ。なんでも人のせいにしやがって、そんな性格だから誘拐なんてするんだ。」
犯人「お前に性格のことは言われたくない!」
男 「俺はいくらでも言えるだろ!被害者なんだからな。」
犯人「だがな、お前の性格もかなり歪んでると思うぞ。」
男 「お前にこそ言われたくない!」
犯人「マジで金を払えよこの野郎!」
男 「なんで払わなきゃいけなんだ? 娘がレンタルビデオだったとしたら、お前が料金を支払う側だろ!」
犯人「もう、レンタルビデオの話はやめろ!」
男 「おう!じゃあ、レンタルビデオの話をやめて欲しければ娘を返せ!」
犯人「わかったわかった!このままだと俺の頭がおかしくなる。俺の負けだ… 娘は返してやる…」
男 「返してやるとはなんだ!」
犯人「ツーッツーッ…」
男 「あ、切れた…」

それから、しばらくして娘は無事帰ってきた。しかし、あれ以来、口を利いてくれなくなった。
あの男のせいだ。よほど怖かったのだろう…
(え?)
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:aho-chiri
読者になる
2010年04月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
最新コメント
Yapme!一覧
読者になる